どういう訳か過去の人達と異世界に飛ばされた話

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楓恋と勝

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「あなた、さっきの話本当なの?
あなたは私たちとは違う世界の勝だって」
「……あぁ」
「それであなたの世界で私達を殺したってのも本当?」
楓恋は俺の目をじっと見ながら1つ1つ確認をしてくる。
「くどいぞ、全て本当だ」
「絶対うそ、じゃあなんで私をすぐに殺さないの?
なんで私達をこの世界に集めたの?
しかもあなたサラって子が負けるって分かってて吉沢と闘わせたでしょ。そしてセーラって子がシアに絶対勝てるって分かってた、違う?」
「確かに、吉沢は勝つしシアが負けるだろうとは思ってた。
それに俺は嘘なんてついてない、ただ1人1人殺すより全員の前で殺した方が良い、そう思っただけだ」
「それがほんとでこの世界を壊そうとしてるのならなんであなたの心は嬉しさ、喜びの幸せな気持ちで溢れてるの?」
「ッ!」
「私ね、わかるようになったの。
能力の都合上相手がどんな気持ちなのか。
怒ってる時は怒ってるって分かるし悲しんでる時はそうやって伝わってくる。
だから分かるの、勝は私たちに出会えて喜んでるって。
それはまた会えたからじゃない?
あなたは私達にまた会いたいと思ってこんなことをしたんじゃ」
「さぁな」
胸ポケットからタバコとライターを出し1本やりながら楓恋の質問を訊く。
「それにあなたはこんなことを起こした理由に「寂しかったから」といった。
あなたは本当に私たちとは違う世界の勝なのかもしれない。
でもそれはあなただけが生き残ってしまった世界の勝で私たちともう一度会いたいから勝が死んでしまった私たちを選んだ。
違う?」
………違うさ、楓恋。全て間違っている。
俺はお前たちと同じ世界の瑠璃川勝だ。
無能力者で子供の頃祖父から虐待を受け、北野を殺して海外に逃げて日本に帰ってきて空城との戦いに負けて死んだ瑠璃川勝だ。
俺は確かに死んだ。死んだことには死んだが何故か俺はその記憶、能力を持ったまま全国民が能力を持った世界に生まれ変わった。
そこはもちろん星野や吉沢、アイリ達なんて居なかった。
でも楓恋だけは何故かどの世界でも俺の近い立場の人間だった。
俺はいくつもの世界で死にその全ての記憶を持ったまま産まれるのを繰り返した。
まるで星野達との記憶が夢だったみたいに…
そして俺は思った。この能力で星野たちを呼び出しそこで誰も死なない永久に生きる事ができる所で生きたいと。
この世界は喉が乾いたりお腹が減っても老いはしない。その空間でかつての仲間と暮らし中田竜一達には色々文句を言い、榊原と柊には元の世界で生きるかこの世界で老いもせずずっとこの世界で暮らすかを聞きたかった。
それが2人の意見ならどんな意見でも尊重するつもりで…
俺が仲間を殺すわけなんてない。
「勝?」
ぼーっとしていると気付けば楓恋は俺の膝の上に座っていた。
「やっぱり、勝は怒ってなんかない。
それよりも…」
「わかった、もうそれでいい」
何故か楓恋には嘘はつけない。
この楓恋にも、俺が他に生きた世界の楓恋にも、嘘なんめ付けなかった。…
「楓恋には、正直に話す。
俺は、お前達と同じ世界の瑠璃川勝だ。
つまり一緒に空城と闘い命を落とした俺だ」
俺が両手を軽くあげながら言うと楓恋はそっと抱きしめてきた。
「勝…」
「ごめん、俺の身勝手に巻き込んで…」
「ううん、あなたのやる事なんだから何かしら意味はあると思う。
それに元の世界に帰ったらこの世界で死んでも元の世界に行きた状態で戻れるんでしょ?
ならサラもシアも完全に死んでない」
「そうだな」
俺はどの世界でも楓恋と一緒になることを拒んだ。
俺が好きだったのはこの楓恋だから。
自分と同じ境遇でもあるけど復讐を誓迷いながらも決めたことは曲げない強さ。
俺はそんな楓恋が……
「かれ…ん」
「ごめん、俺」
「うん、うん」
俺は確かに嬉しかった。
俺が死んだあと仲間達は世界をより良くするために必死になって動いてくれた。
そんな奴らに少し休息を与えたかった。
その世界で平和に、伸び伸びと生きてまたくだらない会話をしながら酒を飲んだりしたかった。
「ねぇ勝、なんでこんなことをしたか教えてくれる?」
俺の心を落ち着かせながら言う楓恋に俺は全ての理由を楓恋に話すのだった・・・・・・
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