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67.教えない割には気になることを言うのはこれ如何に。
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ルークside
63話のルーク。
スザンヌに連絡すると今すぐ来いと言われ転移魔法でスザンヌの元へ向かった。
ロティは以前と少し変わった庭や家を見て感動しているようだ。
ロティがいない間にスザンヌの信頼を得られるよう、俺は定期的にスザンヌの元へ足を運んだ。
その成果が庭と家だ。
ロティが居なくなってから、その事を伝える為にもまめに通った。
1番初めに会った時には苦虫を噛み潰したような顔をされたが、ロティが殺された事を伝えるとオーガの形相のままあの女を殺しに行くと怒り狂っているのを必死に止めた。
ロティはまた転生してくる事を再度伝えると、少し落ち着き乱暴に紅茶を淹れてくれた。
あそこまで渋い紅茶は初めて飲んだ。
それからというもの時々頼まれたものを届けたり、スザンヌの好きなように庭も家も補強や作り直しをした。
記憶を戻してくれた感謝を含め、それと記憶を軽々しく見ていた謝罪を含めて、言われた事は出来る限りやった。
数年で許され態度がかなり和らいだが、ロティ程の優しい扱いではなかった。
別にそこまで望んでいるわけではなかったためそれは気にならなかったが。
2人でロティの話になると俺が不安になる事もあり、まるで子供を慰めるかのように声を掛けて貰ったのは本当に助けられた。
ロティは軽い足取りで俺を引っ張ってスザンヌの家の扉を叩いた。
少しの勢いがある足音と吹き飛ぶくらいの勢いで扉が開けられると、スザンヌは嬉しそうな顔で凄まじい勢いのまま捲し立てた。
若返った姿に驚くロティが可愛いと思っていたらロティからスザンヌに抱きついていった。
(……俺もされたかったやつ。)
悔しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合う。
スザンヌが羨ましくて見てしまうと、スザンヌはニヤつきながらロティから離れていった。
(…旦那ではまだないが。まあいい…。)
少しだけ溜飲が下がるが、ロティに頬を触られて驚いてしまった。
顔が怖くなっていると指摘されたが、無意識だった。
俺もその反応のロティに会いたかったと伝えるべきか。
冷静になるべく自分に精神魔法をかけた。
そもそも今日手を繋ぐのと横抱き以外は触れていないのでそろそろ抱きしめたい。
抱きしめようとするとスザンヌに呼ばれてしまい、また一つもやが溜まる。
◇◇◇
スザンヌが俺を慰めてくれたのは事実で、何もやましい事はないのだが、ロティはそこに突っかかった。
ニヤニヤするスザンヌはロティに嬉しそうに話す。
「慰めるって変な意味じゃないからね。
そいつは今もずっと童て」
「スザンヌ!!さすがにそこまでは言わないでくれ!」
「…。」
俺は顔が真っ赤だろう。
言わなくてもいい事をロティに伝えないで欲しい。
ロティも意味がわかってしまったのか苦笑している。
元々冒険者で恋愛もしていなかったし、あの女が纏わりついてからはあの女しか俺に触れていなかった。
ロティを思い出してからは尚更、ロティとしかそういう事を考えられないのだから自然とそうなる。
たとえそれが100年以上その状態でも。
恥ずかしさから黙って2人の話を聞いているとスザンヌは乗り気でロティの記憶を戻す手伝いをすると言った。
これは予想外で俺もロティも驚いてしまう。
だが前世と前前世の記憶となると頭が割れるくらいじゃ済まないと言われ、咄嗟に俺はロティの頭を庇った。
俺が記憶を思い出した時のあの死を思わせる痛みをロティに味わせたくない。
スザンヌもその気はないようで胸を撫で下ろした。
「安心しな、ロティにそんな痛い事させるかいな。」
「ルークは良かったの…?」
「ロティを忘れるのは仕方がないにしろ、忘れた記憶を馬鹿にしたような態度に腹が立ったんだからロティの代わりに殴ったようなもんだよ。」
「それはそうだ。それが正しい。」
自分への戒めには丁度良かった。だからあの痛みに後悔はない。
ロティが夢で前世を思い出しているならとスザンヌも夢に記憶の乗せてくれるようにしてくれるみたいだ。
手を借りる事が出来たのは思わぬ副産物だ。
話の流れからまたロティがあの女に狙われている事を伝えるとスザンヌは以前と同じように苛立ちを見せていた。俺も賛同してしまう。
「というより王宮の監獄に入っていたんじゃないのかい。」
「俺が古代竜の交渉に行ってる隙に脱獄したようでな…。」
「かーっ!役立たずな看守どもだね。グニーってやつに会ったらルークに関する記憶を全て消してやろうか。それなら安心じゃないのかい?」
「いや、あの女は看守5人を脱獄の際に殺している。ロティも一度殺されているんだ。
安心のために記憶を消すと言うより、もうあの女は生かしておかない。」
次に会ったら息の根を止める。
それで終わる。
陛下の自体は俺の好きにしていいと。
妖精王には亡骸だけは欲しいと言われている。
出来れば生きたままがいいといっていたが追加で5人殺された事を付け加えれば文句も言えないだろう。
世界樹の周りに集まる魔物をわざわざ10年周期で討伐しに行ったのは妖精王の信頼を得るには丁度良かった。
元々妖精はあまり森から出ず、世界樹を守りのんびりと暮らしている方が冒険者をしている妖精より圧倒的に多い。
好戦的な種族ではない分魔物を倒せる妖精も少ない為恩を売るにはぴったりだった。
「ま、あの王様の許可があればそうしてもいいのだろうね。話は脱線したけど、ここなら安全だと思うよ。
ワタシの許可がないとどんな魔法使いでも入って来れないからね。
心配ならルークにもそばで待機して貰えばいいさ。部屋は2つ空いてるから。」
そんな事をスザンヌに言われ、考え事からグッと現実に戻り意見を言う。
「1つでも構わないのだが。」
「人ん家でいちゃつくんじゃないよ!」
いちゃつく、という境界線がイマイチわからない。
真面目に言ったつもりがスザンヌに舌打ちを貰いそうだし、呆れた顔をされている。
スザンヌは本当にロティが気に入っているみたいでロティには優しい。
それ自体は良いことだ。俺に話したくない事も相談したりできるだろう。
最もそんな事無い方がいいのだが。
スザンヌの配慮にロティは今日は休みたいと答えたため、快諾した。
ロティに無理はさせたくない。
それはスザンヌも同じなのか、特別にいつでもロティはこれるよう結界を調整してくれるみたいだ。
ロティと一緒なら俺も良いと言ってくれた事も感謝だ。いちいち王宮に行く手間が省けるのはありがたい。
だがロティを1人で行動させる気はさらさらないのだが、さっきの事を持ち出され言葉に詰まってしまう。
フォローを入れてくれたが居た堪れない。
その様子をスザンヌがじっと見つめてくるのも何か聞かれるのではないかと肝が冷えた。
しかしスザンヌは神妙な顔付きで予想外の事を口にした。
「…ロティ。
もう充分ルークは反省しただろう。
あの時ワタシが口外しないように言ったのはルークが記憶を軽んじていたのと、ロティに覚悟が備わっていなかったからだ。
もうロティが言いたいなら言うといい。」
心臓が掴まれたような気がした。
欲しかったものが手に入るようなそんな感覚。
俺のスザンヌに対しての行動は間違いではなかったのだろうか。
少なくともこれを目的にして動いていた訳ではなく、償いのためにしていた事だ。
それが許されたように感じた。
ロティの覚悟はわからなかったが、期待混じりの不安な目でロティを見ていたら優しく笑って伝えてくれた。
「ルーク、屋敷に帰ったら少し話を聞いてほしいな。私もあまり詳しいわけじゃないんだけどね。」
やっと答えが判る、と心底喜びに顔を綻ばせてしまう。
そんなやり取りをスザンヌは自分の頬を何度か叩いた後、頬杖をついて眉を顰めて見ていた。
「まあ、それはあんた達の話し合いをすればいいから置いといて。よくあんた達、ロティの前世で結ばれなかったね。手ぇ、出すの早そうなのに。」
スザンヌの言葉は何度と俺を刺すのだろう。
冷めた目を向けるのもやめて欲しい。ロティの前世ではきちんと自制をしたのだからと目線を逸らした。
代わりにロティがスザンヌに弁解する。
「私がグニーに殺されちゃったからね…。殺されなければラロランの町でスザンヌを待ちながら夫婦になっていたと思うよ…?」
「なら、ある意味良かったんじゃないか。
下手に結ばれていたらもう会えなかったろうに。」
下手に結ばれていたらもう会えなかった?
スザンヌの言葉が頭の中で響く。
本気で問い詰めたくて睨むようにスザンヌを見つめて聞いた。
「どう言う事だ…?」
「この続きはロティがあんたに伝えることを伝えた後に教えてやるよ。それを言わないと話がぐちゃぐちゃになるからね。
ついでにワタシの切ない恋話も聞かせることになるけどね。
あーあ…いい男だったのに…。最後がなぁ…。」
いつもの様にはぐらかされた、が、今回はきちんと教える意思があるようだ。
今まででだったらどんなに問い詰めても口を割らなかったのに、ロティにはやはり対応が違うと実感した。
待って教えてれるなら待とう。
下手に結ばれていたら会えなかった、の意味をきちんと知るために。
63話のルーク。
スザンヌに連絡すると今すぐ来いと言われ転移魔法でスザンヌの元へ向かった。
ロティは以前と少し変わった庭や家を見て感動しているようだ。
ロティがいない間にスザンヌの信頼を得られるよう、俺は定期的にスザンヌの元へ足を運んだ。
その成果が庭と家だ。
ロティが居なくなってから、その事を伝える為にもまめに通った。
1番初めに会った時には苦虫を噛み潰したような顔をされたが、ロティが殺された事を伝えるとオーガの形相のままあの女を殺しに行くと怒り狂っているのを必死に止めた。
ロティはまた転生してくる事を再度伝えると、少し落ち着き乱暴に紅茶を淹れてくれた。
あそこまで渋い紅茶は初めて飲んだ。
それからというもの時々頼まれたものを届けたり、スザンヌの好きなように庭も家も補強や作り直しをした。
記憶を戻してくれた感謝を含め、それと記憶を軽々しく見ていた謝罪を含めて、言われた事は出来る限りやった。
数年で許され態度がかなり和らいだが、ロティ程の優しい扱いではなかった。
別にそこまで望んでいるわけではなかったためそれは気にならなかったが。
2人でロティの話になると俺が不安になる事もあり、まるで子供を慰めるかのように声を掛けて貰ったのは本当に助けられた。
ロティは軽い足取りで俺を引っ張ってスザンヌの家の扉を叩いた。
少しの勢いがある足音と吹き飛ぶくらいの勢いで扉が開けられると、スザンヌは嬉しそうな顔で凄まじい勢いのまま捲し立てた。
若返った姿に驚くロティが可愛いと思っていたらロティからスザンヌに抱きついていった。
(……俺もされたかったやつ。)
悔しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合う。
スザンヌが羨ましくて見てしまうと、スザンヌはニヤつきながらロティから離れていった。
(…旦那ではまだないが。まあいい…。)
少しだけ溜飲が下がるが、ロティに頬を触られて驚いてしまった。
顔が怖くなっていると指摘されたが、無意識だった。
俺もその反応のロティに会いたかったと伝えるべきか。
冷静になるべく自分に精神魔法をかけた。
そもそも今日手を繋ぐのと横抱き以外は触れていないのでそろそろ抱きしめたい。
抱きしめようとするとスザンヌに呼ばれてしまい、また一つもやが溜まる。
◇◇◇
スザンヌが俺を慰めてくれたのは事実で、何もやましい事はないのだが、ロティはそこに突っかかった。
ニヤニヤするスザンヌはロティに嬉しそうに話す。
「慰めるって変な意味じゃないからね。
そいつは今もずっと童て」
「スザンヌ!!さすがにそこまでは言わないでくれ!」
「…。」
俺は顔が真っ赤だろう。
言わなくてもいい事をロティに伝えないで欲しい。
ロティも意味がわかってしまったのか苦笑している。
元々冒険者で恋愛もしていなかったし、あの女が纏わりついてからはあの女しか俺に触れていなかった。
ロティを思い出してからは尚更、ロティとしかそういう事を考えられないのだから自然とそうなる。
たとえそれが100年以上その状態でも。
恥ずかしさから黙って2人の話を聞いているとスザンヌは乗り気でロティの記憶を戻す手伝いをすると言った。
これは予想外で俺もロティも驚いてしまう。
だが前世と前前世の記憶となると頭が割れるくらいじゃ済まないと言われ、咄嗟に俺はロティの頭を庇った。
俺が記憶を思い出した時のあの死を思わせる痛みをロティに味わせたくない。
スザンヌもその気はないようで胸を撫で下ろした。
「安心しな、ロティにそんな痛い事させるかいな。」
「ルークは良かったの…?」
「ロティを忘れるのは仕方がないにしろ、忘れた記憶を馬鹿にしたような態度に腹が立ったんだからロティの代わりに殴ったようなもんだよ。」
「それはそうだ。それが正しい。」
自分への戒めには丁度良かった。だからあの痛みに後悔はない。
ロティが夢で前世を思い出しているならとスザンヌも夢に記憶の乗せてくれるようにしてくれるみたいだ。
手を借りる事が出来たのは思わぬ副産物だ。
話の流れからまたロティがあの女に狙われている事を伝えるとスザンヌは以前と同じように苛立ちを見せていた。俺も賛同してしまう。
「というより王宮の監獄に入っていたんじゃないのかい。」
「俺が古代竜の交渉に行ってる隙に脱獄したようでな…。」
「かーっ!役立たずな看守どもだね。グニーってやつに会ったらルークに関する記憶を全て消してやろうか。それなら安心じゃないのかい?」
「いや、あの女は看守5人を脱獄の際に殺している。ロティも一度殺されているんだ。
安心のために記憶を消すと言うより、もうあの女は生かしておかない。」
次に会ったら息の根を止める。
それで終わる。
陛下の自体は俺の好きにしていいと。
妖精王には亡骸だけは欲しいと言われている。
出来れば生きたままがいいといっていたが追加で5人殺された事を付け加えれば文句も言えないだろう。
世界樹の周りに集まる魔物をわざわざ10年周期で討伐しに行ったのは妖精王の信頼を得るには丁度良かった。
元々妖精はあまり森から出ず、世界樹を守りのんびりと暮らしている方が冒険者をしている妖精より圧倒的に多い。
好戦的な種族ではない分魔物を倒せる妖精も少ない為恩を売るにはぴったりだった。
「ま、あの王様の許可があればそうしてもいいのだろうね。話は脱線したけど、ここなら安全だと思うよ。
ワタシの許可がないとどんな魔法使いでも入って来れないからね。
心配ならルークにもそばで待機して貰えばいいさ。部屋は2つ空いてるから。」
そんな事をスザンヌに言われ、考え事からグッと現実に戻り意見を言う。
「1つでも構わないのだが。」
「人ん家でいちゃつくんじゃないよ!」
いちゃつく、という境界線がイマイチわからない。
真面目に言ったつもりがスザンヌに舌打ちを貰いそうだし、呆れた顔をされている。
スザンヌは本当にロティが気に入っているみたいでロティには優しい。
それ自体は良いことだ。俺に話したくない事も相談したりできるだろう。
最もそんな事無い方がいいのだが。
スザンヌの配慮にロティは今日は休みたいと答えたため、快諾した。
ロティに無理はさせたくない。
それはスザンヌも同じなのか、特別にいつでもロティはこれるよう結界を調整してくれるみたいだ。
ロティと一緒なら俺も良いと言ってくれた事も感謝だ。いちいち王宮に行く手間が省けるのはありがたい。
だがロティを1人で行動させる気はさらさらないのだが、さっきの事を持ち出され言葉に詰まってしまう。
フォローを入れてくれたが居た堪れない。
その様子をスザンヌがじっと見つめてくるのも何か聞かれるのではないかと肝が冷えた。
しかしスザンヌは神妙な顔付きで予想外の事を口にした。
「…ロティ。
もう充分ルークは反省しただろう。
あの時ワタシが口外しないように言ったのはルークが記憶を軽んじていたのと、ロティに覚悟が備わっていなかったからだ。
もうロティが言いたいなら言うといい。」
心臓が掴まれたような気がした。
欲しかったものが手に入るようなそんな感覚。
俺のスザンヌに対しての行動は間違いではなかったのだろうか。
少なくともこれを目的にして動いていた訳ではなく、償いのためにしていた事だ。
それが許されたように感じた。
ロティの覚悟はわからなかったが、期待混じりの不安な目でロティを見ていたら優しく笑って伝えてくれた。
「ルーク、屋敷に帰ったら少し話を聞いてほしいな。私もあまり詳しいわけじゃないんだけどね。」
やっと答えが判る、と心底喜びに顔を綻ばせてしまう。
そんなやり取りをスザンヌは自分の頬を何度か叩いた後、頬杖をついて眉を顰めて見ていた。
「まあ、それはあんた達の話し合いをすればいいから置いといて。よくあんた達、ロティの前世で結ばれなかったね。手ぇ、出すの早そうなのに。」
スザンヌの言葉は何度と俺を刺すのだろう。
冷めた目を向けるのもやめて欲しい。ロティの前世ではきちんと自制をしたのだからと目線を逸らした。
代わりにロティがスザンヌに弁解する。
「私がグニーに殺されちゃったからね…。殺されなければラロランの町でスザンヌを待ちながら夫婦になっていたと思うよ…?」
「なら、ある意味良かったんじゃないか。
下手に結ばれていたらもう会えなかったろうに。」
下手に結ばれていたらもう会えなかった?
スザンヌの言葉が頭の中で響く。
本気で問い詰めたくて睨むようにスザンヌを見つめて聞いた。
「どう言う事だ…?」
「この続きはロティがあんたに伝えることを伝えた後に教えてやるよ。それを言わないと話がぐちゃぐちゃになるからね。
ついでにワタシの切ない恋話も聞かせることになるけどね。
あーあ…いい男だったのに…。最後がなぁ…。」
いつもの様にはぐらかされた、が、今回はきちんと教える意思があるようだ。
今まででだったらどんなに問い詰めても口を割らなかったのに、ロティにはやはり対応が違うと実感した。
待って教えてれるなら待とう。
下手に結ばれていたら会えなかった、の意味をきちんと知るために。
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◇◇◇◇
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※完結まで執筆済み
※表紙はAIイラストです
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