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119.この気持ちの名前はなに?◆
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◆◆◆
「え?トリーとユッカとデミが養子に!?」
町から孤児院に帰った私達にミラが伝えてきた事に衝撃を受けた。
なんと3人もの子供が唐突に養子に貰われて行くことが決まったらしい。
慌ててどこにいるか辺りを見回すが、ミラは首を横に振っていた。
「ええ、突然決まったらしくて…。
もうさっき出ちゃったの…。だからもういないわ。数人しかお別れも言えなかったし、何にもしてあげれなかった。
でも養子に行くならきっと幸せになるわよね。」
少しばかり悲しそうなミラだが、上手いことも返せず私は呆けてしまっていた。
なんという手速さなのだろう。
養子なんて私が記憶に残る中では誰も行った事がない。
ここを出るのは成人になるか、亡くなってしまうかとどちらかだと勝手に思っていた。
ミラが複雑な表情で祈る中、私も気が抜けたような返答しか返せない。
「そうなんだ、突然過ぎたけど…。
幸せになるといいね…。」
「…そうだな。」
一気に3人もいなくなったからなのか、私が神父に申し立てたからなのかわからないが今日の皆の夕食がまた量と質が上がっていた。
今度は量がかなり多くなり皆目を輝かせていた。
残された子は行った子の事を羨ましがりながらも胃と心を食事で満たしていたのだった。
◇◆◇
カーテンもない月あかりだけが照らす部屋は薄暗くて1人なら心細いだろう。
私が今心細くないのはきっとルーカスの背中が私と少し触れているからだ。
私の部屋の騒動の話が広まっているかと思いきや、3人がいなくなった事が持ちきりとなり、一切話に上がらなかった。
食事の後部屋に戻ると普段と変わらない形へと戻っていたのに加え、服を入れている箱の中には白いワンピースも2着から5着へと服が増えていたのだ。
お菓子は帰ってこなかったものの、ルーカスが昼食を買って余ったお金で、お菓子を買っていてそのお菓子を私と半分こにしたためお菓子が帰ってこなくとも気にしないでいられた。
色々あったせいか中々寝付けず体をそわそわと動かすと、ルーカスがもぞっと動いて背中が離れていく。
ルーカスも起きているのかと私も体勢を直しそちらを見るとやはりルーカスも起きていた。
静かに見つめあっていると、ルーカスがぽつりと呟いた。
「…ロティ、大丈夫?」
「…うん。大丈夫。
一気に3人もいなくなるだなんて思ってなかったから、少し寂しいだけだよ。ここからあまり養子に貰われる事もないのに幸運だったんだね。」
「……ロティもここを出たかった?」
「うーん、そう言うわけじゃないよ。
皆もいるし、ルーカスもいるから。
15歳になったら出なきゃいけないしね。
そういえば…まだルーカスには言ってなかったね。」
「それはケードとミラから聞いてたから、知ってたよ。
…僕、ロティが突然いなくなったら嫌だ。」
「そうだよねぇ。いきなりは嫌だよね。私もルーカスが突然いなくなったらさみしいもん。」
他の誰かに聞かれて一緒に寝ている事がバレたら怒られてしまうため、ひそひそ声で2人静かに話した。
いつか別れる時が来るかもしれないと思うと胸がギュッと締め付けられるようで怖くなる。
薄い掛け布団から出ていたルーカスの小さな手が見えて、その手だけでも繋いで寝れたらこの苦しい気持ちが消えるんじゃないのかと思ってしまった。
ルーカスが寂しいから一緒に寝ているはずなのに、今はなんだか私も寂しい気持ちでいっぱいだ。
そんなことを知ってか知らずか、ルーカスは私に手の平を向けてきた。
「…ロティ、手、繋いでいい?」
私の言いたかった事を言われ今度は違う意味で胸が締め付けられてしまう。
ルーカスに助けられたような温かさをもらって私はルーカスの手を握り返しながら微笑んだ。
「…いいよ。
私も…今日はなんだかさみしいから。」
そう言うとルーカスは握っている手に力を込めてくれた。
それは私が今1人じゃないことをルーカスが教えてくれたみたいで私はルーカスにありがたさを感じながらそのまま夢の中へと落ちていった。
◇◆◇
ルーカスが来て、私が回復魔法で治療するようになってから半年ほどが経っただろうか。私も7歳になったし、ルーカスも8歳になった。お互いの誕生日にはこっそり誕生日を祝って。
私はルーカスの告白を受けたままきちんと返事をしていないものの、普通に接してくれるルーカスに甘えて変わらない様子で過ごしている。
けれどもその穏やかな日常を私自身の行動が壊してしまった。見てはならないものを見てしまって今、路地裏で木箱のそばに立ちながら1人大後悔中だ。
いつものように治療を終え、孤児院に戻ったもののお昼を過ぎてもルーカスが帰ってこない為心配になり町に探しに行こうとしたのだ。
孤児院出て町を歩くこと5分。
ルーカスを思いながら歩いていると何故か路地裏の方から気配がしていた。
基本的にルーカスは午前は他の子、(主にはケードらしいが)と一緒に仕事をこなしているようで、何処か危険かどのような場所に行ってはならないかを教えてもらっているようで、私が言わなくとも町を把握しているルーカスに安心していた。
なのに今はルーカスが路地裏にいる気がしてならない。嫌な予感と共に恐る恐る私も薄暗い路地裏に入って行く。
他には誰もいない事にホッとしながら道を進んでいくと、誰かの声が聞こえ身を顰めた。
静かにそちらの方に近づいて行くと声の主がはっきりわかる。
この声は孤児院にいる女の子のニネットの声だ。後もう1人聞き慣れているこの声はルーカスだ。
2人にバレないようひっそりと壁に隠れながら聞き耳を立てた。
「なぁ…どこまで行くの…?
あまり路地裏には入らない方がいい。アンタだってこういう所が危険だってわかるだろ?」
「知ってるよ…!でも、他の子に聞かれたくないんだもん。特に…ロティには…。
もうこれ以上は行かないよ…ここでいい。
わたし…誰にも言ったことないけど、わたしも亜人の血が入ってるの…。
ルーカスも皆には言ってないけどそうでしょ?」
「…だからなに?」
「…だから…じゃないけど、わたし…。
ルーカスの事がすきなの。
わたしなら貴方の気持ちがわかるよ!
ここを出て一緒に亜人の住みやすい街を目指さない?わたしと貴方ならきっと」
「悪いけど。僕は君のことよく知らないし。」
「今から知れば大丈夫よ。いつもロティと一緒にいるから他の子の事もわからないのよ。
わたしや他の子とも一緒に」
「僕は自分の好きなように行動する。誰かに言われて強制されるのは好きじゃない。」
「っ。でも、ルーカス…わたし本当に貴方の事が…。」
「なら、ごめん。僕はニネットの事はなんとも思ってないし、これからもそれは変わらないから…。
ここは危ないから早く表に出よう。」
「待って…。
せめて…明るいとこに出るまで…手を繋いで欲しい…。」
「…ならこっちの手にして。こっちはだめ。」
「…わかった。」
そうニネットの返事が聞こえるとこちらに歩いてくる音が聞こえた。
慌てて私は近くにあった木の箱の隙間に入り身を隠す。
隠した後すぐに手を繋いだルーカスとニネットが歩いてきて私の隠れている木箱の前をスッと通って行く。
木箱の隙間から見たその光景は、先程の会話で抉れた私の心に追撃でナイフを突き刺したような感じがした。
ルーカスとニネットが行ってから5分は経っただろうか。
そろそろ大丈夫だと思って木箱をずらして立ち上がると少しふらついてしまっている。
自分が思った以上に心と体が重く、気分もかなり沈んでしまっていた。
(………。告白…されてた。
断ってたけど…。)
ルーカスがニネットの事を振った事実は私にとっては喜ばしい事だ。
ルーカスは私の事を好きでいてくれているんだと安心してしまう気持ちがある。
だがそれはいつまでなのだろう。
ルーカスだってくずくずしている私を好きじゃなくなる可能性だってあるし、ほかに好きな人が出来てしまったらその人の方に行ってしまうかもしれない。
不安と寂しさがじわじわと私の中に広がって行く。ルーカスの事がこんなにも自分の中に大きく響いついたのかと今頃自覚してしまった。
午後だって各自自由時間なのにルーカスが来てからというものの、約束なんかしなくても2人で過ごす事が当たり前になっていた。
ルーカスが居なくなったら寂しいのは私じゃないかと心臓がぎゅっと締め付けられた。
(…見なきゃよかった。聞かなきゃよかった………。)
そう思いながら私は動けず、しばらく呆然と立ち尽くしてしまった。
◆◆◆
「え?トリーとユッカとデミが養子に!?」
町から孤児院に帰った私達にミラが伝えてきた事に衝撃を受けた。
なんと3人もの子供が唐突に養子に貰われて行くことが決まったらしい。
慌ててどこにいるか辺りを見回すが、ミラは首を横に振っていた。
「ええ、突然決まったらしくて…。
もうさっき出ちゃったの…。だからもういないわ。数人しかお別れも言えなかったし、何にもしてあげれなかった。
でも養子に行くならきっと幸せになるわよね。」
少しばかり悲しそうなミラだが、上手いことも返せず私は呆けてしまっていた。
なんという手速さなのだろう。
養子なんて私が記憶に残る中では誰も行った事がない。
ここを出るのは成人になるか、亡くなってしまうかとどちらかだと勝手に思っていた。
ミラが複雑な表情で祈る中、私も気が抜けたような返答しか返せない。
「そうなんだ、突然過ぎたけど…。
幸せになるといいね…。」
「…そうだな。」
一気に3人もいなくなったからなのか、私が神父に申し立てたからなのかわからないが今日の皆の夕食がまた量と質が上がっていた。
今度は量がかなり多くなり皆目を輝かせていた。
残された子は行った子の事を羨ましがりながらも胃と心を食事で満たしていたのだった。
◇◆◇
カーテンもない月あかりだけが照らす部屋は薄暗くて1人なら心細いだろう。
私が今心細くないのはきっとルーカスの背中が私と少し触れているからだ。
私の部屋の騒動の話が広まっているかと思いきや、3人がいなくなった事が持ちきりとなり、一切話に上がらなかった。
食事の後部屋に戻ると普段と変わらない形へと戻っていたのに加え、服を入れている箱の中には白いワンピースも2着から5着へと服が増えていたのだ。
お菓子は帰ってこなかったものの、ルーカスが昼食を買って余ったお金で、お菓子を買っていてそのお菓子を私と半分こにしたためお菓子が帰ってこなくとも気にしないでいられた。
色々あったせいか中々寝付けず体をそわそわと動かすと、ルーカスがもぞっと動いて背中が離れていく。
ルーカスも起きているのかと私も体勢を直しそちらを見るとやはりルーカスも起きていた。
静かに見つめあっていると、ルーカスがぽつりと呟いた。
「…ロティ、大丈夫?」
「…うん。大丈夫。
一気に3人もいなくなるだなんて思ってなかったから、少し寂しいだけだよ。ここからあまり養子に貰われる事もないのに幸運だったんだね。」
「……ロティもここを出たかった?」
「うーん、そう言うわけじゃないよ。
皆もいるし、ルーカスもいるから。
15歳になったら出なきゃいけないしね。
そういえば…まだルーカスには言ってなかったね。」
「それはケードとミラから聞いてたから、知ってたよ。
…僕、ロティが突然いなくなったら嫌だ。」
「そうだよねぇ。いきなりは嫌だよね。私もルーカスが突然いなくなったらさみしいもん。」
他の誰かに聞かれて一緒に寝ている事がバレたら怒られてしまうため、ひそひそ声で2人静かに話した。
いつか別れる時が来るかもしれないと思うと胸がギュッと締め付けられるようで怖くなる。
薄い掛け布団から出ていたルーカスの小さな手が見えて、その手だけでも繋いで寝れたらこの苦しい気持ちが消えるんじゃないのかと思ってしまった。
ルーカスが寂しいから一緒に寝ているはずなのに、今はなんだか私も寂しい気持ちでいっぱいだ。
そんなことを知ってか知らずか、ルーカスは私に手の平を向けてきた。
「…ロティ、手、繋いでいい?」
私の言いたかった事を言われ今度は違う意味で胸が締め付けられてしまう。
ルーカスに助けられたような温かさをもらって私はルーカスの手を握り返しながら微笑んだ。
「…いいよ。
私も…今日はなんだかさみしいから。」
そう言うとルーカスは握っている手に力を込めてくれた。
それは私が今1人じゃないことをルーカスが教えてくれたみたいで私はルーカスにありがたさを感じながらそのまま夢の中へと落ちていった。
◇◆◇
ルーカスが来て、私が回復魔法で治療するようになってから半年ほどが経っただろうか。私も7歳になったし、ルーカスも8歳になった。お互いの誕生日にはこっそり誕生日を祝って。
私はルーカスの告白を受けたままきちんと返事をしていないものの、普通に接してくれるルーカスに甘えて変わらない様子で過ごしている。
けれどもその穏やかな日常を私自身の行動が壊してしまった。見てはならないものを見てしまって今、路地裏で木箱のそばに立ちながら1人大後悔中だ。
いつものように治療を終え、孤児院に戻ったもののお昼を過ぎてもルーカスが帰ってこない為心配になり町に探しに行こうとしたのだ。
孤児院出て町を歩くこと5分。
ルーカスを思いながら歩いていると何故か路地裏の方から気配がしていた。
基本的にルーカスは午前は他の子、(主にはケードらしいが)と一緒に仕事をこなしているようで、何処か危険かどのような場所に行ってはならないかを教えてもらっているようで、私が言わなくとも町を把握しているルーカスに安心していた。
なのに今はルーカスが路地裏にいる気がしてならない。嫌な予感と共に恐る恐る私も薄暗い路地裏に入って行く。
他には誰もいない事にホッとしながら道を進んでいくと、誰かの声が聞こえ身を顰めた。
静かにそちらの方に近づいて行くと声の主がはっきりわかる。
この声は孤児院にいる女の子のニネットの声だ。後もう1人聞き慣れているこの声はルーカスだ。
2人にバレないようひっそりと壁に隠れながら聞き耳を立てた。
「なぁ…どこまで行くの…?
あまり路地裏には入らない方がいい。アンタだってこういう所が危険だってわかるだろ?」
「知ってるよ…!でも、他の子に聞かれたくないんだもん。特に…ロティには…。
もうこれ以上は行かないよ…ここでいい。
わたし…誰にも言ったことないけど、わたしも亜人の血が入ってるの…。
ルーカスも皆には言ってないけどそうでしょ?」
「…だからなに?」
「…だから…じゃないけど、わたし…。
ルーカスの事がすきなの。
わたしなら貴方の気持ちがわかるよ!
ここを出て一緒に亜人の住みやすい街を目指さない?わたしと貴方ならきっと」
「悪いけど。僕は君のことよく知らないし。」
「今から知れば大丈夫よ。いつもロティと一緒にいるから他の子の事もわからないのよ。
わたしや他の子とも一緒に」
「僕は自分の好きなように行動する。誰かに言われて強制されるのは好きじゃない。」
「っ。でも、ルーカス…わたし本当に貴方の事が…。」
「なら、ごめん。僕はニネットの事はなんとも思ってないし、これからもそれは変わらないから…。
ここは危ないから早く表に出よう。」
「待って…。
せめて…明るいとこに出るまで…手を繋いで欲しい…。」
「…ならこっちの手にして。こっちはだめ。」
「…わかった。」
そうニネットの返事が聞こえるとこちらに歩いてくる音が聞こえた。
慌てて私は近くにあった木の箱の隙間に入り身を隠す。
隠した後すぐに手を繋いだルーカスとニネットが歩いてきて私の隠れている木箱の前をスッと通って行く。
木箱の隙間から見たその光景は、先程の会話で抉れた私の心に追撃でナイフを突き刺したような感じがした。
ルーカスとニネットが行ってから5分は経っただろうか。
そろそろ大丈夫だと思って木箱をずらして立ち上がると少しふらついてしまっている。
自分が思った以上に心と体が重く、気分もかなり沈んでしまっていた。
(………。告白…されてた。
断ってたけど…。)
ルーカスがニネットの事を振った事実は私にとっては喜ばしい事だ。
ルーカスは私の事を好きでいてくれているんだと安心してしまう気持ちがある。
だがそれはいつまでなのだろう。
ルーカスだってくずくずしている私を好きじゃなくなる可能性だってあるし、ほかに好きな人が出来てしまったらその人の方に行ってしまうかもしれない。
不安と寂しさがじわじわと私の中に広がって行く。ルーカスの事がこんなにも自分の中に大きく響いついたのかと今頃自覚してしまった。
午後だって各自自由時間なのにルーカスが来てからというものの、約束なんかしなくても2人で過ごす事が当たり前になっていた。
ルーカスが居なくなったら寂しいのは私じゃないかと心臓がぎゅっと締め付けられた。
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