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1.エーディス公爵令嬢の憂鬱
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公爵令嬢と言うと、普通、どんな生活をしていると思うだろうか?
毎日お人形のように煌びやかで可愛らしいドレスを着て、舞踏会に参加して結婚相手に相応しい相手を探す?
同じく着飾った貴族のご令嬢方と、サロンで小さくて宝石のように美しいお菓子を摘まみながら、お茶会とか?
私は、どちらも嫌いです。
令嬢だと言っても、人間らしい、普通の生活を送りたいに決まっていますわ。
私はお人形さんになりたいんじゃないんですもの。お人形さんは自由が利かないから、結構息苦しさを感じる時があるのです。
……ですのに、家柄と言うものは、どこにでも付いて来るんです。正直、鬱陶しいったら、ありません。
「はぁーあ」
はっ……申し遅れましたわ。
私、エーディス公爵令嬢のアイリスと申します。
父上は、現国王陛下の弟で現エーディス公爵。母は、今はもう無い亡国の元皇女です。
ええ。それなりに良いところのお嬢様と言う訳です……って、この喋り方疲れるわね。
もう、普通に話すよ?
まぁ、公爵家だからね。王家の血筋であることもあって、必修のマナーやら一般常識やら、それはもう……色々と沢山あるにはある。
だけど、それは問題じゃないの。
問題は女性が年頃になると、決まってそのお家柄に絡む家同士の結びつきだとかでポツポツと湧いてくる結婚のお話だとか、そう言うのなの。
これが、本っ当に鬱陶しいのよ。
毎日毎日、ウンザリするくらい見合いの話が持ち上がる。
エーディス公爵家は王家の血筋だから、家柄的には貴族達には狙い目になるんだろうとは思う。
思うんだけど、それにしても多過ぎる……。
私は今までやって来た縁談の数々を思い出し、また溜め息を吐いた。
まぁ、うちは跡取りには弟が居るし、私と結婚したからって、エーディス公爵を名乗るなんてそう無いかも知れないけど、それでも持参金もたっぷり出るだろうし、王家との繋がりも持てるんだから、結婚相手としては最良とまでは流石に言えないけど、それに近い価値はあると思う。
ま。残念ながら、お相手の令嬢がこの私だったりする訳だけど。
「姉上の何が残念かってさ。顔は正統派美少女って感じで清楚で可愛いのに、性格は見た目を裏切る気の強さってことだよね……」
「……うるさいわよ。レナード」
紹介します。
今し方私の憂鬱な気分でつっ伏しているテーブルの隣りの席から、身内だからか、遠慮ない茶々を入れて来たのは、我がエーディス公爵家の跡取り、レナード。
……つまり、私の弟。
姉の自分の欲目で無くても、うちの弟は父上の外見と気質を受け継いで、まだ十三と言う年齢よりもしっかりしている。
まぁ、父上の気質を受け継いだ……ってところから色々と父上をご存知の方からは、察して貰えるのだけれど。
ひと言で言えば、まぁ……器用な上、女の子にウケそうなタイプよ。
「……はいはい。でも、姉上、今夜も参加するのですか?」
「……………………」
レナードが私にそう尋ねるのは、今夜もまた王家主催の舞踏会があるからよ。今夜は特に王家主催のものだから、逃げるわけには行かない。
「……参加しないで済むなら、当然そうしてるわよ……」
私は、大きな溜め息を吐いた。
*
(あー……もう、こうなるから気が重かったのに……)
シャンデリアの眩ゆい光が広間を照らす。魔術を使った灯りは、蝋燭の灯りよりも明るく、まるで真昼のようだ。優雅な音楽が聞こえて来る。それに合わせて男女がペアを組んで踊っている。
パートナーの居ない私は、弟であるレナードと共に城にやって来たのだが、レナードはと言うと、父上に呼ばれて席を外している。だから、私はひとり……壁の花になれなくてウンザリしていた。
「やぁ、アイリス嬢。久しぶりだね。今夜も綺麗だ」
「……クラウス様も……お元気そうで何よりですわ」
ふいに背後から掛けられた声に身体が硬直する。顔の筋肉が引き攣ってしまいそうになるのを根性で堪え、声を掛けて来た相手にゆっくりとなるべく優雅に見えるように振り向き、淑女の礼をとる。
この方は、クラウス様。
お父上の前ガンドルフ辺境伯が突然の病で急逝し、昨年家督を継いで辺境伯となった方だ。
金髪碧眼の絵に描いたような貴公子で、その上、顔も甘ったるい。垂れ目が特徴的な美男子だが、いつも歯が浮くような甘言を囁く女の敵……だと、私は認識している。
要するに、浮き名が多い方なのですよ。
今日も恐らく、何人かの……
(あ、ほら、居た……うわぁ。こっち思いっきり睨んでるし)
少し離れた場所から、突き刺さるような視線を感じる。その視線を辿ると、その先に居たのは、恐らくクラウス様の周りにいつも見かける取り巻きの令嬢達だ。
クラウス様は女と見ればすぐに口説くような、そんなタイプ。軽くて、口が上手くて。
(……だから、苦手なのよね)
辺境伯は領地が国境と接している為、国外から国を守る義務がある。それ故に、国家は辺境伯を無碍には出来ないし、寧ろ、地政学上、その存在を重要視していることがほとんど。国内においては王族に近いくらいの権力がある。
父上が辺境騎士団の団長として率いて守護しているのは、主にアルディアの北方タイラント側と東方に位置するティバリー側。全てをカバーしている訳では無い。
ガンドルフ辺境伯は反対側の守護を担っていて、南側のラスティナ方面の国境にご領地がある。
彼は身分もあることだし、面子もあるから無碍には出来ない方だ。
だからこそ、厄介な相手なのだ。
まぁ、そんな事情があるので……普段の私なら、公爵令嬢の特権で素気無く躱す所だが、それがこのクラウス様相手では出来ないのだ。
それを良いことに、この所、彼は遭遇する度に何故かやたらと私に話しかけて来るのだけども、私の中では既に、この方は少々苦手な部類の人に分類されているので迷惑極まりない。
正直、出来る限り話を穏便に済ませて、早くこの場を立ち去りたいくらいなのだけど、彼は久方ぶりに見つけた私をすぐに解放してくれるつもりは無いようだ。
挨拶をした私に、彼もまた私の手を取って唇を寄せる。
「……貴女が、レナード殿を伴っていらっしゃるのなら、思い切って私がお誘いしてみれば良かった」
「あら、光栄ですわ。……でも、クラウス様、私などよりもずっと貴公のお誘いを心待ちにしていらっしゃる乙女達が、沢山いらっしゃるでしょう」
「つれないな。君の前では、他の花は霞んでしまうけれど」
(相変わらず、歯が浮くような言葉遊びばかり)
ざわわ、と鳥肌が立つ。
私は、こう言う手合いの口説き文句がどうも苦手だ。何故って? それは――
「アイリス」
……説明する前に元凶である本人が来ちゃった。
「父上……」
毎日お人形のように煌びやかで可愛らしいドレスを着て、舞踏会に参加して結婚相手に相応しい相手を探す?
同じく着飾った貴族のご令嬢方と、サロンで小さくて宝石のように美しいお菓子を摘まみながら、お茶会とか?
私は、どちらも嫌いです。
令嬢だと言っても、人間らしい、普通の生活を送りたいに決まっていますわ。
私はお人形さんになりたいんじゃないんですもの。お人形さんは自由が利かないから、結構息苦しさを感じる時があるのです。
……ですのに、家柄と言うものは、どこにでも付いて来るんです。正直、鬱陶しいったら、ありません。
「はぁーあ」
はっ……申し遅れましたわ。
私、エーディス公爵令嬢のアイリスと申します。
父上は、現国王陛下の弟で現エーディス公爵。母は、今はもう無い亡国の元皇女です。
ええ。それなりに良いところのお嬢様と言う訳です……って、この喋り方疲れるわね。
もう、普通に話すよ?
まぁ、公爵家だからね。王家の血筋であることもあって、必修のマナーやら一般常識やら、それはもう……色々と沢山あるにはある。
だけど、それは問題じゃないの。
問題は女性が年頃になると、決まってそのお家柄に絡む家同士の結びつきだとかでポツポツと湧いてくる結婚のお話だとか、そう言うのなの。
これが、本っ当に鬱陶しいのよ。
毎日毎日、ウンザリするくらい見合いの話が持ち上がる。
エーディス公爵家は王家の血筋だから、家柄的には貴族達には狙い目になるんだろうとは思う。
思うんだけど、それにしても多過ぎる……。
私は今までやって来た縁談の数々を思い出し、また溜め息を吐いた。
まぁ、うちは跡取りには弟が居るし、私と結婚したからって、エーディス公爵を名乗るなんてそう無いかも知れないけど、それでも持参金もたっぷり出るだろうし、王家との繋がりも持てるんだから、結婚相手としては最良とまでは流石に言えないけど、それに近い価値はあると思う。
ま。残念ながら、お相手の令嬢がこの私だったりする訳だけど。
「姉上の何が残念かってさ。顔は正統派美少女って感じで清楚で可愛いのに、性格は見た目を裏切る気の強さってことだよね……」
「……うるさいわよ。レナード」
紹介します。
今し方私の憂鬱な気分でつっ伏しているテーブルの隣りの席から、身内だからか、遠慮ない茶々を入れて来たのは、我がエーディス公爵家の跡取り、レナード。
……つまり、私の弟。
姉の自分の欲目で無くても、うちの弟は父上の外見と気質を受け継いで、まだ十三と言う年齢よりもしっかりしている。
まぁ、父上の気質を受け継いだ……ってところから色々と父上をご存知の方からは、察して貰えるのだけれど。
ひと言で言えば、まぁ……器用な上、女の子にウケそうなタイプよ。
「……はいはい。でも、姉上、今夜も参加するのですか?」
「……………………」
レナードが私にそう尋ねるのは、今夜もまた王家主催の舞踏会があるからよ。今夜は特に王家主催のものだから、逃げるわけには行かない。
「……参加しないで済むなら、当然そうしてるわよ……」
私は、大きな溜め息を吐いた。
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(あー……もう、こうなるから気が重かったのに……)
シャンデリアの眩ゆい光が広間を照らす。魔術を使った灯りは、蝋燭の灯りよりも明るく、まるで真昼のようだ。優雅な音楽が聞こえて来る。それに合わせて男女がペアを組んで踊っている。
パートナーの居ない私は、弟であるレナードと共に城にやって来たのだが、レナードはと言うと、父上に呼ばれて席を外している。だから、私はひとり……壁の花になれなくてウンザリしていた。
「やぁ、アイリス嬢。久しぶりだね。今夜も綺麗だ」
「……クラウス様も……お元気そうで何よりですわ」
ふいに背後から掛けられた声に身体が硬直する。顔の筋肉が引き攣ってしまいそうになるのを根性で堪え、声を掛けて来た相手にゆっくりとなるべく優雅に見えるように振り向き、淑女の礼をとる。
この方は、クラウス様。
お父上の前ガンドルフ辺境伯が突然の病で急逝し、昨年家督を継いで辺境伯となった方だ。
金髪碧眼の絵に描いたような貴公子で、その上、顔も甘ったるい。垂れ目が特徴的な美男子だが、いつも歯が浮くような甘言を囁く女の敵……だと、私は認識している。
要するに、浮き名が多い方なのですよ。
今日も恐らく、何人かの……
(あ、ほら、居た……うわぁ。こっち思いっきり睨んでるし)
少し離れた場所から、突き刺さるような視線を感じる。その視線を辿ると、その先に居たのは、恐らくクラウス様の周りにいつも見かける取り巻きの令嬢達だ。
クラウス様は女と見ればすぐに口説くような、そんなタイプ。軽くて、口が上手くて。
(……だから、苦手なのよね)
辺境伯は領地が国境と接している為、国外から国を守る義務がある。それ故に、国家は辺境伯を無碍には出来ないし、寧ろ、地政学上、その存在を重要視していることがほとんど。国内においては王族に近いくらいの権力がある。
父上が辺境騎士団の団長として率いて守護しているのは、主にアルディアの北方タイラント側と東方に位置するティバリー側。全てをカバーしている訳では無い。
ガンドルフ辺境伯は反対側の守護を担っていて、南側のラスティナ方面の国境にご領地がある。
彼は身分もあることだし、面子もあるから無碍には出来ない方だ。
だからこそ、厄介な相手なのだ。
まぁ、そんな事情があるので……普段の私なら、公爵令嬢の特権で素気無く躱す所だが、それがこのクラウス様相手では出来ないのだ。
それを良いことに、この所、彼は遭遇する度に何故かやたらと私に話しかけて来るのだけども、私の中では既に、この方は少々苦手な部類の人に分類されているので迷惑極まりない。
正直、出来る限り話を穏便に済ませて、早くこの場を立ち去りたいくらいなのだけど、彼は久方ぶりに見つけた私をすぐに解放してくれるつもりは無いようだ。
挨拶をした私に、彼もまた私の手を取って唇を寄せる。
「……貴女が、レナード殿を伴っていらっしゃるのなら、思い切って私がお誘いしてみれば良かった」
「あら、光栄ですわ。……でも、クラウス様、私などよりもずっと貴公のお誘いを心待ちにしていらっしゃる乙女達が、沢山いらっしゃるでしょう」
「つれないな。君の前では、他の花は霞んでしまうけれど」
(相変わらず、歯が浮くような言葉遊びばかり)
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