【R18】目覚めたら異世界ハレムでした

榎本ペンネ

文字の大きさ
15 / 20

15

しおりを挟む
「もしやそなた、耳だけでなく声にも弱いか」

 これ以上、この達することができるほどではない快楽に絶え間なく晒されていたら、気が変になりそうだった。さらなる弱点を晒すわけにはいかないという防衛本能が芽生えて、答えまい、と口を強く結ぶ。
 すると、王子は耳元で笑いを漏らして、「そうか」と言った。声に弱いことは簡単にばれてしまったらしい。

「では、俺の声が良いのか、それともどんな声でもいいのか、答えるまで耳をなぶってやろう」
「やぁぁ! あっ、やっ、むり、ああっ」

 動かないよう私の腰を押さえながら、耳だけでなく、逃げようとした拍子に王子の身体からはみ出た胸の頂きも刺激してくる。
 私の中は勝手に王子のものを何度も締め付け、もっと奥へと引き込むように動き、その動きのせいでさらに快感が溜まって、苦しくて、解放されたくて、私は呆気なく答えを与えてしまうことになった。

「王子の、声、んあっ、す、好き、です……」
「そうか。そなたは愛いの」

 飛び切り愛おしそうな声音で、そんな言葉を耳に直接吹き込まれ、優しく耳殻を噛まれたら、もう駄目だった。

「も、もう、ああっ、動いて……、おねがい……っ!」
「いいだろう」

 そう言うと、王子は私の腰を持って打ち付けるような動きをはじめた。

「ああああっ」

 王子にきつくしがみついて、快感が爆発する衝撃に耐える。

「またイキ続けているのか? 好きなだけイッて構わんが、壊れるなよ」
「あっ、ああっ、あっ」

 王子が何か言っているけれど、もうよくわからなかった。



 気づくと王子に身体を拭われていた。王子はツヤツヤして元気そうだったけれど、少しだけご機嫌斜めのようだった。

「まったく。せっかく遠慮なく交わりを楽しめるようになったのだから、ゆっくり時間をかけて、と思っておったのに、そなたが急かすからすぐに終わってしまったではないか」
「え? すぐ……ではなかったですよね?」

 声を発してみて、喉が枯れているのに気づく。そうだ、途中から気持ちよすぎてひどく乱れてしまった。

「あんなもの、すぐだすぐ。王家に伝わる性技に関する秘伝を読んだが、内容も最初の章かその次くらいのものだ」

 性技に関する本って、それどこの『カーマ・スートラ』!? と思うが、口にはしない。

「それに、精を吐かずに数時間は楽しめなければハレムの主失格だと書いてあった」
「それ、フィクションじゃないですか!?」

 そんなものにトライされたら身が持たない。変な理想は追い求めないでいただきたい。
 そう思って、つい大きめの声を出してしまう。
 それに対し、王子はそっと目を伏せた。

「まあ、俺は魔力のせいでそういうわけにもいかなかったからな。いかに早く終わらせるかばかり考えていた。そういう意味では今までで一番長かったか。……無理をさせたか?」

 心なし心細そうにそんなことを言われれば、文句も萎んで消えてしまう。イケメンずるい。

「いえ。まあ、その……、大丈夫です。……気持ちよすぎただけですし」

 もごもごと口の中で呟くと、それを聞き取って王子は頷いた。

「そうか」

 すぐに弱々しい面影は消えて、不敵な笑みが口元に浮かぶ。ちょっと騙された気分だ。
 思わず浮かんだであろう憮然とした表情を取り繕おうとしていたら、そっと抱き締められて、耳元で囁かれた。

「ありがとう」

 たったそれだけで、私の心はまた強く揺さぶられてしまったのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...