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レーナの依頼
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案内された相談室は、清楚な部屋だった。
悪く言ってしまうのであれば、必要な物以外は何もない。話を聞くだけの空間だ。
だが、むしろそれで良かった。変に気を使わず、一対一で集中出来る。
レーナとシエルは向かい合うように座る。
緊張しているレーナに対して、シエラはニコニコと笑顔を浮かべ続けている。
気まずい。
この場合、用事があって来た方が話を切り出すべきか。そう思って口を開こうとした時──
「ぴゅいい」
ガチャリと扉が開かれ、スライムが入って来た。
その丸い身体にトレイとティーセットを乗せ、触手を器用に操ってテーブルの上に並べる。
「ありがとう、スラ」
「ぴゅいぴゅい!」
「はい、お願いしますね」
「ぴゅい~」
何かを話し、スライムは触手をブンブンさせながら部屋を後にする。
まさか紅茶を持ってくるのもスライムがやってくれるとは思っておらず、出された紅茶をまじまじと見つめるレーナ。
それに気づいていないのか、それともあえて気にしないようにしているのか。シエラは呑気に砂糖を入れてぐるぐると回している。
「……どうしました?」
「あ、いや……これをスライムが淹れたのか?」
「そうですよ。と言っても、スラの分体ですけど。本当に賢いですよね~」
「賢いの領域を超えていると思うのだが?」
「……? そうですかね。まぁ、そうなんでしょうね。でも、美味しいですよ?」
魔物が淹れた紅茶。これはどんな物よりも希少なのでは? とレーナは思う。
勿論、そんな物は経験したことがないので、飲むのに躊躇う。
店主はいつも飲んでいる物なので抵抗なく飲んでいるが、それでもやはり、何か変なものが入っているのではないか? と、そんな失礼なことを考えてしまう。
いやいや、あのスライムは無害な使い魔だ。
それに、ここの従業員だとシエラは言っていた。
客である自分に変なものは出さないだろう。そう結論付けたレーナは、意を決してカップのふちに口を付ける。
「…………美味しい」
「ね? 言ったでしょう?」
何処の貴族に仕えているメイドが淹れたのだ。と思ってしまうほど、その紅茶は美味しかった。
これをスライムが? 信じられないが、真実なのだろう。……頭が痛い。
「さて、そろそろ用件を聞きましょうか」
「……あ、ああ……その、私を鍛えてほしい」
「わかりました」
「やはりそんな楽は許され──え、いいのか?」
「はい、いいですよ」
「だが普通、誰かに教えを請われるのは嫌なのではないか? 実際、私が他の冒険者に頼んだ時も、面倒だと一蹴された」
「まぁ、冒険者の皆さんは面倒臭がりですからね。誰かを育てるより、自分のためにお金を稼ぎたいのが、冒険者というものです」
たまーに優しい冒険者もいるんですけどね。とシエラは呟いた。
「それは、あなたのことを言うのだろうか?」
「うん? どういうことです?」
「だって、あなたは元冒険者なのだろう?」
「……あー、どうなんでしょうかね。確かに元冒険者ではあったのですが、やっていたのは何十年も前のことなんですよ」
何十年も前。では、シエラは何歳になるのだ? と疑問に思うレーナ。
しかし、それを聞くことはしない。
どの時代も、女性に年齢を聞くのはマナー違反だ。気にはなる。めちゃくちゃ気になるが、無理矢理忘れるように努力した。
「では、シエラさんはその間何をしていたんだ? よろず屋か?」
「呼び捨てでいいですよ。その方が呼びやすいでしょう?」
「……わかった。お言葉に甘えよう。それでシエラは?」
「この店を始めたのは、最近のことですよ。それまでは……ちょっと特別なお仕事をしていました」
「……そうか」
特別なお仕事と言葉を濁すということは、聞かれたくないと言っているのと同じだ。
それくらい弁えているレーナは、もうその話題を質問することはなかった。
「それで、鍛えて欲しいとの件なのだが、本当にいいのだろうか?」
「当店はよろず屋です。拒否する理由なんて、ありませんよ。それに、他のお客様も鍛えてもらうために訪れる人は沢山いますから、慣れたものです」
「ああ、確かに……冒険者が多かったな」
「冒険者ギルドと協力してやっているので、それも当然のことなんですけどね。特にお昼は冒険者の方々で繁盛していますよ。夜は喫茶店というより、バーですね。共にお酒を飲みながら、お悩み相談しています。結構皆さん酔っ払って本心を曝け出しているので、面白いですよ」
特に面白いのは泣き上戸のお客様ですかねー、とシエラは笑う。
「そ、そうか……」
大の大人が酒を飲んで泣いている光景を想像したレーナは、少し引いたような表情になった。
本人は楽しんでいるが、酔った大人が襲いかかって来ることもあるだろう。その時はどうするのだとレーナが質問すると、当たり前のように店主は言った。
「その場合は蹴散らします」
「え?」
「蹴散らします」
「で、出来るのか?」
「はい、それなりに強いと自覚しているので。というか、そうじゃないと誰かを教えることなんて出来ませんよ。あなただって、自分より弱い人に教えを請いたくないでしょう?」
「そりゃあ、そうだな……」
そう言うシエラからは、強者の貫禄というものは感じない。
箸よりも重い物は持てないと言いそうなほど、細い体つきをしている。正直に言ってしまえば、弱そうだ。
鍛えて欲しいと頼んだ手前言いづらいのだが、それがレーナの本心だった。
「……ふむ、どうやら信じていただけていない様子ですね」
「それはその……すまない。どうにもシエラは何処かのお嬢様のように見えてしまってな」
「あら、嬉しいことを言ってくれますね」
丁寧な口調。綺麗な佇まい。無駄のない一つ一つの動き。
どれを取っても、教育をしっかりと受けてきたご令嬢のようだった。
だがシエラは、褒められるのが予想外だったのか、嬉しそうに微笑んだ。
その笑みすらも気品溢れていて、とてもではないが強そうには思えなかった。
「でも、私は強いですよ。あなたとなら……そうですねぇ。指一本で十分でしょうか」
「……流石に私も、そこまで弱くはないぞ」
指一本で十分。
シエラの長年培ってきた観察眼で見た結果、それで本当に十分だと判断した。
だが、レーナは違う。明らかに馬鹿にされたと思い、不機嫌になる。これでも冒険者として一ヶ月活動している身だ。自分よりも弱そうな相手に、相手にならないと遠回しに言われては、プライドというものに傷が付く。
「そうですか? では、腕試しをした方がわかりやすいですかね。裏庭の方に動けるスペースがあります。そちらに移動しましょうか」
シエラは立ち上がり、軽く伸びをする。
当然、レーナは戸惑った。
「え、本当にやるのか?」
「はい、そうしなければ、鍛えるも何もないでしょう?」
「だが、私は真剣しか持っていないぞ」
「構いませんよー。あってもなくても、結果に変わりないですから」
「……大した自信だな」
「自信ではなく、本気でそう思っているのですよ。さ、行きましょう。時は金なりですよー」
「あ、ちょ……待ってくれ!」
ちょいちょい、と手招きをして、裏庭の方へと歩いて行ってしまう。
慌ててレーナも立ち上がり、その背中を追いかける。
店主の言葉にムカついたレーナだったが、それと同時に面白いと思った。
ここまで大口を叩くこの人は、一体どれほどの実力なのだろう。
その余裕ぶった顔を驚かせてやるのも、面白い。想像しただけで笑みが溢れる。
レーナは戦場に向かいながら、確かな戦意を漲らせていた。
悪く言ってしまうのであれば、必要な物以外は何もない。話を聞くだけの空間だ。
だが、むしろそれで良かった。変に気を使わず、一対一で集中出来る。
レーナとシエルは向かい合うように座る。
緊張しているレーナに対して、シエラはニコニコと笑顔を浮かべ続けている。
気まずい。
この場合、用事があって来た方が話を切り出すべきか。そう思って口を開こうとした時──
「ぴゅいい」
ガチャリと扉が開かれ、スライムが入って来た。
その丸い身体にトレイとティーセットを乗せ、触手を器用に操ってテーブルの上に並べる。
「ありがとう、スラ」
「ぴゅいぴゅい!」
「はい、お願いしますね」
「ぴゅい~」
何かを話し、スライムは触手をブンブンさせながら部屋を後にする。
まさか紅茶を持ってくるのもスライムがやってくれるとは思っておらず、出された紅茶をまじまじと見つめるレーナ。
それに気づいていないのか、それともあえて気にしないようにしているのか。シエラは呑気に砂糖を入れてぐるぐると回している。
「……どうしました?」
「あ、いや……これをスライムが淹れたのか?」
「そうですよ。と言っても、スラの分体ですけど。本当に賢いですよね~」
「賢いの領域を超えていると思うのだが?」
「……? そうですかね。まぁ、そうなんでしょうね。でも、美味しいですよ?」
魔物が淹れた紅茶。これはどんな物よりも希少なのでは? とレーナは思う。
勿論、そんな物は経験したことがないので、飲むのに躊躇う。
店主はいつも飲んでいる物なので抵抗なく飲んでいるが、それでもやはり、何か変なものが入っているのではないか? と、そんな失礼なことを考えてしまう。
いやいや、あのスライムは無害な使い魔だ。
それに、ここの従業員だとシエラは言っていた。
客である自分に変なものは出さないだろう。そう結論付けたレーナは、意を決してカップのふちに口を付ける。
「…………美味しい」
「ね? 言ったでしょう?」
何処の貴族に仕えているメイドが淹れたのだ。と思ってしまうほど、その紅茶は美味しかった。
これをスライムが? 信じられないが、真実なのだろう。……頭が痛い。
「さて、そろそろ用件を聞きましょうか」
「……あ、ああ……その、私を鍛えてほしい」
「わかりました」
「やはりそんな楽は許され──え、いいのか?」
「はい、いいですよ」
「だが普通、誰かに教えを請われるのは嫌なのではないか? 実際、私が他の冒険者に頼んだ時も、面倒だと一蹴された」
「まぁ、冒険者の皆さんは面倒臭がりですからね。誰かを育てるより、自分のためにお金を稼ぎたいのが、冒険者というものです」
たまーに優しい冒険者もいるんですけどね。とシエラは呟いた。
「それは、あなたのことを言うのだろうか?」
「うん? どういうことです?」
「だって、あなたは元冒険者なのだろう?」
「……あー、どうなんでしょうかね。確かに元冒険者ではあったのですが、やっていたのは何十年も前のことなんですよ」
何十年も前。では、シエラは何歳になるのだ? と疑問に思うレーナ。
しかし、それを聞くことはしない。
どの時代も、女性に年齢を聞くのはマナー違反だ。気にはなる。めちゃくちゃ気になるが、無理矢理忘れるように努力した。
「では、シエラさんはその間何をしていたんだ? よろず屋か?」
「呼び捨てでいいですよ。その方が呼びやすいでしょう?」
「……わかった。お言葉に甘えよう。それでシエラは?」
「この店を始めたのは、最近のことですよ。それまでは……ちょっと特別なお仕事をしていました」
「……そうか」
特別なお仕事と言葉を濁すということは、聞かれたくないと言っているのと同じだ。
それくらい弁えているレーナは、もうその話題を質問することはなかった。
「それで、鍛えて欲しいとの件なのだが、本当にいいのだろうか?」
「当店はよろず屋です。拒否する理由なんて、ありませんよ。それに、他のお客様も鍛えてもらうために訪れる人は沢山いますから、慣れたものです」
「ああ、確かに……冒険者が多かったな」
「冒険者ギルドと協力してやっているので、それも当然のことなんですけどね。特にお昼は冒険者の方々で繁盛していますよ。夜は喫茶店というより、バーですね。共にお酒を飲みながら、お悩み相談しています。結構皆さん酔っ払って本心を曝け出しているので、面白いですよ」
特に面白いのは泣き上戸のお客様ですかねー、とシエラは笑う。
「そ、そうか……」
大の大人が酒を飲んで泣いている光景を想像したレーナは、少し引いたような表情になった。
本人は楽しんでいるが、酔った大人が襲いかかって来ることもあるだろう。その時はどうするのだとレーナが質問すると、当たり前のように店主は言った。
「その場合は蹴散らします」
「え?」
「蹴散らします」
「で、出来るのか?」
「はい、それなりに強いと自覚しているので。というか、そうじゃないと誰かを教えることなんて出来ませんよ。あなただって、自分より弱い人に教えを請いたくないでしょう?」
「そりゃあ、そうだな……」
そう言うシエラからは、強者の貫禄というものは感じない。
箸よりも重い物は持てないと言いそうなほど、細い体つきをしている。正直に言ってしまえば、弱そうだ。
鍛えて欲しいと頼んだ手前言いづらいのだが、それがレーナの本心だった。
「……ふむ、どうやら信じていただけていない様子ですね」
「それはその……すまない。どうにもシエラは何処かのお嬢様のように見えてしまってな」
「あら、嬉しいことを言ってくれますね」
丁寧な口調。綺麗な佇まい。無駄のない一つ一つの動き。
どれを取っても、教育をしっかりと受けてきたご令嬢のようだった。
だがシエラは、褒められるのが予想外だったのか、嬉しそうに微笑んだ。
その笑みすらも気品溢れていて、とてもではないが強そうには思えなかった。
「でも、私は強いですよ。あなたとなら……そうですねぇ。指一本で十分でしょうか」
「……流石に私も、そこまで弱くはないぞ」
指一本で十分。
シエラの長年培ってきた観察眼で見た結果、それで本当に十分だと判断した。
だが、レーナは違う。明らかに馬鹿にされたと思い、不機嫌になる。これでも冒険者として一ヶ月活動している身だ。自分よりも弱そうな相手に、相手にならないと遠回しに言われては、プライドというものに傷が付く。
「そうですか? では、腕試しをした方がわかりやすいですかね。裏庭の方に動けるスペースがあります。そちらに移動しましょうか」
シエラは立ち上がり、軽く伸びをする。
当然、レーナは戸惑った。
「え、本当にやるのか?」
「はい、そうしなければ、鍛えるも何もないでしょう?」
「だが、私は真剣しか持っていないぞ」
「構いませんよー。あってもなくても、結果に変わりないですから」
「……大した自信だな」
「自信ではなく、本気でそう思っているのですよ。さ、行きましょう。時は金なりですよー」
「あ、ちょ……待ってくれ!」
ちょいちょい、と手招きをして、裏庭の方へと歩いて行ってしまう。
慌ててレーナも立ち上がり、その背中を追いかける。
店主の言葉にムカついたレーナだったが、それと同時に面白いと思った。
ここまで大口を叩くこの人は、一体どれほどの実力なのだろう。
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