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第三章
火加減は難しい
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翌朝。
階段を降りてきた龍二は、まだ寝ぼけた顔をしていた。
寝癖は昨日よりひどく、右側だけが爆ぜるように浮き上がっている。
「……霧弥、起きてる?」
返事の代わりに、台所から味噌汁のいい匂いが漂ってくる。
のろのろと店の奥へ歩くと、霧弥がコンロの前で味噌を溶かしていた。
鍋の中にはワカメと豆腐。刻んだ長ねぎが指の動きに沿って静かに沈む。
「……作ってる」龍二が呟くと、
霧弥は振り返らずに言った。「当たり前だろ。昨日コンビニ弁当だったしな。」
味噌汁の湯気で少し赤くなった横顔が、やけに目に残る。
龍二はその背中に寄りかかるような気持ちになりながら、椅子に座った。
「何作ってんの?」
「鮭と卵焼き。あと味噌汁だけ」
「和食かぁ……最高……」
龍二は頬杖をつきながら眺める。
霧弥は器用にフライ返しを使い、卵焼きをくるりと巻く。
料理が特別うまいわけじゃないけど、段取りがいい。
ああ、昔からそうだった、と龍二は思い出す。
中学の頃。
霧弥の家に遊びに行くと、祖母の代わりに霧弥が飯を作ってくれていた。
鍋を持つ腕は細いのに、妙に頼もしく見えた。
「ほら。食えよ」
霧弥が皿を置くと、龍二の腹が鳴った。
霧弥は呆れ顔で笑う。「子どもか、お前」
「昨日ほとんど食ってないから……」
「食え。冷めるぞ」
龍二は箸を持ち、熱々の卵焼きを口に運んだ。
「……うまっ……!」
霧弥は肩をすくめた。「こんなんで褒めるなよ」
「いや、霧弥が作ったやつは何でもうまい」
その言葉に、霧弥の手がぴくりと止まった。
だがすぐに煙草を取り出し、火を点ける。
「……朝から調子良すぎだろお前」
龍二は微笑む。
霧弥の横顔に落ちる煙が、やけに綺麗に見えた。
1
朝食を終えて店を開けた頃、商店街の奥でまた騒ぎが起きた。
「霧弥~!聞いたかい?」
八百屋の店主の老婆が駆け寄ってきて、変にうきうきした顔をしている。
「なに、婆ちゃん」
「昨日、あんた喧嘩したろう?あの子ら、凄く反省してたよ。赤城さん強すぎて逆に尊敬したってさ」
「……は?」
龍二が吹き出した。「尊敬されてるじゃん、霧弥」
「尊敬とかいらねぇよ……」
「いや、“赤城の兄さんは拳の聖人”って言ってたぞ」
「はぁ!?誰だよそんな二つ名つけたの!!」
龍二は笑い転げる。
霧弥は額に手を当てて深くため息をついた。
――昨日のことが、変な広まり方してる……
そこへ、またも八百屋の婆ちゃんが声を上げた。
「そういやな、今日の夜、あの子らが謝りに来るってよ。あんたにちゃんと礼言いたいって」
霧弥は固まった。「……は? 来させるなよ」
「来たいって言ってたんだ。今夜だよ」
龍二は驚いたように霧弥を見る。
「霧弥……すげぇな」
「すげぇじゃねぇよ!なんで俺が謝られんだ!」
「いや、守られた側なら分かるけど……殴ったの霧弥なのにね」
「本気で殴ってねぇだろ!」
商店街での妙な噂に、霧弥は気が滅入る。
龍二はそれを面白がり、ずっと笑っていた。
こんな日常が、嫌いじゃなかった。
2
昼過ぎ、龍二はカタカタとパソコンを叩いていた。
霧弥がカウンターで会計をしていると、龍二が顔を上げる。
「霧弥……今日の夜、出版社の人来るかも」
「なんでだよ」
「いや……締め切り、今日だったらしくて」
「昨日『来週』って言ってなかったか?」
「昨日は『来週だった気がする』っていう、俺の願望」
霧弥は呆れ果てたように煙草に火を点けた。「龍二、俺お前のマネージャーじゃねぇぞ」
「でも霧弥がいないと書けないんだよ。匂い的に」
「匂い的にって何だよ」龍二は真剣な顔で言った。「霧弥の店の匂いが落ち着くんだよ……。昔からそうだけど、霧弥の近くにいると、頭ん中が静かになる」
霧弥の胸が揺れた。
龍二の言葉は軽く聞こえるくせに、こういうときだけ心の奥をチクリと突く。
「……なら、さっさと書き終われよ」
「努力してる。でも霧弥が煙草吸ってないと集中できない」
霧弥は深く息を吐いた。「……分かったよ。一本だけ吸う」
火を点ける。
煙が薄く広がると、龍二の指が自然とキーボードを走り始める。
目が真剣になった。
その横顔に、霧弥の胸がまた少し熱くなる。
――こいつ、本当に俺がいないと書けないのか?
冗談のようで、冗談ではない気がしてきていた。
3
夕方。
時間は少々早いが例の高校生三人が店に姿を現した。
「赤城さん……昨日はすみませんでした!」
「ありがとうございました!!」
店の前で土下座しそうな勢いだ。
霧弥は頭を抱えた。
「やめろ!恥ずかしいから」
「いや、俺ら……犯されかけてたんすよ」
「言葉選べよ!!」
龍二が吹き出して肩を震わせている。
どうやら事情はこうだ。
昨日倒れていた少年が別の不良に絡まれていて、同級生二人が止めたが逆に揉めてしまった。
本当は「やり返そうとした」わけではなかったらしい。
「それで、赤城さんが……助けてくれて……」
霧弥は視線をそらす。
「別に助けたつもりはねぇよ。見てられなかっただけだ」
龍二がふっと優しい笑みを浮かべる。
それを見ているほうが、霧弥には恥ずかしい。
「赤城さん、もしその……お礼にできることあったら何でも言ってください」
「何でもって言うな。物騒だ」
「じゃあ……せめて!」
少年のひとりが、袋を差し出した。
中にはコンビニの菓子パンが三つ。
「……それ、お前らの朝か昼飯じゃねぇの?」
「赤城さんに助けてもらったんで……!」
霧弥は言葉を詰まらせた。
こういうのに弱い。
「……じゃあ、貰っとくわ」
三人は深々と頭を下げ、走って帰っていった。
龍二が静かに言った。「霧弥……やっぱり、そういうとこ好き」
霧弥の胸がドクンと跳ねる。
「……言うなよ」
「言いたくなるだろ。惚れてるんだし」
「ッ……!」
霧弥は顔を背けた。
龍二のそういう言葉は、煙草の火よりも熱い。
4
夜。
高校生の一件で遅れたため、霧弥は急いで夕飯を作り始めた。
メニューは鶏肉の照り焼きとほうれん草のお浸し、冷ややっこ。
「照り焼き……久しぶりに食べる……」
龍二がすでに期待の眼差しで見つめてくる。
「そんな見るなよ、緊張すんだろ」
「霧弥の料理、好きなんだよ」
「……」
照り焼きのタレを煮詰めながら、霧弥は少しだけ頬がゆるんだ。
料理しながら誰かに見られるのは、嫌じゃない。
むしろ――心地いい。
「お前、料理できねぇの?」
霧弥が聞くと、龍二は即答した。
「できない」
「即答すぎだろ」
「霧弥が作ってくれるから、俺が作る必要ないと思って」
「……甘えんな」
龍二は笑いながら近づいてきた。
霧弥の背中にそっと指が触れる。
「でも……霧弥が作ってくれる飯が一番美味しい」
霧弥は火加減を誤り、照り焼きが少し焦げた。
「ちょっ……!龍二、近ぇんだよ!」
「ぶっ……焦がした!?」
「お前が急に触るからだろ!」
龍二が笑い転げる。
霧弥は赤面しながら鍋を持ち替えた。
――火加減は難しい。
料理も、気持ちも。
5
夕飯が整うと、龍二は目をきらきら輝かせ、写真を撮ろうとした。
「撮るな」
「えぇぇ……」
「やめろ。恥ずかしいだろ」
「じゃあ……食べながら褒めていい?」
「……好きにしろ」
食べ始めると、龍二は目を潤ませながら言った。
「霧弥……ほんとに、誰かのために料理する顔、かっこいい」
「……食えよ、黙って」
「だって……惚れるだろ、普通」
霧弥は箸を握る手が震えた。
「……龍二」
「うん?」
「……そういうの、簡単に言うなって……前にも言ったよな」
龍二は俯く。
しかし、ふっと小さく笑った。「……じゃあ、簡単じゃなく言う」
霧弥は手を止めた。
龍二の声は……驚くほど静かだった。
「俺、霧弥のこと……好きだよ。ずっと」
空気が、止まった。
照明の音も、換気扇の回る音も、遠くなる。
霧弥は喉が乾き、声にならない声を絞り出した。
「……龍二」
龍二は焦ったように笑った。
「いや、返事いらない。いらないけど……なんかさ、昨日怖くて……今日嬉しくて……言いたくなった」
霧弥はうつむき、深く息を吐いた。
龍二の“好き”は、ずっと聞きたかった。
だけど――。
言われるとどうしていいか分からない。
「……バカ」
ようやく出た言葉はそれだけだった。
だが龍二は、それだけで泣きそうに嬉しそうな顔をした。
霧弥は視線をそらし、照り焼きをつまんだ。
「……冷めるぞ」
「うん……食べる」
二人は言葉を失いながら、同じ食卓で飯を食った。
踏み込めない。
まだ踏み込めない。
でも。
――距離が、また少しだけ縮んだ気がした。
階段を降りてきた龍二は、まだ寝ぼけた顔をしていた。
寝癖は昨日よりひどく、右側だけが爆ぜるように浮き上がっている。
「……霧弥、起きてる?」
返事の代わりに、台所から味噌汁のいい匂いが漂ってくる。
のろのろと店の奥へ歩くと、霧弥がコンロの前で味噌を溶かしていた。
鍋の中にはワカメと豆腐。刻んだ長ねぎが指の動きに沿って静かに沈む。
「……作ってる」龍二が呟くと、
霧弥は振り返らずに言った。「当たり前だろ。昨日コンビニ弁当だったしな。」
味噌汁の湯気で少し赤くなった横顔が、やけに目に残る。
龍二はその背中に寄りかかるような気持ちになりながら、椅子に座った。
「何作ってんの?」
「鮭と卵焼き。あと味噌汁だけ」
「和食かぁ……最高……」
龍二は頬杖をつきながら眺める。
霧弥は器用にフライ返しを使い、卵焼きをくるりと巻く。
料理が特別うまいわけじゃないけど、段取りがいい。
ああ、昔からそうだった、と龍二は思い出す。
中学の頃。
霧弥の家に遊びに行くと、祖母の代わりに霧弥が飯を作ってくれていた。
鍋を持つ腕は細いのに、妙に頼もしく見えた。
「ほら。食えよ」
霧弥が皿を置くと、龍二の腹が鳴った。
霧弥は呆れ顔で笑う。「子どもか、お前」
「昨日ほとんど食ってないから……」
「食え。冷めるぞ」
龍二は箸を持ち、熱々の卵焼きを口に運んだ。
「……うまっ……!」
霧弥は肩をすくめた。「こんなんで褒めるなよ」
「いや、霧弥が作ったやつは何でもうまい」
その言葉に、霧弥の手がぴくりと止まった。
だがすぐに煙草を取り出し、火を点ける。
「……朝から調子良すぎだろお前」
龍二は微笑む。
霧弥の横顔に落ちる煙が、やけに綺麗に見えた。
1
朝食を終えて店を開けた頃、商店街の奥でまた騒ぎが起きた。
「霧弥~!聞いたかい?」
八百屋の店主の老婆が駆け寄ってきて、変にうきうきした顔をしている。
「なに、婆ちゃん」
「昨日、あんた喧嘩したろう?あの子ら、凄く反省してたよ。赤城さん強すぎて逆に尊敬したってさ」
「……は?」
龍二が吹き出した。「尊敬されてるじゃん、霧弥」
「尊敬とかいらねぇよ……」
「いや、“赤城の兄さんは拳の聖人”って言ってたぞ」
「はぁ!?誰だよそんな二つ名つけたの!!」
龍二は笑い転げる。
霧弥は額に手を当てて深くため息をついた。
――昨日のことが、変な広まり方してる……
そこへ、またも八百屋の婆ちゃんが声を上げた。
「そういやな、今日の夜、あの子らが謝りに来るってよ。あんたにちゃんと礼言いたいって」
霧弥は固まった。「……は? 来させるなよ」
「来たいって言ってたんだ。今夜だよ」
龍二は驚いたように霧弥を見る。
「霧弥……すげぇな」
「すげぇじゃねぇよ!なんで俺が謝られんだ!」
「いや、守られた側なら分かるけど……殴ったの霧弥なのにね」
「本気で殴ってねぇだろ!」
商店街での妙な噂に、霧弥は気が滅入る。
龍二はそれを面白がり、ずっと笑っていた。
こんな日常が、嫌いじゃなかった。
2
昼過ぎ、龍二はカタカタとパソコンを叩いていた。
霧弥がカウンターで会計をしていると、龍二が顔を上げる。
「霧弥……今日の夜、出版社の人来るかも」
「なんでだよ」
「いや……締め切り、今日だったらしくて」
「昨日『来週』って言ってなかったか?」
「昨日は『来週だった気がする』っていう、俺の願望」
霧弥は呆れ果てたように煙草に火を点けた。「龍二、俺お前のマネージャーじゃねぇぞ」
「でも霧弥がいないと書けないんだよ。匂い的に」
「匂い的にって何だよ」龍二は真剣な顔で言った。「霧弥の店の匂いが落ち着くんだよ……。昔からそうだけど、霧弥の近くにいると、頭ん中が静かになる」
霧弥の胸が揺れた。
龍二の言葉は軽く聞こえるくせに、こういうときだけ心の奥をチクリと突く。
「……なら、さっさと書き終われよ」
「努力してる。でも霧弥が煙草吸ってないと集中できない」
霧弥は深く息を吐いた。「……分かったよ。一本だけ吸う」
火を点ける。
煙が薄く広がると、龍二の指が自然とキーボードを走り始める。
目が真剣になった。
その横顔に、霧弥の胸がまた少し熱くなる。
――こいつ、本当に俺がいないと書けないのか?
冗談のようで、冗談ではない気がしてきていた。
3
夕方。
時間は少々早いが例の高校生三人が店に姿を現した。
「赤城さん……昨日はすみませんでした!」
「ありがとうございました!!」
店の前で土下座しそうな勢いだ。
霧弥は頭を抱えた。
「やめろ!恥ずかしいから」
「いや、俺ら……犯されかけてたんすよ」
「言葉選べよ!!」
龍二が吹き出して肩を震わせている。
どうやら事情はこうだ。
昨日倒れていた少年が別の不良に絡まれていて、同級生二人が止めたが逆に揉めてしまった。
本当は「やり返そうとした」わけではなかったらしい。
「それで、赤城さんが……助けてくれて……」
霧弥は視線をそらす。
「別に助けたつもりはねぇよ。見てられなかっただけだ」
龍二がふっと優しい笑みを浮かべる。
それを見ているほうが、霧弥には恥ずかしい。
「赤城さん、もしその……お礼にできることあったら何でも言ってください」
「何でもって言うな。物騒だ」
「じゃあ……せめて!」
少年のひとりが、袋を差し出した。
中にはコンビニの菓子パンが三つ。
「……それ、お前らの朝か昼飯じゃねぇの?」
「赤城さんに助けてもらったんで……!」
霧弥は言葉を詰まらせた。
こういうのに弱い。
「……じゃあ、貰っとくわ」
三人は深々と頭を下げ、走って帰っていった。
龍二が静かに言った。「霧弥……やっぱり、そういうとこ好き」
霧弥の胸がドクンと跳ねる。
「……言うなよ」
「言いたくなるだろ。惚れてるんだし」
「ッ……!」
霧弥は顔を背けた。
龍二のそういう言葉は、煙草の火よりも熱い。
4
夜。
高校生の一件で遅れたため、霧弥は急いで夕飯を作り始めた。
メニューは鶏肉の照り焼きとほうれん草のお浸し、冷ややっこ。
「照り焼き……久しぶりに食べる……」
龍二がすでに期待の眼差しで見つめてくる。
「そんな見るなよ、緊張すんだろ」
「霧弥の料理、好きなんだよ」
「……」
照り焼きのタレを煮詰めながら、霧弥は少しだけ頬がゆるんだ。
料理しながら誰かに見られるのは、嫌じゃない。
むしろ――心地いい。
「お前、料理できねぇの?」
霧弥が聞くと、龍二は即答した。
「できない」
「即答すぎだろ」
「霧弥が作ってくれるから、俺が作る必要ないと思って」
「……甘えんな」
龍二は笑いながら近づいてきた。
霧弥の背中にそっと指が触れる。
「でも……霧弥が作ってくれる飯が一番美味しい」
霧弥は火加減を誤り、照り焼きが少し焦げた。
「ちょっ……!龍二、近ぇんだよ!」
「ぶっ……焦がした!?」
「お前が急に触るからだろ!」
龍二が笑い転げる。
霧弥は赤面しながら鍋を持ち替えた。
――火加減は難しい。
料理も、気持ちも。
5
夕飯が整うと、龍二は目をきらきら輝かせ、写真を撮ろうとした。
「撮るな」
「えぇぇ……」
「やめろ。恥ずかしいだろ」
「じゃあ……食べながら褒めていい?」
「……好きにしろ」
食べ始めると、龍二は目を潤ませながら言った。
「霧弥……ほんとに、誰かのために料理する顔、かっこいい」
「……食えよ、黙って」
「だって……惚れるだろ、普通」
霧弥は箸を握る手が震えた。
「……龍二」
「うん?」
「……そういうの、簡単に言うなって……前にも言ったよな」
龍二は俯く。
しかし、ふっと小さく笑った。「……じゃあ、簡単じゃなく言う」
霧弥は手を止めた。
龍二の声は……驚くほど静かだった。
「俺、霧弥のこと……好きだよ。ずっと」
空気が、止まった。
照明の音も、換気扇の回る音も、遠くなる。
霧弥は喉が乾き、声にならない声を絞り出した。
「……龍二」
龍二は焦ったように笑った。
「いや、返事いらない。いらないけど……なんかさ、昨日怖くて……今日嬉しくて……言いたくなった」
霧弥はうつむき、深く息を吐いた。
龍二の“好き”は、ずっと聞きたかった。
だけど――。
言われるとどうしていいか分からない。
「……バカ」
ようやく出た言葉はそれだけだった。
だが龍二は、それだけで泣きそうに嬉しそうな顔をした。
霧弥は視線をそらし、照り焼きをつまんだ。
「……冷めるぞ」
「うん……食べる」
二人は言葉を失いながら、同じ食卓で飯を食った。
踏み込めない。
まだ踏み込めない。
でも。
――距離が、また少しだけ縮んだ気がした。
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主人公楓目線の、片思いBL。
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