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おまけ
そのすぐあと
しおりを挟む指輪をニコニコと眺めているリリィが可愛い。可愛すぎる。
チラリと視線を下に向けると白く輝く足が食べて下さいとばかりに、こちらの理性をガリガリと削りにくる。
リリィの今の格好は俺のシャツを着ているだけだから、足はほぼ丸見えだ。
本人はすっかり忘れているのかそのままの格好で寛いでいる。
そっと隣に座り、腰に手を回すとリリィは不思議そうな顔でこちらを見上げた。
あぁもう、ほんと可愛い。
リリィの顎を取り、上を向かせキスを落とす。あんなファーストキスをしてしまった自分を恨めしく思いながら、口を開いて欲しいと舌で催促をするとリリィの身体がピクリと反応した。
あ~もうやばい、可愛(ry
「リリィ口開けて・・・」
少し唇を離し呟くように言うと、リリィの顔は真っ赤だった。
くっそ!なんだこの可(ry
小さく口を開けたリリィの口をまた塞ぎ、手を胸に当てると身体が強ばっているのがわかった。
あぁそうだった。リリィは藤井たちに無理やり暴力を振るわれそうになったんだった。
これ以上はしてはいけないと、なんとか理性で留まる。
十分に口の中を堪能し、チュッと音を立てて唇を離すと真っ赤になった顔に息切れをしたリリィがいた。
俺の理性の糸がブチブチと切れていく。
〖いいじゃんいいじゃん。リリィは嫌だって言ってないんだし、今いい雰囲気なんだからそのままいっちゃえよ!〗
頭の中で悪魔が囁く。
〖そんなのダメ!リリィにも心の準備が必要でしょ!〗
すかさず天使が悪魔を牽制し出した。
〖うるせぇなぁ~途中で嫌がったら止めればいいだけだろ?このチャンスを逃したら次はいつかわからないんだぜ?〗
そうだよな・・・俺はずっと待ったんだ。もう十分待ったよな?
〖そうそう、こういうのはタイミングと流れだって!男らしく頂いちまおうぜ!〗
〖悪魔に耳を傾けてはダメ!お願い、僕の話をーー〗
確かにタイミングは大事だ。
よし、このままーーー
「あ~~~~!!!」
頭の中で一人脳内会議をしていた俺はリリィの声に驚いた。
「ど、どうした?」
もしかして俺の下心がバレたのかと恐る恐る問うと、リリィは顔を真っ青にして「スマホどこ!?」と叫んだ。
「え、そこのリリィのバッグの中に・・・」
言い終わるより先にバタバタとそのバッグに駆け寄り、泣きそうな顔でスマホを取り出した。
「お母さんに連絡してない~~やっちゃったよぉ」
「・・・・・・」
下心がバレてないようでホッとした反面、あの雰囲気の時に家族の事を思い出したリリィに何とも言えない感情を抱いた。
「お母さん怒ると怖いんだよな・・・どうしよう、なんて言い訳しよう・・・」
「リリィ、大丈夫。俺が連絡入れといたから」
「え、本当?」
「もちろん。何時になるかはハッキリしないけど、ちゃんと家までお送りしますって言っといたから安心して」
「よ、良かったぁ~」
本当は閉じ込めるつもりだったからその後何だかんだ言いつつ、家族と引き離すつもりだったとは言えない。
「じゃ、お腹空いたし私そろそろ帰るね!」
「あ、うん。送るよ」
俺の煩悩はリリィの母親に邪魔されたような気が・・・しなくもない。
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