校長からの課題が娘の処女を守れ…だと!?

明石龍之介

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第48話 計算が出来ない

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俺は今正座をさせられている。

そして俺の前で美女が二人言い争っている…

「高校生で同棲とかそんなのありなの!?ふしだらもいいとこね!ビッチ!」

「ビッチはママだもん!私処女だもん!」

なんの言い争いだよ…

「快斗くん、まさか中学の時に私とした約束、忘れたとは言わせないわよ?」

「はぁ?お前となんの約束したって?」

「ほら、理科室のカエルの解剖の時、それを食べるか私と結婚するかの二択を迫ったでしょ?」

「あったなそーいうの…いや二択が悪すぎるんだよ!いじめ通り越えてるからなそれ!?」

え、あれって桃香ちゃんは俺が好きだったってこと?
いやないだろ…

好きな相手にカエル食わそうとするやつがどこにいるんだ…

「快斗、そんな約束したんだ…」

「いやさっきの話聞いてた!?ただいじめられてたエピソードをサラッと暴露されただけだよね!?」

蓮水さんがいなくなってカレンとしばらくゆっくりできるとか思ってたのに…

「でもなんで急に会いにきたの?」

「この前地元で快斗くんのこと見かけたって聞いたからよ。帰ってきてるのに連絡もくれないんだって思うと…寂しかった…」

「そうか…でも言っとくけどお前のことはトラウマ多すぎて『なんかお前変わったな』とか『あ、ちょっと可愛い』とか全然思わないからな!今でもちょっと膝震えてるんだよ!」

いや確かに綺麗になったけど…
中身はそのままだと思うと余計ゾッとする…

「で、この子と付き合ってるから私はもう好きじゃないっていいたいの?」

「今までの話の中で一回でもお前を好きだったエピソードがどこにあったんだ!?今も昔も好きじゃねえよ!」

ついに地元からまで変なやつを連れてきてしまった…

「カレン、とりあえず誤解は解けただろ?もう部屋で休もう…」

「快斗、私が寝た後でこの人とチューしない?」

「そんな大胆な犯行ができるんなら俺は童貞じゃないと思いますけど!?」

はぁ…ため息しかでないな最近…

カレンを部屋に入れたあと、桃香ちゃんと話をすることにした。

「あのさ…おれ見ての通り彼女いるし今更どうこう言われても迷惑だし、そもそもいじめられてた相手のことはやっぱり好きになれないからさ…」

「私がいついじめたのよ?」

「逆にお前の中ではどこからがいじめなんだよ!?そういうやつがいるからいじめがなくならないの!」

話にならんな…

「でもさ、あれは愛のあるいじりだったって思わない?」

「思わない!愛があるやつが人を裸にして全身の毛をガムテープで抜いたりしないね!」

「あれは…そう照れ隠しよ!」

「お前の照れを隠すたびに人があんなにボロボロになるんならそんなもん隠すな!」

早く帰ってくれ…

「あのさ、快斗くんほんとにここに住んでるの?」

「ああ、ここに二人で住んでるよ。それがなにか?」

「ふーん、私もここに住もうかなー」

「はあ?学校はどうするんだよ!?いやそもそもここ誰でも住めるわけじゃないからな!」

いや、居候はいっぱいいたけど…

「編入したらいいんじゃない?ラブ高だったら学力足りてるし」

「いやいや、まじでやめて!それにこの学校にきていいこととかないから!」

「ふーん、でもいいことあるじゃない?彼女できたんでしょ?」

「い、いやそれは…」

もちろんカレンと知り合えたのはいいことでしかないんだけど…それ以外がクソすぎてな…

「私、ラブ高に入るから!そんでこの寮に泊めてもらうことにするね!だから二学期からは同じ屋根の下に住むかもだからよろしくね!」

「いやほんと一方的に決めるなって!」

なんか知らんが満足して帰っていった…

どうしよう…カレンとの愛の巣が…

いやいやそうじゃなくてもまたカレンの機嫌が悪くなる…

明日校長にでも相談しようかな?
あの人を頼るだけは嫌だったけど、背に腹はかえられないってやつか…

カレンが様子を見に部屋から出てきた。

「かえった?」

「あ、ああ帰ったよ。でもなんかとんでもなくめんどくさいことになりそう…」

「あの女、くるの?」

「うーん、確定ではないけどあれはその流れだよなぁ…」

「わかった、じいに連絡しとくね」

「サラッと殺《や》っちゃいますねみたいな流れ最近多いよね!?血の気が多いよカレンさん!」

でもほんとどうやって対処しようか…

急に憂鬱になった。

不安をかき消すように眠りについて、翌日すぐに校長に電話した。

「校長、急にすみませんちょっと大変なんです!」

「ん?なんじゃ、ワシも大変なんじゃ聞いてくれるかな?」

「え、そっちの相談?いやまぁいいですけどなんですか?」

「メラニーがの…」

「メラニーさんがまた浮気でもしたんですか?そんなのいつものことじゃないですか」

「いや、メラニーが駆け落ちしてしもうた…」

「え、帰ってこないの!?」

「それに佐津江くんもじゃ…どうしよう明日から佐津江くんなしでは生きていけん!」

「え、そっち!?普通奥さんの心配しろよ!」

命先輩の例のアレ…俺もいつか拝めるのか?

「それで、こっちの相談いいですか…?」

「なんじゃ、まぁ早く終わらせてくれい…」

「いやそれがですね…編入でうちの学校に来ようとするやつがいるんですけど、それがカレンにとって厄介な相手で…」

「は?」

「いやだから、編入で来るやつがちょっと…」

「はぁ?」

「いや聞けよ!」

「いやなに、うち編入なんぞないぞい」

「は?」

「いやじゃから編入なんぞないんじゃから誰が入学するんじゃと言うとる」

「はぁ」

桃香ちゃんの野望は…ここに潰えた…

目的は…マジでよくわからなかった…

まぁどうせそのうち来るかもしれんが無視しよう…

「カレン、ピザ頼もうか。」

「うん、頼む頼む!」

アンも帰ってきてるかな?

「毎度」

アンがきた。なぜだろうホッとする…

「ああ、ありがとう。ラスベガスはいつなんだ?」

「辞退した」

「はぁ!?なんで辞退すんだよやっぱり渡航費の問題?」

「予定被った」

「いやそれより優先する予定ってなんだよ!?」

「し○じり先生の撮影」

「いやその選択が一番しくじってるわ!」

1000万ドルを棒に振ったのか…

「借金どうすんだよ?」

「大丈夫」

「なんか自身満々だな」

「出演料入る」

「…いくらだ?」

「10万円」

「ほんとお前が貧乏な理由がちょっとわかってきたよ!」

多分アンは…計算が出来ない…

帰っていくアンは持ってきたピザの味を間違えていた…
しくじってばっかだな…

二人でピザを食べて寝てまた起きてとグータラな生活を何日も繰り返して夏休みも終わりに近づいたある日のことだった。

「あ、ラブ高勝った…」

甲子園でラブ高野球部が完全勝利をおさめて優勝した…

甲子園の一回戦でも万浪リンチを行い、全国ネットで堂々と卑劣な行為をやったことから批判が集中したが、その後の圧倒的な実力により人気は回復していったが…

大神くんは投げた試合全てがノーヒットピッチングで全て30点差をつけるという圧勝劇に、観客はしらけて決勝戦にはなんと300人しか客が来ないという異例の事態を巻き起こしたそうな…

そんな野球部の優勝インタビューでとんでもないことをキャプテンと名乗る男が話し出した。

「俺は優勝したら同級生のカレンちゃんに告白すると決めていたんです!カレンちゃん、俺と付き合ってくれ!」

極少数の観客が少しワッと沸いたのがわかった。

「カレン、こいつ知ってるのか?」

「見たことない」

「え、なんなんだこいつ?」

そしてインタビュアーが戸惑うのを無視してその男は続けた。

「でも彼氏いるんですよね?その彼氏さんに勝負を申し込みます!明日の午後13時、グランドで決着をつけましょう!俺が勝ったらカレンちゃんをもらう!」

まさか甲子園から勝負を挑まれるとは思わなかった…

「カレン、どうしよう。俺また野球対決になったんだけど…」

「でも快斗、前は勝ったよ?」

「あれは勝ったといえるのかな…」

死球くらって意識が飛んだだけなんだが…

なんか不安しかないが、明日か。
今日は早めに寝よう…

昼過ぎにカレンとゴロゴロしていると客が来た。


「あれ、命先輩!?校長が探してましたよ?それにメラニーさんと出て行って大丈夫なんですか?」

「ああ、それは問題ないんだがちょっと聞いてほしいことができてな…」

「それは問題ないんだ…で、聞いてほしいこととは?」

「今日はメラニーさん、校長と会うって言うんだ、おかしいだろ?」

「おかしいのは己の頭じゃ!なんで不倫相手の先輩がベースにきちゃってんの!?校長の嫁だよね一応!?そう一応だけどもね!」

ただその話をしたかったそうなのでお引き取りいただいた…

また来客が来た…

薬師寺さん?
最近この人らほんと出番多いよな…

「蓮水さんは一緒じゃないんですか?」

「なんで俺がハスミンといつも一緒でなければならない?今日はお前に用があるのだ。」

「なんですか?俺は用事ないですけど」

「そういうな。ハスミンがちょっと怒ってしまったのでな、どうしたらいいのか聞こうと思ったのだ。」

「…どうせ浮気でしょ?」
 
「何をいう、俺はここでハスミンと再開してからこの数ヶ月で28人としか関係を持ってないのだぞ!?これで浮気だとか言われてたら息もできん!」

「いや息するな死ねよもう!あ、ちょっと少ないなとか思っちゃったじゃないか!いい加減人の感覚狂わすのやめてもらえませんかね!?」

結局話を聞いたが、怒ってる原因は浮気だった…


なんからイライラするからという理由で夕方ラーメンの出前を取るとアンがきた、というよりアンを呼びつけて楽しみたい自分がいたのは否めない。

「いつもどうも」

「なぁアン、蓮水さんいい感じの人が出来たみたいだぞ?」

「なんだと?」

「いや怖いな…。薬師寺さんって人だから痛めつけていいぞ」

「薬師寺…わかった」

「あとさ、二人で旅行行ったりしてたぞ?」

「…やはりなにもしない」

「え、蓮水さん好きなんだろ?」

「蓮水様の幸せを願うのがファンの仕事」

「そういうところ真面目だな!?」

なんか俺が悪いやつみたいになってしまった…

そして翌日、万浪以来となる野球部との決闘が幕をあけるのだが…

次回 心眼打法炸裂!快斗はどう立ち向かう!?

二学期になりカレンがちょっと変わった?

さらに二年生には修学旅行があるのだが…快斗はどうするのか!?

いや行きたいんですけど…

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