校長からの課題が娘の処女を守れ…だと!?

明石龍之介

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第50話 きもっ

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「おい快斗、なんかすげーかわいい子連れてきてたけどあれ誰だ?」

「…教頭の妹」

「マジか!?いやぁ美男美女しかしないんだなあの家系。三年生の教室は野次馬で溢れかえってるらしいぞ?俺も行こうかな?」

「あ、そうだ。純也、お前も含めてイケメンを用意してくれないか?あの子彼氏が欲しいんだってさ。」

「まじか?わかった何人か声かけてみるよ。昼休みに屋上に集合な!」

うむ、やはり持つべきものは友だな。

急な転校生に騒然とする中、授業は進んだ。

昼休みになり俺はカレンとサリーさんをつれて屋上へ向かう。

「快斗くん、本当にイケメンが揃ってるの?」

「ええ、ていうか純也もイケメンですし一人くらいタイプがいるかもしれませんよ」

特に理由はないのだが、この案件は早めに終わらせておかないと面倒なことになる気がすると、童貞の勘が告げていた…

「お待たせ純也…ってなんであんたらがいるんだ」

そこには命先輩に薬師寺さん、それに純也がいた。

「なんでだと?俺たちはこいつにかわいい子を紹介してやると言われたから来たんだ。」

「ああ、きっと気に入るはずだって言ってたけど…あ!」

イケメンってこいつらかよ…

そして俺の後ろから登場したサリーさんに二人は反応した。

「な、メラニーさん…ではないがこれは…おお、おおお、いかん、体が…」

薬師寺さんはリタイアした…
似てたらなんでもいいのか?
最近イケメンでもなんでもないなこいつ…

「もしかしてメラニーの妹さん?俺佐津江って言うんだ。よろしく!」

しかし命先輩にも見向きもしない…

「ああ、あなたが姉さんの情夫?あんなおばさんが好きだなんて気持ち悪いやつね。見たわよあの写真展。人妻好きが撮ったってすぐにわかる偏った性癖丸出しのエゴの塊みたいな写真しかなくて退屈したわ。死ねよ!」

「な、俺の写真をそんな風に…俺のすべてが…ああ…あああ!」

命先輩も壊れた…

「おい純也、この人たちじゃ無理だろ?」

「そんなこと言っても学校で一番モテてる二人だぞ?それでもだめなら手がないって…」

「サリーさん、純也はどう?こいつもかなりイケメンでしょ?」

「うーん、地球上に男がこいつだけでもパスね」

辛辣だった…

「う、俺そんなこと女の子に言われたの初めてだよ…ああ、ここから飛び降りたら楽になれるかな…」

「ごめん純也!なんか今のは俺が悪いわ!」

いやしかしハードル高いとかの問題じゃなくね?

「サリーさん、お兄さん以外の人でならどんなのがタイプ?」

「え、お兄様意外なんてみんな虫以下よ?」

「それじゃ話にならんわ!ちょっとは譲歩せい!」

ダメだ…イケメンを連れてきても玉砕されるのがオチだな。

いっそのこと…

「サリーさん、放課後寮に来てください!いいやつ連れてきます。」

「へぇ、あてがあるんだ。楽しみにしてるわ。」

俺たちは死にかけの三人を屋上に残して一旦教室に戻った。

純也は早退した。本当にすまない…

午後になってからもサリーさんフィーバーは続いていたようで、注意喚起の校内放送が授業中でも鳴りやまなかった…

放課後、カレンとサリーさんを連れて寮に戻った。

「さぁ、どんな人を紹介してくれるのかしら?私がお兄様を忘れるほどの殿方を連れてくるまでは妥協しませんからね!」

「快斗、もしかしてもやし?」

「え、ダメかなやっぱり…」

ピザを頼んでアンを召喚した。

「毎度」

「アン、紹介したい女の子がいるんだけど」

「ギャル?」

「うーん、一応金髪」

「じゃあよし」

「だからなんで上からなんだお前!?」

多分無理だろうけど、アンには暗示があるんだ。
それでなんとか…

「サリーさん、来ましたよ!」

「え、どんな人…」

「はじめまして」

「きもっ」

瞬殺された…
アンは膝から崩れ落ちた…

「い、いやあのさ。こいつすごい特技があるんだ、見てやってよ!」

「はぁ?さっさとしてよこんなキモいおっさん早く捨ててきてよ。」

ゴミみたいに言うなよ…

「アン、暗示だ」

「無理」

「え、なんで?」

「メンタルが崩壊してる」

「心折れちゃったか…」

重症だったのか、アンはピザをそのまま持って帰ってしまった…

全く歯が立たなかった、いや役に立たなかった…

「なに、ふざけてんの!?あんなゴミ連れてきてどうするつもりよ!」

「あんまり悪く言わないであげて…いやイケメンがダメなら別のタイプでって思ったけど…」

期待はしていなかったけど、アンもダメか…

「カレン、他に男の知り合いなんか…いないよな…」

「じいがいる」

「うーん、ダメでしょ…」

というわけで高村さんに若くてかっこいい知り合いがいないか聞くために来てもらうことにした。

作戦会議をするからと言って一旦サリーさんには帰ってもらった。

「ふむ、しかし私の知る若い衆はワイルドな面々ばかり。アラン様のことはお写真で存じておりますがあのような端正な容貌をお持ちの方にかなうものなど…」

「ですよねー…もう諦めようかな。カレン、サリーさん呼んでよ。もう降参しよう」

「わかった、電話する。」

ほどなくしてサリーさんが来るとなったので高村さんには帰ってもらうことにした。

「あ、サリーきた」

「ほんとだ、でもなんか息荒れてない?」

何かから必死に逃げてでもきたのか?

「大丈夫ですか?」

「さ、さっきこの寮から車で出ていった人誰!?」

「は?高村さんのこと?」

「あの人超絶ダンディなんだけど」

「は?」

「あの人に連絡をしなさい!ちょっと会いたいわ、早く!」

「じい、ビンゴ」

「うそでしょ!?」

高村さんがヒットした…

「ねえ、高村さんっていくつ?」

「じい?50」

「ううん、微妙だな!」

いや微妙じゃないわアウトだわ!

50歳とJK?芸能人でもないぞそれ!?

しかし意外と若いんだなあの人…

しかしその日高村さんは仕事が入ったと言って来れなかった。

「とにかく、明日その人を連れてきなさい!それで勘弁してあげるから!」

そういってサリーさんは帰っていった…

「じいに春がきたね」

「確認するけど高村さんって独身なの?」

「弱味になるから家族は持たないんだって」

「いや極道引退したんじゃないの!?」

変なカップル誕生とならなければいいけど…

その日の夜、教頭から電話がきた。

「やぁ、早速サリーに良い人を紹介してくれたみたいだね?さすがは義兄《にい》さんが見込んだ人だ。」

「いえ、まだ何とも…でもアランさんは可愛い妹を誰かに取られて悔しいとかないんですか?好きなんでしょ?」

「ははははは、なにを言う。近親相関でもしろと言いたいのか?もうサリーも年頃なんだから早く良い人を見つけるべきなんだ。」

おお、やはりまともなんだなこの人は。

「そうですか、でもサリーさんもすごくテンション上がってましたからうまくいくといいですね」

「ははははははははは、そうだな、うまくいくといいな、ははは、あはは、あははははははは…」

「いや壊れちゃってるよ!?大丈夫ですか!?」

「大丈夫なもんかい!」

なんか最後に思いっきり怒鳴られて電話を切られた…
あの家系は超絶美しい見た目と引き換えに大事なものが欠損したのかな…

「快斗、解決した?」

「ああ、なんか不安しかないんだけど忘れよう…。あ、昼間ピザ食べ損ねたな」

「もやし呼びつける」

もうピザ屋の番号は登録されてなくても覚えた。
そんなレベルで注文している。

アンが来たが、なぜか表情は明るい。

「昼間は申し訳ない、サービス」

「え、いいの?てかもう立ち直った?」

「いいことあった」

「…ほう?」

「メール」

「メール?」

「クリックしたら1億円くれるって」

「詐欺メールだよそれ!押したの?」

「住所と口座送った」

「いや住所どこだよ!?」

「公園」

「あれは公共のものだからな!」

しかも口座送っちゃったんだ…あんなのに引っ掛かる人いるんだな…

「アン、残念だけどそれだまされてるぞ」

「そんなはずない」

「なんでそう言いきれる?」

「アン様へって書いてた」

「もう個人情報漏れてんだよそれ!」

こいつも学校からやり直した方がいいんじゃないか?

「あ、これ見て」

「ん?なんのDVDだ?」

「この前の収録」

「ああ、テレビ出たんだな…見ておくよ」

会話をしている間中アンの携帯にメールが入る音が鳴りやまなかった。
絶対にスパムメールの嵐だと思うんだが…

「カレン、ピザ届いたぞー」

「わーい、食べる食べる」

「あとDVDももらったんだけど…」

「もやしから?」

「うん、テレビ収録があった時のやつだって」

「ふーん、DVDって燃えるゴミ?」

「いや見てやろうよ!?」

可哀そうだななんか…

「カレン、来週から修学旅行って話聞いた?」

「聞いた、沖縄行く!行ったことない!」

「え、ハワイじゃないの?」

「うーん、飽きた」

「さすが金持ち…」

ハワイ行ったことないんですけど…

「でも気まずくないのか?周りはみんな上級生だぞ?」

「快斗が一緒だったらなんでも楽しいよ?」

「…あ、照れるな…」

こういうことをサラッと言うんだよなこいつ…

「じゃあ、沖縄行ったらなにしようかな?」

「タコライス!」

「まずそこなの!?」

「あとかめせん!」

「いやチョイスがちょっとマニアックなんだよ!?ソーキそばとかは?水族館とかはいかないの?」

「んー、じゃあくんぺん!」

「もう立派な沖縄食マニアだな!絶対行ったことあるだろ!?」

俺もパンフレットでしか見たことないんだけど、どんな味なんだろ?


二人でピザを食べながら沖縄の話もそこそこにDVDをつけることにした。

もちろんカレンは嫌がっていたが…

次回 アンの特集はどんな内容なんだ?

サリーさんは新たな恋を実らせることができるのか!?

そして修学旅行が始まる…























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