校長からの課題が娘の処女を守れ…だと!?

明石龍之介

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第61話 サンタ

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「快斗、クリスマスツリーだ!」

「ああ、12月になると一気にクリスマスムードだな…」

少し…いやかなり早めの冬休みに突入した俺たちはクリスマスムード一色になった街を歩いていた。

「快斗、サンタ!」

「お、サンタか…いやアンだよあれ…」

サンタクロース姿のアンが、子供にお菓子を配っていた。

「ほんとなんでもやるんだなお前…」

「トリックオアトリート」

「もうそれは終わったよ!」

人に施している暇なんてあるのかお前に…

「何配ってるんだ?」

「ちんすこう」

「まだあきらめてなかったのか…」

子供たちにお菓子を配りにいくアンをよく見ると、泣かれたり逃げられたりしていた…

あいつ昔は人気じゃなかったっけ…

「快斗、トナカイ!」

「ああ、今度はトナカイか…いやあれは校長だよ…」

校長がトナカイの恰好をして何か配っていた。

「何してるんですか?」

「おお、パンツマスク快斗くんじゃないか。いやなに新作の本を読んでもらおうと宣伝してるんじゃ」

「誰もパンツかぶってねえよ!それに手売りしなくても校長ならファンが飛びつくでしょ?」

「初心忘れるべからずじゃ。私も最初は手売りからすたーとしたからの」

「へぇ、その時はどれくらい売れたんですか?」

「いや大した数じゃないぞ。んー、300万部くらいかの?」

「嘘だろ!?手売りの鬼だな!アンの商品もお前が売ってやれ!」

300万人にどうやって会うんだよ一体…

「それより二人はデートかの?」

「ええ、冬休みだし適当にぶらぶらと」

「ほう、それならここに行くがよい。クリスマスイベントをやっておるぞ」

なにかのビラを渡された。

「ラクヨホテル…へぇ、こんなのあるんだ。カレン、いってみるか?」

「うん、いく!」

不幸そうなサンタと胡散臭いトナカイを背に、俺たちはラクヨホテルへ向かった。

そして着いたには着いたのだが…

「おい、ここラブホテルじゃないかよ!なんのイベントしてるんだ一体…」

「快斗、入ろ!」

「え、いやでも…」

「行くの!!」

結局カレンに押し切られて中に入った。

しっかりラブホテルだった…

「いやなんもしてないし帰ろうよ…」

「ダメ!中に入る!」

結局受付にいって中に入った。

部屋の鍵をもらって中に入ると、部屋もただのラブホテルだった…

「いや、ていうか高校生あっさり入れていいのかここ!?」

「いいの、パパの施設だもん」

「まぁそうだけどさ…」

とりあえずベッドに腰かけた。

「快斗、する?」

「こうなるから嫌だったんだよ…ダメだ!」

「でもここはパパの監視もないよ?」

「え…マジで?」

ここはさすがに盗撮できないようになっているらしく、今俺たちは完全に密室に二人きりだ。
なにかがあってもバレない…
そう思うと急にドキドキしてきた。

「い、いやでも校長は俺たちがここにきてること知ってるだろ?」

「うん、でも何したかわからないもん」

「いやだからって…」

い、いかん…今カレンに迫られたらそれこそおしまいだ…

「カレン、あと少しなんだから我慢してくれよ…」

「むぅ…でも横の人も凄い声でしてるのに」

よく耳を澄ませば横の部屋の声が聞こえる…

「ハスミン、ハスミーン!!」

薬師寺さんの声だった…
相手は多分蓮水さんだ。

聞きたくない声を聞いてしまった…

「ほらみんなしてるもん」

「ダメなもんはダメだって!」

カレンは少し拗ねてしまった…

「それより、クリスマスのサービスってのはなんのことだったんだ?」

「快斗、これこれ」

ビラをよく見たら、サンタの貸衣装無料キャンペーンだった…

「着たい!」

「いや、それは…」

「借りてくる!」

カレンが受付に衣装を借りに行った…
逃げようか…いやそれは可哀そうだし…でもあんな恰好されたら終わりだぞ…

「快斗、借りてきたから着替えるね!」

もうなるようになれだ…
我慢できなかったら俺は…逃げよう…

すぐにカレンが風呂場から出てきた。

「じゃーん、できた!」

「早かったな…あー?」

顎が外れそうだった。

サンタコスなどとは名ばかりで、赤いビキニにニーソックスを履いて、サンタの帽子をかぶっただけのエロエロなカレンが出てきた…

「いやサンタじゃねえよそれ!ダメダメダメ!」

「やだ、今日はこれで一緒に寝る!」

そういって引っ付いてきたカレンは、なんかいつもよりいい匂いがした…

「お前なんか香水でもしたの?」

「してないよ?この服についてる匂い」

その匂いを嗅ぐとなぜかひどく興奮してくる…
これ媚薬でも塗ってないか!?

「カレン…」

ああ、やばい。頭が飛びそうだ…

「快斗、いいよ…」

俺は飛び出しそうな心臓の鼓動を感じながらカレンにキスをした。

そして何かがはじけた…

その瞬間に横の壁もはじけ飛んだ…

裸の薬師寺さんが飛んできた…

「善、なんでイクときに他の女の名前呼ぶのよ!」

「すまんハスミン、間違えただけだって…」

蓮水さんは服を着て薬師寺さんの股間を一踏みしてから帰っていった。
薬師寺さんは沈黙していた…

しかしそのおかげでなんとか理性を取り戻した…

「カレン、帰ろうか」

「うー、残念」

今日も俺の屈強な理性は勝った。

そして俺はまだ童貞だった…

「カレン、あと4か月もないんだからちょっと我慢しろよ?」

「うう、早く快斗としたいのに…」

「いや俺だってそうだけどさ…」

しかしもうすぐ長かった一年が終わる…

とはいっても3学期という正念場が待っているのだが、それでもようやくゴールが見えてきた…

最近カレンのエッチな姿を見すぎて我慢の限界に達しようとしているこの気持ちをおさめるには、こうでも思わないと無理だ…

「カレン、クリスマスの日は何する?」

「うーん、サンタなる!」

「それはもうだめ!」

いやでも早くあんな姿のカレンと…い、いかん思い出したら勃ってきた…

「またケーキでも頼む?」

「うん、そうする!!」

そして寮に戻ったらすっかり夜だった。

冬休みくらいピザじゃなくてもいいじゃないかと言ったのだが、カレンの一存でピザになった。

サンタ姿のままのアンが来た。

「毎度」

「お前12月ずっとそれなのか?」

「ウケがいい」

「いや怖がられてたけど!?」

「ちんすこうはけた」

「すごいな!お前ら手売りの天才か!?」

「でもDVDがまだ」

「まだあるのかよ!いい加減テレビ局に引き取ってもらえ!」

ていうかどこに置いてるんだそんなもの…それも倉庫借りてるのか!?

「とにかくあと少しで今年も終わりだからな。体に気をつけろよ」

「同情するならDVD買え」

「人の心配をなんだと思ってんだよ!帰れ!」

アンタクロースは帰っていった…

カレンは相変わらずコタツムリ状態だ。
俺もコタツに入った。

「カレン、風邪ひかないようにしろよ。」

「はーい。あ、快斗の足冷たい」

「あ、やめろお前、くすぐったいって」

「えへへ、楽しい。コタツがあると快斗とイチャイチャできるから好き!」

「まったく…」

そのあと風呂に入ってベットで寝た。

まだまだ冬休みは長い。

しかし事件が起きないこの平穏な日々こそが、やはり俺にとってはトラップなのだといつものように後から気づかされることになった。

次回 冬は鍋! しかし鍋は大勢で囲むからいいのだと!?

久しぶりにみんなが寮にやってきてカレンはイライラ…

早く年よ明けてくれ…











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