校長からの課題が娘の処女を守れ…だと!?

明石龍之介

文字の大きさ
74 / 80

第74話 ドントストップ

しおりを挟む
「卒業生代表、薬師寺善幸」

「はい」

今日は卒業式である。朝から第二ボタンを渡すどころか男子も女子もボタンもチャックも全開でやりたい放題だった。

そして今壇上に上がっている薬師寺さんも既にボタンどころか靴もない状態である…
ちなみにひっかき傷があるのはおそらく蓮水さんの仕業だろう…

薬師寺さんがそんな状態で挨拶を終えた瞬間、卒業生たちは沸きに沸いた。

「俺たちは自由だ―!」

一斉に上着を脱いで空に向いて投げたかと思うとまだ卒業式の最中だというのに全員外に飛び出した。

いや、先生ら止めろよ!

しかし先生たちも混乱に乗じてイチャイチャし始めた…。
さらに在校生も卒業生と交わる最後のチャンスだと言って外に飛び出した…

俺以外誰も体育館からいなくなった。

あ、カレンは!?

カレンもなぜか巻き込まれたのか姿を消した。
急いで飛び出して外に出るとそこはもう地獄絵図だった…

いつもは部室や物陰でイチャコラしているのだが、もう誰と誰が何をしているのかも判別がつかないくらいにグランド中で入り乱れていた…

さしずめ全校生徒Pとでもいうのだろうか…

いやでもカレンは!?
巻き込まれてたりしたら洒落にならない…

するとある個所に大勢の人が集まっているのが見えた。
そこに向かうと卒業生たちにカレンが囲まれていた。

「カレンちゃん、最後に俺としようよ!」
「俺たちもう卒業したから退学も心配ないし、いいだろ!?」

糞卒業生どもめ…最後のチャンスを伺ってやがったな…

俺は人込みをかき分けてカレンと合流した。

「おい、いくぞカレン!」

「あ、快斗。来てくれたんだ嬉しい!」

「待て、そうはさせないぞ!」

カレンを連れて行こうとすると誰かに呼び止められた。

「あ、あの…あなたは?」

「俺は三年生の吉川寅泰《きっかわともやす》だ!俺はカレンちゃん入学前からずっと狙ってたというのに、お前のせいで何もできずに卒業してしまったじゃないか!せめて最後に俺と勝負しろ!」

「なんでこの学校の人って勝負したがるの…」

「勝負の内容はこうだ。全校生徒の前で愛を叫んで、どれだけ響いたかで判定してもらう、いいな!」

「勝手にやることになってることに異議申し立てをしたいんですけど…」

結局全校生徒の中心で愛を叫ぶという運びになった。

これを略して全中とは…呼ばない。

「俺は、カレンちゃんのことが好きだ―!!」

吉川さん渾身の愛の叫びがグランド中に響き渡った。

生徒の反応を見てみると…誰も聞いておらずセックスしていた…
最大6Pまでは確認できた(もうアクロバティックすぎて体位など表現のしようもない…)。

「どうだ、みんなの心の奥に届いただろ?」
「みんなお腹の奥に違うもん届けてる最中だよ!」

もう嫌だこんな場所…なんかまだ寒いはずなのに暑苦しいし…

「とにかく、俺がやったんだからお前も早くしろ!」

そういって壇上に上がらされた…

「くそ…めんどくさいけど…俺は!カレンが!いや…カレンとやりたいんじゃー!!!」

この一年間の想いがすべて詰まった心の叫びであった。

あるものは腰を止め、あるものは上下運動を止め、あるものはケツをふるのを…ってもういいわ!

とにかくみんなが静かにこっちを見ていた。
そして盛り上がった。

「チェリーいいこというぜ!ヤリまくれ!」
「カレンちゃんの次には抱かれてあげてもいいわよー!」

なんかみんなの心に響いた…
そして吉川さんは負けを認めた。

「俺の負けだ、チェリー。潔くカレンちゃんはお前に託す」
「はぁ…わかってもらえたなら結構ですが…」
「よし、歌うぞ!」
「はい?」

急にギターを担いできて何やら演奏を始めた…

「さあみんな聞いてくれ!往年のヒットナンバーをアレンジしたぜ!」

お、これはあの大物二人がコラボした時の名曲…に似てるけど違う?

「腰を止めないで!」

「いや名曲に謝れ!!」

ドントストップマイセックスという謎のワードで盛り上がった卒業式はこうして幕を閉じた…

わけのわからない熱量で崩壊した卒業式は無事終了した…

「はぁ…感動もくそもなかったな…」

「快斗、そんなに私としたい?」

「え、聞いてた?いや、うん…」

「えへへ、嬉しい!快斗大好き!」

こうして我慢するのももうわずかだと思った瞬間、これまでの色々なことを…思い出せそうで思い出せなかった…
くだらないことが多すぎて正直全部曖昧であるが、なぜかアンがボーリングでパーフェクト寸前までいったシーンだけ鮮明に覚えていた…

するとそこに卒業生の人たちが現れた。

「命先輩に薬師寺さんに大石さん、それに蓮水さんも…」

「おいチェリー、俺たちは大学に行くが好き勝手するなよ!」

「いや、あれだけ好き勝手しておいてそれはないだろ!?あと隠し通路とか隠し部屋とかちゃんとしていけよ!」

「なにをいうんだ?住むところがなくなるだろ?」

「卒業したらせめて学校出て行けや!」

「チェリー、青春の思い出をありがとう」

「な、なんですか改まって…」

なんか急にみんなにお礼をされて、悲しくなってきた…

「い、いや俺の方こそ皆さんにはお世話になりました…その、また遊びにきてくださいね」

「いやだ」

「なんでいいムードを保てないかなあなた達は!もういい一生くんな!!」

笑いながら先輩たちは打ち上げがあると言って去っていった。

しかし本当に寂しくなるな…

「カレン、帰ろっか」

「うん、ピザ食べる!」

俺たちは今年度最後の大イベントを終えて寮に帰った。

「さて、引っ越しの準備もしないとだな」

「うん、荷物まとめていこ!」

そして大掃除的な何かが始まった。

得てしてこういう時は懐かしいものが出てきて思い出話に花が咲くのだが…

「快斗、みてみて!」

「うん?…わっ!」

ブルマカレンちゃんがそこには立っていた…

「わ、やめろ!それはオ○禁中のおれには直視できない!」

「これお気に入りなの!最初はこれするって決めてたの!」

「ま、マジか…」

初エッチからコスプレプレイとは…いや変な性癖が…いやでもしたい…

「とにかく着替えてこい!」

「はーい」

はぁ…でも楽しみすぎる!くーっ!やばいテンション上がってきたー!

「快斗、みてみて」

「今度はなんだよ…あ、それダメ!」

チアガールカレンちゃんの登場だ…

「だー、刺激強いんだよそのユニフォームは!」

「二回戦はこれでやりたいなー」

「ああ、おれも是非それでお願いしたいです!」

もうカレンコスプレパラダイスだった…
これを一日中味わえるだと…早く時間よ経ってくれ!

早く桜よ咲いてくれ!

さてこんな感じで引越しの準備を整えたのだが、いよいよ春休みに入りカウントダウンに入った。

なんのかって?もちろん俺の童貞喪失とカレンが処女でなくなる日が、だ。

次回 いよいよ最終回まで残り2話!

無事引越しを終えて新居に住む二人は春休みを満喫する?

そしてついに…ついに二人が!?















しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

高校生なのに娘ができちゃった!?

まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!? そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

処理中です...