シャンプーカットオナニー

ショタの靴下

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「ん…」
「起きた?着くまで寝てていいよ」
ぼんやりとした頭を何度か振ると、目の前にあったのはお兄さんの後頭部。
「ここ…」
「翔平くんあの後寝ちゃったから。今は移動中」
「ご、ごめんなさい、歩きます!おろしてください!」
足をよじらせてみるけれど、うんともすんとも動かない。
「だーめ。疲れてるでしょ。もうちょっとだから」
「はい…」
それにしてもここはどこだろう。ネオンのチカチカはなく、電灯のうなり、コオロギの声が良く聞こえる。空気が冷たいのに寒くないのは、花の匂いのするお兄さんの上着のおかげだろう。急いできたのだろうか。髪の毛が前よりふわふわで、もさもさしている。半そでから見える腕はがっちりと筋肉が付いている。指が細くて綺麗だったから、意外だ。僕、臭くないかな。昨日も石鹸が無かったから水でしか洗えてないし、走って汗をかいたし。…汚いこともしたし。
「そろそろつくよ」
「あ、の、どこに…」
「ん?俺の家。狭いけど」
「い、いの…?」
「当たり前だろ。あ、明日は学校あったっけ」
「や、ないです」
「時代だねえ。俺の頃はあったのに。よし、ついた。降りられる?」


廊下を突き抜けるとベッドと小さなテーブル。
「じゃあ一応叔母さんに連絡してくるから、適当に座ってて」
そういってベランダに出てしまった。
「…電話なんてしなくていいのに…」
こういう時、どこに座ればいいのだろう。分からなくてベッドの隣に腰掛ける。
ハンガーから落ちた服、中身が吐き出されたカバン、急いできてくれたんだなぁ…。
落ち着かないのに、どこか安心する。怒られないだけで、いつも痛い胃も今日は痛くない。頭がぼぉっとして、さっきの眠気の名残が残っている。
「お待たせ。」
涼しい風と共にお兄さんが入ってくる。
「あの、ぼく、」
何か言わなきゃ、そう思うのに頭が上手く働いてくれない。
「夕飯食べよっか。何食べたい?」
「あ…なに、だろう」
「っていっても作れるものは限られてくるんだけどねー。ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、肉は…冷凍鶏肉…カレーかな…あ、でもルーがない」
「ぽとふ…は?」
「おっ、いいねぇ。簡単だし」
こんな会話、いつぶりだっけ。胸の中がぽかぽかするのに、泣きたくなる。
「翔平くんは包丁使える?」
「はい、手伝ってもいいですか」
「もちろん。助かる」
ああ、今日が終わらなければいいのにな。
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