妄想マリコ

まーくん

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アタシの仕事【妄想編】

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ねえ、アタシの仕事について貴方にほとんど、
話してなかったわね。

アタシは25歳OLよってよく言ってるけど
アタシの仕事は受付嬢なのよ。
えっただニコニコしていれば良いですって?
何言ってるのよ、
貴方、アタシの事バカにしているのかしら?

あっそうそう、昨日こんな事があったのよ。
昨日の事を話すわね。

会社のビルの1階のインフォメーションに座って
お客様との接待が主な仕事なんだけど、
その他にも役員の方との会食の同席とか
色々と受付だけじゃない仕事も沢山あるのよ。
昨日の夜役員から誘われて、役員に連れられて
会食に同席したのよ。

「あれ?マリコさん?」
と会食で向かいの席に座ってる方から尋ねられ
何処かで見たことある顔だと思っていたのだけど
アタシ判らなかったのよ。
この仕事をしてから人の顔を覚えるのは一応
得意になったわよ。
でも仕事で会った顔じゃなかったわよ。
全く思い出せなかったのよ、悔しかったわよ。

「知り合いかい?」
と、副社長がアタシに問いかけてきたのよ。
アタシ思い出せないじゃない?
でも仕事で知り合っていないのは確かなのよ。
そんなの判るわけないじゃない?
例えばコンビニでアタシが買物したとして
店員はアタシの事を覚えていても
アタシイチイチ店員のことを覚えていないわよ。
だからアタシ言ったのよ。
「仕事で御一緒したことが無いので
 存じ上げません」
と副社長にコッソリ話してから、
「私と何処かでお会いしましたか?
 仕事では一切御一緒した事無かったと
 思いますが。貴方程の知的で素敵な
 お方なら尚更忘れる訳無い筈ですわ。」
とアタシつい言っちゃったのよ。
なんでアタシの名前知ってるのか気持ちが
悪かったから。
「ほらマリコさん僕ですよ。
 西園寺マキトです。」
名前を聞いた瞬間、吹き出しそうになったわよ。
可笑しくって、可笑しくって。
判るわけないじゃないのよ。本当にもう、
笑わせないで。

マキトとは、高校が一緒だったのよ。
マキトは本当に変わったわ。
どうやってこんな知的でお洒落なイケメンに
変わったのか想像できないわよ。

貴方はマキト知らないわよね?
貴方とは高校は別だったから判らないわよね。
アタシの高校は素敵な所だったわ。

アタシは高校の時マキトと一時付き合った
事があったわ。
あっでも勘違いしないで、付き合ったと言っても
仮でのお話よ。

高校でのマキトは変わった子でね。
見た目が爆発頭よ。
髪がボサボサなんてもんじゃないわ、
ボサボサを通り越してサボテン頭よ。
もう見た目からしてダサいなんてもんじゃ
ないわよ。顔はそこまで悪くは無かったと
思うんだけどあんな格好でしょ?
クラスで浮いてたわよ。

あれは高校2年だったかしら。
話した事もなかったマキトにアタシ声を
かけられたのよ。
「何かしら、アタシ忙しいのよ。」
といつものアタシらしく振る舞ったのよ。
アタシ、ほら、皆に素っ気ないでしょ?
面倒くさいのよ。それと照れくさいのよ。

「マリコさん、僕と付き合ってください。
 あっ付き合うフリをしてください。
 少しだけでいいので。」
といきなりアタシに告白じみた事を言ったのよ。
こんな事今まで言われた事一度もないわよ。

あなた以外誰にも普通に声かけて貰った事なんて
一度もなかったわ。
話さなければいけない事柄じゃないわよ。
グループの班とかで話をして何かを決めるとか
そういう時は皆普通に話すのよ。
だけどアタシと二人ってシチュエーションで
話しかけられたのは全くないわ。
こそこそとアタシの話はするくせに。
マリコさんは高嶺の花ってコソコソ話は
何度も色んな人から聞こえたわよ。
男なら堂々と話しなさいよってずっと
思ってたわよ。でもマキトは違ったわ。
しかもこんな冴えない人がこのアタシによ。
「付き合うフリをしてください。」
ってよく言えたわよ。びっくりしたわよ。

でもその男意気が面白かったから、
あっさりと承諾したわよ。
それに少し面白そうだったし。

そしてアタシはマキトの家に連れられたわ。
そこは大きなお屋敷だったの。
マキトはアタシの手を引っ張ってそのお屋敷へ
入ろうとするのよ。鍵が空いていたみたいで
勝手に中へ入ろうとしたのでアタシ叫んで
やったわよ。
「ちょっと何勝手に中へ入ろうとするのよ。
 アタシ嫌よ、泥棒なんてしたくないわよ。
 何考えてるのよ。」
とマキトに言ってやったわよ。

そうしたらマキトが自分のお家だって
言うじゃない?
はっ?と頭が真っ白になったのね?
あたし達の声が聞こえたのか、
「坊ちゃま、何かあったのですか?」
とマキトに言ってるのよ。
「なんでもない」とマキトも普通に
答えていたのよ。
アタシ増々頭が混乱して固まっちゃって、
マキトあんな格好でしょ?アタシ貧乏なお家かと
勝手に勘違いしてたのよ。

それからマキトの家にお邪魔して
客間へ通されたのよ。
そこにお祖父様らしき人が中に居て、
「マキトどういう事だ?」
といきなり修羅場が始まったのよ。

「お祖父様が決めた許嫁との結婚は出来ません。
 僕にはマリコさんという素敵な彼女がいます。
 今はマリコさんとお付き合いしていて
 高校卒業したらマリコさんと結婚する  
 予定です。大学は勿論行きます。
 でもお祖父様が決めた許嫁と結婚は
 しないので今日はそれを判って頂きたく
 マリコさんをお連れしました。」
とマキトは力強くて男らしく言っていたわ。
アタシあんなにハッキリとした声で
あんなに力強い言葉をマキトの口から聞いたこと
なかったわ。結構ドキっとしたわね。
それから皆で奥にある大きな食堂で
お食事をしたのだけど、凄いご馳走で。
アタシの事を色々と聞かれたわ。
アタシの両親は何してる人なんて
普通聞く?しかも初対面よ、失礼だわ。
アタシつい言っちゃったのよ。

「お祖父様だかお父様だかお母様だか
 知らないけど、アタシの親が何してるか
 なんて普通聞く?冗談じゃないわよ、
 しかも今日初めて会ったのよ。
 失礼にも程があるわ、不謹慎よ、
 不愉快だわ。」
つい言っちゃったのよ。

皆目を丸くしてたわ。
でもお祖父様って人が、なんか、アタシを
気に入ったみたいで、
「マリコさんって言ったかな?
 面白い、君は実に面白いね。気に入った。
 じゃんじゃん食べなさい。
 ほら、マキトも、じゃんじゃん食べなさい。」
となんかさっきまでの殺気だっていた雰囲気とは
まるで真逆に変わったのよ。
「あら、アタシったらごめんあそばせですわ。」
アタシ何が何だか良くわからなくて、
ここに来てからアタシ頭がくらくらして
倒れそうになったところを、
マキトにもたれちゃって。
「今日は泊まっていきなさい」
と言われたので「私帰ります」と言って
帰ったのよ。

アタシ次の日、マキトに言ってやったのよ。
「アタシを騙さないでちょうだい。
 昨日のアレは何なの?
 いきなりお祖父様が出てきて
 最初は怖いって思ったら急に態度を豹変したり
 それにマキトがあんなお屋敷に住んでるなんて
 思わなかったから、アタシびっくりしたのよ。
 お陰でいい恥かいたじゃないの。
 もうアンタの恋人でもないわ。いいわね。」
とアタシ言ってやったわよ。

高校の事を話し過ぎたわね。
つい可笑しくって。

昨日の話に戻すわね。
マキトが名を名乗ってやっと思い出したのよ。
高校以来会ってないから、
あんなイケメンにガラリと変わるとは
思ってなくて。

会食が終わり、マキトから誘われ
少しバーで一緒に飲んだのよ。
マキトはあれから一流の大学に言って
経営の事を学び、お祖父様が会社を
経営してるとこでマキトは副社長として
日々学んでいるみたいなのよ。
結構やり手よね。あんな若いのに副社長よ?
良いご身分だわ。
アタシの会社の副社長とはえらい違いだわ。

マキトがバーで酔っ払ってアタシの胸を撫でるのよ。
アタシ、久しぶりに会ったばかりじゃない?
それにアタシまだサトシの事を思ってるでしょ?
だからアタシつい言っちゃったのよ。
「あんた、何考えてるよの、いい加減にして。
 アタシの身体は安物じゃないのよ。
 何考えてるのよ。」
と言ってマキトの顔を引っ叩いてやったわよ。
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