日記帳

福猫

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第4話

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「勉さん…」

そう言って慎一は鳴り続ける着信音に出るため通話ボタンを押し口を開いた。

「もしもし」

「もしもし楓さん、俺です勉です」

「ラベンダー畑で楓と一緒にいた男か」

「楓さんのスマホですよね、なぜあなたが、楓さんに代わってください」

「それは無理かな」

「無理ってどういうことですか?」

「俺が言うところに来い」

そう言って慎一は勉にホテルの場所を教え通話を切った。

その頃、楓はベッドで洸介と見つめ合っていた。

「慎一は?」

「隣の部屋にいる」

「俺が寝ている間に身体を奪ったんですか?」

「俺は慎一とは違う、むりやり相手を傷つけるようなことはしない」

「……」

全裸姿でベッドからおりると洸介が口を開いた。

「どこに行くんだ」

「帰ります」

「そんな格好で道を歩いたら男達に狙われるよ」

「……」

自分の全裸姿を見て楓は背を向け身体を隠した。

「上服とズボンと下着を買ってくるからここで待ってて」

「すみません」

「慎一が様子を見に来るかもしれないから鍵をかけて」

「わかりました」

「俺が楓ちゃんと言ったらドアをあけて」

「わかりました」

背を向けながら楓が返事をすると洸介は上服を着て出かけていった。

楓は全裸姿でドアに近づき鍵をかけた。

その後、楓はドアから離れクローゼットに近づき開いた。

そして楓はバスローブを掴み着始めた。

「……」

楓はベッドに座り洸介を待った。

「気に入ってくれると良いんだけど」

口にしながら慎一がいる部屋の前を通った洸介は部屋の中から怒鳴り声が聞こえ立ち止まった。

その後、洸介はドアを開き中に入った。

そして洸介は殴り合いをしている慎一と勉の姿を目撃し袋を置くと止めに入った。

「2人ともやめろ」

洸介が引き離すと勉が怒った口調で慎一に向かって口を開いた。

「楓さんに何をした、楓さんはどこだ」

「ちょっと良いかな」

そう言って洸介は袋を掴み勉を部屋から連れ出した。

「邪魔しないでください」

「楓さんなら隣の部屋にいるついてこい」

そう言って洸介が隣の部屋に向かうと勉も向かった。

洸介はドアをノックし口にした。

「楓ちゃん」

「楓ちゃん?」

驚いた口調で勉が口にするとドアが開いた。

「ドアを閉めてくださいね」

そう言って洸介が袋を持ったまま中に入ると勉が姿を見せた。

バスローブ姿の楓は驚いた。

「勉さん!」

「……」

無言で勉は中に入りドアを閉めた。

「慎一が来るといけないから鍵をかけて」

洸介が声をかけると勉はドアに鍵をかけた。

ベッドに袋を置くと洸介は楓に近づき口を開いた。

「俺は帰ります、あなたのことは彼に任せます」

「……」

「袋の中に服と下着が入ってます」

「ありがとうございます」

「……」

目線を勉に向けると洸介は口を開いた。

「慎一が来るといけないから鍵はかけてね」

「はい」

「慎一は俺に任せて」

「はい」

勉が返事をすると洸介は鍵をあけ部屋を出ていった。

勉はドアを閉め鍵をかけた。

その後、楓と勉はドアの前で見つめ合った。
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