転生

福猫

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第3話

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ー森林の中ー

「恭介、やめろって」

肌に触れる恭介に口で抵抗すると恭介が蓮のズボンを掴んだ。

「パーティーまで時間があるから」

そう言って恭介は蓮のズボンを脱がせそのズボンを置くと自分のズボンを下ろしそのまま交わった。

「やめてー」

「蓮さん?」

立ち上がり森林の方に目を向けると歩きだし森林に向かった。

そして夜空は森林に近づき再び蓮の声が聞こえた。

「やめてー」

「何かあったんだ」

そう言って夜空は森林の中を歩きそして夜空は動きを止め恭介に襲われている蓮の姿を目撃した。

「何してんだ」

蓮から恭介を離れさせ上服を下ろすと身体を支えながら立たせズボンを蓮に渡した。

「……」

蓮がズボンを穿き始めると夜空が口を開いた。

「恭介、嫌がってるのになぜ襲った」

「夜っちゃんに蓮を渡したくないと思ったから」

「渡したくないからといって襲って良い訳じゃない」

そう言って夜空は蓮を抱き寄せながら森林の中を歩きその場から離れていった。

「夜っちゃんの言う通りだよな」

そう言ってうつ向いた顔をあげると黒い羽に黒いドレス黒い長髪の天使ベニーの姿を目撃した。

「天使?」

「アダンをブライアンに渡したらダメ」

そう言ってベニーが上空を飛び消えていくと1枚の黒い羽がヒラヒラと落ち恭介は手を伸ばし黒い羽を掴んだ。

「アダン…ブライアン…知ってるような…」

黒い羽を見つめながら口にすると恭介は黒い羽を掴んだままうつ伏せで倒れた。

その頃、蓮と夜空は車の通りが多い道を歩いていた。

「さっきはありがとうございました」

「恭介があんなことをするなんて思わなかったよ」

「俺もです」

歩きながら会話をしていると蓮と夜空の前に車が止まった。

「……」

「……」

蓮と夜空も止まり車を見つめた。

運転手の窓が開き女性が話しかけてきた。

「やっぱり夜空君だ」

「怜香(れいか)!」

「デート中に声かけて悪いわね」

「デート中じゃない、それより怜香」

「何?」

「蓮さんを家に送るんだが遠くて歩けないだ」

「良いわよ、乗って」

「ありがとう」

怜香にお礼を言うと夜空は後部座席のドアを開き口を開いた。

「先に乗って」

「はい」

蓮が乗り込むと夜空も乗り込みドアを閉めた。

「どこに行けば良いの?」

「先に彼を送ってくれ」

「わかった…場所は?」

「東京駅にお願いします」

「東京駅で良いの?家まで送るわよ」

「東京駅から家まで5分で着くから」

「わかった、東京駅に行くわね」

そう言って怜香は車を走らせ東京駅に向かった。

3時間後、怜香が運転する車が東京駅の前に着いた。

「着いたわよ」

「ありがとうございました」

後部座席のドアを開きおりると蓮は夜空にお辞儀をしドアを閉め歩きだし離れた。

「ねぇ?」

「何だよ」

「私の家でワインを飲まない」

「仕事は良いのか?」

「土曜日と日曜日は休みなの、飲まない?」

「俺も土曜日と日曜日、休みだしお前の家に行くよ」

「わかった」

返事をすると怜香は車を走らせ1時間かけて怜香の家に向かった。

その頃、5分でマンションの家に着いた蓮は寝室のベッドにうつ伏せで倒れていた。
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