水晶の力

福猫

文字の大きさ
7 / 8

第7話

しおりを挟む
「人々に危害が及ぶ、人が居ないところで戦おう」

「良いですよ」

そう答えると睦月とリアンは壊れた家を離れラナが居る森林ではない森林に向かい姿を現した。

「ここなら思う存分、戦えるね」

「そうだな」

そうリアンが答えるとリアンと睦月は再び戦い始めた。

そこへアレクが現れた。

「まだ戦っているのか」

「アレク」

「良いところなんだ邪魔するな」

「睦月、リアンに惚れたか」

「何、言ってんだ」

「リアン、お前も」

「俺が息子に惚れるわけないだろ」

「睦月の母親はラナ、父親はリアンお前じゃない」

「何、言ってんだ」

驚いた口調でリアンが口にするとアレクはリアンに近づき口を開いた。

「ラナと俺は愛し合いラナは妊娠した」

「まさか」

「睦月は俺の息子だ」

「……」

驚きで長いポイント型黒水晶を地面に落とすと睦月は走り出しその場を離れていった。

「睦月!」

「リアン、ラナは死んだ」

「え…」

「リアン、俺もラナの元に逝く」

「なぜラナの命を奪った」

「愛しているから命を奪った」

「アレク」

「クラスター型水晶を黒に染めたじてんで睦月の記憶はお前に恋心を抱いている記憶しかない、松本家に育てられた記憶もない」

「アレク、お前の本当の目的は睦月に自分の力を託すこと」

「リアン、睦月のこと頼む」

そう言ってアレクはその場から消えラナが居る森林に向かいラナの側に近づくと身体を抱き起こしながら話しかけた。

「ラナ、今でも俺はお前を愛してる」

「……」

「俺を受け入れてくれるならもう一度、俺を愛してくれ…ラナ…」

アレクが口にしたその時、死んだはずのラナの手がアレクの頬に触れた。

「ラナ!」

驚いた顔で見つめるとラナの目が開き口を開いた。

「アレク、一緒に逝こう」

「ラナ」

名を口にするとアレクはラナの唇に唇を重ねその後、アレクとラナは寄り添いながらあの世に逝った。

その頃、睦月は森林の中を歩きまわっていた。

「アレクが俺の父親…俺は実の父親と交わった…」

歩きながら睦月は口にし悩むと突然、手首を掴まれ睦月は立ち止まり振り向いた。

「リアン!」

「知らない森林の中を1人で歩きまわるのは危険だ」

「……」

無言でリアンの手を払い除けると睦月は背を向け歩き出した。

「睦月」

「ついてくるな」

「拒まれても俺は睦月についていく」

そう言ってリアンは少し離れた距離で睦月のあとをつけた。

「ついてきてる」

歩きながら背後にリアンを感じ睦月は立ち止まった。

「……」

「……」

リアンも立ち止まると睦月は振り返り話しかけた。

「ついてくるなと言っただろ」

「睦月」

「お前の顔なんか見たくない…ついて」

言いかけたその時、睦月の身体からクラスター型黒水晶が抜き取られ睦月は倒れた。

「睦月!」

睦月に近づき身体を抱き起こすとリアンは前方に目を向け驚いた。

「アレク!」

「俺はアレクの分身」

「アレクの分身がなぜ睦月のクラスター型黒水晶を狙う」

「アレクが手にいれないなら分身の俺が手にいれる」

「…渡さない…」

睦月が口にしたその時、クラスター型黒水晶は分身のアレクを一瞬で消し去りクラスター型黒水晶は変化し始めた。

「……」

驚いた顔でリアンが見つめるとクラスター型黒水晶は半分、黒、半分、水晶のクラスター型黒水晶に変化した。

その後、クラスター型黒水晶は睦月に近づき身体の中に入っていった。

「……」

睦月がゆっくり目を開くとリアンは睦月を抱き起こしながら顔を近づけ唇を重ねた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

婚約破棄を傍観していた令息は、部外者なのにキーパーソンでした

Cleyera
BL
貴族学院の交流の場である大広間で、一人の女子生徒を囲む四人の男子生徒たち その中に第一王子が含まれていることが周囲を不安にさせ、王子の婚約者である令嬢は「その娼婦を側に置くことをおやめ下さい!」と訴える……ところを見ていた傍観者の話 :注意: 作者は素人です 傍観者視点の話 人(?)×人 安心安全の全年齢!だよ(´∀`*)

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

処理中です...