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スクナビコナとアマカニ合戦③―カニヒコの決意!その親の仇を討たんとする固い決意に一人と一匹が立ち上がる!!―
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『…そのあと僕は気絶している母をなんとか川の近く、ここまで運んできたのです。しかし母はあれからいまだに目を覚ますことがありません……』
カニヒコは母のほうを心配そうな様子で見る。その両目からは涙があふれている。
「ふう、またあいつらが悪さをしでかしたってわけか……」
『ホント、僕たちってアマノジャクたちとは縁があるんだよね』
「まあ、縁は縁でも〝腐れ縁〟だけどな」
スクナビコナもチュルヒコもまたしても〝問題〟の原因がアマノジャクたちだったことに呆れる。
『…僕は、…悔しいやら情けないやらで…、でもなんとかして…、なんとかして母の仇を討ちたいんです!』
カニヒコは感情が高ぶるあまりに途中言葉を詰まらせながらも、アマノジャクたちへの仇討ちを宣言する。
「…仇討ちか……」
『決心は固いのかな?』
『はい!どんなことがあっても必ずやり遂げます!』
カニヒコはスクナビコナとチュルヒコを前にしても決然と言う。
「…よし、そこまで言うのなら……!」
『僕たちは協力するよ!』
カニヒコの言葉にすっかり胸が熱くなった一人と一匹は協力を申し出る。
『ほ、本当ですか!』
スクナビコナとチュルヒコの言葉にカニヒコも大喜びする。
『もちろんだよ!』
「さあ、そうと決まったらさっそく準備と行こうぜ!」
こうしてカニヒコはスクナビコナ、チュルヒコとともにいまだに意識を取り戻さない母を残し、〝仇討ち〟へと向かっていくのだった。
『…すいません、スクナさん……』
カニヒコが少し前を歩くスクナビコナに声をかける。
「うん、何?」
『これから僕たちはどこに向かうのですか?』
「ああ、向かう場所か。とりあえずネズミの穴に行こうと思ってるんだ」
『ネズミの穴?』
「そうさ、ネズミの穴は僕たちが今住んでる場所なんだ」
『そこには僕たち以外にもネズミが大勢住んでいるんだ』
『そうなんですか?』
「うん、だからまずはそこに行ってネズミたちにも協力を頼もうってわけさ」
『みんな僕たちの仲間だから絶対に協力してくれるよ!』
『…そうですか……』
『…ねえ、何か聞こえない……?』
スクナビコナたちが歩きながら話をしていると、突然チュルヒコが異変を訴える。
「何か聞こえる?」
『僕には何も聞こえませんが?』
『そんなことないよ!もっとよく耳を澄ましてみてよ!』
スクナもカニヒコもチュルヒコの訴えを受け入れ、立ち止まって耳を澄ましてみる。
『…聞こえるはずだよ。ケーン、ケーンっていう声が……』
すると、スクナビコナとカニヒコにもケーン、という声がいずこかから響いてくるのが聞こえる。
『…あっ、確かに。僕にも声が聞こえましたよ!』
「…うん、僕にも聞こえた。たぶんキジの鳴き声じゃないかな?」
スクナビコナとカニヒコも〝音〟を確認する。
『…こっちのほうから聞こえるみたいだよ……』
チュルヒコが声の聞こえる方向を向く。
「…なんだ、そっちだったらこれから僕たちが向かう方向じゃないか」
『とにかく行ってみましょうよ』
このカニヒコの言葉とともに、スクナビコナたちは声のするほうへと走っていくのだった。
カニヒコは母のほうを心配そうな様子で見る。その両目からは涙があふれている。
「ふう、またあいつらが悪さをしでかしたってわけか……」
『ホント、僕たちってアマノジャクたちとは縁があるんだよね』
「まあ、縁は縁でも〝腐れ縁〟だけどな」
スクナビコナもチュルヒコもまたしても〝問題〟の原因がアマノジャクたちだったことに呆れる。
『…僕は、…悔しいやら情けないやらで…、でもなんとかして…、なんとかして母の仇を討ちたいんです!』
カニヒコは感情が高ぶるあまりに途中言葉を詰まらせながらも、アマノジャクたちへの仇討ちを宣言する。
「…仇討ちか……」
『決心は固いのかな?』
『はい!どんなことがあっても必ずやり遂げます!』
カニヒコはスクナビコナとチュルヒコを前にしても決然と言う。
「…よし、そこまで言うのなら……!」
『僕たちは協力するよ!』
カニヒコの言葉にすっかり胸が熱くなった一人と一匹は協力を申し出る。
『ほ、本当ですか!』
スクナビコナとチュルヒコの言葉にカニヒコも大喜びする。
『もちろんだよ!』
「さあ、そうと決まったらさっそく準備と行こうぜ!」
こうしてカニヒコはスクナビコナ、チュルヒコとともにいまだに意識を取り戻さない母を残し、〝仇討ち〟へと向かっていくのだった。
『…すいません、スクナさん……』
カニヒコが少し前を歩くスクナビコナに声をかける。
「うん、何?」
『これから僕たちはどこに向かうのですか?』
「ああ、向かう場所か。とりあえずネズミの穴に行こうと思ってるんだ」
『ネズミの穴?』
「そうさ、ネズミの穴は僕たちが今住んでる場所なんだ」
『そこには僕たち以外にもネズミが大勢住んでいるんだ』
『そうなんですか?』
「うん、だからまずはそこに行ってネズミたちにも協力を頼もうってわけさ」
『みんな僕たちの仲間だから絶対に協力してくれるよ!』
『…そうですか……』
『…ねえ、何か聞こえない……?』
スクナビコナたちが歩きながら話をしていると、突然チュルヒコが異変を訴える。
「何か聞こえる?」
『僕には何も聞こえませんが?』
『そんなことないよ!もっとよく耳を澄ましてみてよ!』
スクナもカニヒコもチュルヒコの訴えを受け入れ、立ち止まって耳を澄ましてみる。
『…聞こえるはずだよ。ケーン、ケーンっていう声が……』
すると、スクナビコナとカニヒコにもケーン、という声がいずこかから響いてくるのが聞こえる。
『…あっ、確かに。僕にも声が聞こえましたよ!』
「…うん、僕にも聞こえた。たぶんキジの鳴き声じゃないかな?」
スクナビコナとカニヒコも〝音〟を確認する。
『…こっちのほうから聞こえるみたいだよ……』
チュルヒコが声の聞こえる方向を向く。
「…なんだ、そっちだったらこれから僕たちが向かう方向じゃないか」
『とにかく行ってみましょうよ』
このカニヒコの言葉とともに、スクナビコナたちは声のするほうへと走っていくのだった。
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