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目が覚めたのは顔に水滴が当たり全身に悪寒が駆け巡ったからだった。
完全に意識が覚醒したわけではなく、未だに眠っているように体が宙を浮いている感覚であった――いや実際に俺は手を壁に固定され足が地面に着いていなかったのだ。
寒気がした。目覚めた時の悪寒とは違い体に衣服を感じる事は無く肌に直接空気を感じていた。どうにも全裸で吊るされていたのだ。
「――お目覚めかい」
意識を失う前に聞いた声だった。視界がうっすらとしか認識しないため髪の長い高身長という見た目だけしか分からなかった。
女が椅子から立ち上がると椅子に近くにあったテーブルらしきものの上から黒い物体を手に持つとこちらにヒールで音を鳴らし徐々に近づいてきた。
ぼんやりとした視界の中で顔がうっすらと見えるぐらいまで歩いてくると女は手に持っていたものを振り回すと、バシ、バシ、バシ と何か打ち付けるような音が聞こえてきたのだ。俺はそれがなんなのか分からなかったがいいものではないと確信していた。
「君の声を聞かせておくれよ」
女は言葉を発すると同時に黒いものの先が体に打ち付けられバシンと先ほどとは違う力強い音が部屋の中に響いた。それと同時に右ひざに痛みを感じるとぼんやりとしていた視界がハッキリと写るようになり悲鳴をあげていた。
女は満面の笑みを浮かべて更に二発体に黒いものの先端を体に当て、俺の悲鳴を聞くと顔を紅くし息遣いが荒くなっていた。
すると女は上着を脱ぎ肌の露出の高い服になると更に二回今度は両腕に当てたのだ。最初の痛より四回目からは体が痛みを覚えたせいかあまり痛みを感じる事は無かった。それでも痛いのには変わりは無かった。
「私に声を聞かせておくれ」
女は俺が声を発するまでただひたすらと体に当てつけていた。俺は唇をかみ締めて女を睨み続けていた。
「調教しがいのある目だ、存分に楽しませておくれ」
さらに何発当てられたのか分からないほど打ち続けられた。体の感覚は既に無くなっており痛みだの感じなくなっていた。女はなにを思ったのか露出の高い服を脱ぎ捨て上半身には大きな二つの胸があわらになっていた。
近づき腕の枷を取り外すと、宙に浮いていた俺は女の体に抱きつくように落ちて、体を預けてしまった。女の体に身を委ねられたと同時に俺に抱きつきそのまま冷たい床に押し倒されてしまった。
「フフフフ、どうやらあんなに痛めつけられても私とシタイってのかい?」
女は馬乗りになり俺を罵倒していると俺のナニに手を伸ばしこねくり回すように動かし始めた。薄れていたはずの感覚が戻り快楽がやってきたのだ。
「久々の上玉だよ」
更に動かしすでに快楽は頂点手前までやって来ていた。俺はどうなっているんだ一体。なにをされているが分からない。全身に快楽がいきわたる前に女は手を放し立ち上がっていた。
「まだ駄目だ、これから本番だよ」
女が下を脱ぎ始めると同時に女の後ろのドアが大きく開いた。女が立っているためドアは良く見えないが人がいるに違いない。
「隊長、至急会議室に来てください」
溜息を吐くと半分まで脱いでいたパンツを上げて脱ぎ捨てていた服を着はじめた。
「間の悪い上司だ、次からは私のことを考えて呼び出して欲しいものだね」
女が服を着終わると「逃げ出すんじゃないよ」と言って部屋から出て行ったのだ。
助かった――とにかく俺はここから逃げ出さなくてはいけないが、ドット体に蓄積されていたであろう疲労がいきなり襲い掛かってきた。
だめだ、なんで眠気なんか――
目が覚めると服を着ていたがやはり吊るされていた。腕は頑丈に拘束され腕を動かすが微動だにしなかった。諦めて部屋を見渡すと質素な石造りの部屋で窓一つ無くろうそくの火がいくつかありぼんやりと見渡す事ができるぐらいの明るさだった。別の部屋に移動させられたわけでもなさそうだった。
右隅に椅子と小さなテーブルがあるぐらいで、隅々にあとはロウソク……それに小さいテーブルの上には黒いのが置いてあった。天井を見てみると所々に水滴が垂れていた。雨漏りをしているらしい、眠る前に意識が戻ったのもこの雨漏りのお陰でもある。
どうにか外に出ようにも動けるはずも無くただひたすらうっすらと見えるドアを眺めるだけだった。なぜ自分が服を着ているかも分からずに俺はただひたすらドアを見続けた――
何時間経っただろうか、既に時間の感覚が狂い自分が何も出来ないもどかしさにどうにかなってしまいそうになっていた。だけれど今すぐに誰かが助けてくれるんじゃないかと期待していた。
完全に意識が覚醒したわけではなく、未だに眠っているように体が宙を浮いている感覚であった――いや実際に俺は手を壁に固定され足が地面に着いていなかったのだ。
寒気がした。目覚めた時の悪寒とは違い体に衣服を感じる事は無く肌に直接空気を感じていた。どうにも全裸で吊るされていたのだ。
「――お目覚めかい」
意識を失う前に聞いた声だった。視界がうっすらとしか認識しないため髪の長い高身長という見た目だけしか分からなかった。
女が椅子から立ち上がると椅子に近くにあったテーブルらしきものの上から黒い物体を手に持つとこちらにヒールで音を鳴らし徐々に近づいてきた。
ぼんやりとした視界の中で顔がうっすらと見えるぐらいまで歩いてくると女は手に持っていたものを振り回すと、バシ、バシ、バシ と何か打ち付けるような音が聞こえてきたのだ。俺はそれがなんなのか分からなかったがいいものではないと確信していた。
「君の声を聞かせておくれよ」
女は言葉を発すると同時に黒いものの先が体に打ち付けられバシンと先ほどとは違う力強い音が部屋の中に響いた。それと同時に右ひざに痛みを感じるとぼんやりとしていた視界がハッキリと写るようになり悲鳴をあげていた。
女は満面の笑みを浮かべて更に二発体に黒いものの先端を体に当て、俺の悲鳴を聞くと顔を紅くし息遣いが荒くなっていた。
すると女は上着を脱ぎ肌の露出の高い服になると更に二回今度は両腕に当てたのだ。最初の痛より四回目からは体が痛みを覚えたせいかあまり痛みを感じる事は無かった。それでも痛いのには変わりは無かった。
「私に声を聞かせておくれ」
女は俺が声を発するまでただひたすらと体に当てつけていた。俺は唇をかみ締めて女を睨み続けていた。
「調教しがいのある目だ、存分に楽しませておくれ」
さらに何発当てられたのか分からないほど打ち続けられた。体の感覚は既に無くなっており痛みだの感じなくなっていた。女はなにを思ったのか露出の高い服を脱ぎ捨て上半身には大きな二つの胸があわらになっていた。
近づき腕の枷を取り外すと、宙に浮いていた俺は女の体に抱きつくように落ちて、体を預けてしまった。女の体に身を委ねられたと同時に俺に抱きつきそのまま冷たい床に押し倒されてしまった。
「フフフフ、どうやらあんなに痛めつけられても私とシタイってのかい?」
女は馬乗りになり俺を罵倒していると俺のナニに手を伸ばしこねくり回すように動かし始めた。薄れていたはずの感覚が戻り快楽がやってきたのだ。
「久々の上玉だよ」
更に動かしすでに快楽は頂点手前までやって来ていた。俺はどうなっているんだ一体。なにをされているが分からない。全身に快楽がいきわたる前に女は手を放し立ち上がっていた。
「まだ駄目だ、これから本番だよ」
女が下を脱ぎ始めると同時に女の後ろのドアが大きく開いた。女が立っているためドアは良く見えないが人がいるに違いない。
「隊長、至急会議室に来てください」
溜息を吐くと半分まで脱いでいたパンツを上げて脱ぎ捨てていた服を着はじめた。
「間の悪い上司だ、次からは私のことを考えて呼び出して欲しいものだね」
女が服を着終わると「逃げ出すんじゃないよ」と言って部屋から出て行ったのだ。
助かった――とにかく俺はここから逃げ出さなくてはいけないが、ドット体に蓄積されていたであろう疲労がいきなり襲い掛かってきた。
だめだ、なんで眠気なんか――
目が覚めると服を着ていたがやはり吊るされていた。腕は頑丈に拘束され腕を動かすが微動だにしなかった。諦めて部屋を見渡すと質素な石造りの部屋で窓一つ無くろうそくの火がいくつかありぼんやりと見渡す事ができるぐらいの明るさだった。別の部屋に移動させられたわけでもなさそうだった。
右隅に椅子と小さなテーブルがあるぐらいで、隅々にあとはロウソク……それに小さいテーブルの上には黒いのが置いてあった。天井を見てみると所々に水滴が垂れていた。雨漏りをしているらしい、眠る前に意識が戻ったのもこの雨漏りのお陰でもある。
どうにか外に出ようにも動けるはずも無くただひたすらうっすらと見えるドアを眺めるだけだった。なぜ自分が服を着ているかも分からずに俺はただひたすらドアを見続けた――
何時間経っただろうか、既に時間の感覚が狂い自分が何も出来ないもどかしさにどうにかなってしまいそうになっていた。だけれど今すぐに誰かが助けてくれるんじゃないかと期待していた。
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