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弐夜
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百夜通いの一日目が終わり、家に帰り着いたのはもはや朝方と言っていい時間であった。
気の早い一番鶏が声高に鳴き、柔らかい朝日が街を照らす中帰路につく。このままベッドに潜ることが出来ればどれほど幸せだろうかと思いつつも、昨晩の報告をしなければならず、簡単に湯浴みだけすませて登城した。
「──以上が報告です」
近衛師団団長の執務室にて、後ろ背に手を組んだアルバートは、直立不動で報告を終える。実際はすぐそこまで迫った睡魔に耐えることに必死だったが、それは鉄壁の能面の下に押し隠した。
ささやかな装飾が施された、センスのいい執務机の前に座っているのが、近衛師団の団長であるレオン・コリンズだ。
四十五歳を過ぎていながらも、眼孔に宿る鋭さや肉体の逞しさが衰えることはなく、今なお現役として前線に立っている。それでも白髪が目立ち始めただとか、体の節々が痛いだとか嘆き、年寄りを労れと愚痴ることが彼の口癖であった。
レオンはあらかたの報告を聞き終えると、揃えられた短い髭を撫でる。
「そりゃあまあ、随分と癖の強そうなご婦人だな。お前さんも厄介な仕事を押しつけられて可哀想に」
「陛下より賜った仕事を厄介に思うなどありません」
「おうおう、この真面目っ子が」
呆れた風に眉を持ち上げられたが、澄ました顔で見つめ返す。それでもにじみ出る苦々しさは隠しきれなかったのか、レオンはひとつ苦笑をこぼした。
「安心しろ、俺もアルと同意見だ。何かお考えがあるにしろ、不死身の体なんぞ望むもんじゃねえ。人間は絶対に死ぬもんだ。生死の摂理から離れちまえば感覚も常人から離れちまうだろうし、体だけじゃなく、心まで人じゃなくなりそうだからな」
いつになく真面目な顔で言われ、アルバートも内心だけで賛同する。
百夜通いを果たし、国王を不老不死の体にするよう願えと命じられたのは一週間前。それも国王陛下より直接命じられたことだ。
建前としては近衛師団での地位もあり、腕の立つアルバートを信頼してということだった。だが実際は、妻もおらず、唯一の家族は病に伏せがちのアルバートならば、国王の私欲の果てに命を落としても処理しやすいといったところだろう。
忠義にあついアルバートがこの命令を断る選択肢は一切存在しなかったが、それでもわだかまりを抱えることは押さえきれなかった。
数年前より重い病を抱えている王は日に日に衰弱していき、己の死期を悟ったことで死を恐れ始めたらしい。それこそ魔女などという異形に縋るほどだ。
王がくだした選択が正しいかどうか、アルバートには判然としなかった。だがもし、──自分が百夜通いの中で命を落とすことは構わないが──、不老不死になることでレオンの言うとおり、王が人とは別の存在に変質することがあれば。しかもその果てで民衆が苦しむようなことがあれば、それは許されざることではないのか。
命令である以上任務は全うする覚悟でいるが、得体の知れない不安が喉に溜まり続ける。それもこれも、結局王の願いは私利私欲であり、民衆のためではないことがよりいっそうアルバートを不安にさせるのかもしれない。
「ま、何にせよ気をつけて任務にあたれ。百晩の間はこっちの仕事は気にしなくていいし、今晩に備えて早く帰れ」
「はい」
「ついでに上手いこと魔女をたらし込んでこい。目指せ世界征服、つってな」
「団長の願いは世界征服なんですね」
「相変わらず冗談の通じねえ奴だなあ」
呆れた風に頬杖をついたレオンは、思いついたように「そういえば」と口を開いた。
「お前さんは魔女に叶えて欲しいこととかねえのかよ」
「私に、ですか……?」
「アルが魔女に頼るところなんか想像つかねえからな。ほら、お前って努力すれば出来ないことなんかないってタイプだろう? 強いて言うならエリオットと会話できるようになりたいとかかね」
からかうように言われ、不満を隠すことなどできなかった。魔女などに頼らなくとも、自分とエリオットは意志の疎通が出来ていると言えば、またからかわれるだけだろう。
「そうですね……ステラルクスに暮らす全ての民が平穏に暮らせるよう、魔女の加護でも与えてもらいましょうか」
「かあ! 出たよ、優等生!」
「そう言う団長はどうなんですか」
「そらあ若返りでも頼むかね。ちょっと走っても息切れしない、朝起きたとき関節が痛くない体ってのはそれだけで貴重だぞ」
「何て私欲に満ちた人なんだ……」
それからあれにこれも願いたいなと指を折るレオンに呆れてしまう。
百夜通い二日目は、昨晩よりも過酷だった。
人間を警戒しているのか、獣は遠くから様子を見ているだけであったが、昨日は迷うことなく進めたはずの森で見事迷子となってしまったのだ。
手元の地図とも呼べない地図を何度も確認する。だが景色が殆ど変わらぬ森の中では、そもそも自分がどこにいるかも把握しづらい。もしかすると一日目に迷うことなく進むことができたのも、魔女の力だったのかもしれない。
転ばぬようぬかるむ足下に意識を向け、いつ獣に襲われるかと神経を張りつめらせながら、さらに方向感覚を取り戻そうと躍起になることは必要以上に精神を消耗させた。
せめてエリオットがいてくれたらまだ心強かったのになどと思いながら、それでもひたすらに進む。
魔女の小屋にたどり着いたのは、二十四時になる少し前だった。
「今日は随分とお早い到着だな」
昨日と同じよう、ベッドに転がったイザべラがあざ笑う。皮肉っぽい笑みに苛立ちを抱えてしまった。
「……遅くなり申し訳ありません」
「刻限に間に合えばそれで構わん。ほら、それよりもこれで二日目は終わりだ。早く帰れ」
「は?」
「聞こえなかったか? これ以上おまえがここにいる必要はない。さっさと森を出て愛馬のところに行ってやれ」
言葉の途中で、イザべラはすでに枕へと顔を埋めていた。狼のロウを抱え、気持ちよさそうに瞳を閉じる。その姿に視界が真っ白になり、感情が爆発しかけた。
あの酷な道を四時間近く歩かせ、顔を出し終えたら休む暇なく帰れなど! 百夜通いのルール上違反はなかろうが、お前に人の心というものはないのか!
そう叫びかけ、この女は人ではなく魔女だったと気がつく。だからと言って納得できる話ではないが、怒る気力すらなくなったアルバートは力なく肩を落とした。
「それでは夜分遅くに失礼致しました。明日もよろしくお願い致します」
「……何だ、やけにあっさりと引き下がるな」
「貴方が早く帰れとおっしゃったのでしょう」
僅かに顔を上げ、ちらりと様子をうかがう彼女に眉をひそめる。だがイザべラはからかうように瞳を細めた。
「お前なら、客人に茶のひとつも出さないのかと咎めると思ったのだが」
「魔女に良識を求めてはいないので」
「何だ、自分が客人だとか勘違いしていたのか」
自分で問いかけてきながら、皮肉るように笑われる。その顔に口をかたく曲げてしまった。
「おまえが毎夜毎夜、大変な思いをしてここを訪ねることはわたしが望んだことではない。おまえ自身の願いを叶える対価であり、覚悟の顕現であり、必要な儀式だ。それを実行するおまえをねぎらうことやいたわることは、わたしに求められるものではない」
「ですが百夜もの間ここへ通うルールを決めたのはあなたでしょう」
「その方が非力なりにがんばる人間を見れて面白いだろう」
魔女はくすりと答える。
百夜通いをさせる目的が愉楽のためなど、予想以上の性格の悪さだ。
呆然と立ち尽くすアルバートに対し、イザべラはロウの背中を撫でながらけろりと続ける。
「これが昨日の問いへの答えだ。ご満足いただけたかな?」
「……全面的に納得いくものではありませんが、貴方の性根の良さはよくわかりました」
「ふふ、中々に辛辣だな、おまえ。あまりひどいことを言われると、悲しさのあまり呪い殺しそうになる」
「か弱い人間の吠えごとなど、魔女には気にとめるまでもないことでしょう」
嫌悪を隠すことなく言えば、イザべラはにんまりと瞳を細める。
そうしてロウと共にベッドに横たわると、今度こそ話は終わりとばかりに瞳を閉じた。
百夜通いの一日目が終わり、家に帰り着いたのはもはや朝方と言っていい時間であった。
気の早い一番鶏が声高に鳴き、柔らかい朝日が街を照らす中帰路につく。このままベッドに潜ることが出来ればどれほど幸せだろうかと思いつつも、昨晩の報告をしなければならず、簡単に湯浴みだけすませて登城した。
「──以上が報告です」
近衛師団団長の執務室にて、後ろ背に手を組んだアルバートは、直立不動で報告を終える。実際はすぐそこまで迫った睡魔に耐えることに必死だったが、それは鉄壁の能面の下に押し隠した。
ささやかな装飾が施された、センスのいい執務机の前に座っているのが、近衛師団の団長であるレオン・コリンズだ。
四十五歳を過ぎていながらも、眼孔に宿る鋭さや肉体の逞しさが衰えることはなく、今なお現役として前線に立っている。それでも白髪が目立ち始めただとか、体の節々が痛いだとか嘆き、年寄りを労れと愚痴ることが彼の口癖であった。
レオンはあらかたの報告を聞き終えると、揃えられた短い髭を撫でる。
「そりゃあまあ、随分と癖の強そうなご婦人だな。お前さんも厄介な仕事を押しつけられて可哀想に」
「陛下より賜った仕事を厄介に思うなどありません」
「おうおう、この真面目っ子が」
呆れた風に眉を持ち上げられたが、澄ました顔で見つめ返す。それでもにじみ出る苦々しさは隠しきれなかったのか、レオンはひとつ苦笑をこぼした。
「安心しろ、俺もアルと同意見だ。何かお考えがあるにしろ、不死身の体なんぞ望むもんじゃねえ。人間は絶対に死ぬもんだ。生死の摂理から離れちまえば感覚も常人から離れちまうだろうし、体だけじゃなく、心まで人じゃなくなりそうだからな」
いつになく真面目な顔で言われ、アルバートも内心だけで賛同する。
百夜通いを果たし、国王を不老不死の体にするよう願えと命じられたのは一週間前。それも国王陛下より直接命じられたことだ。
建前としては近衛師団での地位もあり、腕の立つアルバートを信頼してということだった。だが実際は、妻もおらず、唯一の家族は病に伏せがちのアルバートならば、国王の私欲の果てに命を落としても処理しやすいといったところだろう。
忠義にあついアルバートがこの命令を断る選択肢は一切存在しなかったが、それでもわだかまりを抱えることは押さえきれなかった。
数年前より重い病を抱えている王は日に日に衰弱していき、己の死期を悟ったことで死を恐れ始めたらしい。それこそ魔女などという異形に縋るほどだ。
王がくだした選択が正しいかどうか、アルバートには判然としなかった。だがもし、──自分が百夜通いの中で命を落とすことは構わないが──、不老不死になることでレオンの言うとおり、王が人とは別の存在に変質することがあれば。しかもその果てで民衆が苦しむようなことがあれば、それは許されざることではないのか。
命令である以上任務は全うする覚悟でいるが、得体の知れない不安が喉に溜まり続ける。それもこれも、結局王の願いは私利私欲であり、民衆のためではないことがよりいっそうアルバートを不安にさせるのかもしれない。
「ま、何にせよ気をつけて任務にあたれ。百晩の間はこっちの仕事は気にしなくていいし、今晩に備えて早く帰れ」
「はい」
「ついでに上手いこと魔女をたらし込んでこい。目指せ世界征服、つってな」
「団長の願いは世界征服なんですね」
「相変わらず冗談の通じねえ奴だなあ」
呆れた風に頬杖をついたレオンは、思いついたように「そういえば」と口を開いた。
「お前さんは魔女に叶えて欲しいこととかねえのかよ」
「私に、ですか……?」
「アルが魔女に頼るところなんか想像つかねえからな。ほら、お前って努力すれば出来ないことなんかないってタイプだろう? 強いて言うならエリオットと会話できるようになりたいとかかね」
からかうように言われ、不満を隠すことなどできなかった。魔女などに頼らなくとも、自分とエリオットは意志の疎通が出来ていると言えば、またからかわれるだけだろう。
「そうですね……ステラルクスに暮らす全ての民が平穏に暮らせるよう、魔女の加護でも与えてもらいましょうか」
「かあ! 出たよ、優等生!」
「そう言う団長はどうなんですか」
「そらあ若返りでも頼むかね。ちょっと走っても息切れしない、朝起きたとき関節が痛くない体ってのはそれだけで貴重だぞ」
「何て私欲に満ちた人なんだ……」
それからあれにこれも願いたいなと指を折るレオンに呆れてしまう。
百夜通い二日目は、昨晩よりも過酷だった。
人間を警戒しているのか、獣は遠くから様子を見ているだけであったが、昨日は迷うことなく進めたはずの森で見事迷子となってしまったのだ。
手元の地図とも呼べない地図を何度も確認する。だが景色が殆ど変わらぬ森の中では、そもそも自分がどこにいるかも把握しづらい。もしかすると一日目に迷うことなく進むことができたのも、魔女の力だったのかもしれない。
転ばぬようぬかるむ足下に意識を向け、いつ獣に襲われるかと神経を張りつめらせながら、さらに方向感覚を取り戻そうと躍起になることは必要以上に精神を消耗させた。
せめてエリオットがいてくれたらまだ心強かったのになどと思いながら、それでもひたすらに進む。
魔女の小屋にたどり着いたのは、二十四時になる少し前だった。
「今日は随分とお早い到着だな」
昨日と同じよう、ベッドに転がったイザべラがあざ笑う。皮肉っぽい笑みに苛立ちを抱えてしまった。
「……遅くなり申し訳ありません」
「刻限に間に合えばそれで構わん。ほら、それよりもこれで二日目は終わりだ。早く帰れ」
「は?」
「聞こえなかったか? これ以上おまえがここにいる必要はない。さっさと森を出て愛馬のところに行ってやれ」
言葉の途中で、イザべラはすでに枕へと顔を埋めていた。狼のロウを抱え、気持ちよさそうに瞳を閉じる。その姿に視界が真っ白になり、感情が爆発しかけた。
あの酷な道を四時間近く歩かせ、顔を出し終えたら休む暇なく帰れなど! 百夜通いのルール上違反はなかろうが、お前に人の心というものはないのか!
そう叫びかけ、この女は人ではなく魔女だったと気がつく。だからと言って納得できる話ではないが、怒る気力すらなくなったアルバートは力なく肩を落とした。
「それでは夜分遅くに失礼致しました。明日もよろしくお願い致します」
「……何だ、やけにあっさりと引き下がるな」
「貴方が早く帰れとおっしゃったのでしょう」
僅かに顔を上げ、ちらりと様子をうかがう彼女に眉をひそめる。だがイザべラはからかうように瞳を細めた。
「お前なら、客人に茶のひとつも出さないのかと咎めると思ったのだが」
「魔女に良識を求めてはいないので」
「何だ、自分が客人だとか勘違いしていたのか」
自分で問いかけてきながら、皮肉るように笑われる。その顔に口をかたく曲げてしまった。
「おまえが毎夜毎夜、大変な思いをしてここを訪ねることはわたしが望んだことではない。おまえ自身の願いを叶える対価であり、覚悟の顕現であり、必要な儀式だ。それを実行するおまえをねぎらうことやいたわることは、わたしに求められるものではない」
「ですが百夜もの間ここへ通うルールを決めたのはあなたでしょう」
「その方が非力なりにがんばる人間を見れて面白いだろう」
魔女はくすりと答える。
百夜通いをさせる目的が愉楽のためなど、予想以上の性格の悪さだ。
呆然と立ち尽くすアルバートに対し、イザべラはロウの背中を撫でながらけろりと続ける。
「これが昨日の問いへの答えだ。ご満足いただけたかな?」
「……全面的に納得いくものではありませんが、貴方の性根の良さはよくわかりました」
「ふふ、中々に辛辣だな、おまえ。あまりひどいことを言われると、悲しさのあまり呪い殺しそうになる」
「か弱い人間の吠えごとなど、魔女には気にとめるまでもないことでしょう」
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