役立たずと追い出されるはずがパーティーのリーダーに任命されました

第1章 王国叙勲式

騎士団入団試験

クラウドからパーティーに勧誘されてから5年の月日が経ち、俺は父の口利きで俺とクラウドは騎士団に入隊することになった。
騎士団入団は最低10歳から入れるそうだが今まで10歳で入った者はいないらしい…

ただ口利きされたからと言っても、騎士団所属の隊員の親族であれば全員がなれるわけではなくその入団試験は一般的に受ける試験より厳しいものとなっている
。

なぜなら、騎士団としての仕事は魔物率いる魔族の討伐や盗賊や悪人との対人戦、体力を要する大量の料理作り、商人や女、子供、高齢者の護衛など 体力面、武力面どちらが欠けても、騎士団としてやっていける者は、いてはいけないのだ。



過去に、父親が騎士団として所属し口利きで騎士団に入った者がいたが彼は炊事や武術の稽古、魔法の鍛錬などを騎士団入団前から怠り父の騎士団での武勲があった為本人は努力もしない凡人であったのだが周りがそれを知らずに持ち上げてしまい騎士団所属の為滅多に帰れない父は、息子の中身の伴っていない外面の良さにコロッと騙され、てっきり息子が日々努力を怠っていないと思っていたがそれは誤解であったのだと息子が本来の騎士団員としての実力があれば、難なく倒せるはずの魔物に手こずり腕力でちぎった大木を棍棒代わりにした武器を振り下ろされ全身複雑骨折で亡くなったらしい…


だから、騎士団に所属する場合は事前に入団テストを
受けることが必須になった。
また、2度とこのような悲劇を起こさないように騎士団所属の親族に入団テストを受けさせる場合は、一般として受ける(親族であれば一般受験できない)テストよりも内容がハードになっている。



なぜかといえばあらゆる事案を想定してこれらはローテーションで担当が回ってくる為だ。

俺は、父の口利きで騎士団入団テストを受けた時のことを思い出していた。


<君がリーフの息子のスカイ君だね？はじめまして俺は今回試験官を務めるイフリートという。騎士団では一応団長をしている。
君のことは毎回リーフからよく聞いているよ。俺には出来すぎた息子だって。だから今日は楽しみにしているよ。君はスカイ君の友達のクラウド君だね。君のこともリーフから聞いている。
スカイに負けず劣らずの策士で、サポート職に特に特化しているらしいね。君にも期待しているよ。>

とそこには団長としての実力を隠した気さくな笑顔を浮かべるイフリートの姿があった。