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第1章 王国叙勲式

勇者だなんて認めない

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脳内にまた機械音声のような声が響いた。



"勇者スカイ S級クラスシオマネキをテイムしました

なお、テイムが正式に完了した為言語がより人間らしくスムーズになりました"




「は?誰が勇者だって?んなわけあるかよ。俺は絶対に認めないからな。」



<どうしたんだよ、スカイ?>



《どうしたんだ?》



「ん?なんでもない気にすんな。そんなことよりまずコイツらをどうにかしないと…」



と俺が指差した方を2人が見ればいまだにセーフティーエリアに張り付いて、スカイを見ながら


"あるじさま~出てきてください"



'ヌシ様は私達のパパになるんだよ。早くパパ出てきて?'


と大小様々な大きさのシオマネキ達がセーフティーエリア周辺を陣取って催促してくるので俺達は朝食を手早く食べ後片付けをすませ荷物を持って渋々セーフティーエリアの外に出ていくと、案の定待ち構えたシオマネキ達に周囲を要人のSPのごとく張り付き俺達の移動についてきた。



<こうしてみるとすごい光景だな。いままでシオマネキ達がこんな温厚なやつだとは思わなかった。>


とクラウドが言うのでスカイは自身が勇者であるということを鵜呑みにせずあえてスルーして一部事実のみをクラウド達に告げた。


「あーなんか、俺達がシオマネキ達をテイムしたらしいぞ。さっきコイツらが俺の周囲を回って踊った際に俺を包む金の光がコイツらにも注いだことでテイムが完了したらしい。だからクラウド達の言うことも聞くんじゃねぇか?」



<本当かよ!?スゲェな従魔を従えてる奴はあまり見かける機会はないからよく分かんねぇけど、S級のシオマネキをテイムする奴はなかなかいないんじゃねぇか?>



《俺様が聞いてみよう。なぁお前たちいままでお前たちをテイムしたことがある奴はいるのか?》



"いたよ~1人だけ。"



'そっちでは初代勇者って呼ばれてるよ'




<へぇ、初代勇者か……数々の伝説を遺したとされる初代勇者は本当に強かったんだな。>




《じゃあそんな初代勇者と同じ魔物をテイムできた俺様達も強いんだな!!》




と俺様が楽しげに話している一方でシオマネキ達はある一点をずっと睨んでいたことにこの時はまだ気づかなかった。







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