苦手克服を失敗しちゃった

香野ジャスミン

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苦手克服を失敗しちゃった8

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このぬいぐるみ、捨てることができなかったんだっ!
捨てたと知られたら、後が怖い。
だからと言って、閉じ込めるようにしていると
「あげたぬいぐるみは元気かしら?」
と聞かれてる。
だから、どこか視線を合わない場所に置いていたのだが…
俺は、ぬいぐるみに耳を当てた。
ジ―――――
機械の運転している音が聞こえるっ!
後ろを確認すると、ポケットがある。
その中を見ると、目が…目が‥‥カメラ。
耳が…盗聴器…
俺、魂を今、どこかに飛ばせるわ。
そんな抜け殻の俺の様子をみていた倉一がぬいぐるみをキッチンに持っていき、洗い桶に水をためてその中に容赦なく、沈める。
必殺、水没。
地味に、恐怖をかんじてしまうわっ!
でも、これで全部がなくなったとは、思えない。
それを倉一が気づいて、鞄の中から道具を取り出してきた。
盗聴器、盗撮器の発信する電波を受信するらしい…

結果。何も出てこなかった。
俺…すごく疲れた…

「お前、異常なほど愛されてるなっ!?」
えぇぇぇっ!
これ、愛情表現の一つなの?
勘弁してほしいんだけど…

そんな俺を他所に倉一は
「抱いていいか…?」
なんて聞いてくる…

俺も、落ち着いたら、やはり倉一の傍が一番落ち着くし、気付いたら頷いていた。
でも、素直になれない自分もいたりするわけで…
「俺の全部を受け止める覚悟が…あんのか?」
―か、かわいくねぇぇぇ
でも、そんな言葉も、倉一にはいいらしく。
「あるあるっ!」
って、押し倒す。
で…
「思ったんだけど…侑って、胸をいじってんの?
 えいっ!エイエイっ!」
指でツンツンって突いてくる。

もう、この歳になるまでに色々と達観をしてしまうと、一人で慰めることもしてしまうわけで…

隠れて撮りためていた倉一の写真を‥オカズに身体を慰めていましたっ!
――――!!
「それで、ここも、こんなに…いつでも準備ができてんの?」
―うぅぅぅ
まさか、この歳で…好きな奴とこんな行為ができるとは思ってもいなかった俺は、後ろを解してそれなりに自分で遊ぶことも憶えていた。
だって、好きな奴を想像したら、やっぱり気持ちがいいじゃん…
でも、こうやって身体を繋げれるとは思っていなかったから、俺の性癖がバレてしまった。
「あんまりみるなっ!
 だって、お前とこんなことできるとは、思ってもいねぇし、ありえないって思ってたから…
 代わりに…」
俺の言い訳を倉一は、普段、倉一の代わりにしている玩具を動かして聞いている。
ウィーン、ウイーン
と音がするたびに、俺は、自尊心が崩れそうになる。
「まぁ、どこの誰かに貪られるよりかは、いいけどさっ!
 もう、今の時点で、ここ、こんなにエロイんですけど…っ!」
そう言って、ローションを絡めた指が俺の後ろを出たり入ったりする。
当然、挿入されるときの身体の力の抜き方も、弁えているわけで…それが、倉一にとって、気に入らなかったようだ。
「そう…いち‥、やだぁ…
 指じゃ‥やだ…」
そう言いながら、俺ははしたなく、受け入れる準備が出来ている孔を指で見せつけるように広げる。
「侑、エロすぎっ!
 こんなんで、よく一人でいたなっ!?
 女なんて、無理だわ。
 お前、俺じゃなきゃダメな体にしてやるっ!!」
そう言って、初めて経験する俺を容赦なく、揺さぶり翻弄していく。
「ああぁっ!!
 大きい…っ!熱いっ…
 本当の、そういちだっ…
 嬉し…もっと、もっとっ!
 俺をお前のもんにしてぇぇっ!」
と、
淫語連発してしまった…
玩具で身体を開いても、生身の人間は初めてなわけで…
俺は、初めてにして、中でイってしまった。
「どうしよう…
 予想以上なんだけど…」
俺の顔を見ながら、倉一が呟く。
何が?と、見上げると…
「…お前のエロさが、俺の好みのど真ん中なんだけど…
 何?あれ?ここをこんなにしてから…」
そう言って、俺の胸を突いてくる。
「…もしかしたら、女の人と、結婚することができたとしても、俺は身体までは繋げれないと思ってた…

 それは、あの時のことも原因だけど…
 お前に助けてもらった身体のままで、いたかった…」
白状してやるって覚悟で俺は自分の想いをさらけ出す。
それは、予想以上に重たい倉一の想いを知ったからだ。
俺も、結構重いと思うんだが…
目の前の男は、それを嬉しそうに聞いている。
「これからは…いつでも抱きしめて…」
そう言っている間に、俺は夢の中に入っていったのだった。
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