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アップデート続行
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「誰も、好きなるなって言ってないだろぅ」
ハァっと大きくため息をついてバッと大股でどこかに行く。
そして、
「ほら、拭け…」
頭に軽めの柔らかい物をかけられ、それがタオルだと気づく。
「…お、お借りします…っく…」
くそ…お兄さん、この優しさは、今の僕には辛すぎる。
「また泣いてんのか…」
呆れた声がするけれど、止まらない涙と鼻水は、僕の顔を残念な物へと変えて行った。
「あぁ…目が腫れたし鼻も真っ赤…」
綺麗な顔の怖そうなお兄さんは、僕に近付き長い指で涙を拭う。
「お兄さん…」
―!
「だから、お前にお兄さんは言われたくない。
俺は、亮一。
氷堂ひょうどう 亮一りょういちだ」
「氷堂さん?」
僕より身長が高い氷堂さんは僕を優しい目で見てくれていた。
「亮一でいい。お前、亮一と呼べ…」
まだ、零れる涙を亮一さんが拭い、そして、自分の指を伝っていった僕の涙を舌で舐めとった。
―?!
「んなっ!!」
驚く僕の反応がおかしかったのか笑って
「ほら、涙が止まった…」
―!
あ、本当だ。止まっている。
この人は…
僕がじっと見つめていると
「あいつ、母親とグルで金ばっかり稼いでるんだ」
―?!
ヨシキの事だ。
「あいつの母親は、金にがめつくって、家でも置いてあった財布の中身がなくなることだって頻繁にあった。
あいつもその息子として、再婚するまで結構、稼がされたらしい。
私の父親が何を思ってか、再婚をし、自由になるお金を手に入れてからあいつの母親は大人しくなった。
けれど、ずっと続けていた守銭奴ってやつは、そう簡単に辞めることができなかったようだ。
息子に新しいビジネスを教えたみたいでな…」
―!!
それが、ヨシキと僕との恋人ごっごだったというわけだ。
意外なことに、亮一さんの話はすっと入ってくる。
だって、薄々だけれど、ヨシキのお金に対する感覚がわからない時があった。
実際、今日一緒に食べた食事の材料費、僕が出したし。
ガスコンロを使うのかと思ったら、カセットボンベ。
しかも僕が用意する。
おかげでカセットコンロを使うことをした事がなかった僕は使いこなせるようになってしまった。
一人暮らしではそう言う人もいるかと思っていたけれど、亮一さんの話を聞いたら納得してしまった。
「まぁ…こちらとしては、もう準備が出来ているからあいつの相手もする必要がないからな」
?
どういうことだ?
亮一さんの話が若干、理解できない僕は?って顔をしていたのだろう。
「…ヨシキは、人の感情を上手く利用する。
だから、君に恋人の役を頼んだんだ」
―!!!!
「え…」
サーっと血の気が引いた感覚と同時に、泣きすぎも重なったのかクラっと視界が揺らいでいた。
「おっと…」
すぐに気づいた亮一さんが僕を受け止め、そのままソファに座らしてくれた。
「…僕の気持ちを…ヨシキは…知ってたってことですか?!」
なんて恐ろしいことだろう。
身体の震えが止まらない…
やっぱり…
せっかく止まった涙がポロポロと零れ落ちていく。
「あぁ…」と、困った亮一さんの声がした後、グイっと僕は温かい胸の中に抱きしめられていた。
―!?
「ちょ、ちょっと…」
もう、この人は、泣いているのを辞めさせようと予想もしない方法を取ろうとする!と、思って僕は、思わず抵抗しようとした。
けれど、
「あんな奴のことを忘れろ。
俺がお前を全部、受け止めるからさ」
―!!!
ハァっと大きくため息をついてバッと大股でどこかに行く。
そして、
「ほら、拭け…」
頭に軽めの柔らかい物をかけられ、それがタオルだと気づく。
「…お、お借りします…っく…」
くそ…お兄さん、この優しさは、今の僕には辛すぎる。
「また泣いてんのか…」
呆れた声がするけれど、止まらない涙と鼻水は、僕の顔を残念な物へと変えて行った。
「あぁ…目が腫れたし鼻も真っ赤…」
綺麗な顔の怖そうなお兄さんは、僕に近付き長い指で涙を拭う。
「お兄さん…」
―!
「だから、お前にお兄さんは言われたくない。
俺は、亮一。
氷堂ひょうどう 亮一りょういちだ」
「氷堂さん?」
僕より身長が高い氷堂さんは僕を優しい目で見てくれていた。
「亮一でいい。お前、亮一と呼べ…」
まだ、零れる涙を亮一さんが拭い、そして、自分の指を伝っていった僕の涙を舌で舐めとった。
―?!
「んなっ!!」
驚く僕の反応がおかしかったのか笑って
「ほら、涙が止まった…」
―!
あ、本当だ。止まっている。
この人は…
僕がじっと見つめていると
「あいつ、母親とグルで金ばっかり稼いでるんだ」
―?!
ヨシキの事だ。
「あいつの母親は、金にがめつくって、家でも置いてあった財布の中身がなくなることだって頻繁にあった。
あいつもその息子として、再婚するまで結構、稼がされたらしい。
私の父親が何を思ってか、再婚をし、自由になるお金を手に入れてからあいつの母親は大人しくなった。
けれど、ずっと続けていた守銭奴ってやつは、そう簡単に辞めることができなかったようだ。
息子に新しいビジネスを教えたみたいでな…」
―!!
それが、ヨシキと僕との恋人ごっごだったというわけだ。
意外なことに、亮一さんの話はすっと入ってくる。
だって、薄々だけれど、ヨシキのお金に対する感覚がわからない時があった。
実際、今日一緒に食べた食事の材料費、僕が出したし。
ガスコンロを使うのかと思ったら、カセットボンベ。
しかも僕が用意する。
おかげでカセットコンロを使うことをした事がなかった僕は使いこなせるようになってしまった。
一人暮らしではそう言う人もいるかと思っていたけれど、亮一さんの話を聞いたら納得してしまった。
「まぁ…こちらとしては、もう準備が出来ているからあいつの相手もする必要がないからな」
?
どういうことだ?
亮一さんの話が若干、理解できない僕は?って顔をしていたのだろう。
「…ヨシキは、人の感情を上手く利用する。
だから、君に恋人の役を頼んだんだ」
―!!!!
「え…」
サーっと血の気が引いた感覚と同時に、泣きすぎも重なったのかクラっと視界が揺らいでいた。
「おっと…」
すぐに気づいた亮一さんが僕を受け止め、そのままソファに座らしてくれた。
「…僕の気持ちを…ヨシキは…知ってたってことですか?!」
なんて恐ろしいことだろう。
身体の震えが止まらない…
やっぱり…
せっかく止まった涙がポロポロと零れ落ちていく。
「あぁ…」と、困った亮一さんの声がした後、グイっと僕は温かい胸の中に抱きしめられていた。
―!?
「ちょ、ちょっと…」
もう、この人は、泣いているのを辞めさせようと予想もしない方法を取ろうとする!と、思って僕は、思わず抵抗しようとした。
けれど、
「あんな奴のことを忘れろ。
俺がお前を全部、受け止めるからさ」
―!!!
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