12 / 12
緑茶の色は何色?
しおりを挟む
ここに無類の酒好きの絹問屋の旦那がいました。
「いいかい左吉。極上の酒と言うものは水と見た目も味も変わらないもんなんだ」
「じゃあ水を飲んだ方がいいんじゃないですか?」
「バカだねぇお前は。水じゃ酔えないじゃないか」
「へぇなるほど」
などと毎晩のように奉公人の左吉を相手に講釈しておりました。
ある日旦那が左吉を呼びますと
「お茶問屋に極上のお茶が入ったと言うからね、一つ買ってきておくれ」
「へい」
左吉は早速買いに向かったのですが、帰り道小石に蹴躓きお茶っ葉をばらまいてしまいました。
困った左吉は一つ策を案じました。
何食わぬ顔で旦那の所へ戻りましてそそくさとお茶を入れる振りをします。
そして
「旦那、こちらが極上のお茶だそうです」
と、ただの白湯を差し出しました。
旦那は色を見て不思議に思いつつもどんなものか一口すすります。
「色も味もただの白湯じゃないか」
「へぇ極上のお茶は見た目も味も白湯と同じでございます」
「いいかい左吉。極上の酒と言うものは水と見た目も味も変わらないもんなんだ」
「じゃあ水を飲んだ方がいいんじゃないですか?」
「バカだねぇお前は。水じゃ酔えないじゃないか」
「へぇなるほど」
などと毎晩のように奉公人の左吉を相手に講釈しておりました。
ある日旦那が左吉を呼びますと
「お茶問屋に極上のお茶が入ったと言うからね、一つ買ってきておくれ」
「へい」
左吉は早速買いに向かったのですが、帰り道小石に蹴躓きお茶っ葉をばらまいてしまいました。
困った左吉は一つ策を案じました。
何食わぬ顔で旦那の所へ戻りましてそそくさとお茶を入れる振りをします。
そして
「旦那、こちらが極上のお茶だそうです」
と、ただの白湯を差し出しました。
旦那は色を見て不思議に思いつつもどんなものか一口すすります。
「色も味もただの白湯じゃないか」
「へぇ極上のお茶は見た目も味も白湯と同じでございます」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる