月影の魔法使い 〜The magic seeker of the moonlight shadow〜

よしだひろ

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エングラントの槍編

盗賊団到来

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 その日の夕食を食べながらリグルはミカに相談した。
「昼間の賊ですが、今夜襲ってくるって事は無いですか?」
 ミカはドキッとした。
「部屋に押し入ってくるって事?」
「そうです」
 ミカは怖くなった。そうなると一人では防ぎきれない。命を取られるかも知れない。
「どうしよう?」
「でも、リートが付かず離れず見ていてくれてますから、大丈夫だとは思うのですが」
「昼間はうまく追い払ってくれたけど」
 ミカはそれでも不安を隠しきれなかった。
「きっとまた追っ払ってくれますよ」
 二人は、不安はあるものの早めに休む事にした。
 その日の夜遅く、ミカは誰かが呼ぶ声で目を覚ました。
「ミカ様、ミカ様。お目覚め下さい」
「その声はリート?」
「はい。今すぐここからお逃げ下さい」
 ミカはまだ眠い目をこすって上半身を起こした。
「どうしたの?」
「昼間の賊が徒党を組んでミカ様を狙っています」
「え?」
「リグル殿を連れてお逃げ下さい」
 ミカは慌ててベッドから起きて着替えた。
「リートの力でも追い返せないの?」
「いえ、恐らく返り討ちに出来ますが、何しろ数が多うございますので、念の為に」
「そんなに多人数で?」
 リートは、彼らは昼間の仕返しに来たのだと言う。宝石や金は二の次。屈辱を晴らしに来たのだ。
「分かったわ。私はリグルを起こして取り敢えず逃げるわね」
 リートは窓から羽ばたいて出て行った。
 ミカは貴重品だけ持ち部屋を出た。そしてリグルの部屋のドアを強く叩いた。しかし周囲に気付かれないように小声で話しかけた。
「リグル、リグル。起きてちょうだい」
 言いながら部屋のドアを叩いていると徐ろにドアが開いた。
「ミカ様。どうしました?」
「どうやらあなたの心配が当たったようよ。昼間の賊が徒党を組んで来るって」
「そんな! どうしたらいいのでしょう?」
「リートがなんとか食い止めてみるけど、逃げろって。貴重品だけ持って宿から逃げるわよ」
 リグルも取り敢えず貴重品だけを持って支度を整えた。
 二人は一階の食堂に降りた。人気はない。厨房に入り勝手口から外に出た。幸い賊はこちら側にはいないようだ。
 リートは屋根の上から警戒していた。賊は気配を消して取り囲んではいるものの、チラホラと姿が見えていたのでその状況を把握できた。
 人数はだいたい七人程。宿屋の正面から様子を伺っている。彼らはミカの居所は掴んでいない。リートはそう読んだ。
 その時、勝手口から気配がしたので見てみると、ミカとリグルだった。リートはそちらへ素早く移動して言った。
「ミカ様。賊は正面に隠れています。裏から逃げてください」
「分かったわ。リート、ありがとう」
 ミカ達が宿の裏から走って行くのを見て、リートはまた正面を見下ろせる位置に戻った。
 すると、賊のリーダーと思しき男が手を上げて前に振った。そして走るように動き出し、宿の正面に張り付いた。その動きに合わせて残りの賊も走り出した。
 屋根からは見えない位置だ。リートは耳を澄まして様子を伺った。
 どうやら鍵をこじ開けて中に入るようだ。鍵を探っている。暫くすると鍵が開いたようで、重い扉を開ける音がした。
 リートは空に飛び上がり、宿の正面に降り立ってみる。賊はリートに気付かず宿の中へ忍び込んでいた。
 リートは後を追って宿の中へ入る。賊は階段を上がっている所だった。
「夜中に集団でコソコソと。あからさまに怪しいですね」
 リートは声をかけた。賊は途端に体が固まった。
「だ、誰だ?」
「それはこちらのセリフですよ」
 賊が振り返るとそこに居たのがワインボトルほどの使い魔だったので、更に動揺した。しかし相手は小さい。
かしら、こいつが昼間オイラの仕事の邪魔をしたやつです」
「こんなチビにやられたってのか?」
「し、しかし怪しげな術を使う奴でして」
 リートは構わず言った。
「害を及ぼさないのなら見逃しますが」
「ふ、お前ごときに逃げ出したとあっちゃ、体面が保てないんだよ」
 そう言うと、かしらと呼ばれた男は指を鳴らした。その合図で手下の者達が襲いかかってきた。
 リートは体の小ささをうまく利用して相手の攻撃をうまくかわしていく。
「こいつ、小さいからすばしっこい!」
 乱戦になる中、リートは雷撃の魔法を使った。指先から雷のような光がほとばしった。
 目の前にいた男にそれは命中した。そして、その男と更に近くにいた三人は電撃に感電して倒れた。
「ま、まただ。怪しげな術を使うぞ。気を付けろ」
 リートは敵が怯んだ隙に一人の男に近付き、みぞおちに拳を打ち込んだ。もちろん、拳は加速の魔法によって速度が増している。
 拳を受けた男は一撃で倒れた。
「残りは三人ですか」
 かしらは階段の上の方でこちらを見ていた。階下には残り二人。リートが次の魔法を打ち出そうとした時、食堂の勝手口が開き人が飛び込んできた。ミカだ。
「ミカ様、何故ここに⁉︎」
 ミカは状況を把握して立ち止まった。
 かしらはその隙を見逃さなかった。
「野郎ども、逃げるぞ」
 と言うと、かしらは何故か階段の上へ上って行った。手下二人は顔を見合わせて、一人はそのまま外に逃げようと店の入り口へ走り、もう一人はかしらを追って階段を上った。
「まずいですね」
 リートは店の入り口へ向かった男に風笛の魔法を使った。口から息を吐きそれが加速して細い針のようになり対象物を貫く魔法だ。
 その効果を見る事なく飛び上がり二階へと向かいつつミカに言う。
「ミカ様はそこでお待ちください」
 ミカは軽く頷いた。
 リートはかしらを追う手下を見つけた。ミカの部屋の扉が開け放たれていて、その部屋に入ろうとしている所だった。
(ミカ様の部屋を把握していたようですね)
 奥からかしらの声がする。
「てめぇは時間を稼げ!」
「へ、へい」
 そう言われた手下は部屋の入り口でくるりと回りリートと対峙する。
「中々勇気がありますね。しかし……」
 リートの言葉を遮って、男が襲いかかってきた。リートは咄嗟に後ずさった。
「前言撤回です。勇気と無謀は別物ですからね」
 そう言うとリートは右手を腰のあたりで握り、そこに左手をくっつける。そしてゆっくりとその左手を離していった。
 すると右手と左手の間にボーッとした光が一本の線になって伸びていった。光でできた剣だった。
「この魔法の剣には実体がない。物理的な剣や盾では受けることは出来ませんよ」
 リートは軽く羽ばたいて男の視線の高さまで跳ね上がると剣を突き刺した。男は素早く後ずさったが、リートの方が僅かに早かった。
 魔法の剣は男の左肩を突き刺した。リートはトドメを刺そうとそのまま振り下ろそうとしたが、それに連動するように男は後ろに転び転倒した。
 が、それだけでもダメージは絶大だった。男は気を失った。
 リートは男を一度見てそれを知り、続けてミカのいた部屋に入った。しかし、かしらの姿はどこにもなかった。
 リートの左手から魔法の剣がスーッと消えた。リートが戦いが終わったと認めたためだ。
 リートは階段を降りてミカの所へ行った。
「ミカ様。なぜここに戻られたのですか? リグル殿は?」
「師匠に頼まれていたエメラルドを忘れてきてしまったのよ。それを取りに戻ったら辺りが静かだったものだから中に入ってみたの」
「危険です。しかし、お怪我が無くて良かった」
「賊は全て倒したの?」
 リートはかしらと呼ばれた男を取り逃がした事を伝えた。
「しかし私の受けた命はミカ様のお命を守る事でございます。そしてそれは守られています」
「……そうね。ありがとう」
 ミカは階段を昇り部屋に入った。エメラルドは自分の荷物袋に入れたのだった。
「荷物袋がないわ!」
 ミカは慌てた。
「おそらく奴が持って逃げたのでしょう」
 そこへリグルが現れた。
「ミカ様が中々勝手口に現れないので来てみました」
 リグルは勝手口の外で警戒していたのだったが、中々ミカが出てこないので様子を見に来たようだ。
「エメラルドが盗まれてしまったわ。どこへ行ったのか分からないの」
 リグルは取り敢えず自分の部屋へ戻り荷物袋からロープを持ってきて賊を縛り上げた。
「なあリート。賊のかしらがどこに行ったか探索する方法はないか?」
「なくはないですよ」
「では探索してみてくれまいか」
「お断りいたします。それは私が受けた命とは異なります」
 ミカもリグルも困り果てた。ミカは深く考えてから言った。
「ねえ、リート。あなたが協力してくれないなら私はこれから街中をかしらを探すために彷徨う事になるわよ。そしたらあなたも私に着いて来ないといけなくなるわ」
「それはそうですが……」
 ミカは理論的にリートを説得してみた。
「もしかしらが見つかったらその男と戦う事になるし、そうなったらまたあなたの力を借りる事になるのよ? 結局はあなたの力を借りる事になるなら楽な方が良いんじゃない?」
 リートは暫く考えた。そして渋々かしらの探索に力を貸す事に同意した。
「しかし問題はどうやってかしらの居場所を調べるかですね」
かしらの居場所は今伸びてる連中に吐かせましょう」
 リートは一番気の弱そうな男のおでこに指を当てた。指先が赤く光る。
「何をしたの?」
「向精順応の魔法をかけました。一種の催眠術です」
 そう言うとリートは魔法をかけられた男の頬を叩き声をかけた。
「起きなさい。あなたはこれからかしらの所に私達を案内するのです」
 言われた男は目を覚ました。しかしその視点は定まらず目に精気がない。
「さあ、手足の束縛を解いてあげますので、かしらの所へ帰りなさい」
 リートはその男の手の縄を解いた。男は慌てるでもなく自ら足の縄を解いた。ゆっくりと立ち上がると、逃げるわけでもなくゆっくりと宿の出口へと向かった。
「逃げる気よ!」
「大丈夫です。彼は今私の配下ですから」
 リートは軽く笑みを浮かべながら言った。
 男は宿を出るとゆっくりと中央通りに出て通りを西へ向かう。ミカ達も少し離れてそれに着いて行く。
 夜の街は静かだった。そして薄暗い。
 やがて男はとある広場にある貯水池にやってきた。そこには水車小屋があり、男はその中に入って行った。ミカがついて行こうとした時、リグルがそれを制止した。
「どうやらあそこがアジト……?」
「でなければ一時的な隠れ家ですね」
 男が入る前から小屋には灯りが灯っていた。つまり誰か居たと言うことだ。
 三人は暫く様子を見ていた。中から何か話し声がするが、三人のいる所からではよく聞こえない。
「私が近づいてみます」
 リグルが言った。リグルはそう言うと身をかがめゆっくりと建物に近づいて行った。
 リグルは小屋の窓からそっと中を見た。
 ここに案内してくれた男が別の男に両肩を持たれてユサユサと揺さぶられている。
「おい、おい! 本当にどうしちまったんだ! 何とか言え」
 しかし男は無表情で揺さぶられるまま、何も言わない。
 他に四人の男がいる。つまり全部で五人いる。その内の一人が言った。
「もういい、レギルス。何か知らんがラプトルは腑抜けになっちまっていやがる。放っておけ」
「しかしかしら……」
「それより今夜の内にここを出るぞ。どうやらお宝はこのエメラルドだけだ。しかもデカイ。二百はあるな」
 かしらと呼ばれたその男はエメラルドの重さを確かめると小袋にしまい腰に結んだ。
 リグルは窓から離れてミカ達の元に戻った。状況を説明する。
「するとそろそろ外に出てくるのですね?」
「エメラルドはかしらと呼ばれた男が持っている。私は小屋の右手に回るので、リートは全員出てきたら正面から注意を引いていてくれ」
「どうするの?」
「不意打ちですよ。かしらと呼ばれた男の後背から一気に叩き切ります」
 そう言うとリグルは小屋の右手に近づいて身を潜めた。そのタイミングで中から人が出てくる。
 その男は辺りを見回してから中にいる仲間に声をかけた。
「誰も居ませんぜ」
「よし、行こう」
「だがよ、ラプトルのやつ呆けたままだ。どうするよ?」
 中の様子は分からないが、どうやらリートの術に入っている男、ラプトルの処置に困っているようだ。
「か、かしら。剣を抜いてどうするつもりですか?」
「こうするのさ」
「うわ!」
 中で何か起きている。人がドサっと倒れる音がする。倒れこむ時の力無い音からすると、どうやら殺されたようだ。
「ラ、ラプトル……かしら
「こいつに構っていたら俺たちがやばい。かと言って生かしておけば足がつく。これでいい。行くぞ」
「へ、へい」
 男達がゾロゾロと小屋から出てきた。かしらと呼ばれた男は最後に出てきた。
 小屋から数歩離れたところでリートが飛び出した。
「お待ちしてましたよ。取ったものを返しなさい」
「な、なんだ⁉︎ このチビは!」
「まて! お前ら! こいつは俺たちを襲った怪物だ。気をつけろ!」
 怪物ではなく精霊だと思いながらもそれは口にせず、リートは軽く空中に飛んで見せた。
「こいつもやらないといけねえやつだ」
「賊というのは言葉使いも汚いですね。やるとは殺すと言う意味ですか?」
「当たり前だ」
 リートは右に左にフワフワ飛びながら会話を続けた。リートは盗賊達と対峙して話をする事で注意を引き付けているのだった。
 リグルはそーっと足を運び盗賊団の後ろに回り込む。
「私を殺すなら、あなた方も空を飛ばないと……届かないでしょう」
 軽く笑いながらリートは言った。盗賊団は完全にリートに注意が行っている。
 盗賊団の一人の男が剣を抜いてリートに向かってジャンプして突き刺してみるのだが、距離が今ひとつ足りない。
「降りてきやがれ!」
 別の男は落ちてる石を拾いリートに向かって投げた。しかしそれは外れた。
 リグルは静かにかしらに近付いた。そしてかしらの腕を掴み後ろ手に捻じ上げた。同時にナイフを抜きかしらの首元に当てた。
「動くな!」
 かしらは慌てて首に突きつけられたリグルの腕を掴み振り払おうとしたが、腕は動かなかった。代わりに背後にねじ上げられた腕が更にねじ上げられた。
 手下の男達は振り向くと、そのまま動きが止まった。
「さて、どうするかな? 水車小屋にロープがないか見てきてくれないか」
 リートは羽を羽ばたかせて水車小屋に入った。盗賊団一味とリグルは対峙している。今この三人に一斉に襲いかかられては対応できない。リグルは会話で動きを止めることにした。
「なーに。悪いようにはしないさ。今夜は仲良く大人しくしていればな」
かしらをどうするつもりだ?」
「おっと」
 手下が動いたのでリグルはナイフをグッと押し当てた。
「うっ……てめぇら動くな!」
「どうもしないさ。返すもの返してくれさえすればな」
 そこでリートがロープを持って戻ってきた。
「リート、こいつ達全員を縛ってしまおう」
 そして先ずリートは手下を三人縛り上げた。余ったロープでかしらを後ろ手に縛る。
 リグルとリートは一味を一旦水車小屋に入れた。
「腰に下げているエメラルドを返してもらうよ」
 かしらは悔しそうな顔をした。リグルはエメラルドを取り返すと大事に胸のポケットにしまい込んだ。
「リグル殿。こやつらにはお仕置きが必要ですね」
「何か考えがあるのか?」
「コンサラ ソンマラ リノ レ ライ 闇よ包め」
 リートは賊一人一人の目を指で差した。
「うわっ! なんだ、急に灯りを消しやがって!」
「灯りは消していません。ちょっといたずらをしただけですよ」
 リグルにも何があったのか分からなかった。
「さ、リグル殿。宝石は取り返しました。行きましょう」
「こいつらは?」
「しばらく闇を彷徨います」
 二人は小屋を後にした。盗賊団は何か騒いでいたが縛られているので、ただもがくだけだった。
 二人はミカの元に戻った。
「取り戻しましたよ」
「大丈夫だった? 怪我はない?」
「私もリートも大丈夫です」
「あの賊はどうするの?」
「今あの賊にはダークネス……えーと現代魔法で言う闇の魔法をかけておきました。目にね。暫く……と言うか数日は何も見えませんよ」
 三人は宿屋へ戻る事にした。
「宿にいる賊はどうするの?」
「道に転がしておけば朝には警備兵が見つけるでしょう」
 ミカはそんないい加減で良いのかと思った。使い魔とはそう言う生き物なのだ。与えられた命を遂行する事だけが大切なのだ。
「朝までは私が見ていましょう。ミカ様とリグル殿は休んで下さい」
 ミカは釈然としなかったが休むことにした。明け方になって街の警備兵が道に縛られている賊を見つけひと騒ぎあったのだが、ミカは気付かずに寝ていた。
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