君との冬

杏鈴

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井上 真咲

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背が小さくて目が大きくてふわふわした感じの可愛らしい女の子
昔から俺の理想の彼女はそういう印象を持つ女の子だ

*井上 真咲***

俺の名前は井上 真咲(いのうえ まさき)
大学2年生だが2月の今、誕生日をまだ迎えていない為今は19歳だ
好きな事は中学、高校共にやっていたバスケ。あと友達と遊ぶのも好きだ
お酒を呑むのも好きだが成人式が済んでいるとはいえまだ未成年の真咲は本当は呑んではいけない…母さんごめん
家ではチンチラを飼っていて名前は花ちゃん。一人暮らしである俺の癒し。ちなみにスマホの待ち受けも花ちゃんだ

今日は講義が全て終わり後は帰宅するだけなのだが凜太朗から連絡が入っていて話があるとかなんとか、一体なんだろう?
凜:真咲、お待たせ
真咲:おう!おつかれ。んでどうした?
凜:真咲に一番に話したいことがあってね、ちょっとそこ座らない?

凜太朗はすぐそこの人のいない外のベンチを指差しそこへ向かう
真咲:今日は少し暖かいな~そんで?改まってどうしたんだよ、なんか悩み事?
凜太朗:ううん、悩み事ではないよ。俺さ、琴乃と付き合うことになったからまずは真咲に話そうと思って

サラッと凜太朗の口から出た言葉に真咲は一瞬固まる
真咲:え…?
凜:真咲さ、琴乃の事好きだろ?だからちゃんと面と向かって話しておきたくて
真咲:えっと…お、おめでとう!良かったな~!お似合いだと思うよ!

真咲は笑いながら祝福の言葉をかける
凜:真咲、無理して作り笑いしなくてもいい。ふざけんな、とか聞きたくなかった、とかそういう言葉を無理やり飲み込んでるなら言ってくれてかまわないから
真咲:思ってねーよ、そんな事。そりゃ琴乃ちゃんの事は可愛いと思ってたし俺の好みだったから自然と目で追ってたけどでもお前らがお互いに好きになって付き合うって言うなら俺は応援するよ。本当に良かったな

真咲の言葉に"ありがとう"と返す凜太朗
凜:けど俺が真咲に1対1で真っ先に話したのはもう1つ理由があるんだ
真咲:理由?
凜:気づいているかはわからないけど、真咲の好きな人は琴乃じゃないよ
真咲:…は?

真咲はフリーズ、凜太朗は真剣な顔で真咲を見る
真咲:いやいやいや、琴乃ちゃんじゃないって…さっきの俺の話し聞いてた?
凜:理想と好みと現実は違ったりするものだからね、俺は真咲は人の中身を見るタイプだと思ってるから見た目じゃないと思うんだ。もちろん琴乃の中身が悪いって意味じゃないからね?

そう言うと凜太朗はそろそろ帰ろうか、と立ち上がる
真咲:ま、待てよ凜!じゃぁ俺の好きな人って…??
凜:身近にいると思うけどね

くすり、と笑い歩き出す凜太朗をわかんねーよ!と言いながら真咲は追いかけた

翌朝
真咲は凜太朗に言われた事をもの凄く気にしていた
真咲:くっそー…おかげで寝不足だ

寝不足の割に酷くついた寝癖を直しつつコーヒーを飲んで愛チラの花ちゃんにおはようの挨拶をする
真咲:花ちゃーん、凜太朗はわけわからないことすぐ言うよなー。気にしない方がいいのかな…恋愛って難しいのな

花ちゃんに慰めてもらいいつもより遅れ気味で家を出た
真咲:やべー完全に遅刻だわ。1限は出なくていいかー

既に半分ほど終わっているであろう1限を諦めてのんびりすることを決めた真咲は前方に朝花の姿を見つけた
真咲:おーい、朝花ー
朝花:真咲?あんた遅刻じゃない!少しは急ぎなさいよ!

声をかけるなり怒られる真咲
真咲:そういうお前も遅刻だろうが、今ここにいるんだから
朝花:私は急いでるわよ!
真咲:でもお前が遅刻って珍しいな?なんかあったの?
朝花:ちょっとね

不思議そうな顔をした真咲は袖をまくっている朝花の腕にある火傷の跡に気づく
真咲:おま…それ!どうしたんだよ!
朝花:あちゃー、見つかっちゃったか。ちょっとした火傷よ
真咲:ちょっとじゃねえよ!行くぞ!
朝花:行くってどこに…ってま、待ってよ!

朝花の手を引いて真咲は医務室に向かった
真咲:失礼しまーす、先生いるー?

医務室の扉を開けると女医の先生がバタバタと忙しそうにしていた
先生:あら、どうしたの?
真咲:ちょっと怪我してて、手当して欲しいんだけど…先生忙しそうだね?
先生:先生この後すぐ会議が入ってて。しばらく医務室開けちゃうんだけど、どんな怪我?
真咲:火傷ー

じゃぁこれを使って自分たちでお願い、と氷水に使うものと必要ならと薬の場所を教えて先生は会議へ走って行った
真咲:ほら、これで一先ず冷やして

真咲はさっそく氷水入の袋を作り朝花に渡す
朝花:ありがとう…でも私大丈夫だよ?
真咲:大丈夫じゃねえよ、跡残ったらどうするんだ。それにまだ痛いんだろ?
朝花:痛いけど、家で冷やしてきたし…それに1限行かなきゃ
真咲:もう半分以上終わってるし、いいよ

朝花は素直にありがとうと言い大人しく腕を冷やす
真咲:あった、この薬だ。あとはガーゼとテープっと
朝花:真咲、なんか手慣れてない?
真咲:実は俺よく医務室来るんだよね。怪我とか体調不良とかで

そういえば真咲が見当たらない時は医務室に行ってるって情報をよく耳にする気がする…なんでよくその状況になるのかは不明だ
真咲:てかこれなんの火傷なの

真咲の問いに朝花は沈黙する
真咲:おーい
朝花:ヘアアイロンに触っちゃったのよ

渋々答える朝花に真咲は真顔になる
真咲:おっちょこちょいなの?
朝花:だから言いたくなかったのよ!

真咲は仕方ねぇなぁと言いながら準備をした薬を手に取る
真咲:ほら、一旦氷水置いて。薬塗るから
朝花:え!?それは自分でできるから…って聞いてる?

朝花の話はそっちのけで腕を掴み薬を塗る真咲
朝花:ひゃっ!ね、ねぇ真咲ってば!自分でできるから…
真咲:ガーゼを固定するのは左手じゃやりにくいだろー
朝花:で、でも薬を塗るのはできるからー!
真咲:なんだよ、なんでそんなに拒むんだ…

真咲が目線を腕から朝花の顔へと移すと
少し赤くなった顔が目の前にあった
真咲:なに恥ずかしがってんの
朝花:う、うるさい!慣れてないのよ、こういうの!
真咲:わかったわかった。すぐ終わらせるから少しだけ我慢して
朝花:か、感謝はしてるわよ
真咲:それもわかってる

その後は2人とも無言のまま時間が過ぎ片付けまで済ませるとそれぞれ次の講義へ向かった
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