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私の目線の先
しおりを挟むいくつになっても異性と二人きりはドキドキするものだと実感した
*私の目線の先***
水族館に行く約束をした翌日
私は元々予約していた美容院と職場から持ち帰ってきた仕事を済ませ待ち合わせの場所に向かっていた
◆これなら余裕で間に合いそう。動きやすい方が良いかと思ってパンツスタイルで来たけどスカートの方が女性らしくて良かったかなぁ…いや、でもデートじゃないし!うん、デートじゃない!
結人からお誘いを受けた後、すぐさま奈胡に電話をし起こった出来事を簡潔に話したのだが"デートのお誘いじゃないですか!それは完全にデートですよ先輩!"と断言され、楽しんできて下さいね♡おやすみなさい♡と言われ電話を切られてしまった
◇一見デートっぽいけど結人くんはそんなつもりないかもしれないし、1人で勘違いしてたら恥ずかしいよね…きっと友達を誘ったけど行ける人がいなくてたまたま私の存在を思い出して誘ってくれたんだよね、きっとそうだ
だからこれはデートではないのであまり気合を入れない方が良いという考えに至ったわけだ
◇駅に到着っと…わかりやすい所で待ってた方がいいかな…ってあれ?
改札前の大きな柱の前に見覚えのある人が立っていた
◇結人くんが既に待ってる!
未紅も待ち合わせの15分前に着いたのだが結人の方が早かったようだ
驚いている未紅を見つけてひらひらと手を振る結人、未紅は慌てて駆け寄った
◇ごめんね、待たせちゃった?
◆いえ!さっき着いたばかりですよ。未紅さんも早いですね、では行きましょうか!
結人と広い駅構内を並んで歩く
想像もしていなかった出来事なだけあってなんだか違和感だ
結人が喋りそれに応える
そんなやりとりをしながら隣をちらちら見て歩いていた、すると
◇きゃっ
◆おっと
未紅は何も無いところでつまづいた
反射で未紅を支える結人
◆大丈夫ですか?
◇ごごごめんね!大丈夫!ありがとう!
あーもー私ってば結人くんと一緒にいると転んでばっかり!!
恥ずかしさで頭がぐるぐるする
◆怪我がなくて良かったです。でも未紅さん、よそ見してちゃ危ないですよ?
隣にいる結人を見つつ歩いていたのがバレていた様だ
◇う…ごめんなさい…だ、だって気になるんだもん!背高いなーとか服装もなんか大人びててお洒落だし…
◆背はまぁ高い方かもですね、服装は普通ですよ?けど未紅さんの好みに合ってたら嬉しいなとは思いますね
この子はそういう事をサラッと言う!!
◇よ、良いと思います…
◆ふふ、良かったです。未紅さんもお姉さんっぽくて良いと思います。
◇ほ、ほんと!?って私はお姉さんっぽいんじゃなくてお姉さんだよー!
未紅がもー!と頬を膨らませる
その様子を見て結人がごめんなさいと言いながら笑う
◆はい、到着です
◇わぁぁ~
話しながら歩いている内に水族館の前まで着ていた
◇私、ここの水族館初めてなの!
◆そうなんですね、俺も小さい頃に来た以来なんです。尚更未紅さんを誘って正解ですね。えーと、メインの水族館と別にイルカだけがいる建物があるみたいですね。あとはフードコートとお土産屋さん…
◇イルカ!?
未紅の目が輝く
◆はい、ここの水族館は結構イルカが有名のようですね。イルカ好きなんですか?
◇大好き!!!
◆だ…
あくまでイルカに向かって放たれた言葉だが顔がほんのり熱を帯びた
◆えっと、どっちから行きますか?メインとイルカ
◇じゃぁメインの方で!イルカは後のお楽しみにとっておく~
◆了解です。笑
嬉しそうにニコニコする未紅に目を奪われつつ水族館の中へと入った
メインの水族館は大小様々な魚からアシカやペンギンといった子供にも大人にも人気な動物が沢山いた
◇ペンギン可愛い~~♡
ペンギンに夢中な未紅はこっち向いてと話しかけながら写真を撮っている
◆あ、この子未紅さんに似てますね
◇え!?どの子!?
未紅は自分に似ていると言われたペンギンをキョロキョロと探し結人が指を指す方を見る
◆ほら、この子です
いや、どうみても普通のペンギン…
◆おーい、未紅ー
結人がペンギンにむかって手を振る
◇全然似てないよー!
またもや頬を膨らませながら怒る未紅にふざける結人
◇もー、先行っちゃうからねー!
◆ふふ、待ってください未紅さん
スタスタ先を歩く未紅を見て結人は聞こえない声で呟く
◆これは気づいてないだろうな…
メインの水族館を堪能し終わりイルカがいる建物へと向かう
中へ入ると巨大な水槽の中に人が通る道が筒状に設けられている形になっておりイルカ好きの未紅は歓喜した
◇す、すごーい!!
◆おぉ!俺の記憶だとこんなのなかったなぁ…
どうやらこのイルカ専用の建物は3年前に増築されたばかりらしく、小さい頃に来たことのある結人も初めての経験となった
一面イルカのいる水槽に圧巻の結人は未紅に呼ばれている事に気づかず棒立ち状態だった
◇…とくん!…ゆいとくん!結人くん!!
◆あ、はい!すみませ…
グイッ
◇ほら、行くよ!
◆え…
気づけば未紅に手を繋がれ中へと引っ張られていた
◇きゃー!可愛いー♡♡
しっかり繋がれた手は繋いだ本人がイルカに夢中の為全く離れなさそうだ
◆……
◇この子美人さんだね!結人くん!
◆え?あ、そうですね!
◇どうしたの?ボーッとしてない?
◆いえ、こんな水槽初めてだったものでつい…
◇私も!ついついテンション上がっちゃった!
えへへ、と照れ笑いをし少し落ち着いた未紅は結人と繋がれた手の存在にやっと気づき思考が止まった
"あ、あれ…?私、結人くんと手繋いでない!?なんで!?私から繋いだんだっけ!?なんかそんな気がする!!興奮のあまり全く意識してなかったけどどさくさに紛れて何してんの私ー!!!!"
一気に恥ずかしくなり顔を赤らめながら気づかれないようにそーっと手を離そうとする、がしかし更に強く握られてしまった
◆今更離すなんてダメですよ?
軽くドヤ顔の結人がこちらを見る
◇う…バレた…。あの、私つい…
◆つい繋いじゃったんですか?
◇はい…テンションが上がっちゃいまして…その…ご、ごめんなさい!
結人にむかって謝罪をしササッと手を離した
◆なんで謝るんですか?むしろありがとうございました
優しく微笑む結人は離れた未紅の手を再度取り優しく包み込んだ
◇あの、結人くん?手…
◆罰ゲームです!
◇え
◆何も予告なしに手を繋いだ未紅さんには罰ゲームで今日バイバイするまでこのままでいてもらいます!
◇え、えぇぇー!?バイバイするまで!?
本当に?本当です、というやりとりをしながら手を繋いでイルカを鑑賞した
結局イルカを見たあとは夕食を取る事になり繋いだ手は離すこととなったが楽しい一時を過ごし行きに待ち合わせをした駅まで戻って来た
◆俺はあっち方面なので電車は逆方向ですね。今日はありがとうございました
◇こちらこそ、誘ってくれてありがとう!とっても楽しかった!じゃぁ気をつけて帰ってね
手を振り歩き出す未紅を見て咄嗟に声をかける
◆未紅さん!あの…
未紅は立ち止まり振り返る
◆ま、また会えますか…?
◇うん!連絡するね!
未紅の笑顔につられて結人も笑顔になる
2人はなにも言わずに別々のホームへ向かった
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