君との冬

杏鈴

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南 朝花

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昔から男運が悪くて恋愛は中々上手くいかない
私にも問題は沢山あるんだろうけど私だって相思相愛の素敵な恋愛がしてみたい

*南 朝花***

大学に入学して数ヶ月経った頃、琴乃から休日に2人で遊ばないかと誘われた事があった
とても嬉しかった私はもちろんOKをし、日程を合わせてランチとショッピングを楽しんだ
その日は女子2人きりということで定番であるガールズトークで盛り上がったこともあり私達はお互いの恋愛経験を知った仲でもあるのだ

私はそんな2年近く前の話をふ、と思い出していた
琴乃:朝ちゃんって美人さんだよね
朝花:え!?そんなことないよ!?
琴乃:そんなことあるよ~。身長も高いし細いし整った顔立ちだし
朝花:いやいや、褒めすぎ。笑
琴乃:本当に思ってるよー?

私達はお洒落なカフェで美味しいケーキを食べつつお喋りを楽しんでいた

琴乃は私の容姿をまじまじと見ながら羨ましそうな顔でこちらを見てくる
朝花:そんなに見られると恥ずかしいんだけど…確かに身長は高い方だし、自分で言うのも気が引けるけど体型も標準か少し細身かなくらいには思ってるけど、でも美人ではないよ!琴乃だって充分可愛いじゃない!
琴乃:えぇ…可愛くはない…
朝花:可愛いよ!自信持っていいと思う!
琴乃:それなら朝ちゃんだって自信持っていいよ!
朝花:いや、私は顔どうこうよりも大事な物が足りないし…
琴乃:大事な物??

琴乃が不思議そうに聞き返す
すると今度は朝花が琴乃をまじまじと見た
琴乃:もしかして、おっぱい?
朝花:おっ、胸って言って!!
琴乃:朝ちゃんそんなに気にしてるの?
朝花:してるよー!

しょぼくれた表情の朝花に琴乃がズバッと物申す
琴乃:朝ちゃん!女の全てはおっぱいじゃないよ!おっぱいで女を選ぶ男なんて良い男じゃないからね!

なんだか説得力がある発言だ
朝花:それはそうなんだけど…でも欲しいものは欲しいもん!今までエクササイズとか食品から摂取したりとか試したけど全然駄目で、どうしたらそんな風になるの?
琴乃:ううーん、私の場合は遺伝だからなぁ。けど聞いた話は話せるよ!
朝花:え!?なになに!?

朝花の表情がパァっと明るくなる
すると琴乃が少し抑えた声で答えた
琴乃:あのねぇ、おっぱいを大きくしたいなら好きな人に触ってもらうのが1番らしいよ!
朝花:え

朝花は固まった
朝花:それは…その
琴乃:あ、触ってもらうというより揉んでもらうかな?
朝花:ちょっと待って琴乃さん
琴乃:本当だよ?実証済みだから
朝花:いや、嘘ついてるとは思ってないけど…って実証済みって!?やったの!?

朝花は思わず席から立ちあがり琴乃がどーどー、と静める
琴乃:私のお姉ちゃんがね、実際それで大きくなったの。女性ホルモンが大きく関係するから好きな人に揉んでもらうとホルモンがぶわぁ~てでるんだって!

琴乃は両手でぶわぁ~を表現する
それを見た朝花は妙な力説に押される
朝花:な、なるほど…お姉さんはいくつからいくつになったの?
琴乃:CからDだよ
朝花:す、凄い!琴乃はいくつなの?
琴乃:Dだよ
朝花:う、羨ましい!!
琴乃:朝ちゃ…
朝花:Bです!!!

食い気味活悔しそうに答える朝花
それを見てよしよし、と宥めながら琴乃は口を開いた
琴乃:程よいサイズが良いって聞くよ?
朝花:そうなの…?
琴乃:うん!朝ちゃんの今までの彼氏さんだって朝ちゃんのバランスの取れた身体が好きだったと思うよ!
朝花:そ、そうなのかなぁ…
琴乃:そうだよ!だから朝ちゃんは朝ちゃんのサイズで良いんだよ!

そっかぁ、と少し笑みが戻った朝花は琴乃にありがとう、とお礼を言った
朝花:でも私に元彼がいるってよくわかったね?もしかしたらいたことないかもしれないのに
琴乃:それはだって美人さんだもの!いるに決まってるよ!

キラキラな眼差しを送る琴乃に朝花は思わず笑ってしまった
朝花:んもー…ありがと

笑った朝花を見て琴乃も笑顔になる
琴乃:それで、朝ちゃんはどんな人とお付き合いしてきたの?

琴乃の質問にまた朝花の表情が曇る
朝花:それが、私男運悪くて…
琴乃:え!それはどんな…
朝花:二股かけられたりギャンブルが好きな男だったり…あと付き合う寸前で既婚者なのが発覚したり

朝花の悲惨な元彼情報に琴乃はかける言葉を失う
朝花:それで今は大学入ってからずっとフリーな感じ。一人の方が楽だなーって思うよ
琴乃:そ、それは勿体ないよ!きっと素敵な出逢いはあるよ!というか朝ちゃんには素敵な出逢いをして欲しい!!
朝花:琴乃…ありがとう

琴乃がかけてくれた言葉に朝花は少しうるっとした
朝花:琴乃もフリー?だよね?一緒に探そう!素敵な人!!
琴乃:朝ちゃん…!うん!頑張ろー!!

2人は"えいえいおー!"と拳を挙げて笑いあった

そんなこともあったなぁと懐かしい記憶を思い出しつつ2 限の講義を終えた朝花は休憩室に集まっている結人達を見つけてそこへ向かった
朝花:皆~
◆朝花、お疲れ様。遅かったね?
朝花:先生の話長くってさ~疲れちゃった
琴乃:お疲れの朝ちゃんにはおやつのチョコがあるよ~♡

琴乃がテーブルに出していたチョコレートを朝花に差し出す
朝花:やったぁ!いただきまーす

朝花は手を伸ばしてチョコを口に頬張った
朝花:ん~おいし~‪♡

幸せそうな顔をする朝花に琴乃が思い出した様に話しかける
琴乃:そういえば朝ちゃん、1限はお休みだったの?結くんといないねって話をしてたの

そっか、今日の1限は凛以外一緒なんだった…
朝花:あ~うん。ちょっと用事があってね

医務室にいたと言えば琴乃が心配をするだろうと思い、朝花は返事を濁して話を切り替える
朝花:あ、そういえば琴乃、昨日のドラマ見た?
琴乃:見た見た!きゅんきゅんしたよね~
朝花:したした!私さー…

朝花は立ったまま手をテーブルに付けてリラックスモードで琴乃とドラマの話をし始めた。こうなるとしばらく話が止まらなくなる
女子2人がドラマの話で盛り上がってる所に席を外していた真咲がやってきた
真咲:おーい、凛。コーンポタージュ売り切れだったから代わりにこれ買ってきたけど良かったか?
凛:え!今日はどうしてもコンポタな気分だったのに、ショック

凜太朗と自分の飲み物を自販機に買いに行っていた真咲は売り切れていたコーンポタージュの代わりに購入したカボチャのポタージュを凜太朗に差し出した
凛:全然違うじゃん
真咲:同じポタージュだろ?
凛:そういう問題じゃないんだよ真咲

真咲は自分の飲み物を飲みつつ残念そうな顔をした凜太朗にポタージュを渡すと横で盛り上がっている琴乃と朝花が目に入る
真咲:……。

無言のまま朝花の後ろに回り左腕で朝花を後ろに引き寄せた
朝花:え!?ちょ、なになに!!

急に引っ張られ驚く朝花は後ろを向き真咲であることを確認した
朝花:なによ急に!危ないじゃない!
真咲:わりー、すぐそこに虫がいたからさ
朝花:え!ど、どこ!?やだ!!

虫と聞いて慌てる朝花にもういなくなったと伝え真咲はどこかへ行ってしまった
朝花:も~びっくりした
◆虫なんていた?
凛:さぁ
琴乃:うーん、いなかったと思うけどなぁ
朝花:え、いなかったの!?まさかからかって…真咲ー!!

朝花は走って真咲を追いかけた
凛:朝花を思っての嘘だよね
◆え?どういうこと?
凛:後で話すよ

凜太朗の言葉に疑問をいだいている内に真咲を追いかけていった朝花は見えなくなっていた
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