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嬉しいお誘い
しおりを挟む"俺は恋をしているんだ"
そう自覚したのは一緒に水族館に行った時
"また会いたいな"
そんな風に思うなんて気持ちは欲張りになる一方
どうにか会えるように口実を作るのは難しいと実感した
*嬉しいお誘い***
季節は過ぎ春
桜が満開の4月頭に俺達は大学3年生となった
日課である木の下で満喫する読書も桜の花びらが舞落ちてくると更に心地よくなり最高の一時となる
◆春はいいな~
左手にコーヒー、右手に本を抱えて大好きな時間を堪能していると遠くから名前を呼ばれた
真咲:結人ー!
◆あれ、真咲?走って来てどうしたの
真咲:はぁはぁ、おはよ!あのさー花見を企画しようと思うんだけどどうかな!?
息を切らした真咲は整えもせず結人に話しかける
◆いいと思うよ。去年もやったもんね
真咲:それでさ~未紅さんも呼ぼうぜ!
◆未紅さんも?急にどうしたの
真咲:結人が会いたいんじゃないかと思って!俺と凛も会いたいし!
ニヤニヤ顔の真咲に図星顔な結人は1回咳払いをした
◆うーん、未紅さんからOKが出ればって感じだね。聞いてみるよ
真咲:やった!それでいつやるかなんだけど、もう散ってくる頃だから早くやらないと花がなくなっちまうよな…今週末は?
◆そうだね。あ、でもまって今週末って確か…
結人はスマホを取り出し天気予報を確認する
◆雨だね
真咲:げ、まじで?
◆丁度金曜日の夜から土曜日は雨だね。日曜日も曇り時々雨だから無理そう、地面も濡れてるだろうし…
真咲:えぇー、せっかく見頃なのに
◆本当だね。平日は未紅さん仕事だろうし来週末だともう散り終わってそうだよね
むむむ、と真咲は頭を悩ませそれなら他のことをしようと提案してきた
真咲:なぁ、たこパは?
◆いいね!でも誰の家でやる…
真咲:よろしくお願いします!!
◆あ、俺の家決定なのね
真咲:ちゃんと片付けるから~
◆わかった。笑
真咲の提案でたこやきパーティーをすることになり他の3人には真咲が連絡をするとのことで俺は久々に未紅さんへ連絡をすることとなった
数時間後
ピロンッ
◇ん?誰かな
家でくつろぎモードだった未紅は音が鳴ったスマホを手に取り見てみると結人からの通知だった
◇結人くんだ、なんか久々かも。どれどれ…"お久しぶりです、結人です。今日はお誘いをしたくて連絡をしました"
なんのお誘いだろ?
未紅は更に下の通知をみる
"今週末に大学の友達と俺の家でたこパをすることになりまして、未紅さんも都合が良ければ一緒にどうか、という話になったのですが良ければ参加しませんか?メンバーは水族館に行った時に話に出した4人です"…ふむふむ。
一通り読み終わって"たこパ!?行きたい!"という感情が込み上げて来たのだが返事をする前に冷静に判断をする
◇行きたいな~たこ焼きしばらく食べてないし…でも待って。大学生の子達の中に私が交じっても良いものなの!?違和感ない!?あるよね!?人見知りはしない方だけど知り合いも結人くんしかいないわけだし…ううーん。ここはなっちゃんに相談を…って絶対"行きましょう"って来るよね。笑
未紅が唸りながら悩んでいるとタイミング良く母が部屋へ来た
母:ねぇ未紅ー。このビン開けてくれない?
◇ん?はいはい
母:なに眉間にしわ寄せてるの?
◇寄ってた?…ねぇお母さん
ビンを開けつつ母に相談してみることにする
母:あら、ありがと。それでどうしたの?
◇あのね、友達から集まりのお誘いが来て、特に予定もない日だから行こうかと思ったんだけど他の人達はみんな知り合いででも私はその友達以外の人とは初対面で…その場にいきなり交じるってどう思う?場違いじゃない?
ふむ、と母はしっかり話を聞いてサラッと返答してくれた
母:あんた人見知りしないから大丈夫なんじゃない?それに行きたいと思ったなら行けば良いと思うわよ、予定もなく家でゴロゴロしてるくらいならね
◇ゴ、ゴロゴロしてるだけじゃないもん!撮り溜めたドラマ見たりとかやる事はあるもん!
母:掃除は?
◇この間しました…
母:この間、ね~
ずっとしてないわけじゃないもんー!と行ってる間に母は部屋を出て行ってしまった
◇んもー。…行きますって返事しようかな
よし!と軽く気合を入れ結人へお誘いの返事を打っていると丁度ピリリリと着信が鳴った
◇わわ!え、結人くん!?
突然来た着信に驚きスマホを落としそうになりながら電話に出た
◇は、はい!未紅です!
◆ふふ、どうして敬語なんですか?笑
結人くんの声だ…久しぶりに聞いたかも
◇ご、ごめんね。電話かかってくると思ってなかったからびっくりして
◆すみません突然かけちゃって。返事が気になっちゃいましてつい…
◇あ、今ね!返事打ってたとこなの!参加させてもらおうかなって思ったんだけど…あの、私いても大丈夫かなぁ?
行くと返事をするはずだったのに未紅はなんとなく弱気になってしまった
◆もちろんですよ!みんな会いたがってますし、それに…
◇それに?
◆俺も会いたいです。未紅さんに
結人の言葉にドクン、と鼓動が大きく鳴り電話越しに耳が熱くなるのがわかった
声が出せないまま数秒が経つ
◆未紅さん?もしもーし
◇あ、あの…私…
◆はい
◇な…なんでもないです!!
◆へ
慌てた様子の未紅は1人で暴走を始める
◇本当になんでもないの!
◆そ、そうで…
◇言いかけたのにごめんね!気にしないで!
◆はい、全然大丈夫ですけ…
◇じゃ、じゃぁたこパは参加させていただきます!詳細はまた連絡下さい!
それでは!とそのままの勢いで電話を切ってしまった
耳に残る言葉と一気に喋ったせいで高まった鼓動は暫く落ち着かなさそうだ
◇私、どうしちゃったの?
赤くなった耳と頬を両手で冷しながらベッドに伏せた
一方、この男は
◆あ、れ?切れちゃった…俺なんか変なこと言ったっけ?でも来てくれるみたいだしこれで当日がもっと楽しみになったな、真咲に返事っと
全くの無意識だったようだ
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