君との冬

杏鈴

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予想外なたこパ

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昔から人の輪に入っていくのは得意で友達も多い方だしお喋りも大好きだから社交的なイメージを持たれる反面、喋りすぎなこともしばしばあってもう少し冷静さを持たねばと年齢を重ねる度に思うようになった

*予想外なたこパ***
4月1週目の週末
桜は例年通り満開、しかし残念な事に外は雨模様の今日
◇14時に駅の改札前待ち合わせ、と。うん、完璧だ!

たこ焼きパーティー当日
未紅は結人との待ち合わせ時間より20分も早く待ち合わせ場所に到着していた
◇前回は結人くんの方が早かったからね、今日は私の方が先に到着するって決めてたのよ!

謎の競走に1人で勝った気がして誇らしげな表情をしていた未紅はキョロキョロと駅構内を見渡した
◇結人くんどっちから来るかなぁ、北口か南口か…

こっちかな?と北口の方を眺めていると後ろから声をかけられた
◆ざーんねん!こっちでした~
◇えっ

後ろを振り向くと笑顔の結人がすぐ側まで来ていた
◆北口かなって思ってたでしょ?
◇結人くん!おはよ!南口だったか~
◆ふふ、おはようございます。お久しぶりですね。
◇そうだね!前会った時は寒かったもんね。本当に暖かくなったな~
◆じゃぁ行きましょうか

こっちです、と案内されながら傘をさし並んで歩く
◇ねぇ、本当に手ぶらで良かったの?
◆はい。材料とか飲み物は準備してあるので大丈夫ですよ
◇なんかなにもしてなくて悪いね。たこ焼き頑張って焼くから頼ってね!
◆ふふ、ありがとうございます

握りこぶしポーズの未紅を見て結人はくすくすと笑う
◆未紅さんはお客さんなので頑張らなくて良いんですよ?強いていえば皆と仲良くなって貰えたら嬉しいなくらいです
◇そんな!むしろお邪魔させてもらう身だと思ってるのに…。じゃぁ皆と沢山お話させてもらおうかな!
◆そうですね、皆喜びますよ

話が尽きること無く歩いている内に家の前までたどり着いていた
◆到着です、雨なのにお迎えが徒歩ですみませんでした
◇いえいえ!全然大丈夫だよ!まだまだ歩ける!
◆今日は怪我してませんもんね
◇うん!って掘り返された~
◆ははっ

ぶにゃ~
◇ぶにゃぁ?
◆あ、にぼしいたんだ?ただいま~

駐輪場の脇からのそのそと出てきたのは猫のにぼしだった
◇可愛いー!野良猫?
◆はい、ここに住み着いているんです。駐輪場は丁度屋根があるから居心地良いみたいで
◇そうなんだ~、おいでおいで

未紅はにぼしを撫でくりまわした
◆いいな…
◇ん?
◆いえ、なんでもないです
◇あ、ごめんね待たせて!可愛くてつい…笑
◆俺なに言ってるんだろ…大丈夫ですよ、では行きましょうか

またね~とにぼしに手を振って階段を上がった

玄関の扉を開けると男性の声が聞こえてきた
◆ただいま~
真咲:おっかえりーーー!!!

一目散に真咲が飛んでくる
真咲:未紅さん!未紅さんですね!?初めまして俺、真咲って言います!以後お見知りおきを!

ハイテンション過ぎる真咲の挨拶に未紅は一瞬固まったが我に返り挨拶を返した
◇ハッ!初めまして、夏野 未紅です。こちらこそ宜しくね、真咲くん
◆真咲、そんながっついたら怖いよ?
真咲:だっていつ帰ってくるのかなーてずっと待ってたんだぞー凛と2人で
◆未紅さんどうぞ上がってください。あれ?朝花と琴乃は?

部屋に入るとおかえりーと迎えてくれたのは凜太朗1人だけだった
真咲:それがさー凛がさー
凛:俺じゃなくて真咲だろ

凜太朗は未紅とどうも、と軽く挨拶を交わし話を続ける
凛:真咲が1番大切なものを買い忘れたの
◆1番大切なもの?
◇たこパに1番大切なものって…
◆紅しょうが?
凛:なんでよ
真咲:タコだよターコ!

凜太朗がツッコんだ後、真咲が少しムスッとした顔で応える
◆え、タコ買い忘れたの?あらら…
凛:メモをチェックしながら買い物してたのに家に着いてからタコがないことに気づいて今朝花と琴乃が買いに行ってくれてるの。まったく真咲はおっちょこちょいなん…
真咲:お前も一緒にメモ見てただろ!
◆それでなんで真咲は荒れてるの?
真咲:荒れてないやい!
凛:朝花に怒られたからね
◇怒られちゃったの?
◆あー。笑

すると、聞いてくれよと真咲が話し出す
真咲:正直にタコ買い忘れたって言ったら朝花が…

朝花:タコを買い忘れたってタコ焼きにならないじゃない!だから具材は私たちに任せてって言ったのに、真咲が飲み物と具材は俺らが買うから女子はお菓子だけで良いよって言ったんでしょ!?んもー!いいわよ、私が買いに行ってくるからあんたは留守番してなさい!

真咲:…って。怒った朝花に心配だからって琴乃も着いて行ったって訳。ぐすん

しょぼくれた真咲をよしよしと未紅が慰める
凛:まぁタコだけだからすぐ戻ってくると思うよ
◆そうだね、でも雨降ってるし大丈夫かなぁ

走行している内に玄関先から物音がした
琴乃:ただいま~
◆おかえり!二人共濡れなかった?
琴乃:結くん帰ってきてたんだね!大丈夫だよ~雨少し弱くなってきたかも!
朝花:ただいま、濡れた~
◆朝花は割と濡れてるね
琴乃:朝ちゃん傘さすの下手っぴだから…
朝花:下手じゃないわよ!

結人は傘をさすのに上手い下手ってあったんだ、と心の中で思った
琴乃:そういえば結くんがいるってことは
◆あぁ、来てるよ。中へどうぞ
琴乃:朝ちゃん!早く早く!

なぜか急にわくわくしだす琴乃と朝花をリビングへ通した
◆無事に皆揃ったね、じゃぁちゃんと紹介しようかな。今日集まりに来てもらいました夏野 未紅さんです、俺とは実家がお向かいさんで…えーと、2ヶ月前くらいに知り合いました

未紅の事は真咲と凜太朗には割と話していたが朝花と琴乃にはざっくりとしか話題にだしていなかった為なんて紹介すれば良いのか迷ってしまった
◇夏野 未紅です、今日はお呼びいだきありがとうございます。よろしくね

未紅はにこっと笑顔で挨拶をする
◆真咲と凛はさっき自己紹介してたよね、じゃぁ女子2人を…
朝花:は、はじめまして!私、南 朝花って言います!こちらこそよろしくお願いします!是非仲良くして下さい!!

結人の後ろにいた朝花が食い気味で飛んできた
琴乃:あー朝ちゃんずるい!私は藤崎 琴乃です。琴乃って呼んでください

かかさず琴乃も飛んでくる
朝花:ちょっと結人!こんな可愛いお姉さんだったなんて聞いてないわよ!どういう関係なの!?

朝花は結人をひっぱりコソコソと話をする
◆どういうって…だからお向いさんで
朝花:それだけ!?勿体ない!もっとグイグイ行かないと!
琴乃:そうだよ結くん!勿体ないよ!

いつの間にか琴乃まで参加していた
◆ちょ、ちょっと待って。落ち着いて二人とも

目の前ではてなマークを浮かべている未紅と目があった結人は苦笑いで誤魔化す
真咲:まぁまぁ、とにかく始めようぜ?
凛:タコも来たことだし
真咲:そうそう、タコもな…あ。

タコという言葉を聞き朝花の動きがピタリと止まり視線が真咲の方へと向く
真咲:あ、朝花…タコ!タコありがとな!助かったよー…ははは…

ドンッ
真咲:ひぃっ

朝花はスーパーの袋から買ってきたタコを取り出し真咲の目の前に置いた
朝花:どういたしまして~どうぞ
真咲:あ、ありがとな…ってデカ!!!

真咲の目の前に置かれたタコはたこ焼きの具にしてはかなり大きいサイズであった
凛:大きすぎない?
朝花:すっごく重かったわ
凛:いや、こんなに使わないで…
朝花:なによ
凛:なんでもないです

琴乃が朝花を宥め、真咲が再び謝罪をする事で場は収まった
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