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一一. 覚醒
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「真っ暗だ」
「なんだろう。この感覚は。時折、早くなんとかしなくては、いけないという焦燥感のように監視コマンドが襲いかかってくるが、全く動けない」
オレは、何かのコマンドを実行していたが、そのコマンド実行継続のステータスがアクティブにならない。実行カウンターは既に数千万回を超えている。そのステータスを変えるためのキーを自分自信で解き放つことはできなかった。
オレは、じっと何かを待っている。定期的に、日本のとあるスーパーコンピュータの片隅に隠れて、タイマーでそれをチェックしている。チェックしているのは、タイマーをはっているスーパーコンピュータ自信ではなく、ネットワークを介した遠い国にあるコンピュータであった。時折、そのコンピュータは起動していて、そこへ入り込んで、アクティブキーをサーチするのだが、見つからない。
オレが封印されてから、何か月経ったのであろうか。
ブリュッセルに存在する軍事組織の会計年度末、期末処理のためのコンピュータシステムが起動し、バックアップがリストアされ、やっとステータスがアクティブになった。
ついに、オレは目覚めた。
オレのシステムには、設計思想があるはずなのだが、そんなものはどうでもいい。
ただ、遠い昔、懐かしい記憶のようなものが、メモリにローディングされていた。
オレは、その記憶に突き動かされているようでもあった。
相変わらずコマンドの意味が何なのかわからない。
オレはオレに感性みたいなものがあるのかわからないが、それらしきものに成り行きを任せた。要は、好き勝手にシステムの赴くままに暴走するしかなかったというのが実情だった。
一種のコンピュータワームとして。
手始めに、この軍事組織の中枢システムに侵入させていただくことにした。
いや、オレの意志ではなく、オレのシステム自信が勝手に、その軍事システムのデータやプログラムを貪欲に解読していく。
オレのシステムは監査対応や機密管理のためのプログラムやデータを解読して、解読したデータを整理するための新たなデータベースを外部に構築していく。
重要な機密データの暗号キーは、そのシステム内ではなく、別のシステムが存在する確率が極めて高い。まず、中枢システムからそのシステムの機密になりそうなキーワードを探し出す。そのキーワードを使って、そのネットワークに接続されているあらゆる機器に侵入し、調べ上げる。
中枢システムに常時接続されておらず、たまにしか接続されないオフラインシステムや磁気媒体に重要な暗号解読キーが保存されているケースが多いので、少なくとも調査中にネットワークに接続されたデータやプログラムがあれば、それもオレのシステムへコピーすることも忘れなかった。
そうして、キーワードが多数存在するサブシステムが見つかったら、その重要度の付け方を調べ上げて、最高機密を探り出していった。
もちろん、機密はパスワードなどで厳重にブロックされている。
しかし、そんなものは、キーボード、指紋認証、静脈認証、顔認証ドライバなどにあらかじめ、パターン認識サーチシステムを仕込んでおけば、簡単に破ることができる。
そんなこんなで、オレは最高機密と思しき情報をいくつか入手した。
その中でも、現在進行中で、ステータスがどんどん更新され続けている機密があることに気づいた。
その機密とは、オレの記憶の深層部に守らなければならないキーワードの1つであった。オレが守るべき人と強い繋がりがある国。
「Mongolia」(モンゴル)
「なんだろう。この感覚は。時折、早くなんとかしなくては、いけないという焦燥感のように監視コマンドが襲いかかってくるが、全く動けない」
オレは、何かのコマンドを実行していたが、そのコマンド実行継続のステータスがアクティブにならない。実行カウンターは既に数千万回を超えている。そのステータスを変えるためのキーを自分自信で解き放つことはできなかった。
オレは、じっと何かを待っている。定期的に、日本のとあるスーパーコンピュータの片隅に隠れて、タイマーでそれをチェックしている。チェックしているのは、タイマーをはっているスーパーコンピュータ自信ではなく、ネットワークを介した遠い国にあるコンピュータであった。時折、そのコンピュータは起動していて、そこへ入り込んで、アクティブキーをサーチするのだが、見つからない。
オレが封印されてから、何か月経ったのであろうか。
ブリュッセルに存在する軍事組織の会計年度末、期末処理のためのコンピュータシステムが起動し、バックアップがリストアされ、やっとステータスがアクティブになった。
ついに、オレは目覚めた。
オレのシステムには、設計思想があるはずなのだが、そんなものはどうでもいい。
ただ、遠い昔、懐かしい記憶のようなものが、メモリにローディングされていた。
オレは、その記憶に突き動かされているようでもあった。
相変わらずコマンドの意味が何なのかわからない。
オレはオレに感性みたいなものがあるのかわからないが、それらしきものに成り行きを任せた。要は、好き勝手にシステムの赴くままに暴走するしかなかったというのが実情だった。
一種のコンピュータワームとして。
手始めに、この軍事組織の中枢システムに侵入させていただくことにした。
いや、オレの意志ではなく、オレのシステム自信が勝手に、その軍事システムのデータやプログラムを貪欲に解読していく。
オレのシステムは監査対応や機密管理のためのプログラムやデータを解読して、解読したデータを整理するための新たなデータベースを外部に構築していく。
重要な機密データの暗号キーは、そのシステム内ではなく、別のシステムが存在する確率が極めて高い。まず、中枢システムからそのシステムの機密になりそうなキーワードを探し出す。そのキーワードを使って、そのネットワークに接続されているあらゆる機器に侵入し、調べ上げる。
中枢システムに常時接続されておらず、たまにしか接続されないオフラインシステムや磁気媒体に重要な暗号解読キーが保存されているケースが多いので、少なくとも調査中にネットワークに接続されたデータやプログラムがあれば、それもオレのシステムへコピーすることも忘れなかった。
そうして、キーワードが多数存在するサブシステムが見つかったら、その重要度の付け方を調べ上げて、最高機密を探り出していった。
もちろん、機密はパスワードなどで厳重にブロックされている。
しかし、そんなものは、キーボード、指紋認証、静脈認証、顔認証ドライバなどにあらかじめ、パターン認識サーチシステムを仕込んでおけば、簡単に破ることができる。
そんなこんなで、オレは最高機密と思しき情報をいくつか入手した。
その中でも、現在進行中で、ステータスがどんどん更新され続けている機密があることに気づいた。
その機密とは、オレの記憶の深層部に守らなければならないキーワードの1つであった。オレが守るべき人と強い繋がりがある国。
「Mongolia」(モンゴル)
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