11 / 19
一二. モンゴルが危ない
しおりを挟む
オレの持っているデータベース、いや正確にはオレが拝借させてもらっている某国際組織のコンピュータに構築したデータベースで、モンゴルについてリサーチをかけた。その手のデータベースは、一般にインターネットで公開されている
21世紀現在、モンゴルはお世辞にも豊かであると言えなかった。
モンゴルは、かつてチンギスハーンによって、騎馬民族の特性を生かして元という大帝国を打ち立てた。その範囲は、東は朝鮮半島から西は、ヨーロッパ中央に至るまでの大帝国だった。
しかし、彼らは家督相続の風習による分裂と文明化によって、少しずつ衰えていった。そして、13世紀~14世紀にかけての、100年たらずで漢民族の明によって滅ぼされ、再び歴史の表舞台に立つことはなくなった。
かろうじて、遊牧民の国家としてモンゴルは今日まで、生き永らえてきた。20世紀に入ってからは中国とロシアに翻弄され、国土を削られながら共産主義化され、最終的にはソ連崩壊と共に民主化し、現在に至っている。
モンゴルの南側にある広大なゴビ砂漠。その南側には、未だに中国に略奪されたまま中国の自治区となっている。もちろん、モンゴルに領土を取り返す力はない。
2013年、中国はゴビ砂漠の北にあるユイタグルに、世界屈指の銅山が存在することを知った。そこで、中国は東シナ海・南沙諸島で領海・領空侵犯を繰り返しながら、ウクライナで領土問題を起こしているロシアと協力して、モンゴルを分割しようという策略を秘かに進行させていた。
モンゴル南北から、中国とロシアで、難癖をつけて攻め込んで、モンゴル自体を分割併合しようというものであった。
「21世紀になっても、そんなことが許されるのか」
モンゴルの栄枯盛衰は、激しかった。
紀元前から、漢民族の領土を侵したり、逆に追い払われたりしながら、元々固有の領土さえも侵されたりした。
漠北の彼方あるいは、西へ西へと追いやられたりしながら、騎馬民族としての歴史を育んでいった。そして、現在はかろうじて、今のモンゴルの領土を確保していた。
オレのシステムの中で、モンゴルという国は最高ランクに近いクライシスレベルに達していた。
いくらなんでも、侵略者は露骨に何の理由もなく、攻め込むことはできない。
現在のモンゴルには、かつて、ユーラシア大陸を制覇した民族の面影は全くない。
共産主義国として中国とソ連の間で翻弄され、ソ連の崩壊に伴い、モンゴル北部はロシア側につき、一転して民主化の道を歩み始めた。一方ゴビ砂漠の南部は、中国側につき、共産主義を守ろうとしたが、中国は軍事力にモノを言わせてその領土をモンゴル自治区として中国の一部に併呑してしまった。
かろうじて、ゴビ砂漠北部はモンゴル国として独立を守ることができたが、急激な資本主義化で、政権も脆弱で、汚職と激しい貧富の差を招かざるを得なかった。
モンゴルを最も支援しているのは日本で、日本はいくどかモンゴルの経済危機を救ってきた。しかしながら、モンゴル国民は嫌でも畜産や鉱業のお客さんである中国に頼らざるを得なかった。中国は、軍事力でモンゴル全てを狙っているのは明らかだった。
21世紀現在、モンゴルはお世辞にも豊かであると言えなかった。
モンゴルは、かつてチンギスハーンによって、騎馬民族の特性を生かして元という大帝国を打ち立てた。その範囲は、東は朝鮮半島から西は、ヨーロッパ中央に至るまでの大帝国だった。
しかし、彼らは家督相続の風習による分裂と文明化によって、少しずつ衰えていった。そして、13世紀~14世紀にかけての、100年たらずで漢民族の明によって滅ぼされ、再び歴史の表舞台に立つことはなくなった。
かろうじて、遊牧民の国家としてモンゴルは今日まで、生き永らえてきた。20世紀に入ってからは中国とロシアに翻弄され、国土を削られながら共産主義化され、最終的にはソ連崩壊と共に民主化し、現在に至っている。
モンゴルの南側にある広大なゴビ砂漠。その南側には、未だに中国に略奪されたまま中国の自治区となっている。もちろん、モンゴルに領土を取り返す力はない。
2013年、中国はゴビ砂漠の北にあるユイタグルに、世界屈指の銅山が存在することを知った。そこで、中国は東シナ海・南沙諸島で領海・領空侵犯を繰り返しながら、ウクライナで領土問題を起こしているロシアと協力して、モンゴルを分割しようという策略を秘かに進行させていた。
モンゴル南北から、中国とロシアで、難癖をつけて攻め込んで、モンゴル自体を分割併合しようというものであった。
「21世紀になっても、そんなことが許されるのか」
モンゴルの栄枯盛衰は、激しかった。
紀元前から、漢民族の領土を侵したり、逆に追い払われたりしながら、元々固有の領土さえも侵されたりした。
漠北の彼方あるいは、西へ西へと追いやられたりしながら、騎馬民族としての歴史を育んでいった。そして、現在はかろうじて、今のモンゴルの領土を確保していた。
オレのシステムの中で、モンゴルという国は最高ランクに近いクライシスレベルに達していた。
いくらなんでも、侵略者は露骨に何の理由もなく、攻め込むことはできない。
現在のモンゴルには、かつて、ユーラシア大陸を制覇した民族の面影は全くない。
共産主義国として中国とソ連の間で翻弄され、ソ連の崩壊に伴い、モンゴル北部はロシア側につき、一転して民主化の道を歩み始めた。一方ゴビ砂漠の南部は、中国側につき、共産主義を守ろうとしたが、中国は軍事力にモノを言わせてその領土をモンゴル自治区として中国の一部に併呑してしまった。
かろうじて、ゴビ砂漠北部はモンゴル国として独立を守ることができたが、急激な資本主義化で、政権も脆弱で、汚職と激しい貧富の差を招かざるを得なかった。
モンゴルを最も支援しているのは日本で、日本はいくどかモンゴルの経済危機を救ってきた。しかしながら、モンゴル国民は嫌でも畜産や鉱業のお客さんである中国に頼らざるを得なかった。中国は、軍事力でモンゴル全てを狙っているのは明らかだった。
0
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる