プルートの逆襲

LongingMoon

文字の大きさ
19 / 29

二十一. エッジースカイパーベルト

しおりを挟む
ミロメシアの中では、わざと敵の船に傍受される周波数帯の電波を流し続けた。その内容は、ミロメシアのクルー達があたかもこのまま太陽系に帰ってこられなくなるかのようなパニック状態となっている悲壮な会話であった。3日後には、ほとんどの船は追跡をあきらめて冥王星方面に進路を変えていった。最後に1機だけ、しつこくついてくる船があった。
その敵船の船長は、奇しくもスペイン空軍時代のセバスチャンのライバル「ネルソン」で、じいさんの作戦を見抜いていた。
「ネルソンさん、このままじゃ帰れなくなりますよ」
他のクルー達からは、不安な空気が溢れていた。
「遠距離レーダーをよくみろ。やつら2週間もすれば戻ってくるぜ。このままだと。なんとか追いついて、撃破するんだ」。
ネルソンは、追跡を指示した。

しかし、1日が経過すると、ネルソンも諦めの表情に変わっていた。
「くやしいが、もうダメだな。帰ってきた時に撃破しよう。よし、そろそろ帰るぞ」
敵艦が減速し始めた。
「こいつはお誂え向きじゃ」
じいさんが、セバスチャンに言った。
「セバスチャン、帰りのエサが見つかった。やつらを料理できるか。やつらが減速しはじめたから、こっちもやつらより早いペースで減速するんじゃ。そして、追いつかれそうになった時に、やつのエンジン噴出口と通信をとめてやるんじゃ」
「じいさん、それはいくらなんでも、無理だぜ。こちらもかなりの攻撃をくらう恐れがあるぜ。いくさは、追撃するより追撃される方が何倍も不利なことくらい知っているだろう」
「セバスチャン、Uターンした帰りにミロメシアで冥王星に近づけると思うのか。敵のレーダー圏内に入った瞬間に、またハエどもがたかってくるぞ。いくらハエでも大群でこられたら、対応しきれんぞ。わかるな。それに、逃げると思えば不利になるが、宇宙空間でなら、あくまでもお互いの相対的な速度しかないから、1対1なら全く対等じゃよ」
「しょうがねぇな。あんまり、やりたくなかったけど、奥の手でいくぞ。たぶん、オレ以外みんな気失うと思うけど覚悟しといてくれよ。おっと、カズおまえさんには気失われると困るんだ。オレがやつらの攻撃をなんとかかわし続けるからおまえは、攻撃だ。ただし、ねらうところは、わかってるだろうな」
「わかってるさ。レーダーとエンジン噴出口だろ」
「まちがっても、エンジン直撃だけはしてくれるな」
カズたちのミロメシアは、ネルソンの船よりも早いペースで減速し続けた。
ネルソンは、「やつら観念して勝負を挑んできたぞ。こいつはお誂え向きだ」と言った。
そして、互いの船の距離がつまり、互いの射程距離に入る直前に、突然ミロメシアがダッチロールし始めた。
美鈴の「キャー」という悲鳴の第一声を皮切りに、宇宙空間での壮絶なドッグファイトが始まった。
まずネルソンの船からのレーザー攻撃が始まった。カズたちのミロメシアの行動範囲に、渦巻き状の弾幕をしいてきた。
セバスチャンがカズに「これじゃPKじゃないか。フリーで打たせるな。サッカーと同じだ」と怒鳴った。
カズはランダムに揺れ動くミロメシアから、ネルソンの船をめがけて、迎撃を開始した。カズにとっては、追撃する敵艦を沈める直撃ができないので、圧倒的に不利だった。とにかく、敵艦のまわりをギリギリに攻めながらレーダーを狙った。セバスチャンは、必死で操縦桿をにぎりながら、エンジンの噴出を調整し、直撃はさせなかったが、外壁面にはかなりの傷を負っていた。30分程のドッグファイトの末、他のクルー達は失神していた。
セバスチャンが「敵さんの動きも狙いも悪くなってきたようだな。カズ、そろそろ勝負をかけるぞ。いいかダッチロールを10秒後に止めるぞ。そしたら、敵艦のレーダーを一発で仕留めるんだ。いいか、一発だぞ」
カズはうなずきながら「了解」と言った。
セバスチャンのカウントダウンが始まった。
「10、9、8、・・・・0、発射」
すると、2条の閃光が、同時に放たれた。その瞬間、敵艦は慣性飛行に陥った。セバスチャンが、エンジン噴出口にも同時攻撃を仕掛けていた。
「よし、上出来だ。ベイビー」と言いながら。カズとガッチリ握手を交わした。
セバスチャンは、ネルソンへレーザー光線によるモールス信号で通信し始めた。
「敵艦の艦長に告ぐ。こちらには、貴艦を修理する機材はある。冥王星に帰りたければ、おとなしく降伏されたし」
「よしわかった。降伏する。くやしいが完敗だ。セバスチャン」
ネルソンが返した。
「まさかと思ったが、やっぱり、おまえか。おまえのクセは治らんな。ネルソン」
「これから、こちらのミロメシアをそちらへドッキングさせる」と信号を送って、ミロメシアを横付けドッキングさせた。
そして、セバスチャンとカズが敵艦に乗り込んだ。セバスチャンとネルソンは、コンパートメントで、交渉に入った。
「なあ、ネルソン、おまえも好きでこんなことやってるわけじゃないんだろ」
「オレの倅も例のウィルスにやられているんだ」
「そうか、そういうことだったのか。大丈夫さ。オレ達が、必ず助けてやるから協力しろ」
「しかし、このエンジン噴出口を壊されたパルス船をどうやって、冥王星へ戻せるんだ」
「おまえとオレがいればなんとかなるさ。まず、ミロメシアへおまえを招待する。それからじいさん達と打ち合わせだ」
セバスチャン、ネルソン、カズがミロメシアへ帰艦し、意識が戻ったみんなと対面した。
セバスチャンから、事情を聞いたみんなは、ネルソンに歓迎のあいさつを行い、それぞれ自己紹介をしながらネルソンと握手を交わした。
「さて、これからの作戦だが」とセバスチャンが言って、会話が途切れた。
しばらく間を置いて、じいさんが「ネルソンくん、君の船には救命艇や着陸船などの外に出せる小型の船はどのくらいあるかな」と尋ねた。
「私の船には救命艇5機に着陸船2機を積んでます」
「方法は、2つあるな。それは、・・・」と語り始めた。

一つはミロメシアとネルソンの船をドッキングさせたまま遠く離れた準惑星までひっぱってスイングバイさせる方法である。
もう一つは少々荒っぽいが、秒速数百kmで冥王星から遠ざかるネルソンの船から燃料を積んだ小型艇を前方へ放出しレーザー光線で爆破して、その爆風を受けて、まず船の動きをとめる。そして、船の修理を行い冥王星へ近づきながらミロメシアが戻ってくるのを待つ方法とのことである。
それぞれ大きなリスクがあった。
前者のドッキング・スイングバイは、2機同時に帰還できなくなり宇宙を放浪し続ける可能性があるため、後者を選ぶことになった。ただ、ネルソンの船の停止オペレーションと修理のためにはセバスチャンもネルソンの船に乗り込む必要があり、ミロメシアの操縦はカズが行いスイングバイをこなさなくてはならない。
セバスチャンが「カズ、やれるか」と言うと、他の全員の視線がカズに集まり、一瞬空気が凍りついた。
その時、美鈴がカズの背中をたたいて「キンタマついてんでしょっ」と言うと、一呼吸置いてカズは「やっ、やれるさ。まかしてくれ」と言った。
全員不安そうな顔になったが「よし、カズに命を預けるぞ」とドクターが言うと、みんなカズに励ましの言葉を送った。
「おまえが嫌ならオレがやるぜ」とクリスがいうと、他のみんなは首を激しく横に振った。
セバスチャンが「これが、みんなの応えだ。いくぜ」と言った。
クリスも「しょうがねえな」といって、カズの肩をたたいた。
それから、両艦ともあわただしく準備に入った。
ミロメシアからネルソン艦へ小型艇と修理機材の移動が始まった。ミロメシアには着陸艇と救命艇を1機ずつ残して、小型艇を全て移動させた。
特に、ネルソン艦については一刻も早く動きを止めなければならなかった。
「別れを惜しむ時間はない。カズ頼んだぞ」
セバスチャンは、両艦を切り離し、ミロメシアを再び加速モードに入らせるための指示を出した。

ネルソン艦では、エンジンを直す時間を待っている間に、冥王星から遠ざかるのを放置するわけにはいかないので、セバスチャンとネルソンが相談し、計算にもとづき小型艇の放出とレーザー発射を繰り返すことにした。
「よし、まず一発目いくぞ」とネルソンが言った。
セバスチャンが操縦しながら、「小型艇、正面へ時速・・キロで放出」と言い放った。
3分後、「そろそろ行くか」とセバスチャンが言い放った。
ネルソンが「30秒後に発射する」と言ってカウントダウンを始めた。
「・・・3、2、1、発射」
すると、前方で大爆発が起きて、船はしばらくの間大きな衝撃と共に冥王星から遠ざかるスピードが秒速数十キロではあるが減速された。艦内からは、どよめきと共に自然と拍手が起こった。
「喜んでるヒマはないぞ。次の準備にかかれ」
ネルソンが、大声を張り上げた。
ネルソンの船の中では、あわただしく次の準備にとりかかった。そして、この一連のオペレーションを数度繰り返し、船はどうにか冥王星からの離遠スピードが無視できる程度にまで、おし下げることに成功した。そして、ミロメシアを待ちながら船の修理に取り掛かった。

ミロメシアは準惑星を目指して、再びいったん加速モードに入った。そして、目標スピードに達した後、加速をストップし、慣性航行に入った。操縦しているのは、言わずと知れたカズであった。
10日後、ミロメシアは未知の準惑星の重力圏内に突入した。セバスチャンなら、これまでに数え切れないほどスイングバイ航法は経験していたが、カズにとっては一人でやるのは初めてであった。
この航法では、まず第一にどれくらいのスピードで目標とする星のどの位置にどの角度で突入するかが重要であった。準惑星到着までに入念に計算されていたためカズにとっても、わりあい簡単に予定通り、その星の重力圏突入をすることができた。今乗船しているクルー全員にとっては緊張の一瞬であったが、完璧な準惑星重力圏への突入だった。
ミロメシアは順調に準惑星の裏側に入ろうとした時、計算外の軌道を取り始めた。すると、準惑星の裏側に小さな衛星が位置取っていた。それで、ミロメシアは予定していた軌道を大きくはずれようとしていた。ミロメシアに搭載しているコンピュータプログラムでは、カイパーベルト準惑星の衛星の不規則な動きを予測できなかった。ミロメシアを最終軌道に乗せるためには、一刻を争う軌道修正が必要な状況に追い込まれた。
カズは、ドクターとじいさんに、「だめだ。ボクの腕じゃ、どうにもならないよ」と叫んだ。
すると、じいさんが、大声で「あわてるな。大丈夫じゃ」と一喝した。
「ドクター、軌道修正再計算じゃ。フォロー頼む」
そして、二人は、何やら物理の計算式についての会話を始めた。一言二言で、じいさんが指示するデータをドクターがコンピュータに打ち込んで、じいさんのいう物理の法則にのっとった式へ入力しはじめた。まずは、現時点の最適方向スピードを求めて、軌道修正する。更に、最終軌道にどうやって乗せるかであった。
方法は、原始的な方法を取ることにした。場所、角度、スピードがそれぞれ別の波長音とゲージを示し、それぞれの音の大きさとプログレスバーによるインディケーションを確認しながらのマニュアル運転であった。当初軌道は大きくはずれかけていたが、3人で声をかけあいながら、どうにか冥王星を目指す軌道に乗り始めた。美鈴とクリスとクリックは、心配そうに自分の席で見ているだけだった。
「よし、もう大丈夫じゃろ」
じいさんは、そう言いながら安堵のため息をついた。
美鈴から「がんばったわね。ありがとう」、クリスから「よくやった」という声があがった。
「これで、カズも一人前のパイロットじゃ。冥王星を目指すぞ。ネルソンくんの船に近づくまでは時間はかかるが、もう問題ないじゃろう」
じいさんが言った。
ミロメシアは、その5日後から減速モードに入った。
ネルソンの船は修理を終えた後、冥王星に向かって、加速モードを経て秒速300キロで冥王星へ向かっていた。
ミロメシアはそこへ減速しながら近づいていった。そして、スイングバイから8日後、ネルソンの船に追いつき、ドッキングした。
そして、セバスチャンとネルソンの方からいったんミロメシアへ乗り込んだ。
「カズ、よくやったな。ご苦労さん」
セバスチャンは第一声を発し、カズの頭をたたいた。
「いてぇ」
セバスチャンに誉められカズは喜んだ。
「じいさん、これからどうする」
セバスチャンが、間髪いれずに言った。
「そうじゃな。まず、わしとクリックはミロメシアに残って留守番させてもらうことにするよ。それから、みんなはネルソンくんの船でまずカロンに行ってくれ」
「ええっ、ボクも行かせてよ」
クリックは、ダダをこねた。
「バカヤロー。これは、子供のお遊びじゃないんだぞ」
カズが言った。
「自分も子供のクセに」
クリックがと蚊の鳴くような声で言った。
「ここは、私たちに任せて、キミはミロメシアでじいさんをサポートしてね。それも立派な仕事よ。わかるわよね。私たちが無事に帰れるかどうかは、キミたちにかかっているのよ。ねっ」
美鈴が言った。
「うん、わかったよ」
クリックは、しぶしぶ言った。
そして、じいさんが手筈の続きを話し出した。
「次に、二手に分かれて、輸送船で冥王星に潜入するんじゃ。ネルソンくん、輸送船への乗船手配については、キミにまかせるのでよろしく頼む」
「まかせといて下さい。ミロメシアを太陽系の彼方へ向かったことを見届けたこともやつらに報告しますよ。データからすると疑う余地はないでしょうからね」
「わしとクリックは、冥王星でのミッションで敵の混乱に乗じて救出に行く。ここから先は、かなり危険なミッションになるじゃろう。みんなで知恵を振り絞り助け合っていくしかないじゃろう」
ミロメシアのクルー達は、じいさんとクリックを残してネルソンの船に乗り込み、カロンへ向かった。
ネルソンの船は、徐々に減速し、3日後にカロンへ到着した。
ネルソンの船は、カロンの周回軌道上の冥王星裏側を通ってCセントラルへ着陸した。
その時、ミロメシアのクルー5人の姿はなかった。
5人は、カロンの裏側で着陸機能のある氷上車に乗り込んで、着陸していた。丸1日かけてカロンを4分の1周し、Cノースに辿り着いてネルソンの準備した輸送船で、冥王星に向かう予定であった。カロンの不毛の大地を走行するといっても、それは起伏に富んだ炭酸氷の大地や液体窒素の沼で、運転するのも簡単ではなかった。半分、大地を走行するというより、宇宙空間にある起伏のある面に沿って移動している感覚であった。無論、スペースプレーンのような航空機で移動すれば楽な話ではあるが、即座に敵に察知されてしまうため、あえて氷上車を使って移動することになったのである。
地図ですでに、ルート設定したナビにしたがっての走行ではあったが、ナビと眼前の氷の山とをにらめっこしながらの走行でもあった。氷上車は、重力・気圧・摩擦・電気抵抗のほとんどない世界をひた走る。起伏のない大平原でのスピードの出し過ぎは、要注意だ。時速数百kmの猛スピードでは、急には止まれない。もちろん、運転するのは宇宙飛行士として百銭練磨のセバスチャンなので、他のみんなは安心していた。
「万一、氷の壁にぶつかって、車両が大破しなくても、絶対0度に近い外気にふれれば、きれいな遺体のまま、その場で、冷凍保存されることになってしまうんだぜ。しかも、ナビ通りに行けばいいが、そうは問屋が卸さない。大地の起伏や氷壁を見て、迂回するところがわんさとあることだしな。それに、いくらオレでも2日間ぶっとおしの運転はきついぜ」
「じゃあ、オレもやるよ」とクリスが言った。
すると、またもやみんなは、大きく首を横に振った。
「カズ、そういうことだ。おまえしかいないぞ」
結果的にセバスチャンがほとんど最後まで運転してしまった。
カズはといえば100km以上続くような大氷原のみ運転をまかされた。かくして、氷上車は1日半でCノースにたどりつくことができた。
思えば、最初の作戦で敵と遭遇したのもCノースであった。今度は、味方となったネルソンと首尾よく会うことができた。ネルソンは、手際よく輸送船を手配してくれていたようだ。しかし、輸送船にはあまりたくさんの人は乗船できないし、5人が同時に行動すると怪しまれるため、ネルソンはCウェストとCイーストに2人と3人に分けて乗船予約をとってくれていた。
ドクターが、「ここはどう分けるかだが、話し合いで決めると、どう分かれてもわだかまりが残る可能性があるので、くじびきが良いのではないかと思うが、どうだろうか」と言った。
他のみんなは首を縦にふり、賛同した。
「言い出しっぺの私が、くじを準備するよ。くじは、星くじだな。私の通信装置メガネから映し出される空間映像に映った星を順番に選んでいくんだ。それで、一番距離が近いものが1で、一番遠い者が5だ。それで、奇数チームと偶数チームに分かれるということだ。順番は、私がこの中で一番年寄りなので、若い方から引くことにしよう。さ、カズ引いてくれ」
そして、全員がくじを引き終わって、ドクターが「じゃ、結果発表するよ」と言って、結果の一覧表を表示させた。
その瞬間、美鈴が、「ええぇー」と言いながら、困惑の表情を浮かべた。
2人チームは、美鈴&クリスだった。
「その反応は、ないだろう」
クリスが苦笑いした。
「だって、クリスはどスケベーだもん」
美鈴がストレートに言い放ち、一同も否定せず失笑するだけだった。
組みわけが決まり、ドクターが作戦について説明し始めた。
「よし、クリスのスケベーは封印して、これでいくよ。美鈴&クリスはCウェストへ、他の3人はCイーストから冥王星に入る。我々が認識している冥王星の施設や企業・組織団体については、宇宙船の中でネルソンくんから聞いた通りだ。目的は、とにかく抗ウィルス剤を手に入れてミロメシアに戻ることだ。それから、ネルソンくんから聞いたそれぞれの輸送船の到着位置と時間から考えて、私は二手に分かれての作戦の詳細を考えた」
作戦の内容は、想定される様々な異常事態についても細かく設定されていた。
「じいさんが言ってたように、それぞれ協力し合ってがんばろう。知恵と勇気を振り絞って挑めば、必ず成功するはずだから。それでは、しばしのお別れだ」
2チームはそれぞれのターミナルへ向かった。
美鈴とクリスが地下通路を通ってCウェスト行きのターミナルに着いた時、ターミナルにはエンジニアらしき3人組が座って、何やら込み入った話をしていた。そして、美鈴とクリスは彼らといっしょにCウェスト行きのリニアに乗り込んだ。Cウェストは、冥王星のレアメタルを採取するための企業の基地になっていた。2人はCウェストに着いてから、また地下通路を通って、冥王星行きのターミナルへ向かった。そのターミナルには、さっきのエンジニアと思われる3人がいた。そこで、3時間ほど待たされてから、冥王星行きの輸送船に彼らといっしょに乗り込んだ。

冥王星では3つの企業グループがそれぞれ発掘作業を行っていた。そのうちの1企業グループの輸送船でネルソンが安全そうな船に乗る手続きをとっていてくれた。冥王星までは、地球と月の間の距離の3分の1くらいしかなく、美鈴たちの乗った船は6時間程のフライトへ飛び立った。

一方ドクター・セバスチャン・カズの3人は、美鈴たちとは逆のCイーストのターミナルへ向かった。
ターミナルからリニアに乗って無事Cイーストに着いた。Cイーストは、冥王星やカロン探査当初から研究調査のために利用されており、宙港には科学者やまだ学生風の研究者が5人いた。彼らは、到底敵のようには見えなかったので、3人は取りあえず安心して、冥王星行きの旅客・貨物兼用の定期宇宙船に乗り込んでいった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...