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二十三. 再び天王星へ
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天王星への行程は、往路と同様で、約20日間を要した。ミロメシアの操縦は、大半が自動運転であるが、定期進路補正や加速・減速など、カズがメインで操縦し、じいさんとドクターがサポートした。
クリック少年は、かなり興味があるらしく、ずっとカズが操縦しているのをモニタで観察していた。そして、隙を見つけてはカズにいろいろ質問をしていた。美鈴とクリスは暇を持て余しており、休憩室でクリスは美鈴にくだらないジョークばかりとばしていた。
美鈴はずっと不機嫌そうな顔をしていた。カロンを飛び立って3日目、ついに美鈴はクリスにブチ切れてしまった。
「あんたは、いつもいったい何を考えているのよ。セバスチャンがあんなことになって、皆があんなにがんばっているのに」
「そいつは、違うぜ、お嬢さん。オレたちにはオレたちのミッションがあるんだぜ。それは、時間や内容の問題じゃない。必要な時に必要なことができるかどうかなんだぜ。もちろん仲間が困ってる時には手伝ったり、いっしょに考えたりすることも必要だが。今は、オレたちの出番がないだけだよ。そんな時に腐ったりすること程、迷惑な話はないんだぜ。そんなときゃあ、自分自身がワクワクするようなことをしたり考えたりしてたら、あとで自分にとっても皆にとっても、プラスになるっていうもんだ。ちょっと待ってな」と言いながら、クリスはいったん休憩室を出て行って、しばらくして何やら小脇にかかえて戻ってきた。
「お嬢さん、こいつを使えるか」と言いながらヌンチャクを美鈴に手渡した。
「あら、どうしたの、それ。そりゃ、私は専門家じゃないけど、モノマネくらいならできるわよ」と美鈴は言いながら、そのヌンチャクを振り回し始めた。
クリスには、その動作がモノマネどころかかなり年季が入っていることを確信した。
クリスは手をたたきながら、「おみごと。オレが作ったのさ。この船には、それ程そんな材料はなかったけど、この船を修理するための道具はいろいろあったんで、なんとか作ることができたよ。重さやバランスはどうだい。一応、ネットで調べたんだがな」
「なかなか、いいわね。武器にするには、握りの端っこに鉛を仕込んだりした方がいいかもね。でも、一体全体何のためなの」
「はぁ。おまえさん、冥王星で拉致されていた時に、言ってたよな」
「そいつは、武器にするために作ったんじゃあないよ。ズバリ大道芸のためさ」
「そうだったの。もちろん、覚えているわ。でも、これで私に何をしろというの」
「そいつを、音楽に合わせて、振り回して踊るのさ。それも、ダブルヌンチャクでやるんだ。いや、可能ならば、トリプルだ。しかも、ヌンチャクの片側に炎をつけるのさ。どうだ、やってみるか。もちろん、オレもやるぞ」とクリスは言い放つと、ダブルヌンチャクでジャグリングをやり始めた。
「すごーい。いつのまに、そんなこと練習してたの。でも、ヌンチャクに炎をつけて振るなんてムリだわ」
「そうだ。確かに難しいだろう。炎つきヌンチャクを一人でやるのは」
「炎つきヌンチャクのジャグリングを2人でやるのさ。しかも2つ、3つ、4つ、5つと増やしていくのさ。どうだ、ちょっとやってみるか」
クリスはそう言いながら、美鈴の空いた手の方に向けてヌンチャクを回転させながら投げた。
美鈴は、それを受け取ると、気合の声を上げながら2本のヌンチャクを振り回し始めた。そして、2本のヌンチャクを左右それぞれの手で、クリスに向かって投げた。
すると、クリスはそれをみごと受け取るやいなや、ヌンチャクのジャグリングを始めた。そして、いつの間にか、3つのヌンチャクをジャグリングし始めていた。
「すごーい」
美鈴はと歓声を繰り返した。
「そろそろ、返すぞと」
クリスは1本ずつ美鈴に投げ始めた。
美鈴は2本目までは、受け取ったが、クリスが3本目を投げた時、美鈴は「それは、無理よ」と言いながら、2本のヌンチャクではじき返した。
「これは単なる大道芸の1つだけど、美鈴がいっしょにやってくれるなら、まだまだ、いろんなことができるんだぜ。道具は、3節棍、7節棍、中国剣の剣舞、酔拳も入れたりすると芸の幅も広がる。芸が確立すれば、人数を増やしてドラマ、ストーリー仕立てにもできる。三国志で貂蝉と呂布が睦み合うシーン、項羽と劉邦の鴻門の会で項伯と項荘の剣舞、アステロイドベルトのスペースコロニー独立戦争ラストの伝説の一騎打ちシーンなど、やってみたいんだ」
クリスは熱い思いを語った。
「すごーい。それだね。わたしもやるわ」と美鈴も盛り上がって、2人はすっかり意気投合してしまった。
カズがミロメシアを動かし、セバスチャンがいない状態で加速運転モードに持って行くまでは、緊張の連続であった。しかし、いったん加速運転モード、慣性モード、減速モードになればほぼ自動運転になるので、モード切替のタイミングになるまで、しばらく緊張感から解放される。逆に、数日間は暇で退屈な時が過ぎていく。
往路で太陽爆発によるフレアと呼ばれる現象にみまわれた時、じいさん・ドクター・セバスチャンの3人が体験談を話してくれたが、復路ではクリス・美鈴・カズが体験談を話す機会を設けられることになっていた。今度は、それぞれ別々の日に話をして、それについて皆でいろんな話をしようということになった。
そこで、重圧感から解放されたコックピットの面々は、体験談義でもやろうかということで休憩室に向かった。
ところが、休憩室に近づくにつれて中国風の音楽や「ブーン、ブン」という音とクリスと美鈴の掛け声が、もれ聞こえた。
休憩室は、外のモニタから中を除くことができた。カズたちは興味津々で、そのモニタを除きこんでみると、クリスと美鈴が音楽に合わせて、ヌンチャクを投げ合ったり、振り回したりしていた。2人がヌンチャク芸を始めて、すでに3日が立っていた。音楽が終わるととともに、2人の演技も終了した。じいさん、ドクター、カズ、クリックの4人は、拍手をしながら休憩室へ入って行った。
「すごーい。すごーい。どうしたら、そんなことができるの」
クリックは、興奮して声をはりあげた。
カズも興奮していたが、クリックが先に興奮してしまったので、少し控え目に「ほんと、すごいですね。今1G加速モードだから、地球でも同じことができますね。ほんとに、・・・」と言いかけた時に、その言葉を遮るように、クリックが「ほんとすごい、ぼくにも教えてよー。美鈴さーん」と言い出した。
美鈴が、「いいわよ。でも、ほんとの先生は、ここにいるクリス先生だからね」と言いながら、クリックにヌンチャクを手渡し、その振り方を説明し始めた。
その横で、羨ましそうに見ていたカズには、クリス先生が、「おまえもやるか」と言ってヌンチャクを手渡し、説明し始めた。
すると、いつの間にか横で見ていたはずの、じいさんとドクターまで、ヌンチャクを振り回し始めており、ミロメシアでは、それから次の慣性モードに入るまでの数日間は、ヌンチャク大道芸で盛り上がってしまった。
ミロメシアは、カロンを離陸して17日が経過し、減速モードで、あと3日で天王星へ到着するところまできていた。
冥王星で、敵のレーダーから逃れたスーパーフェライトの効力は既に消えていた。
セバスチャンはいない。
カズがミロメシアの操縦を任されていた。というよりカズががんばるしかなかった。
「このまま、何事もなく無事に天王星まで行けそうだな」と、カズは思っていた。
しかし、抗ウィルス剤とワクチンを奪われた敵が黙っているはずはなかった。
敵は、ミロメシアにセバスチャンが乗っていないことを知っていた。
敵は、できるだけ、ミロメシアを天王星にひきつけて、天王星の黄道に対して上下、四方八方から、取り囲み撃墜しようという作戦を考えていた。もちろん、天王星に駐在している国際宇宙連合にばれない程度の遠隔地での攻撃をたくらんでいた。
ミロメシアのレーダーに、前方から近づいてくる飛行物体が映し出された。
ミロメシアの警報が艦内に響き渡った。
カズがレーダーに目を落とすと、1機の戦闘機らしき船影が映っていた。
カズは、「敵機らしき船影があり、0時の方向へ進路をとります」とクルーへ呼びかけた。
減速中とはいえ、上へ逃げるといってもミロメシアの進む方向は、まだ前方へのスピードが速すぎてゆるやかに、斜めに前方上方へ進んでいた。しばらくすると、船影もそれに合わせて上方へ進路をとりはじめた。それでも、カズはとにかく上方へ進路をとった。しかし、上方へしばらくいくと、また別の船影が映り始めた。
じいさんが、「おそらく、全方位攻撃だ。やつらは、上下、十字方向からくる気だ」と呟いた。
「カズ、完全に上方移動になったら、次に後方9:45の方向へ進路をとるんだ」
「しかし、じいさん、方向を変えるとその度に減速することになり、敵に捕まりやすくなるのでは」
「いや、やつらは、こっちが加速して振り切る作戦をとると思って仕掛けてくるはずじゃ。こっちは、その裏をかくんじゃ。わしに、考えがある」
じいさんが、言った。
「わかりました」とカズは返事をし、前方減速と上方への加速を数時間続け、天王星の黄道に対して真上の方向へ進路が向いた時、天王星と反対方向9:45の方向へ向きを変えた。
レーダーに移る敵は、まだまだ遠く、数十万kmは離れていたが、その数が増えていった。天王星の方向、黄道の上方、ミロメシアの左後方、冥王星の方向から、着実に接近しつつあった。
カズは、加速度を1.3Gにまで引き上げていた。そうして、数時間が経過し、クルーに疲れの色が見え始めていた。しかし、敵との距離はかなり、接近してきていた。
「なんとか、敵の船を後方にして逃げられる状況になってはいるが、あと、1時間後には敵からの攻撃を受ける距離まで、になってしまう。船を動かしながら戦うなんて初めてだけど、腹くくって、戦うよ」
カズが口を開いた。
「いや、まだじゃ。1時間後に敵の攻撃では、まだまだこの船にヒットする確率はほとんどない。仮に当たったとしても、致命傷にはならん。あと、2時間は逃げ続けるんじゃ」
じいさんの表情は、確信に満ちていた。カズには、演技なのか本当なのか判断がつかなかった。
「しかし、いずれ戦わなければならないのであれば、いっしょだよ」
「わしに考えがある。とにかく、逃げ続けるんじゃ」
カズは半信半疑の様子ではあったが、「わかりました」と言って操縦桿を握りなおし、じいさんの言葉にしたがった。
カズの予想通り、1時間が過ぎると敵のミサイルによる第一段の攻撃が開始された。その時点での攻撃は散発で、じいさんの言うとおり被弾する恐れはなかった。
しかし、2時間過ぎには、迎撃しなければ被弾するところまでに接近されていた。そして、遂にミロメシアは被弾してしまい、船のスピードもダウンし始めた。
「やばい。もう、ダメだぁ。今接近しているミサイル全部は、もう撃ち落とせないよー」
カズが悲愴な声を上げた。
その時、冥王星方面からやってきた一機の船が、ミロメシアに向かってくるミサイルに対して迎撃ミサイルを発射し始め、全て叩き落としてしまった。そして、他の敵の船とドッグファイトを開始した。
「セバスチャンなのか?まさか、そんなの絶対ありえない」
カズが、呟いた。
「ネルソンくんだよ。安心しろ。やっと、追いついたな」
じいさんが、言った。
「余計なプレッシャーをかけんように黙ってたんじゃが、敵の攻撃は予想していて、みんなが冥王星で戦っている間に、ネルソンくんに協力してもらうようお願いしておいたんじゃ。もっとも、セバスチャンがあんな状態になることは全く想定していなかったが」
ネルソンは、セバスチャンに勝るとも劣らない腕前で、ミロメシアを守りながら次々に敵の船を撃墜していった。
「カズ、腕を上げたな」
敵艦を全滅させてから、第一報が入った。
「遅かったな。何をしてたんじゃ」
じいさんが、言った。
「いやぁ、どうしても連れて行けという命知らずの大馬鹿野郎が居て、難儀してたんですよ」
「おまえ程、大馬鹿野郎じゃないよ」と、聞きなれた声がミロメシア艦内に流れた。
まぎれもなく、セバスチャンの声だった。ミロメシアのスクリーンに、ベッドで横たわるセバスチャンの映像が映しだされた。
「ひでえなぁ。オレを置いていくなんて」
「ばかもーん。おまえは命がいらんのか」
ドクター叫んだ。
「そんなに、怒らないでよ。ちゃんと、向こうのドクターに許してもらって来たんだから」
ネルソンは、セバスチャンがカロンのドクターをほとんど脅迫して、宇宙船に乗れるように直談判し、禁断の麻薬モルヒネ注射を打ってここまで、やってきたことを黙っていた。無謀な男を、船に乗せるためにカロンのドクターが、つけた条件の期間をロスして、予定より遅れてしまった。
ドクターには、そんなことくらい容易に想像できた。最低でも2週間は、尋常ではない痛みが続き、少しでも動くと激痛で気を失ってしまうはずであったからである。それよりも何よりも、自分が縫合した内蔵の傷が開いたり、接合させた骨が外れたりすると最悪の事態が簡単にやってくるから、怒りがこみ上げてしまった。
「全く、しょうがない奴だ」
ドクターはあきれ顔で言った。
ドクター以外の他のクルーは、そんな裏事情など知る由もなく、セバスチャンとの再会を喜んだ。
それから4日で、ミロメシアはネルソンと重症患者の護衛つきで、天王星に到着した。
往路で天王星を出発してから、2か月近くが経過していた。
クリックが密航して、ミロネシアに乗り込んでいたことは、既にクリックの両親に伝えられており、クリックの両親からワトソン博士にも伝えられていた。
宙港にミロメシアが着くと、クリックは一番に船を飛び出して迎えに来ていた母親の胸に飛び込んだ。そんなクリックを父親がすぐに引き離し、「バカヤロー」と大声で怒鳴るのと同時に頭にゲンコツをくらわした。クリックは、そんな父親にも泣きながら、抱きついた。父親も、「本当にしょうがない奴だ」と言いながら目をうるませていた。そんな親子の再開シーンが続けられた。
一方で、じいさんとワトソン博士も無事に再開を果たすことができた。
「約束通り、帰ってきたぞ。2・3日予定よりかかってしまったがのう」
「上出来だよ。よく、無事に帰ってきたな」
二人は堅い握手を交わした。
「こっちも約束通り、装置も委員会も準備万端だよ。ほら、あそこに来ているのが準備委員会の中心メンバーになってくれる2人だよ」
ワトソン博士は、後ろの方で微笑んでいる2人を指さした。
じいさんは、その2人に歩み寄った。
「今、わしらは地球の人達を助けるために、一刻も早く戻らなくてはいかんのじゃ。すまんが、これからワトソン博士といっしょに土星へ行って、なんとか宗教紛争がなくなるよう尽力お願いしたい」
「何をおっしゃるのですか。我々は、我々の意思でこれまでも人類の平和のためにつくしてきたし、これからもそうするだけです。ミスター・ミハエル」
天王星では、ワトソン博士がハロゲン系の気体物質除去細菌の最終テストと宗教紛争解決委員会設立の準備を進めていてくれた。
ハロゲン系気体物質を貪る細菌は成層圏で拡散させると、ハロゲン系気体物質がオゾンを分解する化学反応に加わりオゾン分解を阻止し、それをエネルギーとして細胞分裂を繰り返す。そして、その細菌は対流圏まで落下すると逆に死滅する。これによって、ハロゲン系気体物質がなくなるまで、その細菌が生態系を保ち、ハロゲン系気体物質がなくなるとともに、細菌自身も自然消滅するというものだった。地上に落ちた細菌内のハロゲン系物質は、自然界に存在する他の物質と結びつき、その化合物として自然界に帰すというものであった。
ハロゲン系気体物質除去細菌とその培養容器と培養方法が、ワトソン博士からじいさんに手渡された。
「ありがとう。よくやってくれた。これで、ウィルスがどうのこうのというより、人類の歴史が大きく変わるだろう。ワトソン博士の残した功績は、永遠に語りつがれることになるだろう」
「子供のころからの夢だったんだ。300年以上も、紫外線の恐怖に苛まれ続けた人類をなんとか、救いたかった。その昔、フリッツ・ハーバーは、化学的に空中窒素を固定化させた。さらに、マルティヌス・ベイエリンクは、微生物による窒素固定法を発見した。大気中に、豊富に存在する窒素と、ほとんど存在しないハロゲン系気体物質とでは全く状況は違う。しかし、微生物によるハロゲン系気体物質固定ができるならば、一定以上のハロゲン系気体物質増加に歯止めがかけられるはずだと思い研究を続けてきたんだ」
さらにワトソン博士はじいさんに向かって、「ミハエル、一刻も早く地球に帰って、ハロゲン系気体物質除去細菌を散布してやってくれ。もちろん、その前に私はいっしょに土星まで行って、宗教紛争解決の道筋をつけさせてもらうがな」と言った。
「わかった。そうだな。ここで、ゆっくりしてはいられないな。クリックくん達と別れるのは名残惜しいが、そろそろ行こう」
じいさんは、ミロメシアのベッドで横たわっているセバスチャンを除いたみんなに向かって言った。
「クリック、またいっしょに行くか」
カズが、冗談でクリックに話しかけた。
「ダメだよね」
クリックは、目を白黒させて父親の方を見た。
「あたりまえだ。これ以上、皆さんに迷惑をかけてどうする。それに、おまえには、他にやることがあるだろう。宿題がいっぱいたまってるぞ」
「えぇー」と、クリックはしかめっ面をして、言った。
ワトソン博士は、「クリック、キミは今度私がここに帰ってくるまでに、宿題以外にいっぱいやることがあるぞ。私の助手になるためにはな」と言って、百冊以上の書物のタイトルの書いたメモを渡した。
これに対してクリックは、「はい、わかりました」と言って、今度は目を輝かせた。
この天王星で、クリックはミロメシアを降りることになったが、セバスチャンが帰ってきて、ワトソン博士に加えて、宗教紛争解決委員会設立の準備の2人も乗り込んで、土星に向かうことになった。土星へは、2週間程度で到着する予定であった。
ミロメシアは、丸1日ほどの休息だけで、再び飛び立った。
クリック少年は、かなり興味があるらしく、ずっとカズが操縦しているのをモニタで観察していた。そして、隙を見つけてはカズにいろいろ質問をしていた。美鈴とクリスは暇を持て余しており、休憩室でクリスは美鈴にくだらないジョークばかりとばしていた。
美鈴はずっと不機嫌そうな顔をしていた。カロンを飛び立って3日目、ついに美鈴はクリスにブチ切れてしまった。
「あんたは、いつもいったい何を考えているのよ。セバスチャンがあんなことになって、皆があんなにがんばっているのに」
「そいつは、違うぜ、お嬢さん。オレたちにはオレたちのミッションがあるんだぜ。それは、時間や内容の問題じゃない。必要な時に必要なことができるかどうかなんだぜ。もちろん仲間が困ってる時には手伝ったり、いっしょに考えたりすることも必要だが。今は、オレたちの出番がないだけだよ。そんな時に腐ったりすること程、迷惑な話はないんだぜ。そんなときゃあ、自分自身がワクワクするようなことをしたり考えたりしてたら、あとで自分にとっても皆にとっても、プラスになるっていうもんだ。ちょっと待ってな」と言いながら、クリスはいったん休憩室を出て行って、しばらくして何やら小脇にかかえて戻ってきた。
「お嬢さん、こいつを使えるか」と言いながらヌンチャクを美鈴に手渡した。
「あら、どうしたの、それ。そりゃ、私は専門家じゃないけど、モノマネくらいならできるわよ」と美鈴は言いながら、そのヌンチャクを振り回し始めた。
クリスには、その動作がモノマネどころかかなり年季が入っていることを確信した。
クリスは手をたたきながら、「おみごと。オレが作ったのさ。この船には、それ程そんな材料はなかったけど、この船を修理するための道具はいろいろあったんで、なんとか作ることができたよ。重さやバランスはどうだい。一応、ネットで調べたんだがな」
「なかなか、いいわね。武器にするには、握りの端っこに鉛を仕込んだりした方がいいかもね。でも、一体全体何のためなの」
「はぁ。おまえさん、冥王星で拉致されていた時に、言ってたよな」
「そいつは、武器にするために作ったんじゃあないよ。ズバリ大道芸のためさ」
「そうだったの。もちろん、覚えているわ。でも、これで私に何をしろというの」
「そいつを、音楽に合わせて、振り回して踊るのさ。それも、ダブルヌンチャクでやるんだ。いや、可能ならば、トリプルだ。しかも、ヌンチャクの片側に炎をつけるのさ。どうだ、やってみるか。もちろん、オレもやるぞ」とクリスは言い放つと、ダブルヌンチャクでジャグリングをやり始めた。
「すごーい。いつのまに、そんなこと練習してたの。でも、ヌンチャクに炎をつけて振るなんてムリだわ」
「そうだ。確かに難しいだろう。炎つきヌンチャクを一人でやるのは」
「炎つきヌンチャクのジャグリングを2人でやるのさ。しかも2つ、3つ、4つ、5つと増やしていくのさ。どうだ、ちょっとやってみるか」
クリスはそう言いながら、美鈴の空いた手の方に向けてヌンチャクを回転させながら投げた。
美鈴は、それを受け取ると、気合の声を上げながら2本のヌンチャクを振り回し始めた。そして、2本のヌンチャクを左右それぞれの手で、クリスに向かって投げた。
すると、クリスはそれをみごと受け取るやいなや、ヌンチャクのジャグリングを始めた。そして、いつの間にか、3つのヌンチャクをジャグリングし始めていた。
「すごーい」
美鈴はと歓声を繰り返した。
「そろそろ、返すぞと」
クリスは1本ずつ美鈴に投げ始めた。
美鈴は2本目までは、受け取ったが、クリスが3本目を投げた時、美鈴は「それは、無理よ」と言いながら、2本のヌンチャクではじき返した。
「これは単なる大道芸の1つだけど、美鈴がいっしょにやってくれるなら、まだまだ、いろんなことができるんだぜ。道具は、3節棍、7節棍、中国剣の剣舞、酔拳も入れたりすると芸の幅も広がる。芸が確立すれば、人数を増やしてドラマ、ストーリー仕立てにもできる。三国志で貂蝉と呂布が睦み合うシーン、項羽と劉邦の鴻門の会で項伯と項荘の剣舞、アステロイドベルトのスペースコロニー独立戦争ラストの伝説の一騎打ちシーンなど、やってみたいんだ」
クリスは熱い思いを語った。
「すごーい。それだね。わたしもやるわ」と美鈴も盛り上がって、2人はすっかり意気投合してしまった。
カズがミロメシアを動かし、セバスチャンがいない状態で加速運転モードに持って行くまでは、緊張の連続であった。しかし、いったん加速運転モード、慣性モード、減速モードになればほぼ自動運転になるので、モード切替のタイミングになるまで、しばらく緊張感から解放される。逆に、数日間は暇で退屈な時が過ぎていく。
往路で太陽爆発によるフレアと呼ばれる現象にみまわれた時、じいさん・ドクター・セバスチャンの3人が体験談を話してくれたが、復路ではクリス・美鈴・カズが体験談を話す機会を設けられることになっていた。今度は、それぞれ別々の日に話をして、それについて皆でいろんな話をしようということになった。
そこで、重圧感から解放されたコックピットの面々は、体験談義でもやろうかということで休憩室に向かった。
ところが、休憩室に近づくにつれて中国風の音楽や「ブーン、ブン」という音とクリスと美鈴の掛け声が、もれ聞こえた。
休憩室は、外のモニタから中を除くことができた。カズたちは興味津々で、そのモニタを除きこんでみると、クリスと美鈴が音楽に合わせて、ヌンチャクを投げ合ったり、振り回したりしていた。2人がヌンチャク芸を始めて、すでに3日が立っていた。音楽が終わるととともに、2人の演技も終了した。じいさん、ドクター、カズ、クリックの4人は、拍手をしながら休憩室へ入って行った。
「すごーい。すごーい。どうしたら、そんなことができるの」
クリックは、興奮して声をはりあげた。
カズも興奮していたが、クリックが先に興奮してしまったので、少し控え目に「ほんと、すごいですね。今1G加速モードだから、地球でも同じことができますね。ほんとに、・・・」と言いかけた時に、その言葉を遮るように、クリックが「ほんとすごい、ぼくにも教えてよー。美鈴さーん」と言い出した。
美鈴が、「いいわよ。でも、ほんとの先生は、ここにいるクリス先生だからね」と言いながら、クリックにヌンチャクを手渡し、その振り方を説明し始めた。
その横で、羨ましそうに見ていたカズには、クリス先生が、「おまえもやるか」と言ってヌンチャクを手渡し、説明し始めた。
すると、いつの間にか横で見ていたはずの、じいさんとドクターまで、ヌンチャクを振り回し始めており、ミロメシアでは、それから次の慣性モードに入るまでの数日間は、ヌンチャク大道芸で盛り上がってしまった。
ミロメシアは、カロンを離陸して17日が経過し、減速モードで、あと3日で天王星へ到着するところまできていた。
冥王星で、敵のレーダーから逃れたスーパーフェライトの効力は既に消えていた。
セバスチャンはいない。
カズがミロメシアの操縦を任されていた。というよりカズががんばるしかなかった。
「このまま、何事もなく無事に天王星まで行けそうだな」と、カズは思っていた。
しかし、抗ウィルス剤とワクチンを奪われた敵が黙っているはずはなかった。
敵は、ミロメシアにセバスチャンが乗っていないことを知っていた。
敵は、できるだけ、ミロメシアを天王星にひきつけて、天王星の黄道に対して上下、四方八方から、取り囲み撃墜しようという作戦を考えていた。もちろん、天王星に駐在している国際宇宙連合にばれない程度の遠隔地での攻撃をたくらんでいた。
ミロメシアのレーダーに、前方から近づいてくる飛行物体が映し出された。
ミロメシアの警報が艦内に響き渡った。
カズがレーダーに目を落とすと、1機の戦闘機らしき船影が映っていた。
カズは、「敵機らしき船影があり、0時の方向へ進路をとります」とクルーへ呼びかけた。
減速中とはいえ、上へ逃げるといってもミロメシアの進む方向は、まだ前方へのスピードが速すぎてゆるやかに、斜めに前方上方へ進んでいた。しばらくすると、船影もそれに合わせて上方へ進路をとりはじめた。それでも、カズはとにかく上方へ進路をとった。しかし、上方へしばらくいくと、また別の船影が映り始めた。
じいさんが、「おそらく、全方位攻撃だ。やつらは、上下、十字方向からくる気だ」と呟いた。
「カズ、完全に上方移動になったら、次に後方9:45の方向へ進路をとるんだ」
「しかし、じいさん、方向を変えるとその度に減速することになり、敵に捕まりやすくなるのでは」
「いや、やつらは、こっちが加速して振り切る作戦をとると思って仕掛けてくるはずじゃ。こっちは、その裏をかくんじゃ。わしに、考えがある」
じいさんが、言った。
「わかりました」とカズは返事をし、前方減速と上方への加速を数時間続け、天王星の黄道に対して真上の方向へ進路が向いた時、天王星と反対方向9:45の方向へ向きを変えた。
レーダーに移る敵は、まだまだ遠く、数十万kmは離れていたが、その数が増えていった。天王星の方向、黄道の上方、ミロメシアの左後方、冥王星の方向から、着実に接近しつつあった。
カズは、加速度を1.3Gにまで引き上げていた。そうして、数時間が経過し、クルーに疲れの色が見え始めていた。しかし、敵との距離はかなり、接近してきていた。
「なんとか、敵の船を後方にして逃げられる状況になってはいるが、あと、1時間後には敵からの攻撃を受ける距離まで、になってしまう。船を動かしながら戦うなんて初めてだけど、腹くくって、戦うよ」
カズが口を開いた。
「いや、まだじゃ。1時間後に敵の攻撃では、まだまだこの船にヒットする確率はほとんどない。仮に当たったとしても、致命傷にはならん。あと、2時間は逃げ続けるんじゃ」
じいさんの表情は、確信に満ちていた。カズには、演技なのか本当なのか判断がつかなかった。
「しかし、いずれ戦わなければならないのであれば、いっしょだよ」
「わしに考えがある。とにかく、逃げ続けるんじゃ」
カズは半信半疑の様子ではあったが、「わかりました」と言って操縦桿を握りなおし、じいさんの言葉にしたがった。
カズの予想通り、1時間が過ぎると敵のミサイルによる第一段の攻撃が開始された。その時点での攻撃は散発で、じいさんの言うとおり被弾する恐れはなかった。
しかし、2時間過ぎには、迎撃しなければ被弾するところまでに接近されていた。そして、遂にミロメシアは被弾してしまい、船のスピードもダウンし始めた。
「やばい。もう、ダメだぁ。今接近しているミサイル全部は、もう撃ち落とせないよー」
カズが悲愴な声を上げた。
その時、冥王星方面からやってきた一機の船が、ミロメシアに向かってくるミサイルに対して迎撃ミサイルを発射し始め、全て叩き落としてしまった。そして、他の敵の船とドッグファイトを開始した。
「セバスチャンなのか?まさか、そんなの絶対ありえない」
カズが、呟いた。
「ネルソンくんだよ。安心しろ。やっと、追いついたな」
じいさんが、言った。
「余計なプレッシャーをかけんように黙ってたんじゃが、敵の攻撃は予想していて、みんなが冥王星で戦っている間に、ネルソンくんに協力してもらうようお願いしておいたんじゃ。もっとも、セバスチャンがあんな状態になることは全く想定していなかったが」
ネルソンは、セバスチャンに勝るとも劣らない腕前で、ミロメシアを守りながら次々に敵の船を撃墜していった。
「カズ、腕を上げたな」
敵艦を全滅させてから、第一報が入った。
「遅かったな。何をしてたんじゃ」
じいさんが、言った。
「いやぁ、どうしても連れて行けという命知らずの大馬鹿野郎が居て、難儀してたんですよ」
「おまえ程、大馬鹿野郎じゃないよ」と、聞きなれた声がミロメシア艦内に流れた。
まぎれもなく、セバスチャンの声だった。ミロメシアのスクリーンに、ベッドで横たわるセバスチャンの映像が映しだされた。
「ひでえなぁ。オレを置いていくなんて」
「ばかもーん。おまえは命がいらんのか」
ドクター叫んだ。
「そんなに、怒らないでよ。ちゃんと、向こうのドクターに許してもらって来たんだから」
ネルソンは、セバスチャンがカロンのドクターをほとんど脅迫して、宇宙船に乗れるように直談判し、禁断の麻薬モルヒネ注射を打ってここまで、やってきたことを黙っていた。無謀な男を、船に乗せるためにカロンのドクターが、つけた条件の期間をロスして、予定より遅れてしまった。
ドクターには、そんなことくらい容易に想像できた。最低でも2週間は、尋常ではない痛みが続き、少しでも動くと激痛で気を失ってしまうはずであったからである。それよりも何よりも、自分が縫合した内蔵の傷が開いたり、接合させた骨が外れたりすると最悪の事態が簡単にやってくるから、怒りがこみ上げてしまった。
「全く、しょうがない奴だ」
ドクターはあきれ顔で言った。
ドクター以外の他のクルーは、そんな裏事情など知る由もなく、セバスチャンとの再会を喜んだ。
それから4日で、ミロメシアはネルソンと重症患者の護衛つきで、天王星に到着した。
往路で天王星を出発してから、2か月近くが経過していた。
クリックが密航して、ミロネシアに乗り込んでいたことは、既にクリックの両親に伝えられており、クリックの両親からワトソン博士にも伝えられていた。
宙港にミロメシアが着くと、クリックは一番に船を飛び出して迎えに来ていた母親の胸に飛び込んだ。そんなクリックを父親がすぐに引き離し、「バカヤロー」と大声で怒鳴るのと同時に頭にゲンコツをくらわした。クリックは、そんな父親にも泣きながら、抱きついた。父親も、「本当にしょうがない奴だ」と言いながら目をうるませていた。そんな親子の再開シーンが続けられた。
一方で、じいさんとワトソン博士も無事に再開を果たすことができた。
「約束通り、帰ってきたぞ。2・3日予定よりかかってしまったがのう」
「上出来だよ。よく、無事に帰ってきたな」
二人は堅い握手を交わした。
「こっちも約束通り、装置も委員会も準備万端だよ。ほら、あそこに来ているのが準備委員会の中心メンバーになってくれる2人だよ」
ワトソン博士は、後ろの方で微笑んでいる2人を指さした。
じいさんは、その2人に歩み寄った。
「今、わしらは地球の人達を助けるために、一刻も早く戻らなくてはいかんのじゃ。すまんが、これからワトソン博士といっしょに土星へ行って、なんとか宗教紛争がなくなるよう尽力お願いしたい」
「何をおっしゃるのですか。我々は、我々の意思でこれまでも人類の平和のためにつくしてきたし、これからもそうするだけです。ミスター・ミハエル」
天王星では、ワトソン博士がハロゲン系の気体物質除去細菌の最終テストと宗教紛争解決委員会設立の準備を進めていてくれた。
ハロゲン系気体物質を貪る細菌は成層圏で拡散させると、ハロゲン系気体物質がオゾンを分解する化学反応に加わりオゾン分解を阻止し、それをエネルギーとして細胞分裂を繰り返す。そして、その細菌は対流圏まで落下すると逆に死滅する。これによって、ハロゲン系気体物質がなくなるまで、その細菌が生態系を保ち、ハロゲン系気体物質がなくなるとともに、細菌自身も自然消滅するというものだった。地上に落ちた細菌内のハロゲン系物質は、自然界に存在する他の物質と結びつき、その化合物として自然界に帰すというものであった。
ハロゲン系気体物質除去細菌とその培養容器と培養方法が、ワトソン博士からじいさんに手渡された。
「ありがとう。よくやってくれた。これで、ウィルスがどうのこうのというより、人類の歴史が大きく変わるだろう。ワトソン博士の残した功績は、永遠に語りつがれることになるだろう」
「子供のころからの夢だったんだ。300年以上も、紫外線の恐怖に苛まれ続けた人類をなんとか、救いたかった。その昔、フリッツ・ハーバーは、化学的に空中窒素を固定化させた。さらに、マルティヌス・ベイエリンクは、微生物による窒素固定法を発見した。大気中に、豊富に存在する窒素と、ほとんど存在しないハロゲン系気体物質とでは全く状況は違う。しかし、微生物によるハロゲン系気体物質固定ができるならば、一定以上のハロゲン系気体物質増加に歯止めがかけられるはずだと思い研究を続けてきたんだ」
さらにワトソン博士はじいさんに向かって、「ミハエル、一刻も早く地球に帰って、ハロゲン系気体物質除去細菌を散布してやってくれ。もちろん、その前に私はいっしょに土星まで行って、宗教紛争解決の道筋をつけさせてもらうがな」と言った。
「わかった。そうだな。ここで、ゆっくりしてはいられないな。クリックくん達と別れるのは名残惜しいが、そろそろ行こう」
じいさんは、ミロメシアのベッドで横たわっているセバスチャンを除いたみんなに向かって言った。
「クリック、またいっしょに行くか」
カズが、冗談でクリックに話しかけた。
「ダメだよね」
クリックは、目を白黒させて父親の方を見た。
「あたりまえだ。これ以上、皆さんに迷惑をかけてどうする。それに、おまえには、他にやることがあるだろう。宿題がいっぱいたまってるぞ」
「えぇー」と、クリックはしかめっ面をして、言った。
ワトソン博士は、「クリック、キミは今度私がここに帰ってくるまでに、宿題以外にいっぱいやることがあるぞ。私の助手になるためにはな」と言って、百冊以上の書物のタイトルの書いたメモを渡した。
これに対してクリックは、「はい、わかりました」と言って、今度は目を輝かせた。
この天王星で、クリックはミロメシアを降りることになったが、セバスチャンが帰ってきて、ワトソン博士に加えて、宗教紛争解決委員会設立の準備の2人も乗り込んで、土星に向かうことになった。土星へは、2週間程度で到着する予定であった。
ミロメシアは、丸1日ほどの休息だけで、再び飛び立った。
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