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第二章
第57話
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商会へと続く石畳を、私たちは死に物狂いで駆けていた。
フィンとアンリが先導して、まだパニックの余韻が残る群衆を強引にかき分けて道を作る。その後ろを、レオがテオの身体を冷やしながら慎重に抱えて走り、私はその横にぴったりと付き添い、彼の身体から命の光がこぼれ落ちないように、微弱な治癒の光を当て続けていた。
ヴァルトが私たちの背後を、全ての敵意から守るように固めている。
一番後ろを、カインさんに支えられるようにして、ジャックがふらふらとついてきていた。彼の蜂蜜色の瞳は、もう何も映してはいなかった。ただ、レオの腕の中でぐったりと揺れる、テオの小さな身体だけを、亡霊のように見つめている。
商会の立派な扉をフィンが蹴破るようにして開け、私たちは中に転がり込んだ。従業員たちが何事かと駆け寄ってくるが、アンリが「静かな部屋を!清潔な布と熱い湯を!」と一喝し、その場を掌握する。
すぐに一番奥にある、おそらくはジャックの私室であろう、豪華で、しかし今はがらんとした部屋のベッドへとテオは寝かされた。天蓋付きの子供の身体にはあまりにも大きすぎるベッド。そのシーツの白さが、テオの顔の青白さと、服に染み込んだおびただしい量の血の赤さを、残酷なまでに際立たせていた。
部屋には、私たちとジャック、そしてカインさんだけが残った。
先程までの戦場の喧騒が嘘のように、静かだ。聞こえるのは、テオのか細く、途切れ途切れな呼吸音と、魔力を使っている私の、荒い息遣いだけ。
この静かな空間で改めてテオの惨状を目の当たりにすると、仲間たちの顔に深い絶望と無力感が広がっていくのがわかった。フィンは唇を噛み締め、レオはシーツを握りしめて俯いている。
ジャックはベッドの脇に置かれた革張りのソファに崩れるように座り込んだ。彼はもう泣き叫ぶことすらしなかった。ただ、壊れた人形のようにテオを見つめている。自分の聖域で自分の宝物が今まさに死にかけている。その現実が彼の心を完全にへし折ってしまっていた。
私は一度だけ目を閉じ、大きく深呼吸をした。
ここで私が絶望するわけにはいかない。
私は再びテオのそばに膝をつき、彼の傷口に手をかざした。先程よりも、もっと強く、もっと純粋な治癒の光を。けれど、結果は同じだった。
「……っ!」
バチチッ、と激しい火花が散り、私の光はテオの身体に届く前に、黒い瘴気の壁に弾き返される。何度やっても、同じ。まるで、強力な磁石の同じ極同士を近づけているかのような、明確な「抵抗」があった。
希望が、目の前で、完全に断たれたかのように思えた。
「……だめ、なのか……」
レオのか細い声が静かな部屋に響く。
アンリも、フィンも言葉を発しない。それが何よりもの答えだった。
ジャックがソファの上でさらに小さく絶望の底へと沈んでいく気配がした。
(……いや)
待って。
本当に?
私は、研究員の父から教わったことを実践する。目の前で起きていることに絶望するのではなくただの「現象」として分析し始めていた。
(感情を切り離せ。事実だけを見ろ)
今、ここで起きていることは何か。
――私の治癒魔法が、テオの身体に「入らない」。
なぜ?
――瘴気が「抵抗」しているから。
どうやって?
――私の光を「押し返して」いる。
その力は、どこから?
――傷口の奥、彼の身体の内側から。
(……内側から、外側へ向かう、圧力……)
その考えに至った瞬間、私の頭の中で、全く関係のない、遠い記憶が閃光のように蘇った。
それは、公務員時代の治水計画に関する研修での一コマ。講師の大学教授が、高圧で水が噴き出す配水管のモデルを前に、熱弁をふるっていた。
『——いいかね、諸君! この高圧の容器に、外から無理やり液体を注入しようとしても、内と外の圧力が拮抗して入りはしない! だ、が、しかし! ここに、ほんのわずかな針穴を開け、そこから内部の圧力を少しだけ抜いてやるとどうなるか! 内外の圧力差が崩れ、外の液体は、いとも容易く中に流れ込んでいく! これが、流体力学の基礎だ!』
教授はそう言ってから、にやりと笑い、『まぁ、実際に外から水道管に水が入ったら汚染水になるがな、ははっ』と肩をすくめた。
そうだ。
これだ。
私は今、テオの身体という高圧容器に対して、外から無理やり治癒の光という液体を注入しようとしている。だから、内側の瘴気という圧力が拮抗して、弾き返される。
ならば。
やることは一つ。
瘴気を浄化するんじゃない。
瘴気を消し去ろうとするんじゃない。
この強固な瘴気の壁に、私がたった一つの「針穴」を開ける。
そして、そこから瘴気を「抜き」つつ、浄化した箇所から治癒の光を馴染ませていく。
それは、異世界の魔法という不可思議な現象を、私が持てる現代知識で無理やり解釈した、あまりにも荒唐無稽な仮説だった。けれど、その仮説は、私の頭の中で、驚くほどの確信に満ちていた。
私は、ゆっくりと顔を上げた。
仲間たちの、絶望に満ちた顔が、そこにあった。
「……一つだけ、方法がある」
私の声は静かな部屋に奇妙なほどはっきりと響いた。
全員の視線が一斉に私に突き刺さる。その中には、わずかな希望と、それ以上に大きな疑念が混じっていた。
私はゆっくりと立ち上がり、皆に向き直った。
「これから私がやろうとしていることは、多分、この世界の常識から大きく外れてる。……ううん、非常識そのものだと思う」
私は一度言葉を切り、自分の頭の中にあるあまりにも無謀な計画を、できるだけ正確に、冷静に説明し始めた。
「テオ君の身体の中の瘴気は、強い圧力を持って、私の治癒魔法を押し返してる。だから、何度やっても弾かれる。……だったら、その圧力を逆に利用する」
「利用する……ですか?」
アンリが、信じられないという顔で問い返す。
「ええ。まず、私の浄化の魔力を、髪の毛よりも細い、一本の針に変える。そして、その針で瘴気が一番濃い部分に、ほんの小さな穴を開けるの」
私の言葉に、全員が息を呑んだ。
「穴が開けば、中の瘴気はその圧力で外に噴き出してくる。私はその噴き出してくる瘴気だけを、出口で浄化し続ける。そうすれば、テオ君の身体に負担をかけずに、内側の圧力を下げることができる」
「圧力が下がったところに、治癒魔法を……?」
アンリの言葉に、私は頷いた。
「そう。瘴気が抜けて、浄化された箇所から今度は治癒の魔力を、じんわりと馴染ませるように浸透させていく。浄化と治癒、二つの魔法を同時かつ繊細にコントロールする必要があるわ」
それは聖女の力とは似ても似つかない、あまりにも外科的で精密な発想だった。
レオが青ざめた顔で呟く。
「そんな……そんな精密な魔力制御、聞いたことがありません……! 少しでも制御を誤れば、マリさんの言った通り、テオ君の身体に大きな負担がかかります……!」
「黙れ」
その時、今まで沈黙していたジャックが、低い地を這うような声で言った。
彼はソファからゆっくりと立ち上がり、私に向かって、殺気にも似た視線を向けた。
「……黙れよ。お前ら、何言ってんだ……? テオは、お前らの実験台じゃねえんだぞ……!」
彼の声は、怒りと絶望、そして懇願に濡れていた。
その通りだ。彼の言うことは何も間違っていない。私がやろうとしていることはあまりにも危険な成功率のわからないただの賭けだった。
けれど。
「これしか方法はない」
私は一歩も引かなかった。ジャックの射殺さんばかりの視線を、まっすぐに受け止める。
部屋の空気が、張り詰める。
重く凍りついた空気を破ったのは、ずっと私のそばにいた男の静かな声だった。
「……お前が決めたなら、俺は信じる」
ヴァルトだった。
彼は私の隣に立ち、ジャックに向かって、静かに、しかし、有無を言わせぬ力強さで言った。
「マリは、そういうヤツだ。諦めが悪い。引き際も悪い。だからこそ道をこじ開けることができる。俺はそれを知っている」
ヴァルトの言葉がジャックの心を、そして、仲間たちの心を静かに揺さぶった。
フィンが、アンリが、レオが、顔を見合わせる。そして彼らの瞳から疑念の色が消え、覚悟の色が宿っていくのがわかった。
ジャックはヴァルトの言葉にぐっと唇を噛み締めた。
私はもう一度、彼に向き直った。
「お願い。私に賭けてほしい」
私の声にジャックは、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。
「わかった。テオを頼む」
彼が呟いたのは最後の希望に全てを委ねる決断の言葉だった。
私は仲間たちを見回して口を開いた。
「治療の準備を始める。皆、力を貸して」
フィンとアンリが先導して、まだパニックの余韻が残る群衆を強引にかき分けて道を作る。その後ろを、レオがテオの身体を冷やしながら慎重に抱えて走り、私はその横にぴったりと付き添い、彼の身体から命の光がこぼれ落ちないように、微弱な治癒の光を当て続けていた。
ヴァルトが私たちの背後を、全ての敵意から守るように固めている。
一番後ろを、カインさんに支えられるようにして、ジャックがふらふらとついてきていた。彼の蜂蜜色の瞳は、もう何も映してはいなかった。ただ、レオの腕の中でぐったりと揺れる、テオの小さな身体だけを、亡霊のように見つめている。
商会の立派な扉をフィンが蹴破るようにして開け、私たちは中に転がり込んだ。従業員たちが何事かと駆け寄ってくるが、アンリが「静かな部屋を!清潔な布と熱い湯を!」と一喝し、その場を掌握する。
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この静かな空間で改めてテオの惨状を目の当たりにすると、仲間たちの顔に深い絶望と無力感が広がっていくのがわかった。フィンは唇を噛み締め、レオはシーツを握りしめて俯いている。
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私は一度だけ目を閉じ、大きく深呼吸をした。
ここで私が絶望するわけにはいかない。
私は再びテオのそばに膝をつき、彼の傷口に手をかざした。先程よりも、もっと強く、もっと純粋な治癒の光を。けれど、結果は同じだった。
「……っ!」
バチチッ、と激しい火花が散り、私の光はテオの身体に届く前に、黒い瘴気の壁に弾き返される。何度やっても、同じ。まるで、強力な磁石の同じ極同士を近づけているかのような、明確な「抵抗」があった。
希望が、目の前で、完全に断たれたかのように思えた。
「……だめ、なのか……」
レオのか細い声が静かな部屋に響く。
アンリも、フィンも言葉を発しない。それが何よりもの答えだった。
ジャックがソファの上でさらに小さく絶望の底へと沈んでいく気配がした。
(……いや)
待って。
本当に?
私は、研究員の父から教わったことを実践する。目の前で起きていることに絶望するのではなくただの「現象」として分析し始めていた。
(感情を切り離せ。事実だけを見ろ)
今、ここで起きていることは何か。
――私の治癒魔法が、テオの身体に「入らない」。
なぜ?
――瘴気が「抵抗」しているから。
どうやって?
――私の光を「押し返して」いる。
その力は、どこから?
――傷口の奥、彼の身体の内側から。
(……内側から、外側へ向かう、圧力……)
その考えに至った瞬間、私の頭の中で、全く関係のない、遠い記憶が閃光のように蘇った。
それは、公務員時代の治水計画に関する研修での一コマ。講師の大学教授が、高圧で水が噴き出す配水管のモデルを前に、熱弁をふるっていた。
『——いいかね、諸君! この高圧の容器に、外から無理やり液体を注入しようとしても、内と外の圧力が拮抗して入りはしない! だ、が、しかし! ここに、ほんのわずかな針穴を開け、そこから内部の圧力を少しだけ抜いてやるとどうなるか! 内外の圧力差が崩れ、外の液体は、いとも容易く中に流れ込んでいく! これが、流体力学の基礎だ!』
教授はそう言ってから、にやりと笑い、『まぁ、実際に外から水道管に水が入ったら汚染水になるがな、ははっ』と肩をすくめた。
そうだ。
これだ。
私は今、テオの身体という高圧容器に対して、外から無理やり治癒の光という液体を注入しようとしている。だから、内側の瘴気という圧力が拮抗して、弾き返される。
ならば。
やることは一つ。
瘴気を浄化するんじゃない。
瘴気を消し去ろうとするんじゃない。
この強固な瘴気の壁に、私がたった一つの「針穴」を開ける。
そして、そこから瘴気を「抜き」つつ、浄化した箇所から治癒の光を馴染ませていく。
それは、異世界の魔法という不可思議な現象を、私が持てる現代知識で無理やり解釈した、あまりにも荒唐無稽な仮説だった。けれど、その仮説は、私の頭の中で、驚くほどの確信に満ちていた。
私は、ゆっくりと顔を上げた。
仲間たちの、絶望に満ちた顔が、そこにあった。
「……一つだけ、方法がある」
私の声は静かな部屋に奇妙なほどはっきりと響いた。
全員の視線が一斉に私に突き刺さる。その中には、わずかな希望と、それ以上に大きな疑念が混じっていた。
私はゆっくりと立ち上がり、皆に向き直った。
「これから私がやろうとしていることは、多分、この世界の常識から大きく外れてる。……ううん、非常識そのものだと思う」
私は一度言葉を切り、自分の頭の中にあるあまりにも無謀な計画を、できるだけ正確に、冷静に説明し始めた。
「テオ君の身体の中の瘴気は、強い圧力を持って、私の治癒魔法を押し返してる。だから、何度やっても弾かれる。……だったら、その圧力を逆に利用する」
「利用する……ですか?」
アンリが、信じられないという顔で問い返す。
「ええ。まず、私の浄化の魔力を、髪の毛よりも細い、一本の針に変える。そして、その針で瘴気が一番濃い部分に、ほんの小さな穴を開けるの」
私の言葉に、全員が息を呑んだ。
「穴が開けば、中の瘴気はその圧力で外に噴き出してくる。私はその噴き出してくる瘴気だけを、出口で浄化し続ける。そうすれば、テオ君の身体に負担をかけずに、内側の圧力を下げることができる」
「圧力が下がったところに、治癒魔法を……?」
アンリの言葉に、私は頷いた。
「そう。瘴気が抜けて、浄化された箇所から今度は治癒の魔力を、じんわりと馴染ませるように浸透させていく。浄化と治癒、二つの魔法を同時かつ繊細にコントロールする必要があるわ」
それは聖女の力とは似ても似つかない、あまりにも外科的で精密な発想だった。
レオが青ざめた顔で呟く。
「そんな……そんな精密な魔力制御、聞いたことがありません……! 少しでも制御を誤れば、マリさんの言った通り、テオ君の身体に大きな負担がかかります……!」
「黙れ」
その時、今まで沈黙していたジャックが、低い地を這うような声で言った。
彼はソファからゆっくりと立ち上がり、私に向かって、殺気にも似た視線を向けた。
「……黙れよ。お前ら、何言ってんだ……? テオは、お前らの実験台じゃねえんだぞ……!」
彼の声は、怒りと絶望、そして懇願に濡れていた。
その通りだ。彼の言うことは何も間違っていない。私がやろうとしていることはあまりにも危険な成功率のわからないただの賭けだった。
けれど。
「これしか方法はない」
私は一歩も引かなかった。ジャックの射殺さんばかりの視線を、まっすぐに受け止める。
部屋の空気が、張り詰める。
重く凍りついた空気を破ったのは、ずっと私のそばにいた男の静かな声だった。
「……お前が決めたなら、俺は信じる」
ヴァルトだった。
彼は私の隣に立ち、ジャックに向かって、静かに、しかし、有無を言わせぬ力強さで言った。
「マリは、そういうヤツだ。諦めが悪い。引き際も悪い。だからこそ道をこじ開けることができる。俺はそれを知っている」
ヴァルトの言葉がジャックの心を、そして、仲間たちの心を静かに揺さぶった。
フィンが、アンリが、レオが、顔を見合わせる。そして彼らの瞳から疑念の色が消え、覚悟の色が宿っていくのがわかった。
ジャックはヴァルトの言葉にぐっと唇を噛み締めた。
私はもう一度、彼に向き直った。
「お願い。私に賭けてほしい」
私の声にジャックは、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。
「わかった。テオを頼む」
彼が呟いたのは最後の希望に全てを委ねる決断の言葉だった。
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