857 / 873
連載
騒がしい始まり⑬
書籍を手にしていただいたと報告を受ける度に感謝感謝です。私も早速書店さん(今回早めに)行きましたが、一巻はあっても、二巻がない。店員さんに声をかける度胸もなく退散してしまいました。ほかの作家さんのはあるのに、とおもいながら、今度は都会の書店さんに行ってみようと思います。
いいねが250万超えました、励みになります。いいね、くださった皆さんありがとうございます。
ホークさんから聞いていた、鷹の目の先代リーダーのワゾーさん。判断力と指導力のある、とても優秀な人だったそうだ。ホークさんに冒険者として必要な事を叩き込んでくれた。どうやら早くから、ホークさんにリーダー資質を見いだしたそうだ。天馬騎士の称号持ちだと知っていても、ホークさんの為に黙っていたし、本来忌避されがちな元修道院育ちのチュアンさんも、シスター・アモルの勧めがあったが、実際にチュアンさんと会い、言葉を僅かに交わしただけで、チュアンさんの真面目な性格を見抜いたそうだ。チュアンさんも、ワゾーさんにすごく感謝していた。マデリーンさんも体力も魔力も少ない時はすごくフォローしてもらったし、ミゲル君も引き受けてくれた時は、引退を考えていたそうだけど、ミゲル君のひいお婆さんのお願いに、ミゲル君が見習いを抜けるまでは現役を通した。エマちゃんとテオ君だって、ホークさんの気持ちを汲んで、二人が成人するまでの間にホークさんを鷹の目のリーダーとして引き継げるようにを色々指導してくれた。マデリーンさんのお姉さん、マリエナさんがそんな人柄に惚れ込んだって聞いた。
そして、何より、引退の時にワゾーさんからホークさんに引き継がれた鎧。鷹の目の皆さんが借金を背負い奴隷となってしまった、あのワイン護送の時、ホークさんとエマちゃんを守ってくれたのは、その引き継がれた鎧だ。かなり質の良い衝撃吸収の付与が施されていて、もしあれをオーダーメイドで作ったら、軽く百万を超す。中古として売りに出してもかなりの高額買い取りになるのに、ワゾーさんはそうせずに、ホークさんに引き継いだ。
結果。
ワイン護送の馬車の爆発に巻き込まれたが、その鎧に施された衝撃吸収の付与が、ホークさんとエマちゃんを守った。
もし、その爆発でホークさんが亡くなっていたら、私は鷹の目の皆さんを奴隷として受け入れることは出来なかった。私の出した、奴隷の条件、最も難易度が高い条件が、ノワールを乗りこなす、高位騎乗能力だったのだから。その能力を持っていたのがホークさんだけだった。実際に馬の王国、ジューバの民と交流があったケルンさんが、ホークさんの騎乗能力はそんかジューバの民の中でも飛び抜けていると、言わしめている。
鷹の目の皆さんが来てくれたから、ホークさんが無事であったから、今がある。
だって、イシスやアレス達がいた魔境にたどり着けなかったし、あの蜘蛛の襲来に駆けつける事が出来た。王冠山の事、ヤマタノオロチ対策、日頃からお世話になりっぱなしの鷹の目の皆さんが、今、ここにいるのは、ワゾーさんの行いの結果だ。
そして、色々要求してきて、迷惑だろう私の前に、ずっと年上であるはずのワゾーさんは、人目も気にせずにひれ伏している。
理由は分かっている。
ドラゴンポーションである劣化エリクサーだ。下級エリクサーより下位のもので、局所に効果に表す。エリクサーは身体全体に効くが、劣化エリクサーはその部分とその周りに影響する。例えば、肺の劣化エリクサーであれば、肺の欠損や腫瘍を癒し、その周囲の臓器、食道や心臓にも効果を表す。人の手で作れるのは、劣化エリクサーが限界である。下級エリクサーからはダンジョンからしか出ない。その理由はレシピがないのはそうだけど、材料の関係もあり、劣化エリクサーが限界だと聞いた。その劣化エリクサーの大事な材料の一つで、最も入手困難なものが、竜種の材料だ。もともと気軽に人の住む世界に出ずに、魔境の奥地にいるような竜種を手に入れるのは困難を極める。だけど、人々は滅多に出ない下級エリクサーより、手に入る率がある劣化エリクサー、ドラゴンポーションを待っている。
だから、竜種の出る『試練のダンジョン』は最重要保護ダンジョンに指定されている。
シーラの『試練のダンジョン』には竜種が出る。これは割と有名だけど、当然難易度の高いエリアでないと出ない。そのエリアは罠はあるし、ドラゴン以外にも強い魔物も出るので、気軽に行ける訳もない。しかも必ず遭遇するとは限らない。
シーラに向かう前にタージェルさんから聞いた。『試練のダンジョン』で竜種、レッサードラゴンが年に一、二回出るか出ないか、通常のドラゴン、マーファで出たドラゴンが二、三十年に一回だけど、ここ三年、『試練のダンジョン』で通常ドラゴンどころかレッサードラゴンすら確認されていない。だから、私達が向かうとなれば、かなり下層にも挑め、ちゅどんドカンし続ければ、フィールドもしくはボス部屋から竜種が出る可能性が高い。それだけの戦闘力を有しているからね。以前私が卸したドラゴンの内臓。あれは卸した先はユリアレーナのギルドであったので、それで出来上がったドラゴンポーションの殆どはユリアレーナで使われた。もちろん一部は友好国に輸出されたが、作られたドラゴンポーションの一割くらいだそうだ。一つの友好国に一割ではなく、マーランやアスラ王国、ここシーラ等を含めた複数の国に合わせて一割だ。
ワゾーさんはひれ伏したまま、続ける。
「どうか、どうか、お願い致しますっ」
必死に続ける。私にだってその言葉に偽りがないと分かるよ。
『ユイ、どうするのです?』
『どうするの? ホーク達の動揺も激しいわよ』
そうだろうなあ。ホークさん達にしたら恩人がひれ伏している。しかも、今のホークさん達の立場は、私の戦闘奴隷だと分かっている上で。奴隷に対してシビアな感情を持つ、国の中枢にあるギルドのど真ん中で。
たった一人で。
初めて、ドラゴンポーションで回復したと感謝の手紙の字は、子供の字だったと思い出す。
お母さんが治って、おうちにかえってきました。ありがとうございます。
治療手段が、魔法やポーションに偏るこの世界でのある意味最後の手段だ。重度な病気や身体の欠損を癒す、再生魔法を使える人は、国に一人か二人しかいないからね。
ワゾーさんは、そんな人達の為に、必死になっている。
よし、決めた。
「ホークさん、大丈夫ですから」
と、前に立つホークさんの腕に触れた。
いいねが250万超えました、励みになります。いいね、くださった皆さんありがとうございます。
ホークさんから聞いていた、鷹の目の先代リーダーのワゾーさん。判断力と指導力のある、とても優秀な人だったそうだ。ホークさんに冒険者として必要な事を叩き込んでくれた。どうやら早くから、ホークさんにリーダー資質を見いだしたそうだ。天馬騎士の称号持ちだと知っていても、ホークさんの為に黙っていたし、本来忌避されがちな元修道院育ちのチュアンさんも、シスター・アモルの勧めがあったが、実際にチュアンさんと会い、言葉を僅かに交わしただけで、チュアンさんの真面目な性格を見抜いたそうだ。チュアンさんも、ワゾーさんにすごく感謝していた。マデリーンさんも体力も魔力も少ない時はすごくフォローしてもらったし、ミゲル君も引き受けてくれた時は、引退を考えていたそうだけど、ミゲル君のひいお婆さんのお願いに、ミゲル君が見習いを抜けるまでは現役を通した。エマちゃんとテオ君だって、ホークさんの気持ちを汲んで、二人が成人するまでの間にホークさんを鷹の目のリーダーとして引き継げるようにを色々指導してくれた。マデリーンさんのお姉さん、マリエナさんがそんな人柄に惚れ込んだって聞いた。
そして、何より、引退の時にワゾーさんからホークさんに引き継がれた鎧。鷹の目の皆さんが借金を背負い奴隷となってしまった、あのワイン護送の時、ホークさんとエマちゃんを守ってくれたのは、その引き継がれた鎧だ。かなり質の良い衝撃吸収の付与が施されていて、もしあれをオーダーメイドで作ったら、軽く百万を超す。中古として売りに出してもかなりの高額買い取りになるのに、ワゾーさんはそうせずに、ホークさんに引き継いだ。
結果。
ワイン護送の馬車の爆発に巻き込まれたが、その鎧に施された衝撃吸収の付与が、ホークさんとエマちゃんを守った。
もし、その爆発でホークさんが亡くなっていたら、私は鷹の目の皆さんを奴隷として受け入れることは出来なかった。私の出した、奴隷の条件、最も難易度が高い条件が、ノワールを乗りこなす、高位騎乗能力だったのだから。その能力を持っていたのがホークさんだけだった。実際に馬の王国、ジューバの民と交流があったケルンさんが、ホークさんの騎乗能力はそんかジューバの民の中でも飛び抜けていると、言わしめている。
鷹の目の皆さんが来てくれたから、ホークさんが無事であったから、今がある。
だって、イシスやアレス達がいた魔境にたどり着けなかったし、あの蜘蛛の襲来に駆けつける事が出来た。王冠山の事、ヤマタノオロチ対策、日頃からお世話になりっぱなしの鷹の目の皆さんが、今、ここにいるのは、ワゾーさんの行いの結果だ。
そして、色々要求してきて、迷惑だろう私の前に、ずっと年上であるはずのワゾーさんは、人目も気にせずにひれ伏している。
理由は分かっている。
ドラゴンポーションである劣化エリクサーだ。下級エリクサーより下位のもので、局所に効果に表す。エリクサーは身体全体に効くが、劣化エリクサーはその部分とその周りに影響する。例えば、肺の劣化エリクサーであれば、肺の欠損や腫瘍を癒し、その周囲の臓器、食道や心臓にも効果を表す。人の手で作れるのは、劣化エリクサーが限界である。下級エリクサーからはダンジョンからしか出ない。その理由はレシピがないのはそうだけど、材料の関係もあり、劣化エリクサーが限界だと聞いた。その劣化エリクサーの大事な材料の一つで、最も入手困難なものが、竜種の材料だ。もともと気軽に人の住む世界に出ずに、魔境の奥地にいるような竜種を手に入れるのは困難を極める。だけど、人々は滅多に出ない下級エリクサーより、手に入る率がある劣化エリクサー、ドラゴンポーションを待っている。
だから、竜種の出る『試練のダンジョン』は最重要保護ダンジョンに指定されている。
シーラの『試練のダンジョン』には竜種が出る。これは割と有名だけど、当然難易度の高いエリアでないと出ない。そのエリアは罠はあるし、ドラゴン以外にも強い魔物も出るので、気軽に行ける訳もない。しかも必ず遭遇するとは限らない。
シーラに向かう前にタージェルさんから聞いた。『試練のダンジョン』で竜種、レッサードラゴンが年に一、二回出るか出ないか、通常のドラゴン、マーファで出たドラゴンが二、三十年に一回だけど、ここ三年、『試練のダンジョン』で通常ドラゴンどころかレッサードラゴンすら確認されていない。だから、私達が向かうとなれば、かなり下層にも挑め、ちゅどんドカンし続ければ、フィールドもしくはボス部屋から竜種が出る可能性が高い。それだけの戦闘力を有しているからね。以前私が卸したドラゴンの内臓。あれは卸した先はユリアレーナのギルドであったので、それで出来上がったドラゴンポーションの殆どはユリアレーナで使われた。もちろん一部は友好国に輸出されたが、作られたドラゴンポーションの一割くらいだそうだ。一つの友好国に一割ではなく、マーランやアスラ王国、ここシーラ等を含めた複数の国に合わせて一割だ。
ワゾーさんはひれ伏したまま、続ける。
「どうか、どうか、お願い致しますっ」
必死に続ける。私にだってその言葉に偽りがないと分かるよ。
『ユイ、どうするのです?』
『どうするの? ホーク達の動揺も激しいわよ』
そうだろうなあ。ホークさん達にしたら恩人がひれ伏している。しかも、今のホークさん達の立場は、私の戦闘奴隷だと分かっている上で。奴隷に対してシビアな感情を持つ、国の中枢にあるギルドのど真ん中で。
たった一人で。
初めて、ドラゴンポーションで回復したと感謝の手紙の字は、子供の字だったと思い出す。
お母さんが治って、おうちにかえってきました。ありがとうございます。
治療手段が、魔法やポーションに偏るこの世界でのある意味最後の手段だ。重度な病気や身体の欠損を癒す、再生魔法を使える人は、国に一人か二人しかいないからね。
ワゾーさんは、そんな人達の為に、必死になっている。
よし、決めた。
「ホークさん、大丈夫ですから」
と、前に立つホークさんの腕に触れた。
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!