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連載
治験始動①
姿を現したのは、すらっとした金髪碧眼の男性。歳は20代半ばくらいの、まあ、イケメン。爽やかイケメン。身なりもいい。
少しばつの悪そうな顔だ。
「失礼、盗み聞きして」
会釈する男性。
どちら様だろう?
「こちらの方は」
リティアさんが紹介しようとするが、金髪イケメンさんが手で制する。
「初めまして。私はここマーファを治める伯爵の息子。セザール・ハルスフォンと申します」
わあ、来た、貴族の方。
慌てて私と晃太が立ち上がり頭を下げる。
「どうぞ、頭を上げてください。父からあなた方に接触はしないように、と言われていたのですが。運がよければ、廊下ですれ違いを装って、挨拶くらいできないかと思いまして」
促されて、着席する私と晃太。
「なぜ、私達と?」
「これだけの従魔を従えている事もそうですが。あなた方がかなりのドロップ品を回してくれたお陰で、マーファはかつての賑わいを取り戻しつつあります。父も深く感謝しています」
いえいえ。すべてはビアンカとルージュのお陰です。
「それで、先程のお話ですが、私も同席してもよろしいでしょうか?」
ちら、とビアンカとルージュを見る。
『大丈夫なのです』
『悪意はないわ。興味津々ね』
大丈夫みたいやね。
「はい。素人の考えですが」
私はアイテムボックスから、企画書を出す。受け取ってくれたのは、ダワーさん。
「拝見します」
ダワーさんは片目を細めて見ている。
「確かに、いろいろ問題はありますが、これが上手く行けばたくさんの子供が救われますな」
企画書をリティアさんとセザールさん、いや様が見る。
「これが無理なら、せめて薬の製造にご協力頂ければ」
「お待ちください。これは是非、始動するべきです」
セザール様が手を上げる。
「確かに、問題点はありますが、画期的な考えです。子供の死亡率を下げる事が出来れば、自然と女性の死亡率・自殺率も下がるはず」
「え?」
リティアさんが代わりに説明してくれる。
子供の死亡率は高い。やはり風邪等による感染性疾患が原因だったりする。抵抗力がつくまでに成長できない。だから、半成人式で、成長したお祝いと感謝をすると。
子供が育たない、だから、産む。その考えが今でもどこかにあり、それが多産の傾向となる。特に農村地帯では色濃いそうだ。子供は貴重な労働力と考えていられるからだ。しかし、妊娠・出産は女性にとってはリスクが高い。死産もそうだし、産褥熱などで亡くなる事だってある。
「そして、やっと産んだ子供を亡くした母親の、後追い自殺をする者が絶えません」
「そうですか………」
医療が進んでいない、歪みなんだろうなあ。嘆くフィナさんの姿が浮かぶ。もし、あのまま、ダイアナちゃんが亡くなったら、フィナさんが、と思う。頭を振る。
「どうだ、薬師ギルドとしての考えは?」
「そうですな…………」
熱心に話し出すセザールさんとダワーさん。
こっそり、リティアさんが耳打ち。
「セザール様には妹様がいたのですが、幼い頃に亡くなっています」
「だからですか」
妹さんを亡くして、その悲しみを知っている人なのか。
企画書を熱心に話し込んでいる。入る隙間はなし。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
「あのさ、こん話をこん人に任せたら? わいらが言い出した事やけど、やっぱり地位のある人の方がスムーズに行かんね?」
「まあ、確かに」
一般人と爵位のある人では、発言力が違う。多分スムーズに話が進むだろう。只でさえ、ビアンカとルージュを連れているので目立つのに、もし、この企画書が通ったら。
「あの」
私は手を上げる。
「はい、なんでしょう?」
ダワーさんが企画書から顔を上げる。
「その企画書を、そちらで考えた事にできません?」
「「「はい?」」」
異口同音。
「あのですね。私達みたいな者が言い出すより、ギルドや伯爵様が発起人になってもらった方がいいと思うんです。もちろん、抗生剤や解熱剤のレシピは提供します。私達では分からない事だらけですから」
顔を見合わせる面々。
「そうしますと、あなた方の功績にはなりませんよ」
セザール様が困惑気味に答えてくれる。
「別にそう言うのはいりません。私達は十分今幸せですから。これが上手く行けば、他の誰かが幸せになるなら、それはそれで私達は十分なんです」
家族がいる。
ビアンカやルージュ達がいる。
時空神様からの『ルーム』で、生活に困らない。
私達には、すでに十分なもの。
だけど、セザール様達は更に困惑して、顔を見合わせる。
「しかし…………」
まだ、言い淀むセザール様。
「なら、私達は出資者という形で参加はダメでしょうか? 多分治験にかなりの額が必要になるはずです。こちらから言い出した事ですから、出来るだけの出資をします。なので、難しい話や処理の手続きをお願いできません?」
「しかし、かなり長い期間配当金がない可能性がありますよ」
「あ、大丈夫です。そういうのは」
押し問答の末、受けてくれた。
こんな流れになった。
私達が考えた抗生剤や解熱剤に目をつけて、この話を持ちかけた。それに私達が賛同した、という形になった。
発起人はセザールさんとマーファ薬師ギルドとなる。
「必ず成功させます」
「よろしくお願いします」
詳しく話を詰めるため、セザール様とダワーさんが挨拶して退室する。抗生剤と解熱剤の作製も、薬師ギルドが請け負ってくれた。レシピも渡した。
良かった、何とかなりそうや。
「ミズサワ様、よろしかったのですか?」
リティアさんが聞いてくる。
「別に、私達は問題ありません。こちらとしてもありがたいですからね」
個人でやったら、絶対無理だらかね。多分、とんでもなく大変な処理が必要だろうから、我々には不可能な事だ。こちらがありがとうございますだ。
「そうですか。でも、これが上手く行けば、セザール様も何の問題なくフェリアレーナ様を迎える事ができますね」
「フェリアレーナ様?」
「あら、ご存じありません? セザール様は第一王女のフェリアレーナ様とご婚約されているんですよ」
「そうなんですか。私達、ユリアレーナに来て間もないので」
「そうでございましたね。失礼しました」
「何が問題なんです? セザール様、しっかりしてそうだし、誠実そうなのに」
見た感じね。あの召喚した時見たディレナスの王子には、ない空気があった。鼻持ちならない、見下し感はなかった。私達みたいな、木っ端庶民に対しても、礼儀正しいし。
あー、と、リティアさん。
「セザール様に問題はないんですよ。ミズサワ様はユリアレーナに来たばかりで、きっとご存じありませんね。ユリアレーナの膿を」
「膿?」
なんだそりゃ?
「フェリアレーナ様は第二側室様のご息女です。問題は王妃です、その王妃が執拗に邪魔をしているんですよ」
少しばつの悪そうな顔だ。
「失礼、盗み聞きして」
会釈する男性。
どちら様だろう?
「こちらの方は」
リティアさんが紹介しようとするが、金髪イケメンさんが手で制する。
「初めまして。私はここマーファを治める伯爵の息子。セザール・ハルスフォンと申します」
わあ、来た、貴族の方。
慌てて私と晃太が立ち上がり頭を下げる。
「どうぞ、頭を上げてください。父からあなた方に接触はしないように、と言われていたのですが。運がよければ、廊下ですれ違いを装って、挨拶くらいできないかと思いまして」
促されて、着席する私と晃太。
「なぜ、私達と?」
「これだけの従魔を従えている事もそうですが。あなた方がかなりのドロップ品を回してくれたお陰で、マーファはかつての賑わいを取り戻しつつあります。父も深く感謝しています」
いえいえ。すべてはビアンカとルージュのお陰です。
「それで、先程のお話ですが、私も同席してもよろしいでしょうか?」
ちら、とビアンカとルージュを見る。
『大丈夫なのです』
『悪意はないわ。興味津々ね』
大丈夫みたいやね。
「はい。素人の考えですが」
私はアイテムボックスから、企画書を出す。受け取ってくれたのは、ダワーさん。
「拝見します」
ダワーさんは片目を細めて見ている。
「確かに、いろいろ問題はありますが、これが上手く行けばたくさんの子供が救われますな」
企画書をリティアさんとセザールさん、いや様が見る。
「これが無理なら、せめて薬の製造にご協力頂ければ」
「お待ちください。これは是非、始動するべきです」
セザール様が手を上げる。
「確かに、問題点はありますが、画期的な考えです。子供の死亡率を下げる事が出来れば、自然と女性の死亡率・自殺率も下がるはず」
「え?」
リティアさんが代わりに説明してくれる。
子供の死亡率は高い。やはり風邪等による感染性疾患が原因だったりする。抵抗力がつくまでに成長できない。だから、半成人式で、成長したお祝いと感謝をすると。
子供が育たない、だから、産む。その考えが今でもどこかにあり、それが多産の傾向となる。特に農村地帯では色濃いそうだ。子供は貴重な労働力と考えていられるからだ。しかし、妊娠・出産は女性にとってはリスクが高い。死産もそうだし、産褥熱などで亡くなる事だってある。
「そして、やっと産んだ子供を亡くした母親の、後追い自殺をする者が絶えません」
「そうですか………」
医療が進んでいない、歪みなんだろうなあ。嘆くフィナさんの姿が浮かぶ。もし、あのまま、ダイアナちゃんが亡くなったら、フィナさんが、と思う。頭を振る。
「どうだ、薬師ギルドとしての考えは?」
「そうですな…………」
熱心に話し出すセザールさんとダワーさん。
こっそり、リティアさんが耳打ち。
「セザール様には妹様がいたのですが、幼い頃に亡くなっています」
「だからですか」
妹さんを亡くして、その悲しみを知っている人なのか。
企画書を熱心に話し込んでいる。入る隙間はなし。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
「あのさ、こん話をこん人に任せたら? わいらが言い出した事やけど、やっぱり地位のある人の方がスムーズに行かんね?」
「まあ、確かに」
一般人と爵位のある人では、発言力が違う。多分スムーズに話が進むだろう。只でさえ、ビアンカとルージュを連れているので目立つのに、もし、この企画書が通ったら。
「あの」
私は手を上げる。
「はい、なんでしょう?」
ダワーさんが企画書から顔を上げる。
「その企画書を、そちらで考えた事にできません?」
「「「はい?」」」
異口同音。
「あのですね。私達みたいな者が言い出すより、ギルドや伯爵様が発起人になってもらった方がいいと思うんです。もちろん、抗生剤や解熱剤のレシピは提供します。私達では分からない事だらけですから」
顔を見合わせる面々。
「そうしますと、あなた方の功績にはなりませんよ」
セザール様が困惑気味に答えてくれる。
「別にそう言うのはいりません。私達は十分今幸せですから。これが上手く行けば、他の誰かが幸せになるなら、それはそれで私達は十分なんです」
家族がいる。
ビアンカやルージュ達がいる。
時空神様からの『ルーム』で、生活に困らない。
私達には、すでに十分なもの。
だけど、セザール様達は更に困惑して、顔を見合わせる。
「しかし…………」
まだ、言い淀むセザール様。
「なら、私達は出資者という形で参加はダメでしょうか? 多分治験にかなりの額が必要になるはずです。こちらから言い出した事ですから、出来るだけの出資をします。なので、難しい話や処理の手続きをお願いできません?」
「しかし、かなり長い期間配当金がない可能性がありますよ」
「あ、大丈夫です。そういうのは」
押し問答の末、受けてくれた。
こんな流れになった。
私達が考えた抗生剤や解熱剤に目をつけて、この話を持ちかけた。それに私達が賛同した、という形になった。
発起人はセザールさんとマーファ薬師ギルドとなる。
「必ず成功させます」
「よろしくお願いします」
詳しく話を詰めるため、セザール様とダワーさんが挨拶して退室する。抗生剤と解熱剤の作製も、薬師ギルドが請け負ってくれた。レシピも渡した。
良かった、何とかなりそうや。
「ミズサワ様、よろしかったのですか?」
リティアさんが聞いてくる。
「別に、私達は問題ありません。こちらとしてもありがたいですからね」
個人でやったら、絶対無理だらかね。多分、とんでもなく大変な処理が必要だろうから、我々には不可能な事だ。こちらがありがとうございますだ。
「そうですか。でも、これが上手く行けば、セザール様も何の問題なくフェリアレーナ様を迎える事ができますね」
「フェリアレーナ様?」
「あら、ご存じありません? セザール様は第一王女のフェリアレーナ様とご婚約されているんですよ」
「そうなんですか。私達、ユリアレーナに来て間もないので」
「そうでございましたね。失礼しました」
「何が問題なんです? セザール様、しっかりしてそうだし、誠実そうなのに」
見た感じね。あの召喚した時見たディレナスの王子には、ない空気があった。鼻持ちならない、見下し感はなかった。私達みたいな、木っ端庶民に対しても、礼儀正しいし。
あー、と、リティアさん。
「セザール様に問題はないんですよ。ミズサワ様はユリアレーナに来たばかりで、きっとご存じありませんね。ユリアレーナの膿を」
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