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治験始動④
午後からパーカーさんのお店に。
私とビアンカとルージュのみ。両親と晃太は、孤児院に持っていく服や靴、タオル等の日用品を数えて、不足分のチェックだ。現在の孤児は80名。
「ミズサワさん、パンありがとうございます。どれも美味しかったです」
迎えに来てくれたロッシュさんが、お礼を言ってきた。
「良かったです。足りました?」
多分食べ盛り男性5人だから、足りなかったんじゃないかな?
「はい。ありがとうございます」
足りたようだ。良かった。
パーカーさんのお店に問題なく到着。
お店にお客さんがいないのを、確認する。
「ごめんください」
「ああ、ミズサワさんっ」
パーカーさんが駆け寄って来た。
「ダイアナがよくなったのは、すべてミズサワさんのお陰です。本当にありがとうございます」
深く頭を下げるパーカーさん、奥からジョシュアさんとパトリックさんが出てきて並んで頭を下げる。ダイアナちゃんは元気に無料の読み書き教室に、再び通っていると。
「皆さんが、看病したからですよ。それでですね。薬の件でご報告が」
店舗の奥の応接室に通され、私が企画書の件を説明。ビアンカとルージュは、外でロッシュさんとシュタインさんと待ってもらう。
「せっかくお知恵を借りたのですが、私達では荷が重くて、セザール様と薬師ギルドにおまかせすることになりました」
「そうですか。私達に異論はございません。ダイアナを救って頂いたお礼にもなりません」
パーカーさんは息をつく。
「これがうまく行けば、たくさんの子供が救われます。私達のように、救われる家族もいるでしょう。ぜひ、成功してほしいです」
心底そう思っているパーカーさんの言葉には、切実なものが滲んでいる。
「そうですね。そう、願います。あ、これダンジョンのお土産です」
私はアイテムボックスから果物や牛乳瓶、モッツァレラチーズを出す。
「そんな、こんな高価なもの頂けません」
「大丈夫ですよ。ビアンカとルージュのお陰で、とんでもない数が手に入りましたから」
ちゅどん、どかん、で。
私がこんな感じで拾いましたと、言うと、パーカーさん達の顔から表情が一瞬消える。
「多分また冷蔵庫ダンジョンに行くと思うので、どうぞどうぞ。ダイアナちゃんに食べさせてください」
「ミズサワさん、ありがとうございました」
受け取ってくれた。それからちょっとお話しして、お店を出る。パーカーさん達が、丁寧に見送ってくれた。
『ユイ、ユイ、いつダンジョン行くのです?』
『明日?』
さすがの聴覚だね。
「聞こえとったね? 来週ギルドに行かんといかんし、孤児院にも行かんといかんし。行けても2、3日よ」
『いいのです』
『ダンジョンダンジョン』
どんだけ戦いたいんね。
まあ、あの貝柱ほしいかな。
「ユイさん、ダンジョンに行かれるんですか?」
シュタインさんが聞いてくる。
「すぐには行きませんけど。近々行くと思います」
『『ダンジョンダンジョンダンジョン』』
「合唱せんで」
帰りにビアンカとルージュが屋台を覗くため、大量に購入。
『ユイ、あれも食べたいのです』
『あれも食べたいわ』
「無理たい、アイテムボックスがパンパンたい、もう入らんばい」
私のアイテムボックスの許容オーバーなのか、お肉の串焼きが途中で入らない。こんな時、晃太のアイテムボックスSSSがうらやましい。
他の屋台の主人らしき人が、がーん、みたいな顔だ。うちわでせっせと匂いを送ってくれていたのに。
「ユイさん、持ちますよ。俺達はそれも仕事ですから」
シュタインさんが言ってくれたが、申し訳ない。
『気が利くのです』
『そうね』
「あのね、お二人さん」
いくらなんでも、と思ったけど、キラキラなお目目に負けて、持てる範囲で購入してしまった。すみません、ロッシュさん、シュタインさん。
2日後。
私達は総出で孤児院へ。ノワールだけ、お留守番。ニンジンをあげたら、上機嫌でブヒヒヒンッ。
あの巨大貝柱で作ったクラムチャウダー持参して。
「あ、おばちゃんっ」
わー、と子供達が母に集まる。あははん、私じゃなくて良かった。
「おばちゃんっ」
「あの丸いお肉入ったシチュー食べたいっ」
「お腹すいたっ」
母は笑顔だ。
「今日はね、貝柱の入ったシチューよ~」
「「「わーいっ」」」
私とビアンカとルージュ、5匹の仔達、シュタインさんとハジェル君は庭に出る。元気とコハクはリード装着。ハジェル君と走り回る子供達は楽しそうだ。私とシュタインさんも一緒に遊ぶ。これは明日筋肉痛やな。ビアンカとルージュはおとなしくお座り。その背中によじ登る子供達にシスターが、落ちないように必死についている。ちょっと人見知りのルリとクリスには、説明したら、年長の子供達が優しく撫でている。ヒスイは私の足元にぴったりだ。子供達に飛びかかりそうな、元気とコハクのリードを握る。肩、抜けそう。途中でシュタインさんにもリードを持ってもらった。
しばらくして、シスターがお昼のお知らせ。
子供達が、わー、と向かって行く。
『やっと行ったのです』
『疲れるわ』
「あはは、お疲れさん」
ぺたり、となるビアンカとルージュ。
「あわわわッ」
ハジェル君が悲鳴を上げる。元気がポケットに食らいついている。好きねポケット。そして引っ張られるシュタインさん。
「こら、元気、ダメよ」
『元気、やめるのです』
必死にポケットに食らいつく元気。首と尻尾を左右に振って、生地が悲鳴を上げる。食らいつく元気の口を開けようとしたが、がっちり噛んでいる。
一気に首を振るパワーが増す。
あ、破れる。
ビリリリリッ
「あーッ」
あ、ポケットがっ。
ポケットを食いちぎった元気は、それを意気揚々と振り回す。リードを持ってもらっていたシュタインさんもどうしていいかわからない顔だ。コハクまでそのポケットの残骸目掛けて飛びかかり、しっちゃかめっちゃかだ。ビアンカに元気を押さえてもらい、やっとこさ無事にポケット回収。
「ごめんねハジェル君、弁償するけん」
その前に、母に直してもらえるか見てもらおう。微妙に肌色が覗いている。
「ポケットくらいですから、大丈夫です」
「そんな訳には行かないですよ。母にせめて応急措置してもらいますから」
ポケットの残骸に向かってジャンプする元気とコハクに、引き倒されそうになり、とりあえずアイテムボックスに入れる。
母達が来て、ポケットの件を説明。謝罪してチェックすると、なんとかなりそうだと。
元気に、め、していたけど、当人は分かってない。尻尾振って、へっへ言ってる。
帰り際、院長先生が来て、応接室に案内された。
シュタインさんとハジェル君には、そのまま庭にいてもらう。元気達がいるからね。ビアンカとルージュはそのままお昼寝してる。
「この度は本当にありがとうございます。デニスが元気になり、またたくさんの服や靴、食事と本当にありがとうございます」
深く感謝される。
シスターがハーブティーを淹れてくれる。
建物の件についても説明する。
「もしかしたら、業者さんが来るかもしれませんので」
「そんな。これだけの事をしてただいたのに」
「ほとんどが従魔が稼いだので、気にしないでください」
マーファに来て4億くらい転がり込んで来たけど、実感がないのが怖い。ドロップ品拾ったくらいだし。まだ、これからも入るだろう。そうなれば、何かおかしくなりそうで怖い。
恐縮する院長先生に、なんとか納得してもらい、庭に戻る。
そこには、もうひとつのハジェル君のポケットを食い千切り、咥えて走る元気がいた。
私とビアンカとルージュのみ。両親と晃太は、孤児院に持っていく服や靴、タオル等の日用品を数えて、不足分のチェックだ。現在の孤児は80名。
「ミズサワさん、パンありがとうございます。どれも美味しかったです」
迎えに来てくれたロッシュさんが、お礼を言ってきた。
「良かったです。足りました?」
多分食べ盛り男性5人だから、足りなかったんじゃないかな?
「はい。ありがとうございます」
足りたようだ。良かった。
パーカーさんのお店に問題なく到着。
お店にお客さんがいないのを、確認する。
「ごめんください」
「ああ、ミズサワさんっ」
パーカーさんが駆け寄って来た。
「ダイアナがよくなったのは、すべてミズサワさんのお陰です。本当にありがとうございます」
深く頭を下げるパーカーさん、奥からジョシュアさんとパトリックさんが出てきて並んで頭を下げる。ダイアナちゃんは元気に無料の読み書き教室に、再び通っていると。
「皆さんが、看病したからですよ。それでですね。薬の件でご報告が」
店舗の奥の応接室に通され、私が企画書の件を説明。ビアンカとルージュは、外でロッシュさんとシュタインさんと待ってもらう。
「せっかくお知恵を借りたのですが、私達では荷が重くて、セザール様と薬師ギルドにおまかせすることになりました」
「そうですか。私達に異論はございません。ダイアナを救って頂いたお礼にもなりません」
パーカーさんは息をつく。
「これがうまく行けば、たくさんの子供が救われます。私達のように、救われる家族もいるでしょう。ぜひ、成功してほしいです」
心底そう思っているパーカーさんの言葉には、切実なものが滲んでいる。
「そうですね。そう、願います。あ、これダンジョンのお土産です」
私はアイテムボックスから果物や牛乳瓶、モッツァレラチーズを出す。
「そんな、こんな高価なもの頂けません」
「大丈夫ですよ。ビアンカとルージュのお陰で、とんでもない数が手に入りましたから」
ちゅどん、どかん、で。
私がこんな感じで拾いましたと、言うと、パーカーさん達の顔から表情が一瞬消える。
「多分また冷蔵庫ダンジョンに行くと思うので、どうぞどうぞ。ダイアナちゃんに食べさせてください」
「ミズサワさん、ありがとうございました」
受け取ってくれた。それからちょっとお話しして、お店を出る。パーカーさん達が、丁寧に見送ってくれた。
『ユイ、ユイ、いつダンジョン行くのです?』
『明日?』
さすがの聴覚だね。
「聞こえとったね? 来週ギルドに行かんといかんし、孤児院にも行かんといかんし。行けても2、3日よ」
『いいのです』
『ダンジョンダンジョン』
どんだけ戦いたいんね。
まあ、あの貝柱ほしいかな。
「ユイさん、ダンジョンに行かれるんですか?」
シュタインさんが聞いてくる。
「すぐには行きませんけど。近々行くと思います」
『『ダンジョンダンジョンダンジョン』』
「合唱せんで」
帰りにビアンカとルージュが屋台を覗くため、大量に購入。
『ユイ、あれも食べたいのです』
『あれも食べたいわ』
「無理たい、アイテムボックスがパンパンたい、もう入らんばい」
私のアイテムボックスの許容オーバーなのか、お肉の串焼きが途中で入らない。こんな時、晃太のアイテムボックスSSSがうらやましい。
他の屋台の主人らしき人が、がーん、みたいな顔だ。うちわでせっせと匂いを送ってくれていたのに。
「ユイさん、持ちますよ。俺達はそれも仕事ですから」
シュタインさんが言ってくれたが、申し訳ない。
『気が利くのです』
『そうね』
「あのね、お二人さん」
いくらなんでも、と思ったけど、キラキラなお目目に負けて、持てる範囲で購入してしまった。すみません、ロッシュさん、シュタインさん。
2日後。
私達は総出で孤児院へ。ノワールだけ、お留守番。ニンジンをあげたら、上機嫌でブヒヒヒンッ。
あの巨大貝柱で作ったクラムチャウダー持参して。
「あ、おばちゃんっ」
わー、と子供達が母に集まる。あははん、私じゃなくて良かった。
「おばちゃんっ」
「あの丸いお肉入ったシチュー食べたいっ」
「お腹すいたっ」
母は笑顔だ。
「今日はね、貝柱の入ったシチューよ~」
「「「わーいっ」」」
私とビアンカとルージュ、5匹の仔達、シュタインさんとハジェル君は庭に出る。元気とコハクはリード装着。ハジェル君と走り回る子供達は楽しそうだ。私とシュタインさんも一緒に遊ぶ。これは明日筋肉痛やな。ビアンカとルージュはおとなしくお座り。その背中によじ登る子供達にシスターが、落ちないように必死についている。ちょっと人見知りのルリとクリスには、説明したら、年長の子供達が優しく撫でている。ヒスイは私の足元にぴったりだ。子供達に飛びかかりそうな、元気とコハクのリードを握る。肩、抜けそう。途中でシュタインさんにもリードを持ってもらった。
しばらくして、シスターがお昼のお知らせ。
子供達が、わー、と向かって行く。
『やっと行ったのです』
『疲れるわ』
「あはは、お疲れさん」
ぺたり、となるビアンカとルージュ。
「あわわわッ」
ハジェル君が悲鳴を上げる。元気がポケットに食らいついている。好きねポケット。そして引っ張られるシュタインさん。
「こら、元気、ダメよ」
『元気、やめるのです』
必死にポケットに食らいつく元気。首と尻尾を左右に振って、生地が悲鳴を上げる。食らいつく元気の口を開けようとしたが、がっちり噛んでいる。
一気に首を振るパワーが増す。
あ、破れる。
ビリリリリッ
「あーッ」
あ、ポケットがっ。
ポケットを食いちぎった元気は、それを意気揚々と振り回す。リードを持ってもらっていたシュタインさんもどうしていいかわからない顔だ。コハクまでそのポケットの残骸目掛けて飛びかかり、しっちゃかめっちゃかだ。ビアンカに元気を押さえてもらい、やっとこさ無事にポケット回収。
「ごめんねハジェル君、弁償するけん」
その前に、母に直してもらえるか見てもらおう。微妙に肌色が覗いている。
「ポケットくらいですから、大丈夫です」
「そんな訳には行かないですよ。母にせめて応急措置してもらいますから」
ポケットの残骸に向かってジャンプする元気とコハクに、引き倒されそうになり、とりあえずアイテムボックスに入れる。
母達が来て、ポケットの件を説明。謝罪してチェックすると、なんとかなりそうだと。
元気に、め、していたけど、当人は分かってない。尻尾振って、へっへ言ってる。
帰り際、院長先生が来て、応接室に案内された。
シュタインさんとハジェル君には、そのまま庭にいてもらう。元気達がいるからね。ビアンカとルージュはそのままお昼寝してる。
「この度は本当にありがとうございます。デニスが元気になり、またたくさんの服や靴、食事と本当にありがとうございます」
深く感謝される。
シスターがハーブティーを淹れてくれる。
建物の件についても説明する。
「もしかしたら、業者さんが来るかもしれませんので」
「そんな。これだけの事をしてただいたのに」
「ほとんどが従魔が稼いだので、気にしないでください」
マーファに来て4億くらい転がり込んで来たけど、実感がないのが怖い。ドロップ品拾ったくらいだし。まだ、これからも入るだろう。そうなれば、何かおかしくなりそうで怖い。
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