もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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治験始動⑦

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 ハジェル君のズボンが、母の手により修復。
「え? これ、俺のズボンっすか? じゃない、ですか?」
 言い直している。ハジェル君は語尾に「っす」とか「っすか」て付いていたから、注意されたんだね。
「そうよ」
 母が、どうしたん? みたいな顔だ。
 ハジェル君のズボンは、縫い目があちこち危ない感じで、ちょっと詰めたと。擦りきれていた裾もちょっと上げて、例のポケットもボタンをつけ直してきちんと縫ってある。ミシン万歳。しかも、アイロンバッチリ。私も見た瞬間、別のズボンかと思った。
「あ、ありがとうございますっ」
 母の説明に、ハジェル君は嬉しそうだ。
 無事に新生ズボンはハジェル君の元に。元気が狙っているので、リードをビアンカに持ってもらう。
 で、その次の日。
『『ドラゴンドラゴンドラゴン』』
「合唱せんと」
 今日はドラゴンを受け取りにいく日だ。ルームにいた母もあれを見ていたので、あまり、いい顔しない。蛇もダメだが、爬虫類が苦手な母。だけど、楽しみにしているビアンカとルージュを見て、覚悟したみたい。
 晃太と、上機嫌のビアンカとルージュ。シュタインさんとラーヴさんに付き添われてギルドに。本日は緑の旗だ。
「今日は緑なんですね」
「緑は特別な魔物素材が入った報せですよ」
「そうですか………」
 あれよね、ドラゴンだよね。
 行列もある。いつもなら、お使いの子供や主婦がいるのに、今日はいない。身なりの良さそうな人と、それと冒険者が多い。疑問になったけど、リティアさんが、笑顔で出迎えてくれるので、急いでギルドに。
(おい、あれがテイマーか?)
(なんか、普通なんだけど)
(でも、近くで見るとあの従魔、すげえ迫力)
(おっかねえ、ドラゴン、あのウルフとジャガーがやったんだろ?)
(しっ、聞こえるって。町が襲われなかったんだ。いいじゃないか)
(あのテイマーの女を手に入れれば)
(お宅もですか? 実はうちのご主人様もですよ。ギルドから注意来てるのに)
(だが、連れて歩くだけの価値はある。どうにかして、手に入れられれば)
  グルルルルゥゥ
  ガルルルルゥゥ
(((((ヒーッ)))))
「ビアンカ、ルージュ、どうしたん? 行くよ」
『分かったのです』
『待ってユイ』
 キラキラお目めのビアンカとルージュ。もう、かわいかね。

「では、ミズサワ様、査定をお伝えする前に、職人ギルドと鍛治師ギルドのマスターと、マーファの騎士団長からお礼を伝えてほしいとの事です。もちろん、冒険者ギルド、商人ギルド、薬師ギルドからもです」
「え、大事になってません?」
「当然です。ドラゴンですからね。直接お礼を申し上げたいと言ってましたが、今はドラゴンの素材をどう割り振るか、会議室は大騒ぎですよ」
「はあ、そうですか」
「では、まずシュバルツアリゲーターですが」
 シュバルツアリゲーター 皮 中 100000 30枚
              大 250000 12枚
             特大 480000 2枚
            牙 小 1000 722
              中 6000 70
              大 15000 70
            魔石 100000 35
           大魔石 250000 3
 あははん、凄い額。
「因みにAランク個体が3体ですので、それぞれ討伐料20万です」
 ほほほ、笑うリティアさん。
「次にドラゴンです。まず、目玉が300万」
「さ、300万ッ」
 ド、ドラゴンッ。
「そうですよ。特級の眼球再生ポーションの材料ですからね。他の臓器もそれぞれの臓器を疾患からの治療・回復・再生するポーションの貴重な材料です。ただ、このドラゴンの片目には古い傷があり、残念な事にこの額です」
「ソウナンデスネー」
「次に肺が800万、肝臓が600万、心臓が1000万、胃が600万、腎臓が750万、膵臓が600万、腸が400万、膀胱が380万、精巣が460万、脳が1200万、舌が800万、血液が3600万。牙の小は80万が24個、大は900万が2個、爪は400万が16本。骨が3900万、皮が5000万。肉が半分ですね、4800万です。魔石は1000万。残念な事に肝臓の一部が破損しておりますのでこの額です。無傷なら1000万はしましたのに、残念です。討伐料は後日、報酬金とお支払となりますが、よろしいですか? ミズサワ様? ミズサワ様どうされました? ミズサワ様?」
「はっ、すみません、あまりの額で意識が」
 隣の晃太は鼻から魂抜けているような顔だ。
「あの、う、売れます?」
「おほほほほ、ドラゴンでございますよ。これだけ完璧な状態のものはそうはありません。たまにレッサードラゴンが出回りますが、やはりドラゴンには勝てませんよ。おほほほ、ユリアレーナ中のギルドからの問い合わせでパンク寸前ですのよ。嬉しい悲鳴です。特別ボーナスが出るほどです」
「ソウナンデスネー」
「合計ですが。3億7710万2000」
 脅威の3億越え。ドラゴン凄すぎ。お肉、もし全部買い取ってもらったら、いくらやねん。前回冷蔵庫ダンジョン潜った時以上の額やん。
「白金貨でよろしいですか?」
「ハイ」
 言われるがまま頷く。
 リティアさんが白金貨、大金貨、金貨、銀貨を並べる。
 書類も確認、うん、大丈夫だ。
「晃太、晃太」
「はっ、何ね、姉ちゃん?」
「ギルドカード出して、お金入れるよ」
「分かった」
 100万入れてもらい、残りは晃太のアイテムボックスに。
「肉は倉庫にございますよ」
 伏せていたビアンカとルージュが顔を上げる。
『お肉なのです』
『今日、食べれるの?』
「お母さんが焼いてくれるけんね」
 リティアさんが倉庫に誘導してくれる。
 倉庫で、何かやりきった感のある解体主任さんがお出迎えしてくれる。
「解体人生最高の仕事をさせてもらった。ありがとうございます」
 きらりん、といい笑顔。
 後ろでいびきかいて寝てる人達は?
「おほほほ」
 リティアさんが手を叩くと、さっとついたてが隠す。あの人達も解体の職員さんよね? ここで寝てるってことは、よほどお疲れなのかな? ドラゴンのせいだよね? ポーション出そうとしたら、主任さんに笑顔で止められた。
「いい仕事させてもらったんだから、お気遣いなく」
「そうですか?」
「おほほほ、さあ、ミズサワ様、ドラゴンの肉でございます」
 テーブルの上に笹に包まれたお肉達。結構な量だ。これが4800万かあ。家が買えちゃう。
 ある程度は貯金して、功労者のビアンカとルージュにしばらく銀の槌で、毎日ホールケーキ注文しよう。
「姉ちゃん、入れたばい」
「あ、そうね。じゃあ、帰ろうかね」
 リティアさんと解体主任さんに見送られて、パーティーハウスに戻った。
『『ドラゴンドラゴンドラゴン』』
 大合唱のビアンカとルージュを連れて。
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