もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
102 / 876
連載

行動計画⑥

 昼過ぎに冒険者ギルドのリティアさんに、明後日出ることを伝える。ダワーさんとは、明日のスライム部屋の後に会うことに。
 次の日。
 スライム部屋に。
 嫌な予感しかしないので、ビアンカには待機してもらおうと思ったけど。
『開けるのです』
「ちょっと待ってん」
 止めるまもなく、ビアンカが扉を押し開け、元気とコハクがビー玉の様に飛び込んでいく。慌てて追いかけると、案の定、スライム倍増。スライムの上にスライムが重なっている。蠢いている。
「晃太っ、頑張ってんっ」
「ひーっ」
 プチプチ。プチプチ。プチプチ。
 わんわん、にゃーにゃー。
「晃太っ、出たばいっ」
 王冠スライムが。大盤振る舞いで2匹。
「2匹は無理やっ」
 晃太がフライパンを握ってヘルプを出す。
「ビアンカ、ルージュ、どっちか1匹お願いっ」
『もう、しょうがないわねえ。ふんっ』
 ルージュが鼻息と共に閃光を放ち、一撃で王冠スライムを撃破。
 晃太は自身に支援をするが、なかなか倒せず。何度かフライパンで叩いて、やっと倒せている。
「お疲れさん」
「なんで姉ちゃん一撃できたん?」
「レベルの差やない? 上がったね?」
「まあなあ、21になったよ」
「良かったやん」
 スライムコアを拾い、出てきた宝箱をルージュにチェックしてもらう。
『大丈夫よ』
「ありがと、晃太どうぞ」
「ん」
 開けるとビロードの箱。中身はターコイズのイヤリングと簪だ。
 その後も順調にプチプチ。
 お昼ご飯を挟んで、私もプチプチ。
 私もレベルを上げるため、最後に王冠スライムを一撃。

 てってれってー
【レベル 45にアップしました】
【異世界のメニュー 追加解放されました】
【スキル ルーム レベル27にアップしました。HP3000追加されます】

「来たーッ」
 中華ッ。
 私は歓喜のあまりフライパンを掲げる。気分はとこぞの絵画の感じです。
「どうしたん姉ちゃん?」
「中華たいッ」
 その一言で晃太が反応。
「帰ろう」
「そやな」
 うはうは。うはうは。うはうは。
 スライムコアを拾う。
『どうしたのです?』
『楽しそうだけど、2人とも気持ち悪いわよ』
「うはうは。ビアンカ、ルージュ、今日はご馳走ばい。エビチリに、油淋鶏ばい」
『エビッ』
『食べたいのですッ』
「うはうは。帰ってからね」
『早く帰りましょう』
 ルージュがすりすりしてくる。あははん、よほど食べたいのか力が入り、押し倒されそう。もう、かわいかねえ、エビチリ大皿でたくさん注文しちゃろ。
 うはうは言いながらスライムコアを拾う。宝箱にはオニキスのタイピンとネクタイピン。
『ユイ、早く帰るのです』
『帰りましょう』
「はいはい。ギルドに寄ってね」
 ダンジョンを出ると、元気とコハクがパタンキューで寝てしまうので、バギーに乗せる。ルリとクリスとヒスイも乗りたいみたいだったが、定員オーバーだ。
 鳴く3匹をなだめながらギルドに。バギーがあるので晃太は外で待ってもらい、ビアンカにも残ってもらう。私はルージュとヒスイでギルドに入る。
 すぐにリティアさんが対応してくれる。
 いつもの応接室。
 すうっ、とタージェルさんも来たので、スライム部屋で出てきた宝飾品とナイフ、スライムコアを出す。査定は直ぐに済んだ。宝飾品とナイフは全部で5点、一律2万で10万。スライムコア、ビー玉サイズはきりよく300出し、ゴルフボールは全部で6個。合計136万となる。あ、晃太にサインをさせれば良かったけど、次回でいいや。
 サインと魔力を流してお金を確認すると、ダワーさんがやって来た。
「お待たせして申し訳ない」
「いえ」
「これをお渡ししようと思いまして。抗生剤と解熱剤です」
 差し出されたのは、抗生剤30錠、解熱剤10錠。
「それと、これを」
 黒っぽいポーションが3本。
「バーザタイラントの上級眼球ポーションです」
 わあ。いらない。
「えと、何故?」
「抗生剤と解熱剤はまだ問題はありますが、ミズサワさん達のお陰でなんとかなりそうです。あれだけの資金に対して、これだけしか配当できませんが、どうぞ受け取ってください」
 山賊顔で真摯に言ってくれる、ご厚意だ、頂こう。
「ありがとうございます。資金はまだ、大丈夫ですか?」
「はい。それとミズサワさんに手紙が来ています。ドラゴンのポーションで回復したと、感謝の手紙です」
 差し出された様々な手紙を、私は大事に受けとる。胸が温かくなる。
 ドラゴンのポーションは、転移門を使用し、首都を含めた4都市に転送されて、既にすべて販売済み。
「本当に、感謝しております。明日からスカイランに行かれるのでしょう? これだけの従魔ですから大丈夫だと思いますが、十分にお気をつけてください」
「ありがとうございます」
 私はリティアさん、タージェルさん、ダワーさんに挨拶してギルドを後にする。
 待ってくれていた晃太に説明する。手紙に関しては、晃太の口が尖る。
「良かったな」
「そうやね」
 ほこほこした気分のままに、パーティーハウスへ。
 花の熱烈歓迎を受けて、パーティーハウスに入る。
 ルームに入り、まず、手紙を見る。
 子供が助かった、お父さんが治った、お母さんが元気になった、兄弟姉妹が救われた、孫が自分より永く生きれる。
 すべてに共通するのは。

 ありがとうございます。

 胸が温かくなる。
 両親も穏やかな顔だ。手紙はすべてお地蔵さんの側に。
 良かった。
 よし、功労者のビアンカとルージュのために、いざ。
 三度目の正直。
 父も母も晃太も、楽しみな顔してるしね。私も中華食べたいのよ。エビチリ、エビマヨ、唐揚げ、春巻き、油淋鶏、棒々鶏、海鮮塩炒め、牛肉のオイスター煮込み、五目あんかけ焼きそば、かに炒飯……………いざっ。
 周囲を警戒し、液晶を取る。

 下記の店舗より2店舗選択してください。
 中華菜館 紫竜
 炭火焼き鳥 八陣
 カフェ うらら
 喫茶店 もののべ
 どんぶり・定食 門松

 カフェうららは、パンケーキが有名なお店だ。同僚と何度か行った。パンケーキってデザートと言うか、スイーツ感覚だった私に、お食事系パンケーキを教えてくれたお店だ。ローストビーフやチキンソテー、ベーコンなど、ちょっと衝撃だった。
 喫茶店もののべは、近所にある昔からある喫茶店。モーニングもしていて、早く起きた日曜日に家族揃って行った。まあ。ここ何年も行ってない。中学とかに入ると部活やらなんやらで行けなくなっていた。でも、懐かしいなあ。シナモントースト食べたい。モカパフェも食べたい。
 どんぶり・定食門松は覚えがない。
「わいのよく行く定食屋や。姉ちゃん、一回行ったやん」
 言われて記憶を引っ張り出す。
「ああ、あの大盛のお店ね」
 確か、晃太が一度ご馳走してくれた。あの時頼んだ唐揚げ定食。まだ20代だった私は、なんとか食べたけど、お腹がはち切れるかと思った。大きな唐揚げが何個もあったし、キャベツのたくさん、ご飯も私が常に食べる量の2倍。もちろん、私が食べた量より少ないのもあるけど、あの時晃太が気を利かせてくれたのが、大盛唐揚げ定食だった。
 うん、懐かしいなあ。
 と、思っていると、晃太に抱っこされていた花が、テーブルにぴょんと乗る。着地地点は液晶画面。
 ……………………………………

 選択店舗 炭火焼き鳥 八陣 カフェ うらら 選択されました。次のレベルアップをお待ちしてます。

 私達は絶叫した。

『美味しいのですっ』
『ユイッ、エビが食べたいわっ』
「はいはい」
 私は八陣のメニューを選択。居酒屋メニューでエビチリがあって良かった。あの後、怯える花、食欲爆発しているビアンカとルージュをなだめながら、私達も一呼吸する。
 キャンセル出来ないから、仕方ない。
 解放HPもなんとレベルが上がったせいか、必要なポイントなんと60万。
「姉ちゃん、熊、倒してこんね」
「……………検討しようかね………………」
 でも、せっかくの炭火焼き鳥八陣だ。
 串メニューから豚バラ、アスパラガスのベーコン巻き、ウズラ、味噌サガリ、鴨ウインナー、つくね。居酒屋メニューで刺身盛り合わせ、大根サラダ、唐揚げ、カンパチのあらだき、黒豚餃子、揚げ出し豆腐、明太子入りだし巻き卵、山芋の鉄板焼き、そしてエビチリ。
 たらふく食べました。呑みました。
 ちょっとやけ酒気味だった私は、すぐにテーブルに突っ伏す。
 だけどビアンカとルージュのリクエストが止まない。結局、私しかタップ出来ないので、私の手を晃太指導で母が操作。人間タッチペンになり、たくさんエビチリ、唐揚げ、明太子入りだし巻き卵を頼んだ。それ以外にもイカゲソの天麩羅、串系もお気に召したようで注文。ビアンカは唐揚げと明太子入りだし巻き卵、アスパラガスのベーコン巻き、味噌サガリ、つくね。ルージュはエビチリとイカゲソ天麩羅、ウズラ、鴨ウインナー、つくねを、げふう、と言うまで食べていた。最後にやっと復活した私は、鮭雑炊で締めた。晃太は花火納豆だ。花火納豆は、納豆の上にその日仕入れた刺身と卵黄が乗った一品だ。晃太の〆は必ずこれだ。
『ユイ、それは何なのです? いい匂いなのです』
『食べたいわ』
 まだ、食べるん? 花火納豆は、匂いがダメなようだ。
 まあ良かか、ドラゴンの功労者やしね。私は、鮭雑炊をタップした。
 お会計。10万越えました。
感想 851

あなたにおすすめの小説

「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました

歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

夫の不倫相手に「妻の座を譲れ」と言われたので、譲る代わりに全部置いていきます 〜行き先は老舗旅館。追いかけてきても、もう遅いです〜 

なつめ
恋愛
夫の愛人に「妻の座を譲れ」と言い渡された主人公は、怒鳴り返すこともしがみつくこともせず、ただ静かに頷いた。 家のこと、食事のこと、社交のこと、義実家のこと、会社の裏方のこと。 誰も価値を知らなかった“妻の座”の中身を、そっくりそのまま置いて家を出る。 向かった先は、かつて傷ついた自分を受け入れてくれた老舗旅館。 再建に奔走する若旦那とともに働く中で、主人公は初めて「役に立つから愛される」のではなく、「あなた自身がいてほしい」と言われる温かさを知っていく。 一方、主人公を軽んじた元夫の家では、生活も体裁も仕事もじわじわと崩壊を始める。 これは、何も持たずに出ていったはずの女が、自分の人生を取り戻し、最後には新しい恋と居場所を手に入れる再生の物語。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

夫が私にそっくりな下の娘ばかりをかわいがるのですけど!

山科ひさき
恋愛
「子供達をお願い」 そう言い残して、私はこの世を去った。愛する夫が子供達に私の分も愛情を注いでくれると信じていたから、不安はなかった。けれど死後の世界から見ている夫は下の娘ばかりをかわいがり、上の娘をないがしろにしている。許せない。そんな時、私に不思議な声が呼びかけてきて……。

「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」と追放された令嬢——王宮の食器が一枚も焼けなくなった

歩人
ファンタジー
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」——王宮御用達の食器を焼く伯爵令嬢エルザは、婚約者の第二王子に手の荒れを嗤われて追放された。十二歳から十年間、王宮の全ての食器を手ずから焼いてきた。彼女の食器は特殊な土と焼成技術で魔力を通し、毒に触れると色が変わる。料理の温度も保つ。追放から三ヶ月後、晩餐会で新しい食器を使ったところ、毒が検知されず隣国の大使が倒れた。外交問題に発展する中、第二王子が「食器くらい誰でも焼ける」と窯に立った結果、出来上がったのは歪んだ灰色の皿だった。

元の世界に帰らせていただきます!

にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。 そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。 「ごめんね、バイバイ……」 限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。 ・・・ 数話で完結します、ハピエン!

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※