もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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偽善者⑩

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 騒動の次の日、私はビアンカとギルドに。本日はアリソンさんが付いてきてくれた。
「姉ちゃん、わいも行こうか?」
『私も行くわよ』
「よかよ。お留守番しとって、昨日の今日やし、何かあったら困るし」
『大丈夫よ』
 そう言ってルージュが魔法のカーテンを広げて結局付いてきた。
 まずは、リティアさんに、と。今日は出勤かな?
「おはようございますミズサワ様」
「おはようございますリティアさん」
 良かった、出勤していた。
 すぐにいつもの応接室に案内してくれる。アリソンさんはドアに待機。
「昨日はありがとうございました。色々手を尽くしてくれて、本当に助かりました。ありがとうございます」
「ミズサワ様、あれくらいどうと言うことではないのですよ。元々あそこの孤児院の問題はありましたから、いずれ起きることだったのですから。これを機に、計画を前倒しできます」
「計画?」
「開発計画はご存知ですか?」
「道を作る、と言うのですね」
 ドーナツ型の道を作るってやつね。
「実はミズサワ様が宿を手配したあの者達がたちのきを拒んでいたんです。ハルスフォン家から立ち退きに必要な、十分な引っ越し資金と2ヶ月分の生活費をもらっていたんですが、なんだかんだと動かなかったんです。特に家族の方が」
 リティアさんの話だと、引っ越しは承諾した、そりゃ家主はハルスフォン様から言われたからね。だけど、さあ、いつ引っ越しをとなると態度が変わった。子供が小さいから、おばあちゃんの腰が悪いとか、仕事が忙しいとか。
 他の住人の皆さんは順次引っ越しをしているそうだ。
「あの若夫婦は、奥さんがお腹が大きいので、躊躇っていましたが、あそこは故意に先伸ばししていました。どうやら、ハルスフォン家から、更にお金を引き出そうとしたようです」
 なんだそりゃ。
「まあ、分かっていましたが。ハルスフォン家は引っ越しをさせてしまうから、実際に追加要求をされたら行動に移す気でいました。でも、昨日の事で、セザール様がわざわざ出向いた事や、ダーウィンが釘をさしたことで観念したようで、宿を出た後に予定していた借家に移るそうです」
「そうだったんですか」
 あの3人の子供達かわいかったなあ。ビアンカのきゃいんで、びっくりして泣いてたけど、最後はごめんなさいしていたし。
「それから孤児院の子供達の引っ越しも早めに行うことになりました」
「え?」
「元々話が出ていましたからね。今回の件で、既にあちこち知られてます。あの男、子供達の情報を売っていたんです。今は警備兵達が周囲を警戒しています。ですが、あの場所では何かと問題ですし、法整備も進んでいます」
「法?」
「はい」
 まず、虐待を受けている子、育児放棄されている子、それらの恐れがある子等の保護法。そして、必要時親権剥奪。
 借金を残された子は、未成年であろうと、故意に親が子供に借金を残そうとした場合は、すぐに手続きし、その借金に関しては完全に離れることになる。
 問題は犯罪者の子供だ。中には飢えた我が子の為に、パンを盗んで犯罪奴隷になっている人もいる。だが、パンを盗まなければならない状況をどうにかしないといけないし、親が犯罪奴隷として連れていかれ、残された行く当てのない子達の保護法をマーファ独自で考えると。今までは隠れてやり過ごしていた。中には凶悪犯もいるから、難しいが、行政が色々考えている。
「まずは、引っ越しです。引っ越し先は下町のハルスフォン様の物件ですが、長く空き家だったので、整備でき次第引っ越しです。すぐ裏に警備兵の詰所がありますから」
「そうですか、なんだか大事になってますね」
 私のせいかな?
「いいえ、必ず発生する問題です、いいきっかけですよ。行政もやっと動けた、そんな感じです」
「そうですか」
 リティアさんは例の趣味の悪い男達の件も教えてくれた。問答無用に全員犯罪奴隷落ちだと。あの趣味の悪い男は、父親の金貸し業を引き継いだそうだが、その父親が他界した後から悪評が絶えなかったそうだ。真面目で堅実に仕事をしていた父親は、ギルドでも一目置かれていて、信頼もあった。それに胡座をかいた結果があれだ。ザックさんのお父さん、ラケスさんについても聞いた。場所は違うが、元々スラム街の無認可の孤児院出身だったラケスさん。幼なじみの奥さんと、同じ境遇の子供達を守りたいと、あの孤児院を冒険者時代の私財を使い経営。ダーウィンさんはその立ち上げに、密かに手を貸していたそうだ。だから、ラケスさんの事はよく知っていたし、未成年の女の子を性奴隷にするわけないと、わざわざ出てきてくれた。
「行政が関わりますから、あの孤児院は認可されます。ハルスフォン様が認定した個人経営の孤児院になります。周囲の警備もおおっぴらにできますから、問題のある親は接触できませんし、バカな金貸しがお金をたかりにも来ません。特に今回みたいな事は二度とおきないでしょう」
 それを聞いてホッとした。
「あのダーウィンさんは?」
「商人ギルドマスターですか? 昨日決済しないといけない仕事があって、仕事が終わってから、我慢ができなかったのか、仮眠室でワイン呑んで、酔っ払って寝てます。まったく、あの歳で4本もボトル空けて」
 それ、私の渡したやつやない。え? もう呑んだの? 全部?
「アルコール中毒?」
「違いますよ。商人ギルドマスターは鬼人族ですから、解毒能力は、人族の倍以上あります。たんに心地よく寝ているだけですよ」
「なら、いいですけど。では、日を改めてお礼に伺います」
 私はリティアさんにもう一度お礼を言ってギルドを後にした。
 はあ、良かった。さすがギルドや、行政や、やっぱり違うなあ。
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