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連載
冒険者らしく③
「ダウンッ、アップッ」
晃太の支援が飛ぶ。
亀って、かわいか目をしているんだけど、冷蔵庫ダンジョンの亀は凶悪だ。晃太の支援魔法もあり、なんとか正常な精神で、落ち着いてフライパンを振り下ろす。
元気達は全員ルームに避難だ。ビアンカ的には元気には戦闘させてもいい頃だそうだが、まだ、危なっかしいから私が止めた。せめて、一歳越えてからと。
ノワールは砂浜を爆走し、亀を撥ね飛ばしている。
私と晃太はビアンカとルージュに守られながら、亀の相手をしている。とは言っても、9割はビアンカとルージュ、ノワールが倒してくれている。
だけどおかげでレベルが上がった。久しぶりにルームのレベルも上がった。
貝柱部屋でも十分にドロップ品を手に入れる。
貝柱はいくつか引き取ろう。
お馴染みの宝箱、お馴染みのビロードの箱。エメラルドが3つ並んでいる。買い取りや。
「さあ、今日はこれでおしまいよ」
『『ぶーぶー』』
「ダメよ、もう夕方やねん」
貝柱をモグモグしながらブーイング、器用やね。
セーフティゾーンでルームを開けて入る。
ブラッシングを晃太に任せて、私は夕御飯の準備だ。
せっかく貝柱が手に入ったので、さっそく使おう。
ある程度のサイズに切り分けて、やはり、キノコかな。シメジやえのき、椎茸も切って、ホットプレートにのせてバターを乗っけて、蒸し焼き。私達は酒蒸しと。こちらはフライパンで。武器用じゃないですよ。
冷奴と、母が作ってくれたひじきで私達の夕御飯。ビアンカとルージュには、JOY-Pのカツ丼追加して、と。仔達のご飯も済み、ノワールの野菜も大丈夫。
私は麦茶、晃太は日本酒。
「「頂きます」」
うん、貝柱美味しい。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
おかわりコールが来たので、新たに貝柱の蒸し焼きを作っていると、日本酒をちびちびしていた晃太が思い出したように言う。
「そろそろこっちに来て、一年やない?」
「あ、そうやね、もうそんなになるかね」
一年か。あっという間やったなあ。
もう、色々有りすぎて、人生の中で一番濃い一年だった。
こちらに来た時はどうなるかと思ったけど。
『ユイ、ユイ、おかわりなのです』
『早く早く』
「はいはい」
こちらに来て一番何があったか、それはビアンカとルージュ達に出会った事かな。ディレナスから出た時は不安だったけど、こうやって無事に生活を送れている。神様達にも、色々配慮してもらったからね。特にルームには感謝だ。時空神様ありがとうございます。寿命も延びたりしたしね。花も本来よりずっと長生きできるし。
ディードリアンさん、イーリスさん、元気かな?
ディレナスとユリアレーナはマーランを挟んでいて、交流はない。あえてディレナスの状況は聞かないけど、ちら、と小耳に挟んだが、あのヒュルトさんが副王になり、優秀な政治手腕を奮っているって。華憐達の噂はほぼない。
まあ、ディレナスには間違っても行かないけどね。
「はい、お待たせ。晃太、運んで」
「ぐび、ん、わかった」
アルコールで赤くなった晃太が運ぶ。
『ガブガブッ、美味しいのですッ』
『いくらでも入るわッ』
ようございました。
さ、続きを食べよう。ぱくり。
『げふう。腹ごしらえ済んだのです』
『ユイ、ボス部屋』
「今食べたばっかりやん」
私、まだ、食べてるんですがね。
『戦闘モード 火炎姫(フレアジャンヌ)』
ただいま鮫部屋前だ。
堆肥になる肉と、軟骨再生させるフカヒレ。
私はというと、作りおき料理を追加で作っている。
カレーとシチューだけどね。後は元気達のご飯。最近、ビアンカが元気にお乳を吸わせたがらない。痛いそうです、はい。力も強いしね。
前までは柔らかいおじやだったが、少し固形もいいようで、母が模索しながら作っている。脂きついのは避けているが、元来は生肉をそのまま食べる種族だ。たまにだけど、ビアンカとルージュが生肉を食べてしばらくしたら吐き出して、それを食べさせている。本来の魔物の離乳食だ。まあ、始めはうまく行かず、初めにヒスイは全部リバース。ルリとクリスもリバース。一度コハクもリバース。元気だけ、平気。個人差なんだろう。ビアンカもルージュも、小さい頃の本来の離乳食は、何度かリバースしたそうだから、仕方ない反応なんだろう。
『姉ちゃん、終わったばい』
「はいはい」
私はコンロの火を消して、従魔の部屋でお昼寝しているのを確認し、ルームを出る。
「お疲れ様、どうやった?」
「大分数が揃ったけん、そろそろ上に行ってもよかと思うよ」
晃太が書いたリストを私に見せる。うん、十分かな。
「これが、宝箱の中身」
晃太がビロードの箱を出す。
中身は真珠のアクセサリーがズラリ。
指輪が3つ、デザインの異なるピアスが2つ、長さの異なるネックレスが2つに、ペンダントが3つ。豪華や。
買い取りやな。
「元気達、ちょうどお昼寝しとるけん、上に行こうかね。ビアンカ、ルージュ、ノワール大丈夫ね?」
『平気なのです』
『大丈夫よ』
「ブヒヒヒヒーンッ」
よし、次はシーサーペント部屋や。
シーサーペント部屋も、問題なくちゅどん、どかん。
鱗は冒険者さん達の防具になるそうだ。肉は淡白だけど、あっさり食べられるので、女性人気がある。歯は矢じりに使われると。
せっせと拾う。
あら、宝箱が出ない、てことは取りこぼしが、あるのかな。
キョロキョロしていると、小さな宝箱を咥えて走る元気が。
慌てて取り上げりる。罠があったら大惨事やねん。
しかし、元気の足の早いこと。ビアンカに止めてもらい、嫌がる元気から宝箱を取り上げる。涎まみれだけど、しかたなか。
「ルージュ、罠は?」
『ないわよ』
「ありがとう、では」
涎を拭いて開けると、指輪サイズのビロードの箱が。
中身は鮮やかな青い宝石が1つ。サファイアかね。晃太のアイテムボックスに入れると、やはり、サファイアと記される。
今のところ大きな問題はない。ないのだが。
「ブヒヒヒヒーンッ、ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが早く早くと、足を踏み鳴らす。
「待たんねノワール。なんば言いようと?」
『走りたいって言ってるのです』
『ここ数日海フィールドだから、満足に走れないからかしらね』
「ストレスかね」
いや、ノワールがダンジョン内を走り回ると、必ず何かが空を舞っている。
順調にノワールのレベルが上がっている。
ノワールって、確か、馬車を引く魔法馬なんやけど。
「ブヒヒヒン…………」
考えていると、哀愁漂う目で訴えてくる。く、もう、かわいかね。
「25階、行こうかね」
「そうやな」
25階に移動しながら、ふと、ビアンカが思い付いたように話し出す。
『そろそろ移動手段を考えるのです』
「移動手段? ノワールの馬車があるやん」
『違うのです。彼女に会いに行くのに、あの木の箱は無理なのです』
『そうね、無理ね』
なんの事やねん。彼女って、あれよね、戦力強化の助っ人的な人、いや、フォレストガーディアンウルフさんだよね。
「え? ビアンカとルージュだけで会いに行くんやないの?」
てっきりそう思っていたけど。
『ユイは私達のマスターなのです。ユイ抜きに会いには行けないのです』
『そうね。彼女納得しないわよ』
あ、やっぱりそうなるか。
「そうなん。なら、どうする? 魔の森の奥やろ? 私の足でどれくらい?」
『ユイの足だと年単位にかかるのです』
「そんな奥なんっ?」
『魔境だもの』
緑やオルクの巣なんて比やない。
多分悪路だから、それくらいはかかるのだろうが。
ビアンカやルージュの背中? ないない、秒で落ちる、絶対落ちる。
「ノワールの鞍ば、そろそろ考えたら?」
晃太があっけらかんにアドバイス。こいつ、自分がルームにいれば、自動的に移動できるからって、きいぃ。
しかし、一番安全な移動手段や。
背に腹はなんとかや。
「ねえ、ノワールに乗っての移動ならどうかね?」
『そうなのですね。それの方が断然早いのです』
『私とビアンカが周囲を警戒しながら行けるわ。それで行きましょう』
目安は、晃太の支援魔法スキルレベルがDになってからだ。
「晃太、スキルレベルはどんな感じ?」
「まだ、半分にも届いとらんよ」
「なら、まだ、先やね」
だけど、覚える必要がある。乗馬の必要が。
どうしたものかなあ。
晃太の支援が飛ぶ。
亀って、かわいか目をしているんだけど、冷蔵庫ダンジョンの亀は凶悪だ。晃太の支援魔法もあり、なんとか正常な精神で、落ち着いてフライパンを振り下ろす。
元気達は全員ルームに避難だ。ビアンカ的には元気には戦闘させてもいい頃だそうだが、まだ、危なっかしいから私が止めた。せめて、一歳越えてからと。
ノワールは砂浜を爆走し、亀を撥ね飛ばしている。
私と晃太はビアンカとルージュに守られながら、亀の相手をしている。とは言っても、9割はビアンカとルージュ、ノワールが倒してくれている。
だけどおかげでレベルが上がった。久しぶりにルームのレベルも上がった。
貝柱部屋でも十分にドロップ品を手に入れる。
貝柱はいくつか引き取ろう。
お馴染みの宝箱、お馴染みのビロードの箱。エメラルドが3つ並んでいる。買い取りや。
「さあ、今日はこれでおしまいよ」
『『ぶーぶー』』
「ダメよ、もう夕方やねん」
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セーフティゾーンでルームを開けて入る。
ブラッシングを晃太に任せて、私は夕御飯の準備だ。
せっかく貝柱が手に入ったので、さっそく使おう。
ある程度のサイズに切り分けて、やはり、キノコかな。シメジやえのき、椎茸も切って、ホットプレートにのせてバターを乗っけて、蒸し焼き。私達は酒蒸しと。こちらはフライパンで。武器用じゃないですよ。
冷奴と、母が作ってくれたひじきで私達の夕御飯。ビアンカとルージュには、JOY-Pのカツ丼追加して、と。仔達のご飯も済み、ノワールの野菜も大丈夫。
私は麦茶、晃太は日本酒。
「「頂きます」」
うん、貝柱美味しい。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
おかわりコールが来たので、新たに貝柱の蒸し焼きを作っていると、日本酒をちびちびしていた晃太が思い出したように言う。
「そろそろこっちに来て、一年やない?」
「あ、そうやね、もうそんなになるかね」
一年か。あっという間やったなあ。
もう、色々有りすぎて、人生の中で一番濃い一年だった。
こちらに来た時はどうなるかと思ったけど。
『ユイ、ユイ、おかわりなのです』
『早く早く』
「はいはい」
こちらに来て一番何があったか、それはビアンカとルージュ達に出会った事かな。ディレナスから出た時は不安だったけど、こうやって無事に生活を送れている。神様達にも、色々配慮してもらったからね。特にルームには感謝だ。時空神様ありがとうございます。寿命も延びたりしたしね。花も本来よりずっと長生きできるし。
ディードリアンさん、イーリスさん、元気かな?
ディレナスとユリアレーナはマーランを挟んでいて、交流はない。あえてディレナスの状況は聞かないけど、ちら、と小耳に挟んだが、あのヒュルトさんが副王になり、優秀な政治手腕を奮っているって。華憐達の噂はほぼない。
まあ、ディレナスには間違っても行かないけどね。
「はい、お待たせ。晃太、運んで」
「ぐび、ん、わかった」
アルコールで赤くなった晃太が運ぶ。
『ガブガブッ、美味しいのですッ』
『いくらでも入るわッ』
ようございました。
さ、続きを食べよう。ぱくり。
『げふう。腹ごしらえ済んだのです』
『ユイ、ボス部屋』
「今食べたばっかりやん」
私、まだ、食べてるんですがね。
『戦闘モード 火炎姫(フレアジャンヌ)』
ただいま鮫部屋前だ。
堆肥になる肉と、軟骨再生させるフカヒレ。
私はというと、作りおき料理を追加で作っている。
カレーとシチューだけどね。後は元気達のご飯。最近、ビアンカが元気にお乳を吸わせたがらない。痛いそうです、はい。力も強いしね。
前までは柔らかいおじやだったが、少し固形もいいようで、母が模索しながら作っている。脂きついのは避けているが、元来は生肉をそのまま食べる種族だ。たまにだけど、ビアンカとルージュが生肉を食べてしばらくしたら吐き出して、それを食べさせている。本来の魔物の離乳食だ。まあ、始めはうまく行かず、初めにヒスイは全部リバース。ルリとクリスもリバース。一度コハクもリバース。元気だけ、平気。個人差なんだろう。ビアンカもルージュも、小さい頃の本来の離乳食は、何度かリバースしたそうだから、仕方ない反応なんだろう。
『姉ちゃん、終わったばい』
「はいはい」
私はコンロの火を消して、従魔の部屋でお昼寝しているのを確認し、ルームを出る。
「お疲れ様、どうやった?」
「大分数が揃ったけん、そろそろ上に行ってもよかと思うよ」
晃太が書いたリストを私に見せる。うん、十分かな。
「これが、宝箱の中身」
晃太がビロードの箱を出す。
中身は真珠のアクセサリーがズラリ。
指輪が3つ、デザインの異なるピアスが2つ、長さの異なるネックレスが2つに、ペンダントが3つ。豪華や。
買い取りやな。
「元気達、ちょうどお昼寝しとるけん、上に行こうかね。ビアンカ、ルージュ、ノワール大丈夫ね?」
『平気なのです』
『大丈夫よ』
「ブヒヒヒヒーンッ」
よし、次はシーサーペント部屋や。
シーサーペント部屋も、問題なくちゅどん、どかん。
鱗は冒険者さん達の防具になるそうだ。肉は淡白だけど、あっさり食べられるので、女性人気がある。歯は矢じりに使われると。
せっせと拾う。
あら、宝箱が出ない、てことは取りこぼしが、あるのかな。
キョロキョロしていると、小さな宝箱を咥えて走る元気が。
慌てて取り上げりる。罠があったら大惨事やねん。
しかし、元気の足の早いこと。ビアンカに止めてもらい、嫌がる元気から宝箱を取り上げる。涎まみれだけど、しかたなか。
「ルージュ、罠は?」
『ないわよ』
「ありがとう、では」
涎を拭いて開けると、指輪サイズのビロードの箱が。
中身は鮮やかな青い宝石が1つ。サファイアかね。晃太のアイテムボックスに入れると、やはり、サファイアと記される。
今のところ大きな問題はない。ないのだが。
「ブヒヒヒヒーンッ、ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが早く早くと、足を踏み鳴らす。
「待たんねノワール。なんば言いようと?」
『走りたいって言ってるのです』
『ここ数日海フィールドだから、満足に走れないからかしらね』
「ストレスかね」
いや、ノワールがダンジョン内を走り回ると、必ず何かが空を舞っている。
順調にノワールのレベルが上がっている。
ノワールって、確か、馬車を引く魔法馬なんやけど。
「ブヒヒヒン…………」
考えていると、哀愁漂う目で訴えてくる。く、もう、かわいかね。
「25階、行こうかね」
「そうやな」
25階に移動しながら、ふと、ビアンカが思い付いたように話し出す。
『そろそろ移動手段を考えるのです』
「移動手段? ノワールの馬車があるやん」
『違うのです。彼女に会いに行くのに、あの木の箱は無理なのです』
『そうね、無理ね』
なんの事やねん。彼女って、あれよね、戦力強化の助っ人的な人、いや、フォレストガーディアンウルフさんだよね。
「え? ビアンカとルージュだけで会いに行くんやないの?」
てっきりそう思っていたけど。
『ユイは私達のマスターなのです。ユイ抜きに会いには行けないのです』
『そうね。彼女納得しないわよ』
あ、やっぱりそうなるか。
「そうなん。なら、どうする? 魔の森の奥やろ? 私の足でどれくらい?」
『ユイの足だと年単位にかかるのです』
「そんな奥なんっ?」
『魔境だもの』
緑やオルクの巣なんて比やない。
多分悪路だから、それくらいはかかるのだろうが。
ビアンカやルージュの背中? ないない、秒で落ちる、絶対落ちる。
「ノワールの鞍ば、そろそろ考えたら?」
晃太があっけらかんにアドバイス。こいつ、自分がルームにいれば、自動的に移動できるからって、きいぃ。
しかし、一番安全な移動手段や。
背に腹はなんとかや。
「ねえ、ノワールに乗っての移動ならどうかね?」
『そうなのですね。それの方が断然早いのです』
『私とビアンカが周囲を警戒しながら行けるわ。それで行きましょう』
目安は、晃太の支援魔法スキルレベルがDになってからだ。
「晃太、スキルレベルはどんな感じ?」
「まだ、半分にも届いとらんよ」
「なら、まだ、先やね」
だけど、覚える必要がある。乗馬の必要が。
どうしたものかなあ。
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