もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
186 / 867
連載

冒険者らしく④

しおりを挟む
 25階も順調にちゅどん、どかん、バキバキ。
 試しにこの階にもリンゴと青リンゴを植えた。
 この階のボス部屋でドロップされる木材は、高級家具や楽器に使用され、木葉は堆肥だ。胡桃は普通に胡桃、食べられる。栄養価が高くちょっと高級品。よし、孤児院にお土産や。オリーブはオリーブオイルになるものと、石鹸になるものが混じって出てくる。25階は林フィールド。なので『ガーディアン』を冠するビアンカの種族の得意フィールド。
 私は早いと思ったが、元気のスライム部屋以外での初陣となる。
「わんわんっ」
  バリィィィッ
  バリィィィッ
 元気は雷を連発する。
 相手は木の魔物。うねって避けている。木がうねるって、もう映画の特殊効果をリアルに見ている、それくらいに思おう。気持ち悪い。木の幹の真ん中に顔があるねん、気持ち悪いんよ。
 元気の雷は何発か当たるが、なかなか止めをさせない。
『元気、真ん中のだけを狙ってみるのです。集中なのです』
 ビアンカのアドバイスに、元気は、んー、っとなり。
「わんっ」
  バリィィィッ
 木の魔物の顔が白目を向く。たぶん白目ね。そして転がるドロップ品。
『元気、まとめて倒すにはまだお前には早いのです。一体ずつ倒すのです』
「わんわんっ」
  バリィィィッ
  バリィィィッ
 おお、すごい、全部倒せた。
 だけど、それで元気がぱたり。
『余力を残す配慮がまだなのですね』
 ビアンカさんや、余力なんて考えてたらさ、全滅しません? まあ、元気の戦闘に関してはおまかせだから、何も言うまい。
 最近、コハクがしきりにルージュにおねだりしている。元気が、ああやって魔法使っているから、自分もしたいようだが、ルージュの許可が出ない。
『もう少しで、教えてあげるから、魔力を流す訓練しなさい』
「にゃあ~」
 コハクはぶー、みたいな感じでそこら辺で穴堀を始める。不貞腐れたか、やけっぱちか。だけど、最近よく穴堀しているなあ。拭くの大変なんだけど。
「ねえ、ルージュ、まだコハクには教えないよね?」
 私が小声で聞く。
『どうかしら? コハクは魔力操作に関しては元気より上よ。属性魔法が判明したら、おそらく元気より先に戦闘モードが使えそうよ』
「そ、そうなん? あ、これが普通なんやね」
『違うわ。コハクが元気に触発されているだけよ。負けず嫌いね。ふふ、私にそっくりだわ』
「そうなん?」
『そうよ。私はビアンカや兄より、属性魔法が分かるのが遅くて、悔しくてね。母様に言われてひたすら魔力操作をしていたら、覚醒した途端に、色々出来るようになったのよ』
 へぇ。
 そう言えば、ルージュの魔法は色々多岐に渡るって聞いた記憶がある。魔法のカーテンやあのチンピラを拘束した黒い触手、コントロールが凄かった。ルージュはそれだけの魔力を操れるんだ。
「ルージュは努力の天才なんやね」
『そう? ユイも母様と同じこと言うのね』
 ルージュが赤い目を細める。
「本当のことやん」
 私は頭を寄せてきたルージュを撫でた。

「晃太、木葉どれくらいになったかね?」
 大量に出たドロップ品をアイテムボックスに入れた晃太がチェック。
「木葉がジャスト1000キロや。胡桃が320キロ、オリーブが160キロや。木材は大小あわせて528」
「1tね、越えたなあ。よし、これだけあればよかろう。そろそろ26階に上がろうか」
『いいのです』
『流石に飽きてきたわ』
「ブヒヒヒヒーンッ」
 予定の半分を越えて2週間だ。
「リティアさんが化粧品の材料が欲しいみたいやしね」
「なんかいいよったなあ。なんだかんかで、日数足りるね? 帰りは植えたリンゴば確認しながらやろ?」
「まあ、それは次回でもよかたい。あんた、リンゴ植えた場所覚えとろうもん」
「覚える気はないんやね」
「私にそれば求めんで」
 地図読めんもん。
 後必要なのは、化粧品の材料とフレアタートルのお肉だ。
 こちらの女性も美意識高いなあ。
 26階でもお決まりのちゅどん、どかん、バキバキ。
 アルガンに小さな薔薇、紅花を確保。木の皮は染料になるそうだ。
 出てきた大きな宝箱をルージュがチェック。
『罠があるわ、待ってね』
「お願いね」
 しばらくして、ぱきり、と音がなる。
『ふう、手強かったわね。どうぞ』
「ありがとうルージュ、さ、開けましょう」
 開けると、武器類がズラリと並ぶ。
 ロングソード、ショートソード、斧、ハンマー、槍、ハルバート、小型の斧、ナイフ、小型の盾、大型の盾。
 豪華や。
「姉ちゃん、ハンマーあるよ」
「張り倒すよ」
 そんなこんなで日数は過ぎていき、化粧品の材料の確保をして、27階はあまり挑戦せずに、最上階のコラーゲン部屋に集中した。
 日程ギリギリまでちゅどん、どかん、バキバキ。
 最上階の脱出用魔法陣で脱出。
 ふう、疲れた。
 まずは、ギルドかね。
「お帰りなさいませ、ミズサワ様」
 華麗にリティアさんがすっ飛んできた。
 分かってますよ。
 とりあえず、私がノワールと仔達を一旦パーティーハウスに戻し、晃太がギルドに向かう。
「ただいま」
「おかえり」
「クゥンクゥンクゥンクゥン」
 母と花が出迎えてくれる。あはははん、ワガママボディのかわいかこと。
「晃太はギルド。私もすぐいくけん」
 慌ただしいが、私はビアンカとギルドに向かう。ルージュには残ってもらう。
 急いでギルドに戻ると、いつもの応接室で、リティアさんとタージェルさんが、ニコニコして待っていた。晃太はお茶を啜ってる。そしてテーブルの上には多量の書類が。
「えーっと、この書類は?」
「高ランクの依頼でございます」
 スマイルリティアさん。
 はい、サインと魔力ね。
 私はベルトコンベアーのように出される書類に、ひたすらサインと魔力を流した。
 晃太は倉庫に行き、指定されたドロップ品を出した。
 生鮮食料もあるので、また、数日おきにギルドに納めることになる。
「ミズサワ様、いつも宝飾品を回して頂いていますが、よろしいのですか?」
 ふいに、タージェルさんが聞いてきた。
「特には。いくつか引き取ったりしましたし」
 あまりギラギラしたら目立ちそうだからね。母にはシンプルな小粒のダイヤモンドピアスをあげた。人目に触れないように着けてる。私もアクアマリンのピアスと、ルビーのピアスあるし。
「いずれ正式な場に招待されたら、必要になりますよ。そういった時の宝石は、女性の武器にもなりますし」
「武器って。正式な場って?」
「結婚式とかですな。まあ、お一つお持ちになっても損はないかと」
 う、呼ばれそうな気がする。
「ちなみに、何が正式な場所に着けてても問題ありません? やっぱり真珠ですか?」
 冠婚葬祭にいい真珠。こちらはどうかな?
「はい、真珠がベターですね」
「はあ。あの、私の顔的にどの真珠がいいか教えてもらえませんか?」
 私には、宝石の価値がわからない。
「そうですな…………」
 タージェルさんが大量の宝飾品から、いくつかビロードの箱を取り出す。リティアさんまで覗きこんで、チェック。
 お眼鏡にかなったものがあったようだ。
 26階で出てきた真珠のネックレスとピアスだ。少し金色がかった真珠。
「こちらはいかがでしょう? ミズサワ様の肌色に美しく映えるかと」
 うん、流石商人ギルドの職員さん、勧め方が堂に入っている。
「ならそれを引き取ります」
 タージェルさんのお墨付きあるし、私は自身のアイテムボックスに入れる。出番はないだろうけど。
 すべて終わった時には、すでにとっぷり日は落ちていた。
『お腹空いたのです。元気達が心配なのです』
「そうやね、帰ったら直ぐにご飯や」
 ああ、お腹減ったなあ。
しおりを挟む
感想 829

あなたにおすすめの小説

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【完結】留学先から戻って来た婚約者に存在を忘れられていました

山葵
恋愛
国王陛下の命により帝国に留学していた王太子に付いて行っていた婚約者のレイモンド様が帰国された。 王家主催で王太子達の帰国パーティーが執り行われる事が決まる。 レイモンド様の婚約者の私も勿論、従兄にエスコートされ出席させて頂きますわ。 3年ぶりに見るレイモンド様は、幼さもすっかり消え、美丈夫になっておりました。 将来の宰相の座も約束されており、婚約者の私も鼻高々ですわ! 「レイモンド様、お帰りなさいませ。留学中は、1度もお戻りにならず、便りも来ずで心配しておりましたのよ。元気そうで何よりで御座います」 ん?誰だっけ?みたいな顔をレイモンド様がされている? 婚約し顔を合わせでしか会っていませんけれど、まさか私を忘れているとかでは無いですよね!?

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?

水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」 「はぁ?」 静かな食堂の間。 主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。 同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。 いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。 「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」 「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」 父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。 「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」 アリスは家から一度出る決心をする。 それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。 アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。 彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。 「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」 アリスはため息をつく。 「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」 後悔したところでもう遅い。

【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」

まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。 【本日付けで神を辞めることにした】 フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。 国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。 人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 アルファポリスに先行投稿しています。 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【完結】私は聖女の代用品だったらしい

雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。 元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。 絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。 「俺のものになれ」 突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。 だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも? 捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。 ・完結まで予約投稿済みです。 ・1日3回更新(7時・12時・18時)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。