文字の大きさ
大
中
小
329 / 877
連載
鉱山の魔物⑤
ビアンカとルージュが坑道に入り、待つ。うう、寒か。元気とコハクは仲良くじゃれて遊んでいる。
肌着に母が保温の一時付与してくれるからいいけど。
『ねえね、ねえね、じゅーすのみたい~』
ヒスイがすりすりと来た。よしよし、もふもふ。時間を確認すると、お昼前だ。一応母がルーム内で、色々作ってくれているけど、どこで開けようかな。
「姉ちゃん、ビアンカとルージュが、上がってきたよ」
晃太に言われて、見ると、身軽に駆け上がってくるビアンカとルージュ。
見守っていたソルトの人達が、じっと見ている。
『ユイ、戻ったのです』
『ゴーレム確認したわ』
「どうやった?」
一斉に視線が集まる。
メインの坑道に居座っているのはやはり一体、これば間違いないそうだ。で、問題は、他にもアイアンゴーレムがいるかだ。
『いるのですね』
『母体はかなりの大きさね。私とビアンカなら、撃破はできるけど』
『問題は残りのゴーレムなのです。何体か奥にいるようなのです』
あ、やっぱりいるのね。
『奥にいるのは、手前にいるサイズと同じくらいよ』
『で、ルージュと考えたのです』
『残りのゴーレムは、元気達とホーク達に倒させるわ。晃太の訓練にもいいし』
「「ちょっと待った」」
私と晃太の待ったが飛ぶ。
「まだ生後2年になんばさせる気ね? 上位魔物やろうもんっ」
「そうや、いくらなんでも早かし、怖かよ」
『何も一対一でするわけではないのです』
『そうよ、私達も流石に援護するから』
「やけどさ」
私と晃太がぶつくさ。
「テイマー様、従魔様はなんと?」
ディンジィさんが少し困惑しながら聞いてくる。
「あ、そうでしたね。坑道に居座っているゴーレムに関しては、撃破は可能だそうです」
わあ、と歓声が上がる。
「ただ、母体や他にもいるそうで。ねえ、坑道壊れんよね?」
『無理なのです』
『最低でも半壊は覚悟したほうがいいわ』
「だそうです」
さーっと、落胆の色が浮かぶ。
「しかし、坑道が潰れたとしても、ゴーレムどもは一掃できる。と、言うことですな?」
確認するようにビオーザさんが聞いてくる。私はちら、と振り返ると、ビアンカとルージュは頷く。
「そうですね」
その言葉に、ビオーザさんは天を仰ぎ、ディンジィさんは額に手を当てる。だが、次の判断は速かった。
「テイマー様。坑道は構いません。アイアンゴーレムをどうにか残らず倒して頂きたい」
「お願いします、テイマー殿」
坑道の為に、奥にいるアイアンゴーレムをそのままにせず。いずれ地上に出てきて、それによる被害を考えて、今、全てのアイアンゴーレムを潰す。それがギルドマスターの判断だ。
「坑道はまた掘れば、いいこと」
「それより、次の被害を出さないようにしなければ。地上に出てこられたら、死者が出るような事態になるはず。お願しますテイマー殿」
「分かりました。ビアンカ、ルージュ、よか?」
仔達を戦わせるのは、ちょっと話し合いましょうかね。
『いいのです』
『でも、その前に腹ごしらえよ。お腹減ったわ』
「はいはい。すみません、ちょっと休ませてもいいですか? 食事を摂らせたいので」
「はい、構いません」
私達は、ビオーザさん達から少し離れて、食事をすることに。
ビアンカの影に隠れてルームを開けて晃太と入る。母がダイニングキッチンで、作業していた。
「くうん、くうん」
花がぽちゃぽちゃボディで駆け寄ってくる。あはははん、かわいか。
「あ、優衣、どうなったね?」
手を拭きながら母が出てくる。
「何とかなりそうやけど。あ、ご飯は?」
「出来とるよ。そとで食べると思ったけん、お弁当箱に詰めたけんね。ビアンカ達には丼にしたよ」
「ありがとう。ごめん、直ぐに行くけん」
ずらりと並んだハンカチにつつまった出来立てお弁当を、アイテムボックスに。丼は晃太のアイテムボックスへ。
「気をつけるんよ」
「うん」
花をもふもふして、ルームを出る。
シートを敷いて、いざ、お昼御飯。
ビアンカとルージュ、仔達はステーキ丼だ。ワイバーンのお肉だね。てっぺんには温泉玉子が乗ってる。
出した途端にガブガブとがっつくから、美味しいのだろう。
私達もお弁当を食べる事に。それぞれに配布して、ハンカチを取る。
ぱかり。
おにぎりはしろむすびと波音の釜飯おにぎりだ。いい匂い、そしてちょっぴりのおこげ。うふふふん、美味しそう。おかずはミニハンバーグとワイバーンのステーキ。男性陣のハンバーグはミニじゃない。ツナときゅうりのサラダ。野菜炒め。卵焼き。ウサギさんリンゴ。ハンバーグが好きなエマちゃんが嬉しそう。
アイアンゴーレムに悩まされている皆さんがいるのだけど、腹が減ってはなんとかだ。しっかり頂きます。
食べながら仔達が心配だけど。あーあー、元気が早々と食べ終えて、ヒスイの丼狙って顔を寄せたが。
「にゃッ」
「きゃいんッ」
ベビージャガーパンチを食らってる。もう、食い意地がはって。まあ、元気は仔達の中で一番大きいし、食べる量も多い。母も分かっているから、元気は他の仔達よりも量は多くしている。
「きゅーん」
私に足りないと訴えるように鳴く。
『ユイ、足りないようなのです』
「仕方なかね」
おやつ用のおにぎりを2つ出す。
「元気、これでおしまいやからね」
「わんっ」
ぺろり、とおにぎりを食べる元気。本当によく食べるわ。成長期やし、男の子やしね。次に私の食べ掛けのお弁当を狙うため、必死に腕でガードして食べた。
お昼を食べ終えて、温かいお茶を飲む。
「ねえ、ビアンカ、ルージュ。やっぱり元気達に、アイアンゴーレムは早くないね? まだ、成体でもないしさ」
私は渋る。
『心配はないと思うわよ』
『そうなのですね。特に元気はワイバーンを単独撃破できたのですし』
「そうかもしれんけど」
『アイアンゴーレムなんてそういないわ。コハク達にいい経験になるはずよ』
『そうなのです。集中力と魔力操作のスキルレベルを上げられるはずなのです。私達も援護するのです』
『ユイ、大丈夫よ』
「うーん」
結局、折れてしまった。何事も経験だと。しかし、しっかり援護してもらうようにした。
鷹の目の皆さんも参加することになった。
「それが、俺達の役目ですから」
と。
「晃太。しっかり支援ばしてよ」
「ん」
「ビアンカ、ルージュ。ホークさん達だけでも大丈夫よね? しっかり援護してよ」
『任せるのです』
『抜かりないわ』
ビアンカ、ルージュによる、ゴーレム討伐講座が始まる。
ゴーレムには心臓となるコアがある。これさえ壊せば倒せる。裏を返せば、コアが無事ならば、いつまでも動き続ける。ウッドやマッドゴーレムなら外皮を削って、コアを破壊。だが、上位種のストーンやアイアンゴーレムはそれが簡単にいくわけない。外皮は硬いし、パワーは半端ないし。上位種のゴーレムのコアはしっかり分厚い外皮に守られている。ビアンカとルージュなら、魔力を圧縮して撃ち抜くって。怖か。簡単に言うが、コアの位置を正確に把握するだけの察知能力が必要になる。今回はその察知能力と魔力を圧縮する操作能力向上目的だ。
『自分の放った魔法が、どんな風に流れるか知るいい機会よ。なかなか当たった魔法がどう流れるなんて分からないもの。倒してしまうからね。アイアンゴーレムなら、タフだし、コアさえ破壊されなければ、動き続けるからね。丁度いい訓練よ』
なんか、アイアンゴーレムが、可哀想になってきた。魔法でぼこぼこにされるのか。いや、こちらの坑道に出てきてしまった時点で、こちらが討伐しなくては、いずれ被害が甚大になってしまうから。
『コアを破壊出来なくても、コアにキズさえ入れば一気に動きが悪くなるのです。まずはゴーレムの分厚い所を狙うのです。コアの部分が一番外皮が硬く分厚いのです』
なるほど。
『とにかく、外皮を削るのです』
『危なければ援護するわ。心配しないでおもいっきりやりなさい』
「わんっ」
「がうっ」
「わんっ」
「わんっ」
「にゃっ」
仔達が元気よく返事をしているけど。大丈夫よね? そして、静かに前肢で地面を蹴ってるノワールや。参戦する気満々やん。
「晃太。ノワールにもしっかり支援ば」
「ん」
肌着に母が保温の一時付与してくれるからいいけど。
『ねえね、ねえね、じゅーすのみたい~』
ヒスイがすりすりと来た。よしよし、もふもふ。時間を確認すると、お昼前だ。一応母がルーム内で、色々作ってくれているけど、どこで開けようかな。
「姉ちゃん、ビアンカとルージュが、上がってきたよ」
晃太に言われて、見ると、身軽に駆け上がってくるビアンカとルージュ。
見守っていたソルトの人達が、じっと見ている。
『ユイ、戻ったのです』
『ゴーレム確認したわ』
「どうやった?」
一斉に視線が集まる。
メインの坑道に居座っているのはやはり一体、これば間違いないそうだ。で、問題は、他にもアイアンゴーレムがいるかだ。
『いるのですね』
『母体はかなりの大きさね。私とビアンカなら、撃破はできるけど』
『問題は残りのゴーレムなのです。何体か奥にいるようなのです』
あ、やっぱりいるのね。
『奥にいるのは、手前にいるサイズと同じくらいよ』
『で、ルージュと考えたのです』
『残りのゴーレムは、元気達とホーク達に倒させるわ。晃太の訓練にもいいし』
「「ちょっと待った」」
私と晃太の待ったが飛ぶ。
「まだ生後2年になんばさせる気ね? 上位魔物やろうもんっ」
「そうや、いくらなんでも早かし、怖かよ」
『何も一対一でするわけではないのです』
『そうよ、私達も流石に援護するから』
「やけどさ」
私と晃太がぶつくさ。
「テイマー様、従魔様はなんと?」
ディンジィさんが少し困惑しながら聞いてくる。
「あ、そうでしたね。坑道に居座っているゴーレムに関しては、撃破は可能だそうです」
わあ、と歓声が上がる。
「ただ、母体や他にもいるそうで。ねえ、坑道壊れんよね?」
『無理なのです』
『最低でも半壊は覚悟したほうがいいわ』
「だそうです」
さーっと、落胆の色が浮かぶ。
「しかし、坑道が潰れたとしても、ゴーレムどもは一掃できる。と、言うことですな?」
確認するようにビオーザさんが聞いてくる。私はちら、と振り返ると、ビアンカとルージュは頷く。
「そうですね」
その言葉に、ビオーザさんは天を仰ぎ、ディンジィさんは額に手を当てる。だが、次の判断は速かった。
「テイマー様。坑道は構いません。アイアンゴーレムをどうにか残らず倒して頂きたい」
「お願いします、テイマー殿」
坑道の為に、奥にいるアイアンゴーレムをそのままにせず。いずれ地上に出てきて、それによる被害を考えて、今、全てのアイアンゴーレムを潰す。それがギルドマスターの判断だ。
「坑道はまた掘れば、いいこと」
「それより、次の被害を出さないようにしなければ。地上に出てこられたら、死者が出るような事態になるはず。お願しますテイマー殿」
「分かりました。ビアンカ、ルージュ、よか?」
仔達を戦わせるのは、ちょっと話し合いましょうかね。
『いいのです』
『でも、その前に腹ごしらえよ。お腹減ったわ』
「はいはい。すみません、ちょっと休ませてもいいですか? 食事を摂らせたいので」
「はい、構いません」
私達は、ビオーザさん達から少し離れて、食事をすることに。
ビアンカの影に隠れてルームを開けて晃太と入る。母がダイニングキッチンで、作業していた。
「くうん、くうん」
花がぽちゃぽちゃボディで駆け寄ってくる。あはははん、かわいか。
「あ、優衣、どうなったね?」
手を拭きながら母が出てくる。
「何とかなりそうやけど。あ、ご飯は?」
「出来とるよ。そとで食べると思ったけん、お弁当箱に詰めたけんね。ビアンカ達には丼にしたよ」
「ありがとう。ごめん、直ぐに行くけん」
ずらりと並んだハンカチにつつまった出来立てお弁当を、アイテムボックスに。丼は晃太のアイテムボックスへ。
「気をつけるんよ」
「うん」
花をもふもふして、ルームを出る。
シートを敷いて、いざ、お昼御飯。
ビアンカとルージュ、仔達はステーキ丼だ。ワイバーンのお肉だね。てっぺんには温泉玉子が乗ってる。
出した途端にガブガブとがっつくから、美味しいのだろう。
私達もお弁当を食べる事に。それぞれに配布して、ハンカチを取る。
ぱかり。
おにぎりはしろむすびと波音の釜飯おにぎりだ。いい匂い、そしてちょっぴりのおこげ。うふふふん、美味しそう。おかずはミニハンバーグとワイバーンのステーキ。男性陣のハンバーグはミニじゃない。ツナときゅうりのサラダ。野菜炒め。卵焼き。ウサギさんリンゴ。ハンバーグが好きなエマちゃんが嬉しそう。
アイアンゴーレムに悩まされている皆さんがいるのだけど、腹が減ってはなんとかだ。しっかり頂きます。
食べながら仔達が心配だけど。あーあー、元気が早々と食べ終えて、ヒスイの丼狙って顔を寄せたが。
「にゃッ」
「きゃいんッ」
ベビージャガーパンチを食らってる。もう、食い意地がはって。まあ、元気は仔達の中で一番大きいし、食べる量も多い。母も分かっているから、元気は他の仔達よりも量は多くしている。
「きゅーん」
私に足りないと訴えるように鳴く。
『ユイ、足りないようなのです』
「仕方なかね」
おやつ用のおにぎりを2つ出す。
「元気、これでおしまいやからね」
「わんっ」
ぺろり、とおにぎりを食べる元気。本当によく食べるわ。成長期やし、男の子やしね。次に私の食べ掛けのお弁当を狙うため、必死に腕でガードして食べた。
お昼を食べ終えて、温かいお茶を飲む。
「ねえ、ビアンカ、ルージュ。やっぱり元気達に、アイアンゴーレムは早くないね? まだ、成体でもないしさ」
私は渋る。
『心配はないと思うわよ』
『そうなのですね。特に元気はワイバーンを単独撃破できたのですし』
「そうかもしれんけど」
『アイアンゴーレムなんてそういないわ。コハク達にいい経験になるはずよ』
『そうなのです。集中力と魔力操作のスキルレベルを上げられるはずなのです。私達も援護するのです』
『ユイ、大丈夫よ』
「うーん」
結局、折れてしまった。何事も経験だと。しかし、しっかり援護してもらうようにした。
鷹の目の皆さんも参加することになった。
「それが、俺達の役目ですから」
と。
「晃太。しっかり支援ばしてよ」
「ん」
「ビアンカ、ルージュ。ホークさん達だけでも大丈夫よね? しっかり援護してよ」
『任せるのです』
『抜かりないわ』
ビアンカ、ルージュによる、ゴーレム討伐講座が始まる。
ゴーレムには心臓となるコアがある。これさえ壊せば倒せる。裏を返せば、コアが無事ならば、いつまでも動き続ける。ウッドやマッドゴーレムなら外皮を削って、コアを破壊。だが、上位種のストーンやアイアンゴーレムはそれが簡単にいくわけない。外皮は硬いし、パワーは半端ないし。上位種のゴーレムのコアはしっかり分厚い外皮に守られている。ビアンカとルージュなら、魔力を圧縮して撃ち抜くって。怖か。簡単に言うが、コアの位置を正確に把握するだけの察知能力が必要になる。今回はその察知能力と魔力を圧縮する操作能力向上目的だ。
『自分の放った魔法が、どんな風に流れるか知るいい機会よ。なかなか当たった魔法がどう流れるなんて分からないもの。倒してしまうからね。アイアンゴーレムなら、タフだし、コアさえ破壊されなければ、動き続けるからね。丁度いい訓練よ』
なんか、アイアンゴーレムが、可哀想になってきた。魔法でぼこぼこにされるのか。いや、こちらの坑道に出てきてしまった時点で、こちらが討伐しなくては、いずれ被害が甚大になってしまうから。
『コアを破壊出来なくても、コアにキズさえ入れば一気に動きが悪くなるのです。まずはゴーレムの分厚い所を狙うのです。コアの部分が一番外皮が硬く分厚いのです』
なるほど。
『とにかく、外皮を削るのです』
『危なければ援護するわ。心配しないでおもいっきりやりなさい』
「わんっ」
「がうっ」
「わんっ」
「わんっ」
「にゃっ」
仔達が元気よく返事をしているけど。大丈夫よね? そして、静かに前肢で地面を蹴ってるノワールや。参戦する気満々やん。
「晃太。ノワールにもしっかり支援ば」
「ん」
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!
【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!
青空一夏(ざまぁ×癒し×溺愛)
庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、
王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。
――だが、彼女はまだ知らなかった。
「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。
心が折れかけたそのとき。
彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。
「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」
妹を守るためなら、学園にだって入る!
冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。
※兄が妹を溺愛するお話しです。
※ざまぁはありますが、それがメインではありません。
※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。