もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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布確保⑤

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「なら、今度名誉伯爵になる、うちの親父、父でも保証人できません?」
 ふいに、思い付いたように晃太が聞く。
「出来なくはないでしょう。ただ、結構このSランク冒険者の保証人ってのは、色々大変なんですよ」
 エドワルドさんが首をすくめる。
「特にミズサワ殿の場合は、俺の時以上に大変になりますよ」
 簡単にエドワルドさんが説明してくれる。
 冒険者の保証人なんて、なかなかなり手がない。理由はもし冒険者になにかあれば、保証人も影響がある。それが依頼失敗となれば違約金とかの支払いの義務が出たりする。ちょっと何かしら悪い噂が流れたら、それも影響がある。体裁面を気にする貴族としては、それは何より避けたい。なので、なり手が少ない。
 保証人になっても、あんまり自身に返ってくる恩恵が少ないからね。
「ミズサワ殿の場合は、ちょっとダンジョン行っただけであれだけの稼ぎ。何よりあれだけの従魔達を従えている。うちのひいお祖父様が後見人。フェリアレーナ様の件で少なくとも王家と繋がりがある。恩恵ばかりですよ」
 エドワルドさんが指折り数える。
「そして、何より、貴女自身がまだ独り身だと言うこと」
 うっ。
 それはビアンカやルージュ達、従魔達の所有権がいずれ誰のものになるか。
 私の方が先に寿命が尽きる、もしくは年齢で冒険者を引退する。
 そうなれば、ビアンカやルージュ達がどうなるか、だ。私に子供がいれば継承される。もしくはお弟子さん的な人がいればその人になる。
 だけど。残念ながら私にはいない。
「貴女は自覚はないでしょうが、少しでも考えたら、貴女の伴侶の座は、喉から手が出る程欲しいんですよ。ひいお祖父様が防波堤になっていますが、保証人となれたら、ちょっかいかけて来ますよ」
 ふう。と、エドワルドさん。
「俺の時でさえ、兄が随分大変だったと聞きました。理由はひいお祖父様に繋がりたかった事、当時喪の開けた次兄の後妻狙い、独り身である俺の名誉男爵位」
 うわあ。
「兄はユリアレーナの宰相が白騎士団に所属していた頃から目をかけてもらっていた縁で、何かしら助けてくれたそうです。ちなみに宰相のワゼィール様はセレドニア国王陛下の従兄弟で、ユリアレーナ筆頭公爵家当主。俺の時でさえ、あれこれ言われたのに、貴女方の父上に、それを跳ね返せるだけの力があります? 協力関係になってくれる権力者がいます?」
「「うっ」」 
 詰まる私と晃太。
「俺がこの短期間で、貴女に接しただけで、ああ、もしミズサワ殿がランクを上げるのなら、ハルスフォン侯爵が保証人になるんだろうと思ったのはそこです。伯爵から侯爵になり、王家の血筋の王女が輿入れしたハルスフォン家なら、保証人にふさわしいと思ったんです。会話の端々で、ミズサワ殿とハルスフォン侯爵家はかなり良好な関係のように受け取ってましたから」
 エドワルドさんが一息着く。
「まあ、まだ、先のはなしですが、遠くない未来ですよ。頭の片隅に置いておくのも悪くないかと」
「そうですね……………」
 保証人かあ。なんや、なってくれた人に迷惑かけそう。
 Sランクにならなきゃいいんだけど。そうは言ってられない。私は何にもしなくても、ちょっとダンジョン行っただけで、高ランク依頼をいくつも捌いている。ただ、依頼をこなしただけではSランクにはならないけどね。エドワルドさん曰く、私名義で色々寄付したり、カルーラの例の子供達の事など社会貢献が評価されたらそうなるだろうって。
 Sランクとなれば、責任とか、保証人とかめんどくさいけど、それだけではない、ちゃんと利点があるらしい。引退後の就職先とか、名誉の爵位とかね。
 悩む私の頭をちょんちょん。
『主よ、主よ、腹が空いたのだっ』
 アレスが私の頭をちょいちょい。
 はいはい。
 最後の宝箱オープンね。
 ん? ホークさんの表情が硬いような気がするけど、すぐにいつものホークさんに。
『主よ、主よ』
「はいはい」
 アレスにせっつかれて、ワクワク宝箱オープン。
 ぱかり。
「わあっ」
 ビンゴッ。
 綺麗なキラキラ布達が並ぶ。
 フェリアレーナ様の花嫁衣装になったシルクの白い生地。キラキラと輝き、光の加減で柄が浮かぶ。白だけではない、赤や青、オレンジ、ピンクに緑に黄色、水色。あ、わあ、素敵なレース生地までっ。やっぱりレベルの高いアレスが開けた効果があるんかな。転移門やエリクサーや、とっても豪華や。
 しかし、来た来たっ。やっぱりご褒美部屋っ。思ったよりかなり早く手にはいった。これはタージェルさんに見てもらって、レティシア嬢の披露宴のドレスにふさわしいか、判断してもらおう。
 シルク生地は柄が全て違うけど、よく見ないと分からない。本当に光が当たると分かる感じ。レース生地はシンプルな物から、凝った薔薇の物まで。
 良かった、良かった。2ヶ月でなかったらどうしようかと思っていたし。
「アレス君や」
『なんなのだ?』
 今回の最大の功労者やからね。
「今日は好きなの好きなだけ食べてよかけんね」
 アレスがダンジョン言わなかったら、手に入らなかったからね。
『? やったのだっ。我はあんパンとクリームパンとジャムパンの気分なのだっ、あ、焼いた肉もなのだっ』
「アリスもたくさんお肉焼くけんね」
「わふんっ」
 アリスも罠に関してお世話になったし。アリスは尻尾ぷりぷり。
 全て晃太のアイテムボックスに。
 チュアンさんとマデリーンさん、アリスはルームに戻ってもらい、脱出用魔法陣で冷蔵庫ダンジョンを出た。
「「お疲れ様でございますミズサワ様」」
 リティアさんとタージェルさんが寒い中、しっかり待機してました。
 はい、なんとなく分かってましたよ。
 私達はリティアさんとタージェルさんに先導されて、ギルドに向かった。
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