文字の大きさ
大
中
小
527 / 877
連載
布確保④
「出たな」
「出たね」
私と晃太がうん、と頷いた。
でも、ラッキーだね、確率低いのに。
『妻よ、妻よ、見たか? 我の雷』
アリスにすりすりとすり寄るアレス。
あー、はいはい、と言わんばかりのアリス。
「ミズサワ殿、あれは、ご褒美部屋ですか?」
エドワルドさんが確認するように聞いてくる。
「そうです」
きっかけは元気やけどね。
少し離れた場所から穴を確認。小部屋で、大きな葛の様な宝箱が中央に1つ、左右に買い物籠サイズの宝箱がある。
「問題は罠やな」
ルージュなら闇魔法で、ちょちょいだけど。
「アリス、この部屋の罠の確認して、あったら解除できる?」
「わふんっ」
アレスがぴったり張り付いたアリスが、ご褒美部屋を確認。
その間にエドワルドさんにご褒美部屋の出現率と、その経緯を説明。エドワルドさん、へー、みたいだ。
「わふんっ」
アリスが私にわふんっ。何やら、申し訳なさそうな顔だけど。
「終わった?」
「わふんっ、わふんわふんっ、わふーんっ」
分からん。
なんとなく罠があるけど、手に追えないのかな。
『罠が壁や地面にあるが、深くて手が出せないそうなのだっ』
アレスが通訳してくれる。
「わんわん、わふーん」
『あの宝箱も妙な気配に覆われてよく分からない、近付かないと分からないそうなのだっ』
「そうね」
罠があるのに、ご褒美部屋に入らせる訳にはいかんし。どうしよう。ちら、と奥にある宝箱達を見る。
「姉ちゃん。どうする? あんまり待つと閉まるかもよ」
「そうやね。壁と床の罠がどうにか出来れば」
うーん。
本職の冒険者さんに聞くと、首を左右に振った。
「こんな上層階のご褒美部屋の罠なんて、俺たちでは手に負えません」
「今まで、ルージュさんが全て請け負ってくれていましたから。私の闇魔法でどうにかなればいいのですが、アリスさんの足元にも及びません。申し訳ありません」
「私も簡単な罠ならどうにか解除出来ますが、ご褒美部屋の罠はとてもとても」
と、鷹の目の皆さん。
「俺は無理です。無理ですが、話を聞いたことはあります」
エドワルドさん自身、ご褒美部屋は初めて。ただ、他のパーティーメンバーから話を聞いたそうだ。
「部屋に罠がある場合はわざと発動させて、玉切れになるまで待つ」
え? そんなことしたら。
「宝箱も損壊する可能性が非常に高いので、実用性ではないですね」
「やっぱり」
「次に特殊網を使用します。網を投げて、宝箱を引き寄せます」
「漁みたいやな」
晃太がポツリ。
「それでも、罠が発動しない訳ではないので、損壊率は非常に高いです」
「打つ手ないって事ですね」
諦めるかあ。安全策を取るかね。でも、あれ、サイズ的にあれよね。
うーん。うーん。うーん。
悩んでいると、ふいに、アリスにべたべたしているアレスが視界に入る。
「アレス君や」
『ん? なんなのだ?』
「氷魔法使える?」
『当然なのだっ』
私とアレスの会話を聞いて、皆さん首を傾げてる。
「この部屋の壁や床、天井一面、氷で覆える? あ、宝箱は凍らせんでよ」
『分かったのだっ』
「姉ちゃん、どうするん?」
「罠があるなら、発動せんように氷で塞いでしまえばいいかなってね」
「あ、なるほど」
アレスがご褒美部屋の前に。大きく息を吸って。
『ふんっ』
鼻息一発。
ピキキキキキキキキィィィィィッ
うっ、冷気が一気に流れて来た。
『ふうっ、細かいのは疲れるのだっ』
そうなの? 口から真っ白な息を出しながら振り返るけど、疲れた感じってより、めんどくさい作業をやりきった、どやって顔。
「ありがとうアレス」
『いいのだっ。あんパン食べたいのだっ』
「はいはい」
『クリームパンとジャムパンも食べたいのだっ』
「はいはい、分かった」
麦美ちゃんで購入するかね。
視界の隅で、アリスが細やかに左前足を出す。
くっ、細やかなアリスのおねだり。
「アリスも帰ったら食べるね?」
「わふんっ」
嬉しそうやね。
帰ったら麦美ちゃん直行や。
さ、気を改めて、ご褒美部屋を覗く。
…………………………? 気のせいかな? 宝箱から細いが白い煙を上げている。3つとも。
「ホークさん、あれは」
「擬態魔物ですね」
「やっぱりー」
あれ、寒いときに出る、白い息や。
「アレスー、撃破ー」
『分かったのだっ。ふんっふんっふんっ』
鼻息三連発。
宝箱、木っ端微塵。
擬態魔物が吹き飛ばされて、改めて出てきた宝箱。
アリスがアレスにがっちり守られて中に入り、宝箱チェック。振り返り大丈夫だと頷く。
晃太がアレスに掴まりながらご褒美部屋に入り、宝箱を一旦アイテムボックスへ。転ばないように注意しながら出てきた。床や壁、天井を覆う氷がパキパキ言ってる。多分罠が発動しているけど、氷が邪魔しているんやな。
無事に出てきたのを確認。
「アレス、罠がはみ出したらいかんけん。入り口を氷で覆って」
『分かったのだっ、ふんっ』
ご褒美部屋の入り口が氷で覆われる。
エドワルドさんが、無言でそれを見ている。
晃太が宝箱をアイテムボックスから取り出す。
罠はないし、さ、ワクワク宝箱オープン。
まずは、買い物籠サイズを開ける。晃太はもう一方を開ける。
ワクワク。
ぱかり、と開けると、ポーションが3本並んでいる。ホークさんと確認する。
「色的に、エリクサーですよね?」
「そうですね。でも下級より色が濃いですね」
「なら、上のランク?」
「そうでしょうね。リュウタさんに鑑定をしてもらった方がいいかと」
「そうします」
これは引き取ろう。
「晃太ー、なんが出た?」
「あー、多分ー」
歯切れ悪く、晃太が顔をあげる。
「多分、転移門」
「えっ?」
あの、数十億もするやつっ?
慌てて宝箱を覗くと、以前見た事がある転移門より細身の折り畳み傘が4つ。
あの時の転移門は3つやったけど。
これ、いくらになるんやろ? うわあ、怖かっ。
「どうする姉ちゃん」
「個人がもつもんやない。国に献上しよう」
私は即決。
それを聞いてぎょっとしたのは、冒険者の皆さん。
「ユ、ユイさん、これ、献上するんですか?」
ホークさんが驚きを通り越した顔で聞いてくる。
「はい。前のも献上しましたし」
「「「「前のも?」」」」
「はい」
以前スカイランの軍隊ダンジョンから出たのは、いろいろな思惑があり国に献上した。
「あの時、色々あって、考えて転移門を国に献上したんです」
貴族のように権力者が私達にちょっかいかけて欲しくなくて、国から注意して欲しくて。それが流れ流れてガーガリア元妃が、お母さんの元で静養できることになったし、フェリアレーナ様もセザール様の元に嫁げたし。ユリアレーナとアルティーナのバランスも保てたし。いい方に転がってくれたと思っている。
でも、今はサエキ様が後見人になってくれたし、献上しなくてもいいのかな?
「献上は考えた方がいいですかね?」
うーん、と悩む皆さん。
「国に恩を売るならいいかと思いますが」
答えてくれたのは、貴族のエドワルドさん。それでもお悩み顔。
「ちょっと物が物ですからね……………もし、あれでしたらハルスフォン侯爵に相談案件かと。ファクル侯爵令嬢への布の件と一緒に」
ファクル侯爵令嬢は、ジークフリード王太子殿下の婚約者、レティシア嬢のお家の名前ね。
「じゃあ。そうします」
「それがいいでしょうね。いずれ、ミズサワ殿のランクの事でも、侯爵に恩が売れますし」
「え?」
ランク?
「え?」
エドワルドさんも、え?
「いや、ミズサワ殿、ランク、Sランクに上がる時、どうするんです?」
あ、忘れとった。
Sランクになるには、色々条件がある。その1つに、Sランクになる時に、爵位のある人が保証人に必要。もし、何かやらかしたら、その保証人も一蓮托生になるので、結構な覚悟が必要。
「俺の場合はウルガー子爵当主である兄が保証人になってくれました。ミズサワ殿はそう遠くない未来、Sランクに押し上げられますよ。そうなった時の保証人選びが重要になります」
「そうなんです?」
こくり、と頷くエドワルドさん。
「付かず離れずの関係になりますからね。俺は運良く兄が受けてくれて、自由にさせてくれてます。もし、色々要求してくるような保証人だったら、行動範囲を制限されたり、そのミズサワ殿の場合、失礼ですが、伴侶と後継者を求められるかと思いますし、貴女が望む相手に難癖着けてくるかも」
「えーっ?」
めっちゃ嫌っ。あ、サエキ様に、後見人のサエキ様にシャットアウトしてもらおう。だけど、エドワルドさんは首を横に振る。後見人と保証人はほぼ同じ立場になるそうだ。
「まあ、そうならないように、保証人選びが重要って事です。もし、ハルスフォン侯爵がミズサワ殿に友好的なら考えた方がいいですよ。すぐって話ではないですし、ハルスフォン侯爵が辞退する可能性がありますし。それこそ、ひいお祖父様が帰国した時の相談案件ですね」
「そうですか。いずれは首都に行くし」
そう。このヤマタノオロチの事が済んだら、私はユリアレーナを離れる。
マデリーンさん、ミゲル君の故郷であるシーラに向かうからだ。その時に首都を通過する。もちろん帰りもね。そのどちらかでサエキ様に面会出来たら、面会しよう。
「出たね」
私と晃太がうん、と頷いた。
でも、ラッキーだね、確率低いのに。
『妻よ、妻よ、見たか? 我の雷』
アリスにすりすりとすり寄るアレス。
あー、はいはい、と言わんばかりのアリス。
「ミズサワ殿、あれは、ご褒美部屋ですか?」
エドワルドさんが確認するように聞いてくる。
「そうです」
きっかけは元気やけどね。
少し離れた場所から穴を確認。小部屋で、大きな葛の様な宝箱が中央に1つ、左右に買い物籠サイズの宝箱がある。
「問題は罠やな」
ルージュなら闇魔法で、ちょちょいだけど。
「アリス、この部屋の罠の確認して、あったら解除できる?」
「わふんっ」
アレスがぴったり張り付いたアリスが、ご褒美部屋を確認。
その間にエドワルドさんにご褒美部屋の出現率と、その経緯を説明。エドワルドさん、へー、みたいだ。
「わふんっ」
アリスが私にわふんっ。何やら、申し訳なさそうな顔だけど。
「終わった?」
「わふんっ、わふんわふんっ、わふーんっ」
分からん。
なんとなく罠があるけど、手に追えないのかな。
『罠が壁や地面にあるが、深くて手が出せないそうなのだっ』
アレスが通訳してくれる。
「わんわん、わふーん」
『あの宝箱も妙な気配に覆われてよく分からない、近付かないと分からないそうなのだっ』
「そうね」
罠があるのに、ご褒美部屋に入らせる訳にはいかんし。どうしよう。ちら、と奥にある宝箱達を見る。
「姉ちゃん。どうする? あんまり待つと閉まるかもよ」
「そうやね。壁と床の罠がどうにか出来れば」
うーん。
本職の冒険者さんに聞くと、首を左右に振った。
「こんな上層階のご褒美部屋の罠なんて、俺たちでは手に負えません」
「今まで、ルージュさんが全て請け負ってくれていましたから。私の闇魔法でどうにかなればいいのですが、アリスさんの足元にも及びません。申し訳ありません」
「私も簡単な罠ならどうにか解除出来ますが、ご褒美部屋の罠はとてもとても」
と、鷹の目の皆さん。
「俺は無理です。無理ですが、話を聞いたことはあります」
エドワルドさん自身、ご褒美部屋は初めて。ただ、他のパーティーメンバーから話を聞いたそうだ。
「部屋に罠がある場合はわざと発動させて、玉切れになるまで待つ」
え? そんなことしたら。
「宝箱も損壊する可能性が非常に高いので、実用性ではないですね」
「やっぱり」
「次に特殊網を使用します。網を投げて、宝箱を引き寄せます」
「漁みたいやな」
晃太がポツリ。
「それでも、罠が発動しない訳ではないので、損壊率は非常に高いです」
「打つ手ないって事ですね」
諦めるかあ。安全策を取るかね。でも、あれ、サイズ的にあれよね。
うーん。うーん。うーん。
悩んでいると、ふいに、アリスにべたべたしているアレスが視界に入る。
「アレス君や」
『ん? なんなのだ?』
「氷魔法使える?」
『当然なのだっ』
私とアレスの会話を聞いて、皆さん首を傾げてる。
「この部屋の壁や床、天井一面、氷で覆える? あ、宝箱は凍らせんでよ」
『分かったのだっ』
「姉ちゃん、どうするん?」
「罠があるなら、発動せんように氷で塞いでしまえばいいかなってね」
「あ、なるほど」
アレスがご褒美部屋の前に。大きく息を吸って。
『ふんっ』
鼻息一発。
ピキキキキキキキキィィィィィッ
うっ、冷気が一気に流れて来た。
『ふうっ、細かいのは疲れるのだっ』
そうなの? 口から真っ白な息を出しながら振り返るけど、疲れた感じってより、めんどくさい作業をやりきった、どやって顔。
「ありがとうアレス」
『いいのだっ。あんパン食べたいのだっ』
「はいはい」
『クリームパンとジャムパンも食べたいのだっ』
「はいはい、分かった」
麦美ちゃんで購入するかね。
視界の隅で、アリスが細やかに左前足を出す。
くっ、細やかなアリスのおねだり。
「アリスも帰ったら食べるね?」
「わふんっ」
嬉しそうやね。
帰ったら麦美ちゃん直行や。
さ、気を改めて、ご褒美部屋を覗く。
…………………………? 気のせいかな? 宝箱から細いが白い煙を上げている。3つとも。
「ホークさん、あれは」
「擬態魔物ですね」
「やっぱりー」
あれ、寒いときに出る、白い息や。
「アレスー、撃破ー」
『分かったのだっ。ふんっふんっふんっ』
鼻息三連発。
宝箱、木っ端微塵。
擬態魔物が吹き飛ばされて、改めて出てきた宝箱。
アリスがアレスにがっちり守られて中に入り、宝箱チェック。振り返り大丈夫だと頷く。
晃太がアレスに掴まりながらご褒美部屋に入り、宝箱を一旦アイテムボックスへ。転ばないように注意しながら出てきた。床や壁、天井を覆う氷がパキパキ言ってる。多分罠が発動しているけど、氷が邪魔しているんやな。
無事に出てきたのを確認。
「アレス、罠がはみ出したらいかんけん。入り口を氷で覆って」
『分かったのだっ、ふんっ』
ご褒美部屋の入り口が氷で覆われる。
エドワルドさんが、無言でそれを見ている。
晃太が宝箱をアイテムボックスから取り出す。
罠はないし、さ、ワクワク宝箱オープン。
まずは、買い物籠サイズを開ける。晃太はもう一方を開ける。
ワクワク。
ぱかり、と開けると、ポーションが3本並んでいる。ホークさんと確認する。
「色的に、エリクサーですよね?」
「そうですね。でも下級より色が濃いですね」
「なら、上のランク?」
「そうでしょうね。リュウタさんに鑑定をしてもらった方がいいかと」
「そうします」
これは引き取ろう。
「晃太ー、なんが出た?」
「あー、多分ー」
歯切れ悪く、晃太が顔をあげる。
「多分、転移門」
「えっ?」
あの、数十億もするやつっ?
慌てて宝箱を覗くと、以前見た事がある転移門より細身の折り畳み傘が4つ。
あの時の転移門は3つやったけど。
これ、いくらになるんやろ? うわあ、怖かっ。
「どうする姉ちゃん」
「個人がもつもんやない。国に献上しよう」
私は即決。
それを聞いてぎょっとしたのは、冒険者の皆さん。
「ユ、ユイさん、これ、献上するんですか?」
ホークさんが驚きを通り越した顔で聞いてくる。
「はい。前のも献上しましたし」
「「「「前のも?」」」」
「はい」
以前スカイランの軍隊ダンジョンから出たのは、いろいろな思惑があり国に献上した。
「あの時、色々あって、考えて転移門を国に献上したんです」
貴族のように権力者が私達にちょっかいかけて欲しくなくて、国から注意して欲しくて。それが流れ流れてガーガリア元妃が、お母さんの元で静養できることになったし、フェリアレーナ様もセザール様の元に嫁げたし。ユリアレーナとアルティーナのバランスも保てたし。いい方に転がってくれたと思っている。
でも、今はサエキ様が後見人になってくれたし、献上しなくてもいいのかな?
「献上は考えた方がいいですかね?」
うーん、と悩む皆さん。
「国に恩を売るならいいかと思いますが」
答えてくれたのは、貴族のエドワルドさん。それでもお悩み顔。
「ちょっと物が物ですからね……………もし、あれでしたらハルスフォン侯爵に相談案件かと。ファクル侯爵令嬢への布の件と一緒に」
ファクル侯爵令嬢は、ジークフリード王太子殿下の婚約者、レティシア嬢のお家の名前ね。
「じゃあ。そうします」
「それがいいでしょうね。いずれ、ミズサワ殿のランクの事でも、侯爵に恩が売れますし」
「え?」
ランク?
「え?」
エドワルドさんも、え?
「いや、ミズサワ殿、ランク、Sランクに上がる時、どうするんです?」
あ、忘れとった。
Sランクになるには、色々条件がある。その1つに、Sランクになる時に、爵位のある人が保証人に必要。もし、何かやらかしたら、その保証人も一蓮托生になるので、結構な覚悟が必要。
「俺の場合はウルガー子爵当主である兄が保証人になってくれました。ミズサワ殿はそう遠くない未来、Sランクに押し上げられますよ。そうなった時の保証人選びが重要になります」
「そうなんです?」
こくり、と頷くエドワルドさん。
「付かず離れずの関係になりますからね。俺は運良く兄が受けてくれて、自由にさせてくれてます。もし、色々要求してくるような保証人だったら、行動範囲を制限されたり、そのミズサワ殿の場合、失礼ですが、伴侶と後継者を求められるかと思いますし、貴女が望む相手に難癖着けてくるかも」
「えーっ?」
めっちゃ嫌っ。あ、サエキ様に、後見人のサエキ様にシャットアウトしてもらおう。だけど、エドワルドさんは首を横に振る。後見人と保証人はほぼ同じ立場になるそうだ。
「まあ、そうならないように、保証人選びが重要って事です。もし、ハルスフォン侯爵がミズサワ殿に友好的なら考えた方がいいですよ。すぐって話ではないですし、ハルスフォン侯爵が辞退する可能性がありますし。それこそ、ひいお祖父様が帰国した時の相談案件ですね」
「そうですか。いずれは首都に行くし」
そう。このヤマタノオロチの事が済んだら、私はユリアレーナを離れる。
マデリーンさん、ミゲル君の故郷であるシーラに向かうからだ。その時に首都を通過する。もちろん帰りもね。そのどちらかでサエキ様に面会出来たら、面会しよう。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!