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2巻
2-1
序章
「今日の書類はこれで最後か」
「はい」
ディレナス王国、副大臣ヒュルト・リン・ディレナスは眉間の皺を伸ばす。
二ヶ月前、あの『聖女の厄災』が起きてから、ヒュルトは多忙を極めた。
だが、自分だけではない。みんな、一様に多忙だ。
入口に控えていた騎士が来客を告げる。
「通せ」
入ってきたのは白髪の男性。
「どうした、フィリップ?」
厳しい顔で入室した白髪の男性――フィリップは、『火鬼』の異名を持つ、この国の第四騎士団の団長だ。子供が見たら泣き出すほど険しいその顔には、右頬から首にかけて火傷痕が広がっている。
「あの愚か者どもはどうしている?」
「ああ、バカどもか」
鬼のような形相のフィリップに、ヒュルトは冷静に返す。
「座れ、フィリップ」
「どうしている?」
着席するなり、フィリップは再び尋ねたのだった。
二ヶ月前、異世界から召喚した聖女をお披露目するための巡礼に、フィリップは第四騎士団の団長として参加した。
息子のエリオールから話は聞いていた。第一王子アレクシアン主体で執りおこなわれた『聖女召喚』により呼び出された聖女とその母親、弟、妹。その四人に、国王の側室がマナーの指導をしているが、進捗は芳しくないと。
だが想像以上だった。あまりに品のない聖女一家に、巡礼中、フィリップの怒りが何度爆発しそうになったことか。
我慢したのは、聖女一家に振り回されながらも、職務を全うしようとする世話役のメイドやギルド職員達を見ていたからだ。彼らがこうして頑張っているのに、自分が怒りを爆発させるわけにはいかない、と。
だが、一度でもいい、聖女一家をぶん殴っておけば、こんなことにはならなかった。そう痛感している。
行く先々で、男をひっかけ、娼婦とみまがうばかりの聖女とその妹。己の年を考えない派手な母親。あり得ないほどだらしない弟。
苦労して指導した教師の思いを踏みにじるようにして、聖女の巡礼は進んだ。
ディレナスの誇る薬草園について丁寧に説明する職員を無視し、暑いだとかつまらないだとか繰り返す。
あげく最上級破壊魔法を放ったのだ。
あの時、フィリップは別件で呼ばれ、聖女一家から離れていた。そのわずかな隙に、厄災が起きた。いや、起こされた。
爆発の余波で一瞬気絶したフィリップ。意識を取り戻し、見たものはまさに地獄だ。
巻き上がる炎、吹き荒れる風、引き裂かれた大地、逃げ惑う人々。
煤と血で汚れた人達を助けるため、フィリップは走った。走りながら見たのだ。
「汚い手で触らないでよッ」
熱さでもがき苦しむ人々の手を、聖女――華憐は足で蹴った。
怒りが爆発しそうなフィリップを踏みとどまらせたのは、これまで黙って職務に徹していたメイド達だ。彼女達は聖女一家を石で殴って気絶させ、そのまま放置し、怪我人の救助に走り出したのだ。
その姿に、冷静さを取り戻したフィリップは、自身の魔力を操り、燃え上がる炎がこれ以上広がらないよう制御し続けた。大火傷を負いながら。
鎮火したのは、天の恵みのおかげだ。降り出した雨に、フィリップは心から感謝した。
「雨の女神よ、あなたの涙に感謝します」
意識がそこで途絶えた。
数日間不眠不休で走り回り、『火鬼』の異名を持つフィリップの体もさすがに限界だったのだ。
意識を取り戻したのは三日後。
治療院のベッドの上だった。
目覚めるやいなや、止める治療院の職員を振り切り、フィリップが向かったのは王城だ。
そして、ヒュルトの執務室に怒鳴り込んだ。
「ヒュルト、あのバカどもを出せッ、切り刻んでやるッ」
疲労を顔に深く刻んだヒュルトは、怒り狂うフィリップに安堵の表情を見せた。
「まだ、そんな気概があったか」
以前、大怪我が原因でほぼ引退が確定していたフィリップは、一時自棄を起こしていた。だが新たに開発された薬――抗生剤のおかげで治癒し、再び騎士の鎧を身に纏うことができた。
ヒュルトは今回の件で、フィリップが再び自棄を起こすのではないかと案じていたのだ。
「フィリップ、切り刻みたいと思っているのがお前だけであるはずがないだろう?」
ヒュルトは人払いをして、フィリップを座らせ、自らも向かいに腰を下ろす。
「いいか、お前が救助に走り回り、その後眠っている間にいろいろあった」
まず、聖女一家を拘束。一ヶ月前にダンジョンから発見された魔封じの枷を、メイドに殴られ気絶している間に嵌めた。これは攻撃魔法だけを封じるものだ。
聖女一家の後見人となっていた第一王子は廃嫡、王城の一角にある塔に一生涯の幽閉が決まった。
ヒュルトは救助の指示を出す合間を縫って、地下牢に放り込まれた聖女一家に会いに行った。
「私は聖女なのよ、早くこんなところから出しなさいよッ」
喚き散らす聖女、華憐。
金色の髪の根元は黒くなっている。
無表情に見つめるヒュルトに食ってかかる、職業・大魔導師の母親。
「こんな汚い場所から早く出しなさいッ、私を誰だと思っているのッ、宮野沢グループの創始者の娘よッ」
髪を振り乱す母親に、かつての若々しい姿はない。
ヒュルトは鼻で嗤う。誰の娘か知らないが、この世界では通用しない。おそらくその『創始者の娘』という立場で前の世界では大きな顔をしていたのだろう。
「くせえんだよ、早く出せよッ」
悪態を吐いて鉄格子を蹴り、唾を飛ばす、聖騎士の弟。
水色の髪の根元は黒くなっている。
「早く出しなさいよッ、汚いのよここはッ。寝れないしッ、まともなご飯は出ないしッ」
牢に入れられているのにあり得ない不満をこぼす大賢者の妹。
真っ赤な髪の根元は黒くなっている。
ヒュルトは喚き散らす聖女一家を一瞥し、牢を出た。
その時のことを思い出しながら、ヒュルトは口を開く。
「フィリップ、私はあの者達を最大限使い潰すつもりだ」
「はあ? 処刑せんのか?」
「そんなことしても、一時的な対応にしかならないだろう? 最終的に処刑するにせよ、それまでの間、ギリギリ死なない程度の食事を与え、人々に回復魔法をかけさせ、大地を再生させる。今、嵌めさせている魔封じの枷には、自殺防止の付与もあるしな」
ヒュルトの顔には、鬼も怯むような凄みがあった。
「ただでは死なさん。搾り取るだけ搾り取り、使用不可能になるまで使い潰す」
「あれが他人に回復魔法なんてかけるものか」
吐き捨てるフィリップ。あの時、必死に助けを求める人達の手を、華憐が蹴ったのを見ていたからだ。
「それがな、かけているんだよ」
「はあ?」
「食事だよ。一日働いたら、これくらいのスープを食事につけている」
ヒュルトはカップに半分ほど入っているお茶を示す。
「当然、誰か一人だけが回復させても、スープはつけん。全員が働いて一杯だけだ」
一日黒パン一個しか食べられない華憐達は、スープを手に入れるために仕方なく回復魔法をかけている。もし誰か一人でも文句を言おうものなら、連帯責任で全員黒パン一個生活だ。喚こうが怒鳴ろうが、誰も聞かない。
「ギリギリまで使い潰し、このまま生きたい、死にたくない、そう思う頃に処刑してやる」
そんな話をしたのは二ヶ月ほど前。
今日再び執務室にやってきたフィリップは、聖女一家の様子を尋ねる。
「あいつらは反省などしとらんだろう? 回復魔法といっても大した効果もない。ユイさんの開発した薬のほうが人々を救っている」
「確かに、な。それをどうやって耳にしたが知らんが、こんなことをのたまったよ」
だったら、優衣ちゃん達にも責任を取らせろ。同じ日本人としての連帯責任だ、と。
優衣ちゃん達が私達と一緒にいて注意さえしてくれたら、あんな魔法は使わなかった。だから、悪いのは全部優衣ちゃん達だと。
聖女召喚に巻き込まれただけにもかかわらず、家族で支え合い、自活の道を模索していた水澤一家。聖女達はこれまで、ただの一度さえ水澤家の生活を気にかけたことはなかったのだ。
それなのにこんな時だけ連帯責任を求める聖女一家に、ヒュルトは呆れてものが言えなかった。
そもそも魔法兵団長が、使っていいのは簡単な初歩魔法だけだと何度も言っていたのに、最上級破壊魔法を使ったのは、聖女一家だ。いい年して、聞いていない、知らないと言い張る聖女一家は、あまりにも見苦しかった。
ヒュルトはフィリップに、ユイ一家が巻き込まれて召喚されたことを説明した。真面目に自立しようとしていたあの一家は、同じタイミングで召喚された聖女一家との接触をとにかく避けていた。まったく違う世界に召喚されて、右も左もわからない土地で、それでも知り合い同士で助け合うことを拒んだユイ一家。なぜそうしたか、今ならわかる。下手に関係を持っていたら、自分達に火の粉が降りかかるからだ。だから、ユイ一家は、聖女一家との接触を拒み続けた。
聖女一家の無責任な発言に、ヒュルトはなぜ、ユイ一家があれほど嫌がったのか実感した。そして彼女達が国を出た理由を悟った。
ユイ達が残した手紙は、無事ヒュルトに届いていた。ヒュルトが一方的な召喚の慰謝料として渡した百万Gも同封してあった。これまで面倒を見てくれたことへの感謝の言葉や、監視役だった騎士のディードリアンとイーリスを叱らないでほしいことなどが書いてあった。そして、国を出る最大の理由は、華憐達がいずれトラブルを起こした時、それに大事な家族を巻き込みたくないからだと。
その後、城の図書館の司書より、聖女一家によって禁書が何ページか破り取られていたと報告があった。それを聞き、ヒュルトは早馬を飛ばして魔封じの枷を聖女の巡礼先に届けさせたのだが、間に合わず、大惨事だ。
「ユイさん一家に責任がある? 斬っていいか?」
フィリップの顔にわかりやすく怒りが浮かぶ。フィリップが騎士として復帰できたのは、優衣が鑑定能力の高い父――龍太に頼んで開発した抗生剤のおかげだった。もちろん抗生剤だけの力ではない。優衣が自棄になっていたフィリップに親身に寄り添い、処置を続けたからこそ、治癒に至った。いかつい顔のフィリップは、若い婦女子に避けられがちだが、優衣は他の患者と同じように接してくれた。
フィリップにとって優衣は、騎士として復帰させてくれた恩人というだけではない。誰にでも平等に接する彼女の姿に尊敬とも、思慕ともつかない思いを抱いていた。
つまり優衣は、フィリップの大事な人だ。
「落ち着け、フィリップ。だが、このままでは遅々として復興は進まんから、ちょっと人参をぶら下げる。協力してくれ」
「協力?」
「ああ、バカと鋏は使いようだ」
第一章 これから
私達――水澤一家はギルドの建物を出る。
はあ、なんだか、短期間にいろいろあったなあ。
聖女召喚に巻き込まれ、気がつけば異世界の国ディレナスに。その後、あの華憐がなにかやらかすだろうからと、こっそり出国。
いろいろあったけど、移動のために雇った冒険者パーティの『鷹の目』の皆さんは、とてもいい方達だった。途中で神様からのスキルの追加もいただけたし、なにより最大の変化は、新しい家族が増えたことやね。
「ミズサワさん、これからどうされますか?」
旅の途中で知り合った行商人のパーカーさんが、心配そうに聞いてくる。
「とりあえず、宿を探します。これからのことはそのあと考えるつもりです」
「そうですか。私達は明日発ちますが、どうかお気をつけてください」
マーファで仕立て屋をしているというパーカーさんは、声を潜める。
「ユイさん、あなたがあの二匹を従魔にしたことはいずれ知られることになります。そうなればあの二匹目的でよからぬ連中が声をかけてくるでしょう」
「はあ」
首を傾げる私。
「ビアンカとルージュが欲しいと?」
旅の途中で出会い、新たに家族になったもふもふ達。『魔の森の守護者』と呼ばれるフォレストガーディアンウルフのビアンカ。通ったあとは血の道ができると言われるクリムゾンジャガーのルージュ。そして、その子供達。
「はじめは甘い言葉を囁いてくるでしょうね。丸め込まれて、従魔の権利を渡すなんてことにならないように気をつけてください」
え、そんなことできるの?
『あり得ないのです』
『よからぬ気配がマスターに近づけば、切り裂いてやるわ』
『そうなのです、息の根を止めるのです』
やめて、ビアンカ、ルージュ。怖いから。あとでいろいろ約束事を増やさないと。
「はい、ありがとうございます。気をつけます」
「では、これで私達は失礼します。短い間でしたがお世話になりました。マーファにいらしたら、ぜひ私どもの店に来てください。西通りで店を出しています。西通りに仕立て屋は私達の店一軒しかありませんから」
「ミズサワさん、お世話になりました」
「はい。パーカーさん達もお気をつけて」
パーカーさんと、その息子さんジョシュアさんに挨拶。
パーカーさんが雇った冒険者パーティ『山風』の皆さんも声をかけてくれる。
「ユイさん、変な連中が声をかけてくるかもしれません。気をつけてください」
そう言ってきたのは『山風』のリーダー、ロッシュさんだ。
「はい、ありがとうございます、ロッシュさん。ビアンカとルージュ、その子供のヒスイ達は誰にも渡しませんから」
「いや、あのですね。まず、主人のユイさんを手に入れようとしてきますよ」
「そうなんですね」
『そんなことさせないのです』
『ええ、近づけさせないわ』
ビアンカとルージュが頼もしい。
「はい、気をつけます」
「では、俺達もこれで」
『山風』の皆さんもギルドをあとにする。
「マーファでミズサワさん達がレストランを開いたら真っ先に行きますっ」
「常連になるっすっ」
見習い冒険者のマアデン君とハジェル君もそう言って手を振りながら去っていった。
「ユイさん」
次に声をかけてくれたのは、ここまで護衛してきてくれた冒険者パーティ『鷹の目』のリーダー、ホークさんだ。
「あ、リーダーさん、長い間お世話になりました」
「いいえ、こちらこそ。ユイさん、繰り返しになりますが、本当に気をつけてください。あと、従魔として本契約をしたのなら、やはりユイさんも冒険者ギルドに登録したほうがいいですよ」
「え?」
「冒険者ギルドにユイさんの従魔として登録したら、他の者は手を出せません。手を出したら、罪に問われます。ただ、ある程度はそれで守られますが、それでも言い寄ってくる者はいるはずです。くれぐれも気をつけてくださいね」
「そ、そうなんですか? わかりました。明日ギルドに行くので登録します」
しかし、冒険者かあ。若ければなんとかなるかもしれないけど、もうアラサーだからな。
確か冒険者もピンキリだったはず。町の雑用とかをメインで受ける手もあるかな。身分証代わりに登録する人もいるって聞いたし。
「ユイさん、大丈夫?」
見習い冒険者のエマちゃんも心配そうにしている。
「エマちゃんありがとう、大丈夫よ」
ディレナスからここまで護衛してくれた『鷹の目』の皆さんに、家族でお礼を言う。
「長い間ありがとうございました」
「ミズサワさんご家族に、どうぞ始祖の神のご加護がありますように」
ヒーラーのチュアンさんが祈ってくれた。ヒーラーというより、モンクみたいなチュアンさん。食事の時いつも、丁寧にお祈りしてくれる。強面な見た目に反して甘いものがお好きなんだよね。
「これから妙な連中が絡んでくるかもしれません、どうか気をつけてください」
魔法使いのマデリーンさんも心配そうに言ってくれる。まさに私がイメージするとおりの魔法使いの綺麗なお姉さん。
「うう、ミズサワさん達の専属護衛なら、ずっとケイコさんのご飯が食べられたのに」
ミゲル君はちょっと悔しそうな顔。母、景子が嬉しそうに笑う。
「ユイさん、これからどうするの?」
エマちゃんと、その後ろにはエマちゃんと同じように心配そうな顔をしている双子の兄のテオ君。
「なんとかなるよ。大丈夫よ」
『鷹の目』の皆さんは数日、この街――アルブレンに滞在するらしい。
挨拶を終え、『鷹の目』の皆さんは、リーダーさんを先頭にして去っていった。エマちゃんとテオ君が心配そうに何度も振り返ってくれる。
それを見送ったあと、気を取り直して母に尋ねた。
「さて、お母さん。残金は?」
「八十万Gくらいかね」
宿代にいくらかかるかわからないけれど、残金が心許ない。今日買い取りに出したあの熊にかけるしかないか。
私達の貴重な収入源は、現代日本で売られている蜂蜜等の転売だが、今回は無理だ。
騒ぎを起こしたばかりの商人ギルドで蜂蜜を買い取ってほしいなんて言えない。
「とにかく宿や」
私は弟の晃太と一緒に宿案内所に向かう。
「すみません」
「はい」
感じのいいおばあちゃんだ。ああ、さっきの商人ギルドの職員と雲泥の差。
「成人四人、小型犬一匹、中型犬三匹、中型猫二匹、超大型犬一匹、超大型猫一匹です。泊まれるところ、あります?」
おばあちゃんの頭に「?」が浮かぶ。
「あの、ちょっと事情がありまして。晃太、ちょっと連れてきて」
「え、ビアンカとルージュ?」
「子供のほうたい」
ビアンカとルージュが来たら、このおばあちゃんの寿命、縮みそうだから。
「ん、わかった」
晃太が呼びに行く前に、来ました。ビアンカの第一子、元気が。案内所に飛び込んできて、カウンターにジャンプジャンプ。
「クンクンッ」
「まあ、かわいい」
おばあちゃんは笑顔。良かった。
ルージュの第二子、ヒスイも来たので抱っこして見せると、おばあちゃんはかわいいの連発。猫派かな。
「まだ他にも、この仔達サイズがいて、その母親もいるんです」
これくらい、と背丈を手で示す。
おばあちゃんは一瞬固まったが、すぐに台帳のようなものを広げる。
「でしたらコテージタイプで、広めの庭付きがございます。少々値が張りますが」
「おいくらですか?」
「一泊九万Gです」
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