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ゲスな⑩
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「私の願い?」
「そう」
神様は私の胸元を示す。
「生き返らせてくれます?」
「それは不可能ね。どの神でも。貴女自身すら気がつかない、心の奥底に眠る願いよ」
なんだそりゃ。
良く分からないけど、何かしらのボーナスかな。
被害者の名に視線を落とすと、再びウィンティアの名前になっている。本当にまだ未確定なんだ。
自殺なんてするもんか。
大体、このレオナルドって人と関わらなければ、高確率で自殺しないはず。だって、ウィンティアはレオナルドを愛して、奪われてからの自殺だった。理由はそれだけじゃないだろうけど、大部分はそのはず。
そっと、レオナルド・キーファーの名前に触れると、なんと小さいけど、ホログラムみたいのが出てきた。凄い。胸像みたいだけど、レオナルドの顔が分かる。なかなかイケメンだ。優しい眼差しの好青年だけど。ウィンティアを捨てて、キャサリンに走る男だ。それにウィンティアとの婚約は、後見となっているウーヴァ公爵の為。ウィンティアに価値がなければ、ゴミのように捨てるのだ。既に婚約している状態なら、どうにかして解消しないと。
素直に貴方とは婚約いや、って言ってみる?
「それでは無理ですね。既にローザ伯爵家とウーヴァ公爵家で色々な取り決めをされています。まだ幼い貴女がそれを言ったとして解消されるようなものではないです」
やっぱりかあ。額のキズを理由にはできない。その事を踏まえての婚約だったはず。
なら、ウィンティアに問題あるって、誤認してもらわないと。
ウィンティアが悪く思われるのは、凄く嫌だな、別な手段を考えないと。
とにかく嫌われよう。
「神様、凄く気になっているんです」
「はい」
「そのスマホ、まさかと思いますけどプレイしました。七色のお姫様、ゲスな恋をあなたと」
「………………………神も世知辛いのです」
だから、何故?
「そちらのゲームは色々ありまして、ストレス発散なんです。まさか、こちらのこの収録集を参照にしたゲームがあるなんて思いませんでした」
「やっぱり、これを参照にしたゲームなんですね」
「貴女とウィンティアと同じように、この収録集の内容を記憶がある魂が、このゲームのシナリオライターに同居して、参照したようです。ここまで酷似しているのは、キャサリン・ローザだけです」
あのゲームのヒロインは七人いたはず。私はキャサリンやってそれ以上はわからない。
「その魂は、表に出ることはありませんが」
「他のルートは参照されていない?」
「あくまで参照している事例はありますが、半分以上はオリジナルですよ」
ふーん。
なんとなく、ページを捲る。
事例八 アデリーナ・グラーフ
被害者 ナタリア・サーデク 刺殺 享年二十一
ヴァレリー・サーデク 頸動脈断絶による出血死 自殺 享年十七
ナタリア、まかさね。
さっき、会ったナタリアはまだ子供だったし。恐る恐る名前に触れると、再び胸像が出てきた。
私は絶句する。
ついさっき会ったナタリアの姿だ。しかも、子供ではない、ちゃんとした女性の姿に成長したナタリアの姿。
嘘でしょ、ナタリアも『魅力』関係での被害者なの? それにこのヴァレリーって。名字一緒だし、まさか、兄弟? どういう事? てか、アデリーナって誰っ?
「アデリーナ・グラーフは赤のヒロインですね」
詳しいな神様。
ナタリアの年齢からしてまだ先だけど、知った以上は見て見ぬふりなんて出来ない。
私はページを捲ろうとしたら、本が勝手に神様に向かって行く。ちょっと大事な情報がっ。
「また会いましょう」
「ちょっと待ってくださいっ」
貴重な情報っ。
次の瞬間、目の前は真っ暗になった。
「そう」
神様は私の胸元を示す。
「生き返らせてくれます?」
「それは不可能ね。どの神でも。貴女自身すら気がつかない、心の奥底に眠る願いよ」
なんだそりゃ。
良く分からないけど、何かしらのボーナスかな。
被害者の名に視線を落とすと、再びウィンティアの名前になっている。本当にまだ未確定なんだ。
自殺なんてするもんか。
大体、このレオナルドって人と関わらなければ、高確率で自殺しないはず。だって、ウィンティアはレオナルドを愛して、奪われてからの自殺だった。理由はそれだけじゃないだろうけど、大部分はそのはず。
そっと、レオナルド・キーファーの名前に触れると、なんと小さいけど、ホログラムみたいのが出てきた。凄い。胸像みたいだけど、レオナルドの顔が分かる。なかなかイケメンだ。優しい眼差しの好青年だけど。ウィンティアを捨てて、キャサリンに走る男だ。それにウィンティアとの婚約は、後見となっているウーヴァ公爵の為。ウィンティアに価値がなければ、ゴミのように捨てるのだ。既に婚約している状態なら、どうにかして解消しないと。
素直に貴方とは婚約いや、って言ってみる?
「それでは無理ですね。既にローザ伯爵家とウーヴァ公爵家で色々な取り決めをされています。まだ幼い貴女がそれを言ったとして解消されるようなものではないです」
やっぱりかあ。額のキズを理由にはできない。その事を踏まえての婚約だったはず。
なら、ウィンティアに問題あるって、誤認してもらわないと。
ウィンティアが悪く思われるのは、凄く嫌だな、別な手段を考えないと。
とにかく嫌われよう。
「神様、凄く気になっているんです」
「はい」
「そのスマホ、まさかと思いますけどプレイしました。七色のお姫様、ゲスな恋をあなたと」
「………………………神も世知辛いのです」
だから、何故?
「そちらのゲームは色々ありまして、ストレス発散なんです。まさか、こちらのこの収録集を参照にしたゲームがあるなんて思いませんでした」
「やっぱり、これを参照にしたゲームなんですね」
「貴女とウィンティアと同じように、この収録集の内容を記憶がある魂が、このゲームのシナリオライターに同居して、参照したようです。ここまで酷似しているのは、キャサリン・ローザだけです」
あのゲームのヒロインは七人いたはず。私はキャサリンやってそれ以上はわからない。
「その魂は、表に出ることはありませんが」
「他のルートは参照されていない?」
「あくまで参照している事例はありますが、半分以上はオリジナルですよ」
ふーん。
なんとなく、ページを捲る。
事例八 アデリーナ・グラーフ
被害者 ナタリア・サーデク 刺殺 享年二十一
ヴァレリー・サーデク 頸動脈断絶による出血死 自殺 享年十七
ナタリア、まかさね。
さっき、会ったナタリアはまだ子供だったし。恐る恐る名前に触れると、再び胸像が出てきた。
私は絶句する。
ついさっき会ったナタリアの姿だ。しかも、子供ではない、ちゃんとした女性の姿に成長したナタリアの姿。
嘘でしょ、ナタリアも『魅力』関係での被害者なの? それにこのヴァレリーって。名字一緒だし、まさか、兄弟? どういう事? てか、アデリーナって誰っ?
「アデリーナ・グラーフは赤のヒロインですね」
詳しいな神様。
ナタリアの年齢からしてまだ先だけど、知った以上は見て見ぬふりなんて出来ない。
私はページを捲ろうとしたら、本が勝手に神様に向かって行く。ちょっと大事な情報がっ。
「また会いましょう」
「ちょっと待ってくださいっ」
貴重な情報っ。
次の瞬間、目の前は真っ暗になった。
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