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新学期とまどか⑦

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 げふっ、満腹っ。
 色んな試食をしてその都度感想述べて、シェフさんとあーでもないこーでもないと繰り返していると夕方。もう入りません、げふっ。
 次回、カレーパンの再現するって。
 テヘロンのカレーはスープカレータイプだから、日本の家庭カレーがいいのだけど、あいにくどうしたらいいか分からない。多分、香辛料と小麦粉の割合なんだろうけど、分からないし。なので、ドライキーマカレーもどきをパン生地で包んで揚げてみるって。パン生地は拙い記憶で再現したふわふわパンね。どちらかと言うと、ルルディ王国のパンはハード系と言うか、フランスパンみたいなのが主。なので、柔らかいパン、ロールパンとか食パンが恋しかった。それを見事にテヘロン大使館のシェフの皆さんが試行錯誤で再現してくれた。これらのパン達は、次のテヘロン大使館のお茶会でデビュー予定。それまでにカレーパンも完成させたいようだけど、生憎アンジェリカ様にお呼ばれしてますからね。

『ウィンティア嬢、次回はいついらしてくれます?』

 スケジュール手帳片手にシェフさんが切実に聞いてくる。かなり、切羽詰まっているのなか? 私に頼ってきてるけど。

『えっと、次の土曜日のお休みは、お呼ばれしてまして。日曜日なら』

 お腹、パンパン。

『お待ちしています』

 帰りにはゴーヤの砂糖まぶしたお菓子をお土産にいただき、送ってもらうことになる。
 
「ティアさん、いつでも来ていいのよ」

「ありがとうございます。げふっ」

 あ、いけない。
 ごめんなさい。
 本日はアサーヴ殿下がいらっしゃらないので、ご挨拶出来なかった。
 なんと、アンジェリカ様のお店、アンジーの懇親会にはスティースュルラ様と一緒に参加されるって。
 テヘロン出身の宝飾品デザイナーとドレスデザイナーが、アンジーでデビューしているそうだ。それからテヘロンの雑貨等も定期的に、アンジー二号店で展示販売している。その関連ね。

「ふふっ、会場で会えるのが楽しみだわ」

 ここでスティースュルラ様が言うのは、私ではない、レオナルド・キーファーだ。私の保留婚約者であるのが、どうやら気になる様子。確かに、スティーシュルラ様には、レオナルド・キーファーとは間のわるいタイミングでしか接していない時期に説明したんだけど。
 だからと言って今は? と、なるけど、ずいぶん周囲が気を使って会えているだけ。
 ま、レオナルド・キーファーは公爵家でマナーをきちんと学んでいるから、ボロは出さないでしょ。私じゃないんだし。それに私がテヘロン大使館に保護されていたから、懇親会でテヘロンの皆さんが私に関わってくる可能性があるのを分かっているだろうしね。
 私はご挨拶して馬車に乗り込んだ。
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